第12話 サキ編⑥ イレンとローザ2
サキ達はセヴトとともにカルディオス王国に向かった。
そして、ロダラン荘興国ではロダンとなったイレンに嬉しくて抱きつくローザと言う姿を鼻唄を歌いながら眺めている人物が一人いた。
フンフフンフフン♪
「ヤッホー♪久しぶりでーす!お二人おめでとうございます!特にイレンちゃん。ロダン就任おめでとう!ご感想は。」
「え!えっと、未熟な私ですが母さま。先代のように笑顔が絶えず明るい国にしたいと思っています。」
……ふーん。そうなの。先代みたいに私をトコトン困らせるの。ふーん。
「だそうですよ、ローザ。それでいい。」
「それは私が聞きたいですわ。それでよろしいのかしら。」
いや、とも言いたいし、いいわよとも言いたい。
悩むわね。サキちゃんにでも聞こうかな~~。
うーん。
サキちゃんたち今何してるのかな。
ふふん。
うーん、どっちがいいかな~~とイレンとローザを眺めながら考える。
「そうね~~。嫌な部分が多いわね~~。いいところは他にまわせるところが多いな~~。というわけでね~~、イレンちゃん。イ~~ヤ~~。」
「そおーーなるわね。アキリンちゃんが思う通りよ。」
でしょ~~。
と嬉しそうなアキリン。
「そうそう、イレンちゃん。」
はい。と首を傾げるイレン。
「これ、就任祝い。これしかないけど頑張ってね~~。」
「これだけですか。ローザお母様。」
「そうねー。それだけね。毎日は着なくてもいいけどそれ1ヶ月に二回は着なさいよ。」
「毎日じゃない、よかった。」
あれ、アキリンさんはなんでこれを就任祝いって言ったの、ここに来た理由もわからない……。
アキリンさん、ありがとう。
「ローザちゃん。バ~~イ。」
「バイバイ。アキリンさん。」
バイバイ……。
「ローザ母さん、アキリンさん。なにをしに来た……の……。母さん。ママ!」
「ごめんね。イレン。ごめんね。」
……。
植物に包まれて消えていったローザ。
バイバイ、ローザちゃん。バイ……バイ……。
「あーあ、また一人いなくなっちゃた。どう思うナタレちゃん。」
………、ピキ!
なにね。
一人いなくなっちゃた。どう思うって誰がいなくなったのね。
「ローザ、代替えでね。」
………ピキ!
「え!」
嘘よね。今、あってきたのにもういなくなっちゃたのね。会えなくなっちゃたのね。ローザ様。
グスン、嘘ね。ローザ様がいなくなっちゃたのね。
「どうかしたのですか。ナタレさん。」
「ナタレさんー。変なことを言うのね。セヴト!」
笑って話始めて最後に睨み付けていったナタレ。
やっぱり名前については怖いな。
とナタレに思うアサナとサキの二人だった。
怖いね。怖いね。と笑っていうアサナとサキの二人。
助けてーー!というセヴトの声を無視するために、頑張って無視する二人。
声が聞こえるたび怖くてビクン!と体が飛び上がるアサナとサキの二人。
その洗礼は頑張って、セヴト。と思うけど、ちょっとちょっとナタレちゃん。
「ナタレ、どうしたのよ。あなたらしくないよ。」
なんでもないのね。
「なんでもないって。泣いてるよ。」
涙を拭いて、「大丈夫ね。アサナちゃん。ん。アサナちゃん……。」
「。大丈夫よね、あ、ごめんなさい、ナタレちゃん。」
ごめんね、アサナちゃん。教えられないのね。自分でも整理できないからね。
「それでね、セヴトちゃん。私のことはナタレちゃんって呼んでよね。いいね。」
「セヴトくんにしていだだけませんか。」
「ん、なんかいったわね。そういわれたいなら勉強しなさい。セヴトちゃん。」
「眠っていい。アサナ。」
「眠ってていいですよ。サキ様。ちゃんと起こしたら起きてくださいよ。」
と注意されておやすみ。アサナとふて寝をするサキ様。
「ナタレちゃん。それくらいでやめてあげなよ。見てるこっちが疲れるから。一人寝ちゃったから。」
「それもそうね。じゃあねぇ。ふわぁ、そういうわけだからね今日はここまでね。じゃあ私も寝るねアサナちゃん。おやすみ。」
二人とも寝ちゃった。はぁ、なにしようかな。
とアサナが愚痴っている。
なんで。とちょっと強めにいうアサナ。
「なんでって、もう夜よ。寝なくていいの。」
と言われてじゃあねよう。といって寝るのだった。
もう一人はなにもかけずに寝言をいっている。寒くないみたい。
「おやすみ。アサナさん。」
「おやすみなさい。ローザさん。」
ローザさん。なんでここにローザさんがいるのよ。それも幽霊見たいに薄く!
「なぜここにいるんですか!」
「死んじゃったのよ。代替わりでね。」
「ロダンの副作用ですか。そうですか。……、さようなら、ローザさん。」
といって眠りにつくアサナ。
一人操縦席の前でしっかりと目的の方向に進んでいるか確認しなければならないのでローザは見張っている。
「こんにちは、ユリース様。」
「こんにちはローザさん。もう変わっちゃたんだ。早いね。」
「うん、悲しい。でも、ここに来たら嬉しい方が勝ってる。悲しいのに。」
悲しいはずなのに、みんなに会えないのにイレンに会えないのに。
「うん、イレンちゃん。しっかり支えられていい指導者になってくれるといいね。」
「うん、そうなってほしい。ううん、なってくれるよ。そうじゃないと困るから……。」
「ごめんなさい。デリカシーなくて、身内には会えないんだったね。ごめんね私の能力がそんな力で。会いたいよね。」
大丈夫、もう、大丈夫だよ。ここにいられることがわかったから。
というローザに苦笑いを浮かべるユリースであった。
ーー
ふぁー、カルディオス王国に着いたーー!よかったーー。
と嬉しそうにいうサキ様。たち寄っただけでパラレとサカイルを乗せて、セヴトを置いたら帰るのに。
目の前には噴水がある。この噴水は叫びたくなることで有名なガベラ。
カルディオス王国に来たです。
ローザさんに会った気がしますが夢ですよね。
うん、夢です、きっと。
いきなり泣き出すサキに戸惑うアサナ。
「どうしましたなのね。サキ様。そんなにカルディオス王国に来たことが嬉しいなのね。」
「パラレ、もう会えた…………。」
というと号泣へと変わったサキ様。
パラレをふざけないでよと睨みつけるアサナ。
「サキちゃん、アサナちゃん。ごめんなさいね。ローザ様、代替わりで死んでしまったのね、」
「そうよね。」
そうよね。ローザ様……。
「うわーーん。ローザ様がーー。ローザ様がーー。うわーーん。」
「ごめんなさいなのね。ごめんなさいなのね。」
ーー
二人とも落ち着いたところでサカイルがやって来た。
サカイルがサキ様、アサナ様、ナタレ様。どうしましたか。と聞かれて、色々あるのよ。アサナが答えた。
カルディオス王国の城はもう再起不能なほどにバラバラの瓦礫と化していた。
「どうなってるのね、これね。」
そ、それはね、ナタレちゃん。
とパラレが話始めたのを遮ってサカイルが話始めた。