第47話 分岐点と案内人
『起きた。さぁ、問題。ここは、どこでしょう。』
ここは、地獄じゃろうの。
「なぁ、なんでこんなことになったと思う。」
「アキリンがいなくなったから。それ以外ない。」
「ですよねーー。」
「なんか知ってるのか。いや、そうじゃなくて、後ろの人たちが…………な。」
「マジ。か、よ。」
「すいませーん!ここってどこだかわかりますかーー!」
「ここは、アノメデス星だけど。」
戸惑っているのが二人。
なにか聞きたそうなのも二人。
ワクワクが一人。
「おまえら帰れーー!おまえら!死ににきたのかーー!」
怒ってるのが一人。
そうなの。ウスさん。
「ウスーー。大丈夫ーー。」
「アシュガ、お前にウスなんてはじめて呼ばれたのだが。」
あたりまえじゃなーーい。ウスなんてあだ名があることじたいしらなかったんだからーー。
「この人知り合いなの。アシュガさん。」
心ぼそいよ。アキリンさん。どこ行ったの。
「知り合いなの。アシュガ。」
「そうだよーー、サキさん。」
「なんで無口。」
ケイルさん。
(無口なんじゃなくての。しゃべってもこれぐらいしか声がでないんじゃの。)
なにその声。
独り言ぐらい小さい声だよ。
元々小さいけど……。
(悪口いったかの。アシュガ。)
「なにも言ってないよーー。」
「えっと、ケイルさん。小さい声って言っただけだから。悪口じゃない、はず、です。」
(そうじゃったか。)
ありがとうサキさん。と親指たてて教えてみた。
サキさんも親指たててくれた。
伝わったみたい。やった!
「うわっ!」
目の前になにか通りすぎた。みたい。
「おい!アシュガ!」
「おい!アシュガ!」
アシュガの耳を掴んで怒鳴りつけるウラノスさん。
「イッターーイ。ちょっとーー、ウス。こんな近くで怒鳴らないでーー!キーンって頭にきたじゃないのーー!」
そこまで怖くないですよ。アシュガさん。
「うっ、すまなかった。」
え。怖そうな反応してるけどこれが怖いのウラノスさん。
「サキさん。怖がってるのが不思議かなーー。」
「うん。子供扱いされるのと。アシュガさんがどこにも行こうとしないことが不思議です。」
「そう思うーー。でもサキさん。」
「なーにー。」
「それ以外に思うとこなーーい。サキさん。」
「星の近くなのに星がない。さっき通りすぎたの。が首筋か胸にあたるはずだったのに当たってないこと。」
「それだけーー。」
「今はこれだけです。アキリンさん。」
「そうーー。」
じゃあ~~。いいかな~~。。
そういえば~~、ミスミどこいったのかな~~。
・・・
はぁ。歩き続けたのに。
また、森。
俺、雪を助けに行ったよな。いったか。
『行ったけど、トラブルが起きたからここにいるの。この森は分岐点だから。さっき幽霊見たいよ。』
分岐点で幽霊見たって俺は今から……ないない。死んでないのにあの世にいかない、いかない、いかないよね。
『行きます。すぐ戻る人もいれば帰らないという人もいますが……。』
まだいたんだ。シンシア。
『いないよ。光ってる人がいないでしょ。』
本当だ、いない。
あの世。帰れるけど、帰らない人もいる。
ちょっと安心できた。
分岐点だからって。
あのタイミングじゃないでしょう!
かっこつけたのに!
ピンポーン パーン ペープ
「・・・」
『沈黙。ミスミ。』
当たり前だろ。なんでチャイムなるんだとはおもうけどそれだけだよ。
[どうも~迷える……え~と、え~と、え~とね。……う~ん、迷える人。でいいの。かな。ここは分岐点です。いいところにたどりつきなさいよ。ヤバいところだったならようしゃしないから。]
ピンポーン パーン ペープ
放送のためだったんだ。
放送でも良いところじゃなかったらようしゃしないって、あんたがなんかするなら良いところにつれてけっての。
『ミスミ。今、放送した方は人がどこを選ぶのか楽しんでるだけですよ。』
そうなんだ。俺はどうすればいいんだろうな。
『そういえば、ミスミは非常時用に持ってないの。地図。』
地図。それがなんだよ。
『ここはアノメデスが作ったもう一つの世界だよ。』
俺たちの世界ってことか。
今の放送のやつに心辺りがでてきたぞ。
それより、雪だよ。
どういけばいいんだ。
『地図にそのまま書いてみて。』
そのまま書くのか。
雪の居場所はどこですか。
と書いて。
ピンポーンパーン!
←ここ!
と出てきた。
ここって、俺がどこにいるかわかんないんだけど。
意味ねーな。
いちよう書くけど。俺の……名前の方がいいか……。まぁ、いいだろ。そんなの。
俺の居場所はどこですか。
・・・ピンポーンパーン!
←ここ!
これでもいいんだ。
俺は……あれ。
さっき雪もここって。
『そういうことですよ。ミスミ。』
辺りを見渡しても人っこ一人……いることはいるが幽霊だぞ。あれじゃない……だろ。
。ここに洞窟あったか。
『なかったよ。放送までは。』
行ってみよう。
ハーローって書いてあるってシンシアは言ってたけどよく読めたな。
俺からすると落書きにしか見えないけど。
『あ!ごめん、ミスミ。用事ができたからいくね。バイバイ。』
「バイバイ。」
じゃあね。っていった方がよかったのか。あんな顔させるなら。
それはもういいか。
さあ、ここからは寂しく一人だ。
元々一人だったけど。ここ入って来たときは。
ん。なんだこれ。
丸に、恐怖はお惣菜より弱い。
さあ、がんばって。
って書いてある。
これはどういうことでしょうか。
パッパラパーン。
正解です。
ではどうぞお通りください。
「あっそうだ。名前は。」
なんだこいつ。
バイ菌と言えばな触角ついてて小さいやつ。
と思いたいけど、俺と同じサイズ。
そして、なぜか可愛いと一瞬思った自分がいる。その事が怖い。
自分自身に怖いと思ったことは放っておいて。
名前か。言ったほうがいいか。というか伝えていいのか。
「あっそっか。ごめん、ごめん。
僕の名前はルプレス。よろしく。それでもう一度聞くけど君の名前は。」
「ミスミだけど。」
「そ。じゃあ、ミスミ。どこへ行きたい。」
行きたいところ。どっかあるか。
う~ん。
……
……
……
あった。
「ルプレス、決まったんだが……。」
「ごめん。寝ちゃってた。それでどこだい。」
「アシュガっていう人と雪って名前の人がいるところ。」
「わかった。少し待ってて。」
「わかった。」
わかるのかな。
「待った。わかったよ。だから、この円に手をおいて」
待ったって一瞬だったよ。触ろうと手を伸ばしたら待っただから待ってない。
「置いたけど。」
「なら、その円に乗って。」
にるってどうやって。
こうか。
その円に左足を置いた。
その左足は壁からくっついたように離れない。
乗ってと言われたから右足も置く。
円は黄色に光出した。
「じゃあね、ミスミ。」
「バイバイ。ルプレス。」
そう言うと、浮遊感をしたあと着地してバランスを崩しそうになったのを直して、前を見る。
・・・
ここどこだ。
「あ、ミスミーー。どこいってたのーー。」
「アシュガ。久しぶり。雪は。」
「わからなーーい。」
「ケイルさん。しゃべらないの。」
(しゃべってるのじゃがの。)
声、ちっちゃ。あと、サキさんがいるのか。
「ねぇ、ミスミさん。どうやって来たの。」
どうやってか。
「森にあった洞窟に入ったら、変な触角生やした人に会ってその人にアシュガと雪に会いたいって言ったらここにきた。」
「そうなんだーー。」
「なぜ森に。」
「さあ。カントレス星の黒い塊に追い出されて、戻ろうとしたら森にいた。」
本当は黒い塊に逃げたんだけど。
「そう、ですか。」
「へーーそうだったんだーー。」
「ミスミ。ここがどこかわからないのか。」
ここ。あれ。なんで本部にいんの。
「ここにきたんだ。なんでサキさんがまだいるんですか。ウラノスさん。」
「それは今交戦中だからだ。」
「誰とですか。」
「ルプレスと呼ばれる集団だ。」
え!
「ルプ……レス……。」
「知ってるのか。ミスミ。」
「知ってるというより、今言った変な触角生やした人がルプレスと名乗ってました。」
「そうか……。」
ウラノスはなんか悩みだした。
「ふーーん。そうなんだーー。たぶんーー、それと関係ありねーー。」
「関係ありって~~、どういうこと~~。」
「ルプレスっていう名前はーー、異零館の管理人だよーー。って、アキリンさん!!どこいってたのーー。」
「鎧の世界ってとこ~~。ね~~。雪~~。」
雪!
「雪じゃない。」
「雪哉さんーー。あれーー、雪はーー。」
コンコンコン
「失礼します。……どうぞ、お茶です。」
「「雪ーー!!」」
「うわっ!」
「ちょっと二人共やめて。もういいでしょ。」
「ごめーーん雪。うれしくてーー。」
「ごめん。」
まわりを見るとサキさん以外、全員が笑顔だ。
「アシュガさん、ミスミさん。二人のせいでせっかくもらったクッキーが床にこぼれちゃった。」
とほほを膨らませていった。
可愛いとアキリンが言った。
「ごめん、サキさん。」
「ごめんねーー。サキさん許してーー。」
「ならいいです。」
はぁ、とため息つきそうな二人~~。
ため息ついて大丈夫なのに~~。
それ知ってるけど~~、知ってるからこそしたくないのかな~~。
「なんで、雪さんがいるのですか。」
サキさんが話を変えたね~~。雪さんが部屋出ようとしたから~~。それは話ふるか~~。
「ここにいるのは、地震が起きた時、みんなは寝ちゃったけど、私とケイルさんは起きてたの。
それを不思議に思ってたら黒い塊が光って、そしたら、ここに来てたの。そういえば、ケイルさん。はどこにいたの。」
なにもしゃべろうとしないケイルさん。