第13話 サカイルとパラレ編③ カルディオス王国とキリル様
時間は遡り、
カルディオス城がまだご存在したとき。
サカイルことルディエルとパラレはある場所からこの場所にやって来た。
車でカルディオス城に到着した二人。
検問は招待状をみせるとすぐに通してくれた。
ドレスアップをしている二人は早速城の中に入る。
「武器はお持ちですか。お持ちであれば、こちらで預からせていただきます。」
「本当に渡さないとダメなのか。」
「早く渡してくださいね。サカイル大佐。」
「本当に大丈夫なんだな。」
「はい、私たちを信じてください。」
信じろか、殺される心配は減らす行為なんだから聞かないとか。
「わかった。」
受付の人に銃とサバイバルナイフを渡した。
晩餐会の会場は第三会議室と受付の人は言ったが知らないと答えると
執事服をきた青年が案内してくれた。
晩餐会の会場に到着した。
晩餐会には……あいつがやって来た。
「あ、ちょっと待ってね。案内人さん。」
「なぜでしょう。」
「あそこでガツガツ食べたり飲んだりしてる人はなぜここにいらっしゃるのですか。」
「え、あの方はペルマム王国の人ですのでパラレ様とサカイル様のお連れさままではないのですか。」
違います。違うのね。
って言いたかったのになんでいいタイミングで話しかけてくるのね。
「二人とも久しぶりだね。っていっても昨日の夜に君たちにあったのだがな。」
そうでしたのね。この人昨日、私たちがサキ様の護衛をしますので大丈夫ですからねっていったのに20回もきたのね。
「パラレ・ナタレ中尉ですのね。こちらは…。」
「サカイル・ルディ大佐と申します。以後お見知りおきを。」
「知ってると思うけど、クラノスです。知らないなんて言わないでよ。友達でしょ。」
友達じゃなくてただの上司。
サキ様のなぜか側近の人なのね。
「そうでしたか。同じペルマム王国の方とお聞きしましたがクラノスという方はご存じありません。クラスという方は知っていますが。」
クラスさんね。それならしってるのね。
「案内していただきありがとうございました。」
「はい、では私はこれで。」
と言って紳士服を着た人は受付の方に去っていった。
パン!パン!
と二回手を叩いた人がいた。
格好からしてこの国のメイドか執事だろうな。
皆様、お集まりいただきありがとうございます。
この国で取れた作物や海の幸を使ったこの国一番のシェフが作った特性料理です。
ですので皆様、今日は楽しんでいってください。
それではグラスを掲げてください。
全員持ちましたか。では、乾杯。
と晩餐会が始まった。
「それにしても、平和だ。」
「そうですね。サカイル様。一騒動あると思ってましたのね。」
そういえば、トロピウル様とペルマム王国の者が見えませんなとどこかの国の貴族の一人が会場中にいる人に聞こえるように言った。
「おい、なに大声で言ってんだよ。」
「はぁ、トロピウル様を拝めたくて来たらいねぇし、ペルマム王国のやつを軽く叩こうかと思ったらいないしでよ。早く帰りてぇんだよ。」
「だからなに大声で言っちゃいけないこと言ってんだよ。」
「本当だろ。」
「本当じゃねぇよ。」という言葉から言った人の同国の者がこの晩餐会ではあるが少し早い夕方の晩餐会の説明を始めた。
まず最初に言うけどなこの晩餐会な。この国、カルディオス王国じゃなくて隣国、ソリタゴ聖王国が開くはずだったんだ。そのことは一年は前から決まっていたがな。
それなのにだ。急用ができたから無理だってソリタゴ聖王国が言ってきたからどこで開こうという話になったんだ。
ペルマム王国とカルディオス王国、そしてロダラン荘興国などで鳥が渡された。
そこは手紙って言えよ。
と全員思ったけど流した。こいつらはほっとこうと思っていたからだ。
そしてだ。これがすごいんだが、トロピウル様がここ、カルディオス王国で晩餐会をやろうと言ったのだ。
その当の本人がいないことを言ってるのだが。大丈夫かこいつ。
周りからすればこいつら、会場を出ろよ。いや、出て話してと思っていたがあえて言わなかった。
もしかしたら欲しい情報があるかもしれないから。
しかし、その日つまりは今日はペルマム王国の方々の所に相談に行くことが決まっていたのだ。近況報告もあるそうだ。
で、なんだよ。そこからが重要だぞ。
「それで、なぜカルディオス王国で晩餐会が開かれることになったんだ。」
「さあな。知らん。」
・・・。おい!
そこからが重要だろうが。
「私が付け足していただきますがよろしいでしょうか。」
「そうしてはくれないか。よろしく頼む。」
「わかりました。」
とカルディオス王国の執事は言うとカルディオス王国で晩餐会を開くことにした理由を話した。というより本当に付け足しだった。
「娘か息子を養子としていれようと思っているとトロピウル様はおっしゃっておりました。」
「・・・」国王を見つめる。
オッホン。ゴホゴホ、ゴホゴホ。
「養子ではなくな、息子の嫁をそろそろ……という意図があったのだ。」
あー。なるほど。
「あの、クラノスどの。」
「なんでしょうか。キリル様。」
「ある人を見ると心臓が捕まれて動けなくなるのだがこれは病気か。」
「いえ、キリル様。病気ではありません。物によっては病気ですが人であれば基本的には大丈夫ですよ。キリル様。」
「あそこにおられるかたです。」
と指を指す。キリル様という名の王子。
「サカイルさん。これ美味しいですね。」
どうしたんですね、ここに…いる…人、達…は。
「あのお皿に山盛りに積み上げてる彼女ですか。」
「そうだ。」
そうですか…キリル様。って、俺はなんでこんなことに。ラプオビに向かってたのに。なんでカルディオスの王子の召し使いみたいなことしているんだ。
「サカイルさん。クラノスさんがいるのね。会場の皆様の視線が怖いのね。サカイルさん。サカイル!」
「ああ、悪い。パラレ。俺、ちょっと出てくる。」
「なら私も。」
サカイルとパラレは会場の扉を出る順番を争っている。
そこへ、王子が…割って入ろうとしたところをパラレがサカイルをふりぬけて駆け出していった。
サカイルはあとを追った。
あとを追うなよ。サカイル。
「クラノス。」
「はい。」
「あれを見てキューって心臓が締め付けられるんだけどなんでですか。」
「なぜでしょうか。」
なぜ笑みを浮かべているのね。
クラノスは凍りつくような風が吹いた気がした。
「キリル様。追いかけてはいかがですか。」
ちょっ、あなた。執事長。やめてください。
めんどくさくなりそうですから。
「そうですよ。キリル様。追いかけましょう。」
「そうか。追いかけるとしよう。」
と言って部屋を出るキリル様。
・・・
「パラレ、待て。とまれパラレ一等兵。」
「私は少尉ですからね。サカイルさん。まち…。」
「止まったな。それで言いたいことはないのか。パラレ。」
「なんでもいいじゃないのね。あんなのね。」
「そうか、本当にそう思うか。」
「私はナタレ様に恩を返さなければならないのね。でもね、でもね、カルディオス王国にいいところがないから嫌。この国に居続けたくないの~~ね。」
「そうか、そうか、そうか。」
殴ろうかな、なのね。サカイルさん。
この部屋見て、私を見たときは大爆笑したように手を叩いたりお腹おさえて笑ってたのに私が目を離すとスッ!と普通に戻ってるのね。
転がり回るほど面白いか光景みたいなのに。
サカイルさんが見ているね、部屋を見るね。
えっと、この部屋なんなのね。
いっそのこと燃やして無くしたい部屋なのね。
サカイルさんから逃げたいし、あの王子からも逃げまい、この部屋からも遠ざかりたい。からどこか隠れる場所は……。
見つかりたくないのね。
えっとなのね。
どこか座る場所……、うん、これなのね。
サカイルさんはまだ転がりながら笑っているのね、ほんとに殴ってもいいなのね。
そう思っているとメイドが一人通り過ぎたので声をかけた。
「あのすみませんなのね。ここはなんの部屋ですのね。」
「ここはトロピウル様の至福の部屋、だ、そう、です。」
「そうでしたのね。」
燃やしたいのね。こんな恥ずかしい部屋ね。
なんでこんなに小さい時の写真まであるのね。
この部屋を通りかけた侍女に声をかけたこと事態でも笑ってたのね。なんで声出さないかはわかるけどね、仕草だけで笑ってたら気持ち悪いのね。怒りたくなるのね。
「異常にありますよね。この部屋。この子のことをしゃべるトロピウル様は本当に幸せそうな顔をしていますから理解はできますけどね。」
そうでしたのね。「その顔って意地悪をしたときのですよね。」
「いえ、子供を自慢するようにです。」
「ありがとうございます。あの、どこか気が休まる場所知っていますか。」
「私の部屋に来ますか。」
「行ってもいいのね。」
「はい。」
二つ左の部屋が彼女の部屋みたいなのね。
「サカイルさん。」
「大丈夫だ覗きはしない。」
「そうじゃないのね。サカイルさん。会場に戻っていってほしいのね。」
会場に戻ってとパラレがいうと嫌だ!と腕を×にしてまで拒否を示している。
私よりましでしょと言うと。そうだけど、そうだけど……。
嫌なんだと私は言ってみた。
そうじゃなくて弁論が何て言えばいいか浮かばない。
と言われた。
サカイルさんがサカイル大佐が言ったなのにね。
「なら嘘いってきてね。」
「うーん、嫌だ。というより言ってもいいがそれはそれで問題があるだろう。」
「私が気持ちないのにね。」
「いや、ないことはわかってる。サキ様が好きなんだろ。本当に。」
そういうとボッと音が聞こえるほど赤くなるパラレ。
本当だったんだ。アサナ様とナタレさんがいってたこと。を聞いたって言ってた給仕の侍女のあの子。
名前が出てこない。
「サキ様が好きなのねって言えばいいじゃん。」
「そ、それはその、えっと。嫌なのね。」
「なら、同姓にしか興味ないって。それとも騎士だからって。」
「そんなの理由にならないのね。あの王子様は。」
そうかな、あの人そう言われたら引き下がると思うぞ。
サカイル様。なにとサカイルさんは答えた。
「出ていってください。」
「なぜだ。」
「ここは男性の方はちょっと。」
と侍女にまで言われてここが女子トイレだと言うことに気づくサカイル様。
「そ、そうか。」
と言って扉を出るバカなサカイル。