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世界は一度終わっている  作者: 小松ちゃん
第二章世界樹 1節 復元された世界
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第9話 サキ編③ ため息

ロダラン荘興国に着いたというか落ちたサキ達は

アサナの母親のペルシアに会った。そして、せっかくロダラン荘興国にきたのだからローザとキースの二人の内、できればローザに会いたいなと思ったサキ達はクリスに会いに行った。


しかし、クリスに会うとなぜかイレンに会いたいと言ったサキ。

座布団の下に隠された手紙にはなんとかかれていたのか。

その二つはこの後。




サキの手紙を渡されたクリスの方をまずは見に行くとしよう。


「クリス様、アサナ様から手紙を預かりました。内容は口答でも聞きましたので私が言うだけでもいいと思うのですがこれもあった方がいいと言っておりましたがいかがいたしますか。クリス様。」

そうなのか、なにも聞こえんかったがのぅ。


なにを言うとったのかわからんし、書いてあるかもわからんからのぅ。


両方とするかのぅ。


今日は珍しいことにクラノスではなくナタレが同伴者じゃったようじゃしのぅ。


「入って来てくれんかのぅ。手紙と口答というものをお前から聞きたいしのぅ。ダメかのぅ。」


「わかりました。クリス様。失礼します。」

と言って護衛のアベリアが部屋に入ってきた。

アサナが言っていたのはクリス様。太りました。ということです。

という護衛、アベリア。


ふざけてるのかのぅ。アベリア。

この場合、殴ればよいのか。

「バカにしとるのか。」

「え!クリス様なにをいっているのですか。違います、違いますから。アサナ様がいっていましたから。」アサナ様が。

なにを言っておるのかのぅ。そうじゃなくてのぅ、お前が健康管理してくれる約束ではなかったかのぅ。

「それでその手紙の中身を見せてはくれんかのぅ。アベリア。」


へ、と変な声を出してアサナの手紙を渡してきたアベリア。話始める前に渡してもらった方がよかったかのぅ。

こんなにもジーとみられるんじゃったらのぅ。


見ないようにしておるが気にしてるのが伝わってくるからのぅ。

どうしたらこれ、消えるのかのぅ。誰かこやつに教えて欲しいのぅ。

っとアベリアよりも手紙の中身じゃったのぅ。


手紙を開く。手紙は一枚の紙を折ってあってそれを軽く糸で縛ったものだった。

かわいいのぅ。猫かのぅ、糸でのぅ、器用なもんじゃのぅ、開くのが欲しいのぅ。


これは開かんとな、なんとかいてあるのかのぅ。


『クリス様へ』

『お願いです。力を貸してください。

私たちはこのままでは種族という枠組みから消えることになるかもしれません。どんな力を使っても勝たなければなりません。決めるのはあなた方ですが忘れないでください。あの決戦を。忘れないでください。』


なるほどのぅ。


決戦のぅ。

これは、森じゃのぅ。どうすべきかはあれで決まるのかのぅ。恒例のあれかのぅ、大変なことになったのぅ。

はぁ、うまくいくように祈らなければならんのぅ覚えておくのじゃのぅ。

ペルマム王国の使者達よ。

と思ったが忘れているのは我々じゃのぅ。


「どうしました深刻そうな顔ですが、クリス様。」

「大丈夫じゃから気にするでない。」

「なんと書かれていたのですか。クリス様。」

「協力せねば消えるそうじゃのぅ。」

「ほ、本当ですか!クリス様!」

ああ、本当じゃのぅ。と答えたのじゃのぅ。

なにも言わないのかのぅ。


このあとどうするのですか。とアベリアが言っておったがのぅ、簡単なのじゃがのぅ。

聞くだけじゃからのぅ。


「のぅ、アベリア。キースはどこにいるかのぅ。」

「キース様ですか。キース様は今、地上にいますよ。」

「ローザもかのぅ。」

「ローザ様もですよ、クリス様。」

そうか……。


これは決まりじゃのぅ。




「アサナちゃんなに渡してたのね。」

「サキちゃんの暗号をそのまま。」

そうね、サキちゃんの文は暗号ね。

そうなのね。


「このあとローザ様に会う。」

「ローザ様に会うのですか!サキ様!」

ローザに会うのね、イレンに会わないでね。

「やめる。トロピウル様に会いに帰る。」

そこまでじゃないね。そこまでじゃない。

と声を揃えて言うふたり。

そういうことじゃない、のね。サキ様、サキちゃん。

と言う二人。


わかったと言った。

パラレに会いたいなぁ……。


「ローザ、今上にいるのね。違うね。」

「そうじゃないの。」

「なんで会いに行くの。ローザさんに。」

「気になる。」

「なにが、気になるのですか。サキ様。」

「ローザ様に聞いてみたいの。このあとのこと……。」


うーん。イレンさんに会いに行くほうがいいと思うけどなぁ、って私は思うよ。サキ様。

ローザなんかに会うよりいいと思うな。


ねぇ、アサナちゃん。聞いていいのね。

とナタレちゃんに聞かれたので、なにと問う。

なんでね、サキちゃん。イレンじゃなくてねローザに会いに行くのね。

とナタレちゃんに聞かれた。

サキちゃん。ローザ様に会いに来たのかもしれない。

と私、アサナは答えた。


ローザにね。あいつにね……。

それならそうかも知れないのね。


「ローザに会うのはイレンに会いに行くのもあるよ。今日はそのために来たから。」

ローザと会いに行くのに、母親であるローザを嫌っているイレンに会えるのね。おかしなこといってるよ。サキ様。でも、顔がそうに決まってるからっていってるのよ。

なんでそう思ったのよ、サキ様。


「どういうことですか、サキ様。」

「イレンちゃん、今日ローザさんにロダンのこと聞きに行くの。」

アサナを睨むナタレ。

アサナが首と手をふると笑顔になるナタレ。

はぁ、とよかったと思い肩の荷が下りるアサナ。

ナタレ怖いよ。笑顔でも怖いよ。大丈夫だと思うけど。


「ロダンについてですか。なぜ今、聞くのです。」

「もうすぐ引き継ぎでしょ。違った。」

「そうね、もうちょっとで期限切れなのね。」

「だからだよ。そうなんだと思ったんだけど、二人とも聖人のロダン、知ってたんだね。」


そこまで知ってるの、サキ様。


「ロダン、そう。」

「着いた。ここから上に行ける……。違ったアサナ。」

そうだけど、なんでここわかったのサキ様。

「ここ、たまに来てるのね、サキちゃん。」

「ううん。私じゃないよ。サフランだよ。」

「サフランが。だれにあっているのですか。」

「文。」


あー、なるほどねー。手紙。

最近話題でしたね。話題に乗ったのね。

サフランがね。

「それ、本当。」

「アサナは知らないの。サフランがアサナから聞いたって。」

「アサナちゃん。そうなのね。」

なわけないでしょう。確かに家に帰るときにそういうものが流行ってるって言ったけどね、だけどね。


「私は流行りで……使うほどじゃないの。」

「「へー、ね。そういっちゃうんだ。」ね。」

ちょっと、とアサナが弁論をいうがどこ吹く風な二人。




「もういいでしょ。」

「そんなこというの。アサナ。」「へー、そんな風にいえるのね。」

「ちょっ、二人ともいいじゃな……もう、からかわないでよ!」


「ごめんなさい。」「ごめんなさいね。」

「アサナをからかうのはこれくらいにしてね。ここを上ったら行けるのね。」


目の前には螺旋階段が永遠と続いている。

「ここ上れば行けるよ。ナタレちゃん、サキ様。」

ため息を吐く二人とも。


「登り機は古いのはあるよ、どうする。」

やめとく。いいのね。

という二人。

アサナが悪い目をしているなにかあるに決まってる。

「地道に上がってっていこう。二日はかかりそうだよ。」

「2日ですめばね。」

えーと、ナタレちゃん。二日は頑張ろうと思ってたのにそんなこと言わないで。

「二日はさすがに早すぎですよ。サキ様。」

二日でつかないの。アサナ。


「何日。」

「4日はかかりますサキ様。」「4日なのね。」


「・・・」やめていい。

登り機使いたいよ。ねぇ、本当に……。




「頑張る。うん、あきらめてあの娘に会いたいとは思いたくは……うん、ね。」


「あの娘ね。会えるのですか。サキ様。」

「わからない。会いたくはない娘でもあるね。はぁ、そのためにここ。」

えー。あの娘に会いたくないからってこの階段。うーん。いいかな。うん。いいなぁ、あの娘に会うなら。うん。


「頑張ないですね。」

そうね。というサキ様は螺旋階段の入り口に入っていく。


「すごいね、サキちゃん。行きたくなさそうなだったのにね先陣切るなんてね。」

「それはナタレちゃんもよく考えれば先陣きるよ。」

無言で黙り混むナタレ。

「なるほどね、そうね。……サキちゃん待ってー!」

と走って階段をかけ上がるナタレ。

大丈夫かな、最後の方。最後はみんな疲れてるから一番最後が長蛇の列を進んでるのってくらいに時間かかるかもしれないのに。それも全員が。



早くいこうと思うと疲れすぎて狂うよ、二人とも。

いいの。いいってことなの。

あー、消えたくなりそうよ。




消えたい。

目の前には上に一気に行って息が上がっている二人。

ゼーハーと荒い呼吸が聞こえる。

次、先走ったら飲み物あげないわよ。いいわね。

とアサナに先走らないように念押しされる二人が頷いて紅茶の入ったポットを見る。



アサナ。えっと……それが……飲み物……な……わけない。よね。アサナ……。

ないよね。よね。

と言われてそんなんでいいじゃないと思っていたアサナ。


それは喉が死んじゃうからやめてもう出さないでよ。と言うナタレ。


忘れていると思うけど先走らないでよと念押しして二人に飲み物を渡すアサナ。



それから一時間後。

「二人とももう、忘れたの。」

と目の前でポットに熱を加えるアサナ。とそれを聞いて競わなくなった二人。


笑顔で楽しそうに熱していたらさすがに怖い。

なにか変な物をいれているようで怖いからアサナ!


ナタレは頑張らないとね。アサナが壊れないようにね自分が壊れないようにね。頑張らないとなのね。そうねそうなのね。

と下を見ながら思うナタレ。


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