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世界は一度終わっている  作者: 小松ちゃん
第二章世界樹 2節 クラノスはやっぱりD、Fクラス
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第25話クラノス編10 クラノスと希樹姉さんそして0の怪物


弓矢を持った人達がやって来た。

そんな中、 ドコ!壁が崩れ落ちて芋虫が顔をだした…………。


「あ!」

「「「「「ぎゃーー!」」」」」

「お、おい。なに逃げていってるんだ。……。」

芋虫だと思ったら蛇が壁から姿を現した。

「「「「へ、ヘビーーーーーー!」」」」


「ヘビだーー!どうしよう。あー!」

弓矢隊も怖そうだ。

俺もあんな感じなのか……。

落ち着いたら疑問に思えてきたけどなんで蛇ってこんなに怖く思うんだ。


「ヘビだ、ヘビ!」「ヘビだーー!」「怖い。怖い。」「キャーー!」

「どこが怖いんだ。蛇。」

めちゃくちゃ怖いけど。

「噛まれたら殺されるだろが!」

「そうなのか、姉貴はヘビに噛まれたけどピンピンしてるぞ。」


ヘビに噛まれてピンピンしてる……どういうことだ。ヘビは全ての生物を殺すほどの毒を持っているって言ってたんだぞ。

「なにを言っている!蛇に噛まれたら毒で死ぬんだ!」

「そうか、ヤバイな……逃げろーー!」

クラノスは逃げ、弓矢隊も逃げた。


なにしてんのよ。あんたは、はぁ。


「あら、クラノス──。あんたこそ、なにしてるのこんなとこで。」

「怖くて腰抜けたんだよ!」ウワーーん。ウワーーン。

泣いてるわね、ちょっとかわいい。


「大丈夫かのぅ……大丈夫かのぅ。クラノス。」

いや、いや、希樹姉さん。笑ってるの見えてるから。「ヘビになって出てくるってなにしてんだよ。希樹姉。怖いだろうが!」

まぁ、かわいいわ。こんなに弟がかわいいなんて思うって私も感情あったのね。

「ふふふ。」


忘れてた。けど、感情っていいものね本当に。もう、ダメなのかしら。私たち。

なんて感傷に浸ってると弟が死にそうね。ふふ。

「クラノス、ごめんなさいね。言うの遅れちゃったわ。」

「なにを。」「ごめんなさいねクラノス」

「……姉さん、助けて、くれた。うれしい。」

「そっか。そっか。」ふふふ。


「あのー、希樹さん、俺たち帰ってもいいですか。」

あんたたち、あんたたちね!

「あんたたちね、状況をよく見て声かけなさいよ!」

弓矢隊の隊員五人をアッパーした希樹姉さん。


唖然した。希樹姉さんが怒ってる珍しいな。でも、「ぷ、ハハハ。ハハハ。ハ、ハ ハ……。」

「D、クラス、ちゃーん。」

クラノスもアッパーを食らった。

哀れみの顔で見られながら。


「姉さん、弓矢隊とどういう関係なの。」

「こういう関係。」いやいや、わかんないから。指で交互にされても。

でも、部下みたいな関係ってことは何となくわかった。……わかっちゃった。


「それで、もういいですか。希樹さん。」

「言いわけないでしょ、あんたたち。

一緒にいくのよ。それとなんで弓矢しかいないのよ。剣士か盾とかいなかったの。」

「見ていただいたらおわかりの通り剣士にも盾役にもなれます。希樹さん。」

「どういうこと、希樹姉さん。」


理解したくないわ私も。

「……理解したくないわ。

人数が足りないんじゃないのって言う問に我々だけで十分ですっていったのよ。この人たちはね。」

でも、大丈夫って言うならいいわね。

「あのー。」「……あんただれ。」

「キャットです。」「あっそう。」そんな名前だったのね。忘れたわ。


大変そうだな……。「0000。」

「ヤバイのがいます。希樹さん。」

「なら、何とかしなさいよ。」

そうだな、そのためにいるんだろううから。


ん、今思ったけどどこから来たんだ。ムラサキ様はどこへ行ったのだ。

「0000」

「ギャー」

「0000」

「ギャー!」

「0000」

「ギャー!ギャーギャー!」


「0000ギャー!」


「何あれ。」「なんだろうね。」「なにかしら。」「気持ち悪い。」「変なの。」「・・・」

「はぁ。」

「0000ギャー!」「うっさいわよ。」

「0000ギャー!」「あー、もう。ちょっと、マロン!なにしてんのよ!」

「0000ギャー!」マロン……。「キャーーーー!」


(' . ')


「「「「「「え、」」」」」なんで。希樹姉さん。」


樹ドレスで羽根を持つ人。を見て希樹姉さんは潔く悪あがきをせずに逃げ出した。恐怖という一文字のような二文字によって。


後ろ髪ひかれていればあんなことになることがなかったはずなのに……。


「0000ギャー!」その声は勝ち誇った勝者のような叫び声である。


「希樹姉さん……。」なんで逃げた。

後ろ髪を引かれるかのように後ろを何回か見ていかなかったんだ。一回うつむいただけなんだ。



「あーあ、やっぱりこうなった。君たち、立っていられるとは思わないことだ。」


それは目にもとまらない速さで弓矢隊の一人の女性の前に現れ、見つめて二度まばたきすると脇腹を殴った。そして、弓矢隊全員が壁を突き破った。


俺はその事象を理解できなかった。

今、目の前にいるこいつがなにものなのか、なにをしたのがわからなかった。

「ふー、ふー。ギミは、僕を知らないみたいだから、ここでなにかすること。は、しない。でも、ギミが先頭行為をする素振りを見せたら息をする事をギミは忘れるから。」

はい!逃げます!


逃げ出したクラノス。弓矢隊が気になり、振り返りながら、しかし振り返っても誰もいない。それもそうだ。弓矢隊の人たちは隣の通路におり姿が見えるわけがない。


戦力にならない弓矢隊に止めを刺すべくなのか、クラノスを追って来なかった。


このままいけばあの弓矢隊の人たちは死んでしまうかもしれない。でも、死なないかもしれない。


・・・

かもしれない。

そんな曖昧なものを今まで信じてきたか。

信じてきたところはあるか……。

でも、そんな簡単に人が死ぬだろう道を選ぶのが俺じゃないはずだ。


そして、クラノスは生きられる道よりも人を助ける道を選んだ。


クラノスは反転し悪魔のような存在(怪物)を倒すべくそいつが壊した壁の前に向かって行った。


クラノスは絶対に生きられる道を反転したのだ。



・・・



悪魔のような存在(怪物)を倒すべくそいつが壊した壁の前にやって来てきた。



クラノスが見たのは弓矢隊の人たちを食べる怪物の姿だった。


右から三番目には空だった。身が飛び肉片があるだけだった。


そして、左から二番目の人間を食べているその化け物。


怪物の行動を観察しその一部始終を見たクラノス。五人いた弓矢隊ももう二人しかいない。


クラノスは一人、ムシャムシャと食べられる姿を見ているだけだった。悲鳴をあげずにいたその人は最後、助けてやってくれと言った。


その言葉に目が覚めたクラノス。

クラノスはなぜかあった刀を鞘から取り出し一振りした。


怪物の背にあたり、一閃の光が見えると傷は治っていった。


そんなことを見ていたクラノスだったが、怪物は次の獲物に集中していてクラノスのことなど眼中のはなかった。

ふざけるなよ!貴様。姉さんも、お前も、「クッソーー!ふざけんじゃねぇーー!」

炎を発しながら刀は怪物の右肩から左の脇腹に向けて傷を付けた。


そして、ボン!

爆発が発生しその勢いで怪物は壁にもう一つ穴を開けた。


クラノスは人型にすっぽりとはまった。


「0000ギャーー!ギザマーー!」


「やっとしゃべりやがったな怪物が!」

「やめてクラノス。その子は、自分を抑えられてないだけなのよ。」

「……だから、どうした。それで人を食う道理はないはずだ。ここがどういうところだとしても。」


「そうだが、やめてやってくれ。頼む。」


「うっせぇ!おまえらにもこいつの叫びが聞こえるならなんで潔く捕まったんだよ!」


「仕方ないじゃないか!あんなの聞いたら固まっちまったんだよ!」

「はぁー。なら口答えすんじゃねぇよおまえら!」

ドスの効いた声でクラノスは訴えた。


「ごめんなさいね、クラノスさん。私たち、その子がどんな子だったか知ってるのよ。

だから……。」「うるさい!」


「おえだってわかってんだよ!でも、人を殺すのは望んでないはずだからこうしてんだ!わかったなら気力をふり絞って逃げろよなおまえら!」


「ごめんなさいねクラノスさん、そうはいかないのよ。」

そう言って怪物の前に立った。

「ネネちゃん。私はここよ。早く私にあなたの力にならさせて。」

怪物は弓矢隊の一人しかいない女性のその人を掴みとろうとした。その手を斬ろうとクラノスは女性の脇を抜け怪物に一直線に進み手首を斬った。


キーン


キーンと洞窟内に金属音が響いた。


「なんのつもりだよ。希樹姉!」

「見てわかるでしょ。クラノス」


くそ。クソクソーー。


ーーーーーー


希樹姉さんが逃げたのは『逃げて』と聞こえたから反射的に逃げたのだ。誰かを助けることなどせずに。


希樹は怪物に向かい合うことせずただ逃げた。希樹なら倒せたかもしれない相手だったのに。

怪物と向かい合うことをしなかったことの正当化するために恐怖したのだ。

希樹は自分がこの子を殺すことを恐怖した。

なぜなら───。


ふと気づいたことがあり、振り返った時にはもう手遅れだった。

クラノスが立ち向かい吹き飛ばした怪物は希樹に助けを求める声を出した。


『助けてお母さん。』


「ふざけんなよこの怪物が!」

「あんたもね、クラノス。」

キーンと金属がぶつかる音が洞窟内に響いた。


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