第45話 黒い塊から雪を助けたい
「なんで、私たちが関係するの。」
「それは……、その……。」
「俺たちの存在意義だ!たぶん……でも、それが関係している!」
俺はなにをカッコつけていってるんだ。こんなの俺じゃない頼むからやめてくれー。
雪さん。たしかに。そうかもしれないっていわないで。
あと、お願いだ!俺、もうやめてくれー。
「俺たちはアノメデス星を管理するためにできた世界だ!
そして、アノメデス星は滅び、この世界は終わってしまったのだ!どう終わったかはわからないが……。
アノメデス星が終わったことで、我々の世界も終わってしまう……の……だった……。
だが!
我々の世界は残っていたのだ!
そして、アノメデス星を元に戻したために今もこうしてここに世界があり続けるのだ!」
「でも、今。アノメデス星は滅んでしまった。」
「いいえ、アノメデス星はまだ消えてないわ。」
アノメデス星は消えてしまったのに!
なにを言っているのよ。ケイル。
「雪ちゃん。あなたはわかってないわ。よく考えて。アノメデス星の住民は今どこにいるの。知ってるならわかると思うぞ。」
なんだ、このお婆さん。いま、目が輝いてるぞ。
そんなに聞きたいのかその事。
知ってるんじゃないの。
はぁ!雪、なにいってるんだ。知ってるわけないだろ。
「いま、アノメデス星の住民は……。」
「だ……!」ダメだ!
なんで!声がだせない!
声なんででないんだ。
そんなことより、お婆さんの顔が怖い。
めちゃくちゃに怖い。
よく、怒ると怖い人に般若のような顔をしたとかいうよな。そんなんじゃない。般若より怖い。
この婆さんは、そもそも怒ったわけじゃない、だから、般若っていったらおかしいが見たいな顔は……してる……のか。
ケイルのお婆さんは、般若とかそういうのじゃなくて、触手の生えた化け物になっていた。
化物になってる。化物になったってことはいままで猫かぶってたのかよ。
「もう一度聞くわよ。雪ちゃん。アノメデス星の住民は……ドコニいるのよーー!!グワァー!」
ケイルの婆さんは触手の生えた気持ち悪い、三メートルはある化物になった。
「・・・ギャー!」
叫びながらミスミが逃げていったのが見えた。
助けてよ。ミスミ。
「はぁ、はぁ。」
疲れた。全力で走ったから疲れた。あれ……雪がいない……。
まさか!雪……そんなわけない!そんなわけない!だから、雪を助けに行かないと。
「どこへいく。」
あんたかよ!また、俺は斬られるのか。
なら、斬られていいよ。
むしろ斬ってくれ!
俺は……。
俺は……、本当に逃げて……きたのか。
この人
扉で見張りをしてた人だよな……。
俺……ただ部屋を飛び出しただけなんじゃ…………。
ない!それはない!あってほしくない!
それだったら俺がこんなに疲れてる意味がなくなるからあってほしくない!
「もしかして、ここって部屋の扉の前。」
「!……違うに決まってるだろ、男。ここは外だ。」
「俺ってどうやってここに来たの……でしょうか。」
怖い。この人、気配が怖い。
「貴様か。貴様は……あそこから。」
そういって指を指されたのは屋敷の玄関だった。
そしてそこからなんか気持ち悪い触手みたいなのがウニョウニョでていた。
気持ち悪!
つまり、俺は部屋から飛び出しただけじゃない!
よかった。
でも、ただ怖くて飛び出したのは事実なのが悲しい……。
でも、逃げ疲れたのが報われた気がする。これから雪を助けるために……戻……りたくない。
「雪を助けにいくんだ!逃げてきたけど、絶対に!」
あのウニョウニョなんかでてる屋敷の中に入りたくないけど。
そもそも、雪生きてるの。って思うけど。
「そうなのか……。」
深呼吸をした。「わたしもいこうか。ミスミ。」
「お前、もしかして、アシュガ……。」
うんうんってうなずいている、斬ってきた女性。
「・・・はぁあーーー!
嘘だろ!本当にアシュガか。アシュガなら……アシュガなら、……殴ってもいいか。」
アシュガ、おまえ、俺を斬ったんだからな。
ふざけやがって!
まぁ、死にそうな目に合うっていうおかしなことだけど、いい経験できた。
でも、あんな経験一回でも嫌だっつの。
「やめて。お願い。」
そんな薄っぺらい言葉が殴っていいという言葉の返しとしてやってきた。謝って欲しいのに……。
「無理。」
一発殴らないと気がすまないから、な!
「そう……手伝おうと思ったのに。そう思うなら死ににいけば。じゃあね。」
「雪は友達じゃなかった、っけ、アシュガ。」
「逃げていい。ミスミ。」
「なんで。」
「あれ。
…………じゃあねーーミスミーー!」
本当に帰んの。
あれって、あの黒い塊こと……だ……よ……な……。
虫かあれ、ちがうよなぁー。
嫌な予感するから俺も帰ろ。……間違えた、逃げよう。
「アシュガーー待ってくれー!」
「ハァハァ」
なんとか追いついた。追いついた……のか……。
「あんた誰。」
だれだこの人ー!
「ええと、ミスミです。雪を助けにいきたいのですがどうすればいいですか。」
「あれ。」
あれって、あの黒い塊のこと。
あれがなんなのか教えて欲しいってこと。と思ったけど違うみたい……。
「えっと、君は…。」
「わたし、わたしはピティカ。」
ピティカ、君は何者。
それより、あれのほうが気になるし、聞こう。
「ピティカ、あの黒い塊はなに。」
「あれは……この星のなん……か。かな。」
それだけ。えー。って、言われてみればそうか。
ピティカはまだ疑問みたいだし。
「あれは、のぉ、湖じゃよ。」
お婆さんがやってきて言った
湖。そうですか。っていうか。このお婆さんケイルじゃないか。
黒い塊がきた。攻撃態勢……って武器持ってねー!
不味いです。
「はい、これ。」
「あっ、ありがとう。」
剣をもらった。
ドロドロに見えるほど曲がった剣を。
文字が書いてある紙発見!(もらったんだけど。)
スライムの剣の説明書って書いてある。
たぶんこのドロドロの剣のこと……だろう。
この剣であって欲しい!
これしかないだろ、スライムの剣なんて変な名前。もし違うのがそうなら見てみたいが。
スライムの剣の説明書をめくった。
えー、なになに。
この剣は泥のようにドロドロした剣。
このドロドロは舐めると固くなり即効性の毒を舐めたものに与える。
・・・、意味がない剣だな。
こんなドロドロした剣誰が舐るんだよ!
舐めるバカ……いるかもな!
剣をなめてるやついるな!
どこでそんなやつ見たか忘れたけど。
いたことはいた。
うんうん。と自分の中でうなずきながら紙を見るとまだ続きがあった。
また、この剣を敵だと思ったものに当てるともっとドロドロになる。
おい!意味ねーだろ!
「へー。つまり、要らないものってことか。」
『待ってください。捨てないでください。もし、捨てるなら、私をあの、黒い塊に渡してください。捨てないなら、さやを作ってください。』
いま、声が聞こえたような。剣を捨てるなって。
捨てたい!
だって、剣がしゃべったんだぞ。捨てたいわ!
でも、捨てないでおこう。使えない剣だけど。
なんか剣が震えてるけど。
捨てたら捨てたでなんか隣の人が怖いし。
要らないから渡したんだろうが!なんでそんな悲しそうな顔すんだよ!
そんなことを思っていると、目の前には黒い塊がいた。
・・・
もうきたの。
・・・よく考えるとくるよな。
俺、ここにとどまってたからな。
来ないとおかしいよな。
うんうん。
そんなことを考えながら、うなづいていると。
その黒い塊にドロドロの剣が当たった。
剣が当たった黒い塊は……光った。
驚いていると、目の前にはどこかで見た姿の物体がそこにはあった。
・・・。
ちょっと待って。
まず、なんで剣先が黒い塊に当たったんだ。俺、背中の腰に剣さしておいんたんだよな。
それなのに、なんで剣を前を向けたように持ってるんだ。
ほんとうにわからん。
なぜ、黒い塊に剣当たったんだ。
なぜ光った。
そして何より。なぜ、目の前に
『こんにちは。ミスミさん。』
人が立ってんだよ!
誰だこの人。
『どうしたの、ミスミ。わたしが誰だかわからないの。』
わかんないです。あなた誰ですか。
「あんた誰。」
『そうですか、わからないですか。』
うんうん。
わかんない。誰だが教えて。
『教えて欲しい。』
「教えて。」
めんどくさくなりそうだなと思いながらいった。
『・・・だよー。』
なんて言いました。聞こえませんよ。
聞こえませんでしたよ。聞きたかったところだけ。
大事なところなのに。
「誰ですか。」
『ネフィラだよー。』
「そうですか。なら、ネフィラさん。雪はどこですか。」
『雪。雪ってダ~レ。』
そうですか、なら、戻ろう。
戻ろうとネフィラと名乗った人の方に歩くが、ネフィラさんがとうせんぼしていかせてくれない。
あなたは子供か!
子供かもしれないけど。
「退いてください!雪さんに会いに行くんだ!」
『好きなの。』
違う!と叫ぶとそっ。と素っ気ない返しだった。あんたが聞いたんだろ!
来た道を戻るために歩きだした。
ネフィラさんはなにもしてこない。
とおせんぼしないんだ。なぜだ。ちょっと残念だなと思ってしまった。
さぁ、早くいこう。雪さんを助け出しに。
しばらく歩き続けると着いた。
森に。
「ここはどこだーー!」