1話 二回目の始まり
コンコンコン
「失礼します。サキ様……起きてましたか……。」
うん、アサナ。
いつも起こしに、来てくれてありがとう。
今日も起こしに来てくれてありがとう。
今日は起きてたよ。アサナ。
「おはよう。アサナ。」
「おはようございます。サキ様。朝食、食べますか。」
「う~ん。ちょっと待って。」
サフランが運んで来てくれる朝食はベーコンとパン。
食堂だと奥行きが二十メートルはある豪華だけど誰もいない部屋で食べないとだから嫌なのよね。
サフランが運んできてくれないかな。
「今日はサフランがくるの、それとも・・・。」
「それともよ。」
「あの部屋。」
嫌。あの食堂にいくの。
「はい。あの大広間の長いテーブルの場所ですよ。」
あんな広いところでたべたくない。
あの部屋のテーブル大きすぎなのよ。
だから嫌なの。アサナ。
「そんな、子猫がねだるように見られましてもあの部屋ですよ。」
アサナの方を向いて頬を膨れさせた。
いきますよ。って笑顔でアサナに言われたけど、朝食を食べたいからアサナについて行く。
サキ様がいやいやアサナについていったその頃。
コンコンコン
「失礼しますのね。コラル様。」
「入れ。」
入れねぇー、そういう態度なのね。
それでもいいのだけどね。ここ食堂なのね。
だからいいのね。
「ご、すみません。ナタレさん、入ってください。」
「入ってるからね。」
謝らなくていいのね、わかってるからね。
少し怒ってるのね。
「お茶ですのね。どうぞなのね。」
「あ、ありがとう。ナタレ。」
コラルはね、お茶のカップを手に取ったのね。
それでね、お茶を口に入れたね。アチッ!って言ってね落としそうになったのね。
落ちると思って拾うところだったのにね。落ちなかったね。
久しぶりに動かしたのにね。コラル王のためにね。
イラッとしたのね。
そのときにね、アサナとサキちゃんが廊下を通るのが見えたのね。
「コラル王、サキ様いつ入ってきたのね。」
「食堂に。」
「はい、そうですなのね。」
「そうなのか。誰も入った覚えはない。」
え!ならなんで。
アサナとサキ様。そう言うことね。
アサナがコラル王と食べるならサフランと食べるってことね。
「それで、わざわざ紅茶を持ってきたのはなぜだ。」
それはね、ここに来た方がいいってね、昨日サキちゃんに言われたからね。
「紅茶ではないのね、お茶ですのね。」
「それはいいだろ。」
「よくないのね。
お茶を持ってきたのはね、たまには朝食のときにも来ないとね。と思っただけなのね。」
「そうか。」
「そうなのね。」
「食堂で良かったわね。サキ様。」
「うん。あの二人、あんな風なんだね。」
楽しかった、二人が漫才みたいで面白かった。
「楽しんでいただけたようでよかったわよ。」
「なに、アサナ。」
「サキ様が元気になられたようでよかったわよ。」
本当によかったわよ。
「ねぇ、アサナ。」
「どうしましたサキ様。」
コンコンコン
「失礼します。」
クラノス。用がない時はよくくるね。クラノス。
「クラさん、どうしたの。」
「そろそろ時間なので。」
「なんの。」
「会議です。」
そうだった、クラノス。まだまだじゃないのよ。
「今から……。」
「いえ、三時間経ってですよ。サキ様。なのでまだいいと思っていましたのよ。でも……。」
「クラさんはそう思ってない……みたい。」
「は い。」
そうみたいです。クラスは。
扉がノックもなく開く。
どうしたの、ナタレちゃん。
「どういたしましたのよ。ナタレ。」
アサナに睨みつけてアサナと言うナタレ。
「すみません、ナタレちゃん。」
「うんね、サキに話がねあるのね。だからね。」
アサナとクラノスは扉から出ていこうとする。
「どこへいくのね。」
「はい。」
「え、サキ様と二人で話すのよね。なら、私たちはいない方がいいと思ったのよ。ナタレ。あっ!ナタレちゃん。」
アサナは用があるみたいね、ナタレは。
そこに一本のナイフが向かってきた。
「当たった、アサナちゃん。」
「私を……。クラノス!クラノス!ナタレ何してるのよ。」
「クラノス。」
アサナはクラノスを助けるために医務室へクラノスを運んでいった。
「不用心なのね。アサナちゃん。」
敵はまだいるのね。
「どう思うのね、サキちゃん。」
「ねぇ、ナタレちゃん。アンソラってなに。」
「アンソラってなんのね。」
ナタレは知らない。ということ。
「アンソラっていうのは……あそこにいる子の……名前。」
なのかな。
クラノスに向かっていったナイフにあった名前だけど。
「あの子のね。」
そうです……ナタレ。
……ナタレ。
「ここでなにしてるのね。早くいくのね。」
「わかりました。ナタレ様……すみませんでした……。」
「なに……いってるのです。ナタレ。」
「クラノスだったら死んでないのね。サキちゃん。」
と言うとナタレとアンソラとかかれたナイフを持った子も窓から飛び降りた。
窓の外を確認したけどいなかった。
「ねぇ、ナタレ。なにがしたいの。」
[簡単なこと。見つけ出して聞けばいいこと。違うこと。サキさん。]
あんたは誰。
[私はルルケコ。私はサキさん。あなたにムラサキ女王に会いなさいと言うのが、私が言いたかったこと。じゃあね。サキさん。いつか会いますことを祈ってること。]
「待って。ルルケコ、ムラサキ女王ってどこにいるの。」
[そこから聞くこと。]
「うん、お願い教えて。」
[ムラサキ女王はあの洞窟の隠し部屋にいますこと。さようなら。サキさん。]
ムラサキ女王。
「それは、会議を始める。」
「コラル王様、たったこれだけでなのね。」
8人しかいないのね。それでいいのね。
「いいのね。」
ふざけてるのね。と言いたそうにコラル王を睨みつけるナタレ。
ナタレちゃん……。
と微かにしか聞こえない声に気づいたアサナはどうしたのよ。とはまだ言えなかった。
「いいだろ。ナタレ。そ……それより、会議の内容だが……。なんだったナタレ。」
睨みつけるナタレ。
どうしたのよナタレ。機嫌悪いじゃないのよ。
サキ様がいるのに。どうしたのよ。
「そうね、ラプオビに行ってアウルに協力を求めると言うものね。」
「ナタレ。機嫌悪いんだな。」
「まあね。」
「そう!アウルに協力を求めるために使者を送る。誰がいく。」
会議に参加した全員がサキを見た。
「サキ様は行きませんよ。他の誰かにしてください。コラル王様。」
「いく。アウルに会う。」
「サキ様。どうしたんですか。」
「アウルに会う!会うの!」
「と言うわけで決まりました。いってきてください。サキ。」
「待つのだ。私もいくぞ。」
「アキリア。そうか、お前も……オホンッ、今回はサキ……先がいくことで決まったことだ。諦めろ。」
「俺も行く。行くんだ。」
コラル王は咳をし、アキリアに諦めるよういうがアキリアは聞く耳をもたなかった。
アキリアが駄々をこれていると会議に参加した者は続々と会議室から出ていった。
「今日は早かったな。」
「そうだな。人も少なかったけど。なんかあったのかな。」
「いいだろそんなこと。さっさと終ったことだし早く帰ろうぜ。」
「そうだな。」
と言って帰路に着いた者はいなかった。
全員、三時間早く終わったため飲みに行ったのだ。
酒を飲むお店は全員同じだったようで気まずそうだったとナタレは後々聞くのだった。
だが、会議が終わっても会議室に残っている者達がいた。
「行く。絶対行く。行くって言ったら行く。」
「はぁ、わかった。いっていいぞ。」
「よっし、ありがとう。コラル王様。」
「これで続きに行ける。」
アキリアは二時間も粘った。
「それで、アサナとクラノスは行くけど他は誰がいくの。」
「そうだな。」
コラル王には聞いてないのよ。
「サカエルとパラレが一緒に行きますのね。」
「パラレとサカエルが一緒に行くの。」
「そうなのね。なにね、アサナちゃん。」
「不安なのよ。」
「そうなのね。言いたいことがあるのね。アサナちゃん。」
「なに、ナタレちゃん。」
アサナはサキがナタレが一言言うごとに嫌な顔するのが見えなかった。
クパッ。
クパッ。なんの音。と音がした方を見る会議室に残っていた全員。
しかし、一人笑みを浮かべたものがいた。
キュイーン!
と空気を切り裂く音がした。
その音が三回した次の瞬間。
会議室から奥、一直線が何もかも消えてなくなった。
「なにがあったの。アサナ。」
「どうしたのよ。」
「不味いのね。」
緊張感が漂う会議室。
のしたにある隠し部屋。
その隠し部屋はどんな攻撃もきかず、攻撃する鉄壁の要塞。である戦闘機、アントス。
声が誰も聞こえなかった。
衝撃のあまり声がよく聞こえないのだ。
「素晴らしい攻撃だった。」
とだけいうと息をひきとる。
ラプオビからあるものを持ってきた者。
そして、会議室で一人笑みを浮かべた者でもある。
「どうします。コ……ナタレ。」
「アウルに会いに行かないのね。サキちゃん。」
「このまま。」
「このまま……ではダメね。サカエルとパラレをのせないといけないのね。」
うん。そうして、このままならどこにも行きたくない。
「どこにいるかわかるの。ナタレ。」
「わかってるのね。と言うよりね、向かってるのね。」
そうですか。
「どうしたのよ。サキ様。」
「え、クラノスもいないなぁって。」
「本当だよ。いないわよ。」
あいつ、どこへいったのよ。
「キャーー!」
「嘘。」
「どうしたのよ。」
「こんなことになるなんてね。すごいこともあるなのね。」