第4話 旅路
飛行機に全員乗ると飛行機の前に滑走路のような通路になった。
では皆さん出航します。とサカイルが言うと飛行機がそのまま滑走路のような通路を進み外に出た。
「どうやって行くの、パラレ。」
とアサナが言うとどう行くのですかとパラレから返事が返ってきた。
どう行くって言われてもなーどうやって行くのがいいのよホントにって私がこうするようにナタレちゃんに頼んだのよね。でも、どうやって行こうか詳しくは考えてなかったよ。
・・・・・。
「アサナ、大丈夫。」
とサキが聞いた。
「ええ、大丈夫よ、サキ様。」
「ホントに。」
と心配そうにサキがアサナに聞いた。
「大丈夫、ちょっと酔ったけど大丈夫。」
「それでどう行くのか教えて、サカイルさん、パラレ。」
と気分が悪そうなアサナが…言った。
「・・・」
「あのー、この国の近くの森を通っていこうと思ってますがどう思いますかアサナ様。」
「ええ、そうね。いいとは思うけどあの花がある森からはいかないでよ。」
とアサナは不安そうに言った。
「そうします。ですから頑張ってください、アサナ様。」
「ええそうよね、頑張るわ。」
「パラレ殿、サカイル殿、よろしく頼む。」
しばらく飛行機を飛行しているとアサナとサキは寝てしまった。
「…サカイル殿、パラレ殿。アサナが言っていた道から行くのはどうかと思うのだが。」
「大丈夫でしょう。クラノスさん、花のある場所からはあの人は来ないので行けませんし。」
とパラレが言い、
「っと、言うことです。クラノス様。」
とサカイルが言った。
「あの人ってアウル殿のことか。」
「いや、違うかと。アウルさんではないとアサナ様が…。」
「アウルさんじゃない。そうか、サキ様か。」
「そうです、クラノス。サキ様は絶対にあの場所に行ったら……ですから。」
とパラレが言った。
「分かった、クラノス。そういうことだから絶対におかしな真似しないでよ。」
とアサナが寝言で言った。
うわっ!とクラノスがびっくりしているとサカイルが
「すごいな。」
と言った。
「さすがはアサナ様です。」
とパラレが言った。
「あ、あの~アサナ様。もうすぐ王国抜けるのですがどういくのですか。」
とパラレがアサナに聞くとどうしようか。とアサナが起きたのか言った。
カララン♪カララン♪カララン♪カララン♪
「誰よここに連絡してきたのは」
とアサナは言うと最後尾にある受話器を取った。
「はい。」
「こちらナタレ。アサナちゃん、あの花のある場所の西側からラプオビに行ってね。
それとね、アサナちゃん………………………………。」
とナタレだけど聞いたことがないナタレの声が言うと電話は切れてしまった。
「頑張ってねって続かないんだ。ナタレちゃん。」
と受話器を置いたアサナが大丈夫よ、パラレよと続けて言った。
「花のある西からって言われても。パラレ、あの花のある森の西側の国を進んでラプオビに行ける。」
とパラレにアサナが聞くと、
「行けますが、今来た道とは逆です。」
とパラレは言った。
「そうです、が、あの森ですか。西からとなると川がありました。川を上る道を使えばすぐ着きますから少しお待ちください。皆さん。」
とサカイルは言った。
「大丈夫。」
とサキが心配そうに言った。
「大丈夫よ。サキ様。」
「でも、ごめんなさい。私のせいでまだこの飛行機に乗り続けることになってしまいました。」
「なにアサナ。もうだめって顔してるよ。アサナこそ……まだこの飛行機乗り続けられる。」
「大丈夫よ、私は。でも、まだ、飛行機の中だから頑張らないとよ。サキ様。」
「私はどうすれば、教えて下さいナタレ。」
「なに言ってんのDクラス。」
「だれがDクラスだ!」
「クランさん。うるさいです。今大変なんですから。」
とパラレがクラノスに一度振り返って真剣な眼差しで言った。
「!」
あんぐり顔をアサナとサキはしていた。
サカイルがパラレを一度見てあぶないあぶないと首を振った。
「クラノス。落ち着いて。パラレちゃんはたまにあんなだけど悪気がある人だから。大丈夫だよ。」
「そうですか。なら………」
「えっ!」
とクラノスは怒りからまぬけな顔に変わって言った。
「クラノス。落ち着きなさい。ここがどこか忘れた。」
「そうだな。ここは飛行機だもんな怖そうな人がいるからやめないとな。」
「そうですか、クラノスさん。そんな人いないですから大丈夫です。」
とサキはクラノスを見て言った。
「そうですよね、サキ様。」
「そうだな。」
とアサナとクラノスは言った。
「皆さん。揺れますからどこかに掴まってください。」
とサカイルが警告するように言った。
ガコンと音がした後、ドーンと大きな音がした。
「皆さん、大丈夫ですか。」
とサカイルが言った。
「私は大…丈夫…。」
「どうした…アサ…ナ。」
となにかを見て二人は言った。
「どうしたの。二人ともそんなに…驚…いて……パラレ・・・。パラレ!パラレ!」
とコックピットを見たサキは言った。
「う~ん。どうかしたのサキ様。」
と眠そうに言った。
「パラレ、頭が……。」
と焦っているサキが言った。
「!」
と後ろを見たパラレは驚いた。
後ろはなぜかポッカリ穴が開いていた。
「サカイル!パラレ!まずいわ!墜落すらわ!」
とアサナが声をあらげて言った。
「サカイルさん!不時着します!」
「わっ分かった、だが、どこにだ。」
「不時着は不味い!このまま降りるわよ!」
「おい!アサナ、正気かそれ。」
「当たり前でしょ!」
「行きましょう。サキ様。」
「アサナ。行かない。」
と首を横に振りながらサキが言った。
「そうですか。ごめんなさい、また、私のせいで………。」
とアサナは言うと自分の持っていたスーツケースを外に投げ、かばんを背負って飛び降りた。
「あ、アサナ。」
「パラシュートは無事に開いたみたいです。サキ様。」
「ええ、そうみたいですね。クラノス。」
「どうかなさいましたか。サキ様。」
「いえ、なんでもないです。」
「そうでしょうか。サキ様。」
「本当に穴など開いていたのでしょうか、本当にアサナ様は飛び降りたのでしょうか。サキさん。」
とサカイルが言った。
「そうは思いますが、違うのですか。」
「はい、違います。サキさん、アサナ様は元々こちらにはいなかったので。」
「そういうようにアサナに言われていたのではないですか。」
「そんなことありません。」
「そうですか、本当に、?」
「アサナ様に言われたのはその通りですが安心してください。飛び降りたりはしませんので。」
「そうですか。」
とサキは言った。
「あの~サキ様。どういうことですか。」
「私からも説明してもらいたい。」
とパラレとクラノスが言った。
「パラレ。頭大丈夫。」
「えっ!ええ、大丈夫です。サキ様。」
「良かった。」
「サキ様。」
「そんな怖そうな顔しない。クラノス。」
「すいませんがこれの修理をしなければならないので一旦引き返してもよろしいでしょうか。」
と言い、サカイルがコックピットからやって来た。
「引き返してもいいですがこれは本当にこうなったのですか?」
「もちろんなってはいません。」
「そんなことになっていたらアサナ様だけしかいない今の状況は出来ませんから。」
とサカイルは言うと後ろのポッカリ空いた穴の近くにあったアサナのバックを閉じた。
すると穴はなくなってしまった。
クラノスはアサナのバックの近くに赤い紐と何かのボタンがあり、それをサカイルが押していたを見た。
「すごいです。さすがです。」
「サキさんにほめらるのはいい気分ですね。」
「口調が戻ってますよ。ルディエル。」
「えーーとなにをおっしゃっているのですかサキさんはね。」
とサカイルこと、ルディエルが言った。
「変わってましたか。クラノス様。」
「そんなに変わってはいませんでした。パラレ殿。」
「あのー、すいませんが、えーと…」
と言いながらパラレはそわそわしている。
「パラレもこっちに来てください。」
とサキが言った。
「サカイル…さん。大丈夫ですか。」
「サキさん。確認しますから、少し待ってください。」
と言ってサカイルがコックピットに戻っていった。
しばらくするとサカイルことルディエルとパラレがこちらにやって来た。
「ふーーー」
とため息なのか深呼吸なのか分からないことをサキはした。
「遠隔操作にしたのでしょうか。」
「はい、そうですね。ですから大丈夫だと思います。」
「そうですか。それでどうするのですか、このあとは。」
「簡単なことですね。ラプオビに行きます。」
とサキとサカイルことルディエルが言った。
「あのーサキ様。サカイルさんがルディエルというのはいったい…。」
とそれだけは聞かなければっとパラレが下手に言った。
「えーと・・・なんで、ルディエル。」
「それはですね。ナタレ様がアサナ様に頼まれましてこのようなことになったということです。」
「それでどこまでアサナはいたんだ。」
とクラノスが言った。
「アサナ様はナタレさんから連絡があった後飛び降りたと思いますが…。」
「アサナは最初から乗ってないで、ということをせずに、なんで、ナタレが連絡したあとに飛んだの。」
「サキさん。アサナ様は心配性っというところ忘れてます。」
「そうでしたね。」
「そいいえばなんだけどナタレはなんて言ったの。」
「それは…どうやってラプオビに行くかについて言ってたとアサナ様が言って…」
「そうだったんだ。」
「「「寝てましたサキ様。」」」
とサキ以外が驚きながら言った。
「そんなことより、ルディエルとはどのような人物なのでしょうか。サキ様。」
とパラレがサキに聞いた。
「サキ様。私も気になります。」
とクラノスが言った。
「あの戦争の引き金になったっていう花は聞いたでしょ。あれを持った来たアサナの部下でアサナが最も信頼して、優秀だと自慢する人物。それがルディエルってこと分かったクラノス、パラレ。」
「そういうことですか。」
とパラレが言った。
「俺はアサナ様のためならなんでもやる何でも屋です。」
とルディエルが言った。
「えーと。つまり、ルディエルはアサナ様の犬ってこと。」
「そう、パラレ。」
「サフラン。やっぱりパラレに直球でこられるとグサッとくるのか。」
「クラノスさん。私はアサナ様の犬とサキさんによく言われるんです。なので慣れました。」
「そうなんだ。いいな。」
とサキを見てクラノスが言った。
「クラノス。」
とルディエルが言った。
「私のせいでこんな流れになっちゃたけど、あの、ラプオビに行かないとさすがにまずくないですか。」
とパラレが言った。
「そうですね、パラレ殿。もう行きましょう。」
「いいですか、サキさん。」
「少し慣れてきたと思うけど…行こう。」
とサキがあれっとした顔をして言った。
「そうどすよね。サキさん。ではパラレ、ラプオビに行くぞ。」
とコックピットを見ながら言った。
「あっ!行くんですね。サキ様、もう行きますがアサナ様が居ませんが頑張ってください。」
「ありがとう、パラレ。」
とサキが笑って言った。
「なんで、あんな話になったんだ。パラレ。」
とクラノスがパラレに意見を求めるように言った。
「サキさん寝ました。」
「えっ!寝ましたけど、ルディエル殿。」
「だからです。」
「サキ様、大丈夫そうにしてたけど顔に少し出てましたので。」
「そういうことでしたか。」
「クラノスは大丈夫なの。」
「私は大丈夫です。飛行機。」
と蚊の鳴くような声で言った。