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世界は一度終わっている  作者: 小松ちゃん
第二章世界樹 2節 クラノスはやっぱりD、Fクラス
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第30話 アカネ編2 希樹と洞窟


ムラサキ様に降ろされてから走ってある場所までやって来たアカネ。

ここはアカネの家。


扉を開けて中に入る。

力を貰いに行かないとだけどね。

でも、プニカ様は隣の洞窟にいるのにどうやっていけばいいのってのよね。

本棚に隣の洞窟への行き方書いてある本があるかもだけどね。


……うん、ないわね。


隣の洞窟への行き方はわからないけどプパシカとクラノスに会えばいいみたいだからね。

ムラサキ様が言うには探しに行かないとだね。

ガチャン

扉を開けると目の前には誰かがいた。



「おい、そこでなにをしている。アカネ。」

「あなた様こそこんなところにいらっしゃるとは珍しいんだよね。」

……そこでなにをしているって。

ここ私の家なんだけどね!

だから、あなた様こそここで何してるんだね。


「ほほぅ、お前。一個上がったな。ははは、なるほど。アカネ、お前を殺す!」

「嘘だよね。」はは、マジ死ぬねこれは。

でも、なるほどね。ここにいるのはそれが理由ってことだね。

助けてよね。誰か……。───助けてくれよね、お願いだからね。


パキン!

空間が歪んで丸い窓から女性が現れた。


「あら、誰かと思ったらアカネとクリン(くく)じゃない。」珍しいわ、クリンが外に出るなんて。アカネもだけどよくみたら少し大人になったみたいね。

クリンはなにをたくらんでおるのかしら。

「キャキャ。ここでなにをしている。」「大丈夫アカネ。」


希樹きき姉さん。……。」・・・。



「大丈夫よ。助けを呼ぶことはおかしいことではないわ。あなたは今生きることを噛み締められたわ。甘えてくれて嬉しいわ。アカネ。」

「逃げられる私ね。」

「無理かも。守るだけで私は精一杯よ。そこは申し訳ないわ。でもあなたなら大丈夫よ。アカネ!しっかり役目を果たしなさい!」

役目……。私の役目を……。果たす……。


「キャキャか。二人ともやってやるとするか。」

「クリン、君。うぬぼれないでよ。」



「希樹姉さん、やらないといけないのね。」

「……」はぁ、アカネはこれが良いところなんだけど、不安で動けなくなっちゃうのはいささか大変ね。特に守る方としてわね。


「アカネ、それは私にもわからない。でも、自分を信じられない者に羽根を出す行為なんて無理よ。」

羽化……しないといけないのかね。わからないんだよね。


「わからないなら、羽化について考えない。なぜ羽化するのかをね。わかった。」うわっ!

ふぅー、危ない危ない。

話しながら戦うって余計に疲れるわね。

羽化なんて喜ばしいことじゃないなにを悩む必要があるの。って言いたいところだけどそれはアサナには言っていいわけないわね。

ネネのことがあるから羽化に不安でたまらないのよね。


「アカネ、まだ話したいなら手伝ってくれないかしら。」

「力の使い方がわからないんだよね。」


そう、アカネは力が見えないわけね。

なら余計になんでムラサキ様は閉じ込めて置いたのかしら。……あれっ、おかしいわ。


・・・なるほど、そういうこと。アカネは特殊ってこと。

私も欲しいわ、でもそれだけじゃね。足りないわよ。


「あんたら、クリンも知ってるのになぜカタナスを狙っているの。」

カタナス。ってなんのこと。

「お前に教えて俺になんの得がある。」


「なにもないわ。あなたたちの狙いもわかったからムラサキ様に報告するわ。」

「おい、アカネはどこだ!」

「アカネいたかしら。」ふふふ。

アカネならもうプパシカに会ってるんじゃないかしら。それにしてもムラサキ様知ってて私に頼んだわよね。はぁ、ムラサキ様に後で甘いものでも頼むとしましょう。なにがいいかしら。

うわっ!もう、なんでアカネいないのに攻撃してくるのクリンは。

「はぁー。」パキン!

と円の窓を作る希樹。

「じゃあね、クリン。」「おい待て!」


「くそっ。」もう少しだったのに。キャキャを殺せば少しでもあの人の役に立つはずだったのに。


はぁ、私はなにをやってるんだね。

「申し訳ございません、ムラサキ様。」

クラノスには会えたけどアサナさんとサキさんにもう一度会いたかったわ。




一方、希樹に逃がされたアカネはというと。


丸扉、ってことは人扉ね。

すごいんだよね。希樹姉さん。

でも、ここどこだよね。


「「痛っ!」っす。」進もうとして前に進んで額を当てる二人。

「プパシカ!」「アカネ!」


「なにしているんだよね。プパシカ。」

「アカネの方こそなにをしてるっす!」

距離をとるプパシカ。

「私は……私は……私は逃げたんだね。戦いから逃げだしたんだね。私も力になれたかもしれないのにだね。なにもしなかったのだね。」


「そうなんすね、アカネ。っでいいっすか。クラネラ。」

「クラネラって名前の方が私は好きだね、プパシカ。プパシカはここでなにをしているんだね。」

「クラノスを探しているっす。」

「一緒じゃないってことだね。」

逃げないんだね。プパシカ。近づいてきてくれるとは驚きだね。

「そうっす。」


そっかだね、それにしてもなんでプニカ様に会いに来たのにこの二人はこっちに来たんだね。


「プパシカはプニカ様に会いに来たんだよね。」

「そうっす。でも、クラノスがこっちから血の匂いがすってこっちに来たっす。自分は止めたっすよ。でも、止まらなかったっすから仕方なく自分もこっちに来たっす。」


「そうだったのね、それは災難ね。」

おかしいんだね、それね。

その匂いって結界が外の人間には知らせないようにしてるはずなんだよね。

もし、プパシカが言ったように漏れていたとしても危険な所ってわかってるはずだよね。

なのに入ってくるってどんだけバカなんだね。クラノスってね。


「私もクラノスを探してるんだよね。でも、手がかりがまるでないんだよね。」

「ここってカメラが仕掛けられてるんっすよね。ならどこにいるかわかるんじゃないっすか。」


「そうね。」それができたらあんたと額をぶつけるなんてまねしないんだね。


「私は事情があってそういうのに全く詳しくないんだね。」ひきこもっていたからだけどね。


「どこか行きそうな場所とかわからないんだね。プパシカ。」

「無理っすよ、初対面で会ってからそんなに時間たってないんすから。」

そっかだね、打つ手なしだね、どうしようかだね。



・・・



罠のない場所を進んでいったのね。……そして。

「……何なのね、あれはね。」

「え、アカネでもわからないんすか。」


ガアアア。

ガアア。

ガアアガアア。


あんなの見たことないからね。

本当になんなのねぇ、あれは一体ね。


「……今ピカッて目が光ったね。こっち見たらね。」

「だからどうしたんすか。」

そんなの決まってるだろうね。

「「「ガアアアアアア!」」」

「うわぁー。」

やっぱりこっちにやって来たんだね!

「「あ!」」

「ムラサキ様。なぜここにいらっしゃるのですか。」

「ムラサキ様!アカネさんムラサキ様と言ったすよね。」


「ん、ここでなにをしておるのじゃプパシカ。クリス……。」


「あーあーバレちまったなぁ!」

「「「ガアアア!ガアアア!」」」


「クリス、ここに来たみたいじゃがお主がおるということはここはもう……そういうことじゃな。」

「はいっす。僕はそれを伝えるために来ました。」

「どういうことね。」

「……ここは避難所なのじゃ。」


避難所……。なんのための避難所ね。


「ここは……。」

「ここはっすね。」

バン!

「お前に言う資格はない。」

ガアアと言っていたゾンビのような一人がプパシカの頬を叩きそう言った。


「なんじゃお主。もうよいかのぅ、変な芝居しおってのぅ。疲れるのじゃ。」

「……どういうことね。ネネ。」


「そういうことじゃ。ネネはのぅ、今を生きる力にするためにのぅ、人を守るためにのぅ。アカネをプニカを助ける手段を探すために力を過剰に使ったのじゃ。じゃから、知っての通り暴走気味だったのじゃ。それを救ったのは面白いことじゃがお主じゃアカネ。」

え、私。


「ムラサキ様。もういいですか。」

「そうじゃのぅ、すまなかったのぅ。

おい、クリス!その理性を失わせた者共を元に戻すのじゃ。」

「…………あ、……はいっす、わかったっす。」

そして、おかしくなっていた人達は元に戻ったみたいね。


プパシカの提案で「私│アカネ」の部屋に私とネネだけで話すことになったのね。

野暮だからってムラサキ様達は外に出ていった。


「それで、どういうことね。ネネ。」


「ここは避難所ってムラサキ様が言ってたわよね。なぜだと思う。」


ここは、私たちのための避難所なのね。

ここは、なにかを隠すための場所だったりするんじゃないのね。


「私たちが迫害されないためと秘宝を隠すため。」


「そうよ。」微笑むと涙が出てくるね。もう嫌ね。早く言いなさいよね。


「……アカネはそういう風に思うんだね。間違ってない。ここは、迫害されないためと隠すための場所。この二つで合ってます。でも、秘宝じゃない。見なかったアカネ。」


「大木ね。」


「そう、ここは大木を守るためにある洞窟なの。 」


「でも、なんで私たちだったの。」

他の人達がやればいいんじゃないのね。

「それは、ムラサキ様の影響と私たちの種族名が理由よ。」


「フラワーム、洞窟に住むにはうってつけって言いたいのね。ワームだからね。」

「そういうこと。でも、ムラサキ様のせいって言うのが一番大きいかもね。」


「ムラサキ様がねぇ。」

なんだろうね。この罪悪感。


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