第43話 雪が行方不明
「雪、アシュガ。二人とも聞いてもいいか。」
「なにーー。」
「なにか。」
「【みち】ってあの複数世界のことか。」
「そうだよーー。」
「はい、そうです。どうかしました。大丈夫なんですよね。」
「ああ、友達になんとかできるやつが【みち】にいるから」
怖くはあるわけね。
フムフム。
近くしてあげられるようにしてもいいよ。
今から言う質問の答えしだいなんだけどね。
「どこにいるの。」
「なぜそんなことを聞く!」
「えっ!回収するときのめやすを知らないといけないから。」
「そうか。あいつがいるのは【みち】の、確か……コ、」
いや、待てよ。待て待て、雪だぞ。あの雪だぞ。雪がただただ、俺らの回収……回収だと!ありえない!雪が心配してるなどない!
ということは、そうか、そういうことか。
「雪。お前、俺の友達からできる限り遠いところにあるマグマのとこに行かせようとしたよな!」
やはり、ばれましたか。
その友達がいる場所の生き物が嫌いな場所が近いところに落とそうと思ったのに。
「やっぱりばれちゃったーー。そうだよーー。」
「チッ!」
「じゃあ、仕事があるからまた。ウスセウス。」
退いてと言って後ろから首に腕を回して雪の後ろに立っていたアシュガに言われた。
今、雪のやつ舌打ちしたよな。
もしかしたらいい方に向かってたかもしれないこともないときに舌打ちするけど……無理だな。
「ふぅ、しばらくは大………ってダメだぁぁーー!
今じゃないと嫌だぁぁーー!
今すぐしてぇぇーー!」
ミスミはその言葉を聞いて本当にMなんだと思っているとは思わないウスセウスであった。
ミスミはラッキーだと強く思っていた。
今すぐだったら絶対に俺だけ三回ぐらいマグマに落ちそうだもん!
「あっ!」
「どうかしたの。あっ!」
「「ミスミ忘れてたーー!」」
「まぁ、いいんじゃない。突然マグマに落とせば。」
「それはダ~~メ。」
「えええーー!いいじゃん。雪ーー。」
「よくないの。マグマに落とす場所は私が考えてた場所より低い位置からだから。」
「そうなの。それってどういうところ。」
「それは落とすときまで内緒。」
「えーー、まぁいいけど。それまでは星作りしないとかーー。」
「ミスミを連れてきてね。」
「雪さん。お願い。」
「誰かのせいで今日は使用制限切った。」
「行ってくる。」
「いってらっしゃい。」
アシュガにはああ言ったけど今のうちに終わらせよう。
【復元】っと。
・・・
◇
《こ…ん………………ち…わ。あ…………た……~れ。
………君。》
『なぜ、だ。わ、た。ん。だ。』
《…ん………こと……な。》
『わ、てる。はず、よな。』
《う~……ん………どう……しよ……かな……。う~ん。
・・・・・・・・。って言うの☆》
『へー。』
《軽い。結構有名なのに!名前だけは。》
・・・
なにこれ。
これ……記録かな。
もし記録なら最後までの時間と最初の時間………
時間だと思う数字があった。
0/0書いてあって。
これどういう意味なの。
砂嵐で今はなにも写ってないけど。
◇
「戻ってきたよーー。雪ーー。」
「雪。どこなの。雪!雪ーー!」
「ミスミ起きて!」
揺さぶって起きないの。
大事なときなのに!
揺さぶる次は……これしか浮かばないからこれをやろう。
顔を叩けばおきるよね。おもいっっきり。
パーン!
「起きたーー。」
「はぁい、起きました~。」
やり過ぎちゃった。どうしよう。
・・・
脳震とうおこしちゃったみたい。
どうしよう。
「ミスミーー!ミスミーー!……フゥーー、雪がどこにいるか探してほしいのよ!しっかりしてよ!さぁ、もう一回叩くよ。」
「はい!探します!」
「えっ。」
それまで今にも倒れそうな酔っぱらいみたいだったのに叩くよ!って言ったら敬礼するってどういうことよ。
探してくれるって言うなら別にいいけど。
「良かったのーー。もう一回叩かなくてーー。」
「いいにきまってるよね。」
なんでか、わかるよね。
「見つかってないから叩くんでしょ。」
「そう。……そんなああーー!
いえ、ごめんなさい!ごめんなさい!今すぐ連れてきます。」
なにが言いたかったの。
声大きくしてまで謝らなくていいよ。
あと連れてくるんじゃなくて見つけないとダメなんだよ。
「ミスミ、待って!」
「はい!止まります!止まります!」
「止まったね。良かったよ。」
「それでなんで止まったんすか。」
「行ってほしいところがあるから。フフン。」
えっと、それってマグマじゃないですよね。ね!
「ああ、マグマじゃないから大丈夫だよ。」
まぁ、マグマより怖いかもしれない場所なんだけど。
「じゃあ、いってらっしゃいミスミ。
ごめ・・。」
これから行くのは天国じゃないことはたしかみたいだ。アシュガさんの顔を見る限り…………ん。
どういうことだ。
なんでアシュガさん指導係なのに一緒にいかないんだろう……。
なんでだろう…………。
でも、これから行く場所は大変そうだから気を引き閉めよう。
なぜだかわかってもミスミは「えええーーー!」
とこのあと叫ぶのは変わらなかったけどねーー。
「これで……よ……か……った。」
「うん、ごめんね。変なこと頼んで。」
「いいよーー。」
ポチャン。
「!」
「「だれ~~!!」」
人型のなにかがこちらに近付いてきた。
「ボグ……ダヂ!……ゴゴ……ワガッダバズギョ。」
「生きてたの。」
「どうやって。……いや、あんたたちがしたことだからそうなるはずでもあるねーー。」
ぱんっ!
銃で空間を撃ったーー。
バイバイ、アシュガ。
「アキ……リ……ン…………さ…………ん……。・・・。」
アシュガが吸い込まれるようにアシュガの近くの空間をーー。
アシュガをある場所に送るためにーー。
「!」
なにかがわかり後ろを向いた。
柔らかい触手のような物が横切ったような気がした…………でも違った。
ものすごく固い金属が一直線に動いたときの衝撃波だった。
「アブガイ。」
「そーこーのーーひーとーーどーいーてーー。」
遅いよ~~。
遅すぎるよ~~。
なんで、こんなに声遅いのって思うほど遅いよ~~。
これ~~。
一発目の前に言った言葉のはずなのに~~。
今~~、衝撃波二十回は横切ったよ~~。
だから、誰だかわかったけど~~。
最初の衝撃波を放った人物が~~誰だか~~。
ね~~。
「あれ、アキリン。なぜ今いる。」
「それはこっちの台詞。あなたは~~あの方を……。」
「・・・」
「その反応だけで分かった~~。」
分かったのか。すごいな。
「こっちはよりわかんなくなったよ。」
「そうだろうね~~。私とあの方~~。
以外はサキさんがわかるんだけど~~わかんなんだ~~ごめん。でも!あなた、あの方を知ってるようね。」
「サキさんが関係してるってところで確信に変わったがね。それで……最もあの方に忠実な部下様はどうする。」
「なんにもしない~~。」
「そうか、かわったな。」
え、なんて。
「ごめん。なんでもない。それよりだろ。」
「そうだった~~。………!」
復元されるまでアノメデス星の側で激しい戦闘が行われている頃、カントレス星になぜか雪が王族のような待遇で座っていた。
なんでカントレス星にいるの。
これも気になることだけどそれよりなんでこんな厚待遇なの!
「・・・……えええぇぇーーー!ここアノメデス星ーーー!なぜここにーーー!」
アシュガさん。アノメデス星にきたのはこの際認めよう。認めたくないよーー。うわぁーーー!いやだーーー!しにたくないぃぃーーー!
神殿。
に落ちてきた。
ん。なんで落ちてたんだーーー!
それもというか全部疑問だけどなんで森の方なのに森に2階建ての家が入りそうな淀みが広がっていた。
えっと、気になるからっていうより、入ってみたいから行ってみよう。
え、え、え、なんで吸い込まれるのーーー!
「うわぁーー!」「ギャぁーーー!」
「なんで。」
目が覚めると雪さんがダ・ヴィンチが描いた絵の最後の晩餐。のような木のテーブルに雪さんは真ん中に座っていた。
その両隣にお酒注ぐ人とご飯らしきものを口に運んでもらってる。
女の子だから羨ましい。雪さん。
ここにいる全員が女の子しかいない。なんでだ。
「おい、男!ここで何をしている。姫君にようじか。」
「ええと、はい!」
「そうか。」「斬る!」
刀、ではなく、金属部分しかない刀を右上に振りかぶって、そのまま振り落とす刀を持った女の人。
「待って!」
死んだ。
仕事やっと覚えたのに。
この仕事したのいろんな所に行けるって言われたからやりはじめたけど、見たくない瞬間しかみてない気がするし、罪悪感多かったから死ぬのもいいかな。
死んだって思って目を閉じたから見えないけど、なにも感じないっておかしいよな。
そう思って目を開く。
えっと………、
刀は…… 血は
当たっていた。 流れていた。
でも、死んでない。
なんで。
「大丈夫。ミスミ。」
「みたい。」
「ふーん。よかった。ここで何してるの。」
「雪さんは。」
「う~ん。息抜きかな。それで、ミスミはなんで。」
そう……なんだ。
「なんか、森に空気の淀みがあったから興味があって、そこに近づいたら吸い込まれてここに来てた。」
「そういうこと。」
雪さん、よくわかったな。それでどういうこと。