第40話 核だけの星となったアノメデス星。
直径十キロメートルほどの球体が宇宙空間で浮かんでいた。
それはコア……。
アノメデス星のコアでだった。
ここは、アノメデス星で……あ……あった!
コアになった星。アノメデス星。
コアの前にパーシスアーウェルと書かれた一つの引き戸の扉が現れた。
パーシスアーウェルと書かれた扉から人が一人、扉から出てきた。
『また、最初からね。ミッちゃん、雪。』
「なぁ、アシュガ。
ミッッチャンはやめろ!
いや、確かにおれはミスミで言いづらいかもしれない。だが、ミッッチャンはやめろ。なんつぅかぞわぞわする。」
『『へぇ、そうんなふうに思ってたんだ。』』
『軽い。軽すぎる。俺への対応そんなんでいいのか。』
「じゃあ、なんで今さら言うの。ねぇ、ミッちゃん。」
『ウンウン。』
『雪が首振りながらウンウン言ってるってことは、その通りってことか。』
「今さらってやめろって言ってもやめななかったんだろ。お前らが。」
『だって、面白いんだもん反応が。』
『そうそう。』
『首振り人形さんのせいで傷ついたから。』
「帰る。」
『いいよ。帰れなば。』
「帰らないでください。ミアミさん。」
「バイバイ。ミス、ミ。」
「帰らねぇよ。もう。いいよ。頑張れよ二人とも。」
『頑張れって言われても、頑張るのは私たちじゃない。この星の人たちよね。
うーん。
でも、早く決めないといけないのは本当ね。雪は戻すのと直すのどっちが言いっていうかな。』
『変なこと言うな。ミス、ミ。』
『でも、
この星早く決めないとだけど。
蘇らせるか、戻すか、消すか、それとも、直しすか。の4つ。どれがいいかな。』
「決まった。アシュガさん。」
「決まらない。そっちも決まらない。」
「決まりましたよ。直すことにしようと。」
「そう、直すのね。」
『直すのね。直すのね。やだな。直すの。費用と時間がかかりから嫌なんだよね。』
「大変だけどそうしましょう。一人サボったら、ここにもう一回…………だと、忘れそうだから、ずっとやってもらえばいいしね。始めよう、雪。」
「はじめますか、アシュガさん。」
『『よし。これで完成。』』
『サボらなかったね。ミッちゃん。サボってくれれば楽できたのに。』
『はぁ、だい……じょう……ぶ……だよね。そうだよね。よっかったーー。』
「ミッちゃん、そんなに嬉しいことがあったならこのあと一人でやって、よろしく。
アシュガさん帰っていいですか。」
「いいわよ。私も帰るところだから。」
扉を通ってアシュガと雪は帰っていった。別の世界へ。
『このあとを俺一人で全部やるのか。面倒だな。』
『まぁ、いいか。始めよう。マニュアルは。鞄のなかに入ってる……。』
「鞄忘れたーー!」
『いや、ちがう。忘れたわけじゃない。持ってこさせなかったんだ。あの二人が。』
『鞄にマニュアル入れたときに雪がやってきて、
なにいれようとしてるんですか。
って聞いてきたから、マニュアルって答えたら、
えっ!まだマニュアルないとダメ。それだからミッちゃんって名前が定着するのはやったんだよ。
って言われてやけになって捨てたんだよな。近くにあった池に。失敗だ。失敗した。』
一方その頃雪とアシュガは酒場のテレビでミスミがしっかりチェックするという名目でバカにしていた。
「本当にマニュアルないとなんにもわかんないんだな。あいつ。」
「見たいですよ。前に扉を開けるのに開かなくてタックルして入院しましたから。」
「どれくらい。」
「1ヶ月だってよ。だ、そうです。」
「そんなこと言ったんだ。ばかだ。」
バカだ。バカだ。バカだ。とこだましていきもういいだろうと店側に言われたためテレビでチェックするのをやめて、飲み明かした。
『終わった。やっと終わった。これをアシュガは一人で三十分で終わるってすごすぎだ。俺なんか一週間かかったのに。』
『帰ってベッドで寝よう。そうしよう。』
『あれ。開かない。なんで、なんで開かないんだよ。開けよ!・・・開かない。・・・マジかよ。』
『ここで暮らすか。でも移動しよう。ここにいるよりはいいからな。
うまいものはあっちの世界より食えるだろう。
ここにあるのがうまいかはわかんないが。』
そういえばミスミ、終わってるよね。なんで出てこないんだろう。
「ちょっといいか。アシュガ。」
「いいよ。」
「思い出したんだけど、よ。アシュガ、お前。ミスミ出さねぇために鍵閉めたよな。あれ、開けたか。」
「あ!」
開けてねぇか。
「開けとけよ。」
「はい。」
えっと。
鍵は……、どこだっけ。
あっこれか。
・・・・・・
・・・ウソ……よ……ね。嘘だよね。
なんで。
なんで、鞄からアキリンさんが出てくるの。
「ねぇ……ねぇ……ねぇ!なんで!
なんでここにいるの~~。
ねぇ、おしえて~~アシュガさん。」
「はぁ、えっとね。アキリンさん。まず、ここどこだと思う。」
「ここ~~。決まってんじゃ~~ん。アノメデス星~~じゃないの~~。」
「そう……だす……ね……。」
早くしてね~~。アシュガ。
!だす。だす、だって~~。そういうの持ってるんだ~~はじめて知った~~。プッハハッハハ~~。
「プッハハッハハ~~!ハー!面白い。」
「なにがですか。」
「!
これ!」
光る剣、なんで、そんなのでわかるの。
光る剣で自分が噛んだところ、ずっと見ないといけないのー。恥ずかしいわ。
「どうかした~~顔赤いけど~~。恥ずかしいからか~~。ごめんね~~、プッハハ。面白すぎ。」
「もういいでしょ!笑わないで!」
「ごめんね~~。アシュガ~~。」
「あっ!それで~~、なんで~~アシュガ。
なんで~~ここ~~アノメデス星にいるの~~ねぇ~~アシュガ~~。。」
「・・・」
うつむいて話できそうにない。そもそも泣いちゃってて無理だね。
「アシュガ。ごめん言いすぎたよ~~。ごめんね~~。」
「もう、笑いませんか。」
「うん、言わない。誰にも……言……う……から……言わないように頑張るよ。」
「誰にも言わないでください。」
「可愛いかったのに。」
「はい、だめれす。」
「ふ~~ん。は~~い。誰にも言わな~~い。だ~か~ら~、早く扉の向こうで~~叫んでる人のために~~……。」
「あっ!そうだった。ミスミがその扉の向こうにいるから早く開けないとなんだ。だから……。」
「開けて~~っていってるから開けろってことだよね~~。」
「そうです。」
えっと、この扉は……
「わ~~。すっご~~い。」
気持ち悪いよ。アキリンさん。早く開けないと。って自分でいったのに。
だから、退いて、アキリンさん。
でも、つきあってあげないと開けられないから。開けるために聞かないと。
えっと。
「なにがですか。アキリンさん。」
「もちろん~~この扉~~。」
なにがどうすごいんですか。
「これ。」
うーん、すごいの。
よく見てるからもあるかもだけどなにがどうすごいのかまったくわからない。
「ねぇ、すごいね~~。これ~~、八重だよ~~。すごいね~~。」
どうやったら開くのかわかんないよね~~
「三回で開く仕組みになってます。今、開けるからいい。」
凄い首振ってる。ブンブン聞こえるぐらいって首取れちゃうんじゃないの。
アキリンさんって、いつもテンションMAXだと思ってたけど……いつもよりテンション高い。
子供が新しいオモチャ買ったみたいにテンション高い。それ以上かも。
「ちょっと、アシュガ~~!早く開けて~~!」
「う、うん。ごめんごめん。ミスミ今開けるから。」
えっと、まず、青い鍵を扉の枠にある鍵穴にさして回して、次に……次に……あ、そうだった。
この下にある小さい扉で同じ青い鍵を回して、最後に扉の鍵を回す。
ピキッ。カチッ。
そう音をたてながら枠が開いていき大きくなっていく。大きくなった扉は縦の長さが一キロメートル、横が八メートルとちょっとバランス悪く見える。
「これで大丈夫なの~~。」
「大丈夫みたい。」
「へ~~。」
なかなか出てこない。ミスミ。
・・・一時間経過。
「おい!アシュガ!起きろ!……起!き!ろ!」
「はいーー、なんですかーー、ふわぁーあ。まだ、ねみゅいから、ヤダ。 」
「ヤダだとーーーー!!アシュガーーー!起きろーーー!」
「はい、わかりましゅた。起きましゅ。」
「起きたか!」
「起きましゅた。」
「そうか、ならなんで起きましゅた。なんだーー!」
「いたいです。起きてたのに。」
「そうか。なら、聞くが……。」
「なに。ウスセウスさん。」
「いや、なんでもない。」
怒るとうるさいから良かった。
「それで、なぜここで寝ていたんだ。アシュガ。」
「え、鍵開けたら眠くなったから。」
「それで。」
「それで、アキリンさんがなにか言ってた。」
「ここはどこなのか。この扉の仕組みがどうなってるかだよ。」
そうか。
「鍵は、あるか。」
「ありますよ。……ほら!」
あるか。偽物では……ないな。うーん、そうか。
鍵は……開いている。ミスミの気配は……感じない。
ということはアシュガが言ったことはあってると言うことか。
では、なぜアシュガは扉の前で眠っていたのだ。
「ここで、アシュガが寝てたのは~~。
ここに入りたかったからだよ~~。」
「「アキリンさん!」」
「久しぶり~~ウスセウス。」
「アキリンさん。あなたに言われるのは嫌です!」
「じゃあ、何て呼べばいい。」
「セウスでいいだろう。」
「そうだね~~。ウスセウス。」
「なぜ戻る!」
「いいじゃん。本名からのあだ名なんだから。」
「そうだが……まぁ、いい。」
「ねぇ、ウスセウス。どうやったら帰れるの。」
「帰りたいんですか。」
「そうだよ~~。」
「あの、橋がかかってる星は見えますか。」
「見えるけど。」
「そこを通って最初の分かれ道を右に曲がれば大丈夫です。」
「そうなんだ~~。じゃあね~~。」