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世界は一度終わっている  作者: 小松ちゃん
第二章世界樹 2節 クラノスはやっぱりD、Fクラス
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第22話 アカネ編1 大木とムラサキに相談


「うー、嘘よね嘘。そうよね。あれは嘘よね。」

「まだそんなことをいっているのかい。」

「なんなのね!あんたに私の何がわかるって言うね!」


「うんそうさ。君の気持ちはわからない。しかしだよ、その部屋をそんな有り様にしたのは誰だい。君だよね。」

わたしがやったわね。この部屋にある机や椅子が壊されて粉々になってるのは全て私がやったことね。


「その部屋を見ればわかる通り君はそれに悩んでいるんでしょ。しかも君はただ悩んでいるんじゃない。恐怖、その力を恐れているんでしょ。良いの、そんな力があるんだよ。」


だからなによね。こんなちから要らないからね。


ふっ、そうかもしれない。

「その力は非常。常識はずれの強力な(パワー)そう思ってるんでしょ。」

「ええそうね!だからこんな力は要らないね!」

「ふっ、そうかい。しかしだよ、その力は一生君の側を離れないよ。そうなればその力は君を蝕み苦しめるんじゃないかい。そう思わないかい。」


そんなことわかってるわよ。だからもう、だからもう、これしかないじゃない。

「死ぬつもりならまだやめなさい!」

「あんたみたいなのになにがわかるのよね!」

「ふっおいおい、君は僕のなにを見てその部屋にいるのか忘れたのかい。」


どういうことよ。

「あなたが巨大な木ってことね。それがなによね。」


はぁ、それをみて我が言いたいことがわからんとは。

「良いかい、君の死にたいという思いはただの我が儘(わがまま)であって、ただの無知による、しょうもないことなんだよ。君は否定するかもしれないけどね。」


ええ、そうね。我が儘、無知そんなわけないじゃないよね。

「ええ、そうね。そんなわけないじゃないよね。それで言いたいことはそれだけなのね!」


「ううん、まだあるよ。君のその凶暴性は皆がいやすまん、違うの。お前の凶暴性はお前の種族の第一段階みたいなものじゃ。だから皆が通る道じゃ。」


皆が、で最初から言い直さなくてもよかったと思うのよね。

皆……が……通る道……ね。

「そうなのだね。本当に、本当に……誰かに聞けば……いいんだね。」

そんなことでなおるのこれ。


「もしそれが消えると思うなら少し違うのじゃ。先も言った通りそれは第一段階なのじゃ。」


? どういうこと。


「その凶暴性を受け入れなければならんのじゃ。」それが大変なのじゃ頑張るんじゃぞ。



バキバキ……。



「ちょっと!なにすんのね!」


アカネは根っこによって芋虫状に縛られ引きずられて行く。


そして、小屋の前で根は離れ戻っていった。

「なになのよね。あの木はね。」


『ちゃんと聞くのじゃぞ。』わかってるわよ。もう……。

ガチャ。小屋の扉が開いた。


……なんでここにくるのよ。


ーー

「パッカン。パッ!パカッ!パカカッ!」

「ん、ああ、ビバナム族か。プパシカとアカネだったらもう行ったぞ。」


「パカカパカ。」

「パカカ」

ーー


アカネが開いた扉の先にはムラサキ様がいた。

「アカネじゃないかのぅ、出てきたのじゃな。」

「うん、こんなに怖いこと皆やってたのね。」

「そうじゃ、アカネ以外の皆、そういう思いをしたのじゃ。」

「そうだったのね、これ本当に自分の力にできるのね。ムラサキ様。」

「あたり前じゃ!それはお主の思いそのものじゃ。まずは受け止めよ。お主の戦う本能をのぅ。」

定められたその戦いのために。

「戦いね、戦いは楽しいって思いをってことなのね。ううん、なんでもないのね。」

「お主は楽しいのじゃな。そうかなのじゃ。お主以外にここに来たものはじゃ。悲しい、苦しい、怖い。それだけだったのじゃ。楽しいじゃな、珍しいものじゃ。」

「なら、もう一つ段階は上がってるのじゃ。なら後二つじゃ。」

二つ。


「1はじゃ、自由に戦士状態になれることじゃ。」

トゲを放つ状態に変身するアカネ。

「なれるようじゃのぅ。二つ目はじゃ、その姿に効果をつけることじゃ。」

効果って炎を纏ったりできるかってことよね。

ならこんな感じかななのね。


「それもできるみたいじゃのぅ。なにに悩んでおるのじゃ」


「羽化……ね。それが怖いのよね。」

「なるほどのぅ。羽化じゃな。羽化するにはこれじゃ。」

本。フラワームについて。

「この本読んだことありますからね。ムラサキ様。」


「わかるじゃろ、羽化の仕方ならのぅ。」

「……。同族を食べるってことよね。」

「そうじゃ。」……なるほどのぅ、それが怖いじゃな。あやつのようになるのではないかとのぅ。


「ネネに成りたくはないからってことじゃな。」

「ネネ、そうに決まってるよね。」

「そっかなのじゃ。お主もわかるんじゃな。あれがどういう姿なのかわかるんじゃな。」

「そうね、あれが二つ目の状態でしょうね。」

「そうじゃ。」


「羽化の二つ目の状態ね。」

「ん、なにをいっておるのじゃ。」

「え、違うのね。」

「違うのじゃ違うのじゃ、あれは羽化の前の繭の二つ目の状態じゃ。」

え、繭。

「えーー!繭ねーー!」

「そうじゃ。」

「あんなに動いているのに繭なのね。」

「そうじゃ。」「意識は意識はちゃんとあるのね。」「そこが問題なのじゃ。」


「繭になるとほとんど眠っていると思われるがのぅ、餌が足りないとなんでもいいからと蓄えを欲するのじゃ。つまりなんでも食いたいのじゃ。」

「嘘よね。」

「しかも、あやつは後二年ほどあの姿じゃ。あやつが欲する量はたぶんじゃがそれぐらいじゃ。ああなる前に準備をせず、繭には行った瞬間にああなったからのぅ。」


「なんでね、ネネが繭を作ることになったのね。」

「それは簡単じゃ。」

「ネネは慕われており王になる器だったからじゃ。」

「でも……ネネは……ね。」

「そうじゃ、血族ではないのじゃ。だからじゃ、そういう可能性もあるのじゃ。」

「じゃから、主には羽化してほしいのじゃ。時が来たからのぅ。」

「クラノスが来たからってことですよね。」

「違うのじゃ、クラノスではないのじゃ。ではあるが違うのじゃ。終わりが近いのじゃ。じゃからなのじゃ。」


「終わりが近いね……。」

しまったのじゃ。つい口が滑ったのじゃ。


「決めるのはアカネじゃ。ゆっくりと言いたいのじゃが今はそうゆっくりもできないのじゃ。明後日になるまでには決めるのじゃ。失敗したらただの人殺しだからのぅ。」

直せるがのぅ。このムラサキなら。


……どうすればいいかな。


最後に決めるのはアカネ。

でも、選択を間違えて正してくれるのはアカネ自身だけじゃない。私もいるしここにいる皆。そして……。


「条件を飲んでくれるなら羽化をするね。ムラサキ様。」

「条件って。なんじゃ。」


「ネネをね、今まで凶暴化してた人物をそれが続けられるようにしてね、もとの姿に戻れるようにしてよね。それが条件ね。」


難しい条件じゃが。戦力は多いに越したことじゃないのじゃ。

「いいのじゃ。それはいいのじゃからやるのじゃ。」


「でもどうやってね。」

「羽化の方法じゃな。」

「まずはご飯を大量に食べるのじゃ。そのためにもプニカに会うことじゃ。」

「プニカ様。大丈夫なのね。」

「大丈夫なはずじゃ。」

そうなんだ。クラノスとか食事のために入れられたと思ってけどね。


「プニカってどこにいるのね。」

「プニカはじゃのぅ……。」


まさか隣にいるのじゃなんて言わないよね。


「プニカなら隣におるのじゃ。」

「嘘よね。」

「わしもそう思いたいのじゃが本当なのじゃ。」

今日もモニターに映し出される光景でも眺めておるのじゃろうのぅ。はぁ。


「そうなのね、ならね隣にいくための扉開けてくれないかしらね。」

「そうしなければ本当にいけないかのぅ。」

「なにを言ってるのね。なら夜に隣に行きなさいっていうのね。ムラサキ様は。」

それもそうなのじゃが、いろいろと懸念がのぅ。

「そうなのじゃが……なんというかじゃ。すまないのじゃ。」


はぁ、夜まで待っていくのね。大丈夫かしらね。怖いから行きたくないのよね。外には。


「わかったからね、行ってくるからね。」

「頼む、死なないでくれ。」

わかってるのね。

「努力するからね。期待はあんまりしないでよね。」

「そうじゃの、アカネ……本当にすまないのじゃ。」


「バイバイね、ムラサキ様。」

幸運を祈るのじゃ。しかし、手をうたんといかんのじゃ。まずは……。




外に出ないといけないのね。

あいつらに会わなければいいけど。


はぁ、それにしてもなんであんなにわたしを追っていたんだかね。タスンはね。



「「あ!」」

「アカネ!おまえ大丈夫か。」

「大丈夫だからね、ここでなにをしているのよねクリン。」


「あなたが心配だからです。」

嘘ね、目が泳いでるからバレバレだね。

っていうかムラサキ様の部屋の前にいるってことは……。


「それで、心配ってなにがなんだね。」

まぁ、わかってるんだけどね、どうせわたしがネネと同じになるって考えてるんでしょ。あんたらタスンはね。


でもね、あなた達の真の目的はそういう奴を大量に作ることよね、世界をその手に掴むためにね。


あれってね、ここで疑問が生まれるのよね。

なんでムラサキ様は……。[この洞窟を根城にしているのか。]ね。

「ァカネ。アカネ!」

「なにね。うるさいわね。」

心配だから怒鳴るなんてねクリン。

心配しすぎじゃないね。


「アカネ!逃げてなのじゃ!」

「えっ!」

ガキン!


危なかった……ね。ムラサキ様に逃がしてもらわなかったら死んでたね。食う気満々ね。怖いわね。


ムラサキ様って飛べたのね。


「空飛べたのですね。ムラサキ様。」

「ふんっそんなことをいってる暇があると思うかの危なかったのじゃ。アカネ。」

160ぐらいのムラサキ様は145㎝になってコウモリみたいな羽を付けて飛んでる。私もこうなるのかな……。


「ごめんなさいね。こっちに集中しないとね。」


「まずは、さっき言った通りするのじゃ。」

「でもこの状況なら無理ね。」

「そうじゃの。しかしじゃ、アカネ。

一緒には行けないのじゃ。クラノスとプパシカに会うのじゃ。頼んだのじゃアカネ!」


「キャ!」

降ろすんだねムラサキ様。


ムラサキ様……。と上を見ながら言うアカネ。


なにか言ってガッズポーズするムラサキ様。

聞こえなかったね、最後の言葉ね。頑張るのじゃよね。

私達がこの洞窟から出たら死んじゃうのね。それを阻止するにはプニカ様に頼んで力を、羽化を身に付けてないといけない。


アカネは間に合うか、クラノスが……。


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