第21話 クラノス編6 クラネラ?
「はーい。」
叩かれても鼻の下を伸ばしてるっすクラノス。
変態っす。
今クラネラは幼女になっているこっちの方が歩きやすいとかなんだそうっす。
なぜ姿や服を変えられるっすか。よくわかんないっす。わかりたくないっす。
疑問に思ったっすから聞いてみたっす。
これがないと食べ物が食べずらいそうっす。
食べ物……そうっすね。なら服も姿を変えれるっすよ。裸じゃよってこないっすからね。怖くて罠があるんじゃないかって思うっすよ。場所と夜か昼で変わるっすけど。
足音が聞こえたためその方向に目をやると…………。
理解したくないことが一瞬目に写った。
クラノスをいじめていた一番強そうなムキムキだった大柄の男を持ったそんなに強そうじゃない男が引きずりながら歩いている。
「アカネーー!早く出てこーーい!帰るぞーー!」
おいおい、マジすか。これはもうダメっす。すいませんす。クラネラ。
「入ってきたら叩ききる。」
「なにいってんのね。クラノスさん。そんなの成功しないのね。」
「ならここで殺されるか。」
「それは……。」
クラノスのいう通りみたいっす。もうヤバイっす。回りをパソコンごしに見たら囲まれてうじゃないっすか。
「おい、ブパシカ。見すぎるなばれるぞ。」
「悪いっす。」
「何体いたかわかったか。」
「七。」
「もっといただろ。」
「パソコン一台では七……いや八人っす。パソコン一台では七人しかわからなかったすけど。
アカネ。ってクラネラを呼んでるやつがいるっす。それが一番強いっす。」
「違う、違う。」 違う違う違う違う違う違う違う
一番強いのはネネ……様。
「違うみたいだ。でも、だぞ。言ってるやつも怖いぞ。」「確かにっす。」
「囲まれているみたいだが、ちょっと多い。23は多い。」「やらないっすか。」
「二人でクラネラを守って23人相手にか。勝てるわけねぇよ。」
「ならどうすんすか。」
ふっ。言って欲しいこと言ってくれる。嬉しい。アサナだったらそ、じゃあ突撃するからこれよりいいの見つけなよクラノス。って言われそうだ。
「笑えるね。二人ともね。」
死にたいなんて。
「死ぬ……か。いやだ。」
「いやっす。」
「でも、もうやられるだけなら覚悟を決める。
やられる覚悟をな。それとやる覚悟を。」
笑うクラノス。
「なに言ってんすか。」
「そんなのいやだからね。」
「ここにこんなものがあったぞ。覚悟決めろ。やるぞ!」
「ん。そ、それは、ショットガンっす。」
なんでここにあるんすか。
「よし、殺しましょうね。皆殺しがいいですね。」
ノッリノリだな、クラネラ。
さっきまでの死ぬに決まってるー、って諦めだったのにな。
「よしっす。クラネラもやる気になったっす。三秒で行くっすよ。」
「おう。」「はい。」
「3、2、1。」
「おりゃ!おりゃ!」
バタン!
クラノスなにしてんすか。死にたかったんすか。一人で全員倒せるわけないじゃないっすか。
出たくても出れないっす。
「これはやられたわね。クラノスさんに。」
「そうみたいっすね。カッコつけちゃって。死にたいんっすかね。」
クラノスをいじめていたリーダー格を持った男を投げてきたアカネといっていた人を。
その人は小屋の扉に座って動かない。
「どうすんすか。クラネラ。」
「どうもしたくないに決まってるよね。」
それもそうっすね。クラネラはやる気ゼロっすし。
それにしても、音がしないっすね。
「アカネー!こいつを殺されたくなかったらさっさと出てこい!」
「クラノス、なぜそっちについたんすか。しかも強そうなやつを片付けてんじゃないすか。」
「え!なにをいってんね。あり得ないからね。」
「「そうです、アカネ様。野蛮な人間と一緒にいてはなりません。」」
野蛮な人間と一緒に企んでたにはどっちですかね。
「野蛮っすか。へー。」
「人間は野蛮なやつですかね。」
「野蛮なのはあいつらも一緒じゃないんすか。」
「そうね。」野蛮ね、それどころか凶悪な一団だからね。
「でもクラノスいないんすよ。」
「なにいってるかわからないからね。あれを見てもクラノスさんがいないって言うのね。」
どうみてもクラノスがいるよね。いないわけないよね。
「いないっす。よく見てくださいっす。」
「よく見たからね。」
「おしりの辺りっす。変な膨らみないっすか。あと頭もないっすか。」
「確かにね。あるね。膨らみがあるね。」
「鏡、これっす。」
鏡じゃなくてもモニターで十分っすけど。
「よくあったね。」
「ここにあったっす。」
机の引き出しにあったっす。
ここに名刺があった。
あんたの名前だと思うアカネっていう。
「これは君のっすよね。クラネラ。」
「そうね、アカネ。でもなんであんなとこに扉があるか聞きたいね。」
「本当っす。なんなんすかあの扉。……ってアカネ。話をそらさないでっす。興味がでるようなことを言って話をそらさないでっす。」
「はぁ、いい案だと思ったのに。」
「それより、どうしするっすか。」
「どうしようかね、クラノスもいないし武器になるものもないしね。」
「諦めて帰ってこい!おいアカネ!」
「呼ばれてるっすよ。」
「うっさいわね、あなたもクラノスもそしてあいつも……。」
ガバッ。ガシュッ。
アカネは顔をワームにしてブパシカを食おうとした。
しかし、近くのパソコンを食べるに終わった。
「外しましたか。いいでしょうもう一度やって当てればいいだけだからね。」
「クラネラ、クラネラ、どうしたんすか。クラネラ!」
「まずい!皆のものやれ!」
「「は!」」
申し訳ありません。アカネさん。
ガバッと一斉に顔をワームに変えてアカネに襲いかかる。
アカネは強すぎた……。
三人がアカネに右左の斜め前からそして後ろから一気に襲いかかる。
それをただ右に飛び後ろから来た者に回し蹴りで背中を押す。
そして三人は頭突きし合い、その痛みでの一瞬の緩みで三人後ろに一歩下がったが後ろに下がるが滑ってこけてしまった。
そこにはパソコンのガラスに頭があたりはまって頭が取れなくなってしまっている。
そこを足払いするアカネ。
そこまでしなくいいと思うっす。
顎蹴られて、背中蹴られて、ただ後ろに引っ張られて、背負い投げされたりと意外と呆気なくやられていってるっすフラワームの人たち。
飛び上がるアカネ。
「アカネさん。」
会釈して洞窟の天井を使って去っていったっす。なんでとどかないんすか。三メートルほどしかないっすよ。
「アカネは今別人格になってるのである。いつもは優しく、そして怯えていてかわいそうな子なのである。あの子は今苦しんでいるのである。それは、お前たちのせいだ!お前たちのせいだ~!」
「う、うわーー!」
逃げないとっす。逃げるっす。
ここまで来れば大丈夫っす。どうやって外にでたのか覚えてないっすけど外っす。
大きい木がっす百メートルはありそうっす。
ん?あれ今顔があったのような気がするっす。
気のせいっす。
そうっす。気のせいっすよ。気のせいっす……。
でも、確認は大事っす。
上を見上げる…………あるっす。
顔があるっす。
あ、目があったっす。
「うん?君は迷子かね。」
「え、はい迷子っす。というかここはなんていう洞窟っすか。」
「さぁ、わからないな。ここはいろいろな洞窟と繋がっているからねぇ。でも大きく分類すると二つの洞窟と……ん?……うん、二つの洞窟と繋がっている。ひとつは、下層。二つ目はなんだったか、クレス林にある洞窟と繋がっているらしいがなんという洞窟だったか忘れてしまった。すまない。」
「いえ、ここがどこだかはわかんないっすけどなんと洞窟に入ってしまったかはよくわかりましたっす。」
どう考えても下層部に繋がる方の洞窟に入ったのは確かだと思ったんすけど……。違ったみたいっす。石がある方じゃない方を……いやっす。危険と書いてある石がある方の洞穴、洞窟に入ったっす。
はぁ。どうするっすか。
「あの……あなたは名前あるんですか。」
「……名前かい。名前はドラナゴという。母上がドラゴンが好きでな、そう名付けてくれた。今ではここまで成長してこの名がしっくりくるきがするが小さかった頃は悩んだものだ。おっとすまない。話し相手なんてなかなか来ないのだ。たまに話をしに来てくれない。」
「それは無理っす。どうやってきたかわからないところをもう一度こいって言われても無理っす。」
「そうか。悲しい。ならずっとここにいるのだ。そうだ、それがいい。」
えっと、ドラナゴさん。それはやりすぎでは、あれよくみると白骨が数多くあるっす。
ここはヤバイみたいっす。死が迫ってくるなんてものじゃないっす。死にそうでもないっす。
死ぬっす。いや、死んだっす。
「……なんで木の中に家があるんすか。」
「そりゃここを家として使った方が金が貯まるし欲しいものがあったら買えるだろう。」
「金取るんすか。なら帰りますっす。走り疲れてるっすけど水が飲みたいっすけど帰るっす。」
帰り方がわからないけど帰るっす。頑張るっす。
「大丈夫、金はとらないから一回だけ。」
一回どこまでの一回。寝るだけ、飲むだけ、食べるだけ、体を洗うだけ、くつろぐだけ。
なにまでの一回。
「今日1日ただだから好きにしていなさい。では、失礼するよ。あ、そうだ忘れていた。炎を使うときは専用の部屋以外で使わないように。後、事前に使うと言うように。よろしく。」
そういって消えてしまったっす。なんすかあんた。
まぁ、この木の精霊というものでしょうっすけど。木の体に顔がうっすらあるっす。
トレントと呼ばれる種族の者っすか。
もういないっすから聞けないっすけど。
くつろいでいいって言われても、どうくつろげばいいんすか。飲み物もなにもないっす。机と椅子とベットがあるし、部屋広いっすからくつろげるっすけど。
喉が乾いたっす。それをなんとかしたいっす。
トイレと風呂ってどこにあるっすか。
「水飲みたいっす。」くつろぎたいわけじゃないっす。
「そうだったか。」
机からボコッ。っとコップが現れたっす。怖いっす。
でも、水が入っているっす。
でも……これを飲めっていうんっすか。
飲みたくないっす。
「すみませんがこれで失礼するっす。」
ボコン!扉が消えたっす。
「ごめんねー、もう少しいてもいいんじゃない。」
「いやっす。帰るっす。」
「もう少しって思ったけどまぁいいか。バイバイまたー。」
「去らばっす。大木。」
「・・・」
外に出れたっす。また籠るのはごめんっす。
……って外にはまだまだ出れないんだったっす!
『そうだよ、頑張って。』
とぼとぼと洞窟に戻っていくプパシカ。