第39話 最後の戦争
はぁ、怪鳥のせいで疲れたです。
水飲むために木から吸うからコンコン首を振りから、乗ってるこっちまで振動がきて首振るから、首が痛るくらいです。
その時、水が飲みたいと思っても止めてくれない。寝むいし、喉が乾くから川の近くがいいのにいさせてくれないし、火を見るとすぐに消す。
本当に大変だったです。
「サキ様にクラノスじゃないよ。こんな遅くにどうかしたの。」
アサナ、もう来てたのか。そう思いたいけどこの怪鳥が遅すぎるだけか。
歩いて2、3週間くらいなのに、この怪鳥のせいで。
この怪鳥のせいで。
ペルマム王国に着くのに2ヶ月もかかった。
キャイ!キャイ!
足に縛ってある紙をアサナにアピールしてる。
キャイ!キャイ!
サキ様。
クラノス。クラスの野郎なのになんでこんないいやつなんだ。
ダメダメなはずなのに。
聞いてみよう。
「サキ様。クラノスなぜ変わったのよ。」
「わからないから教えて。アサナ。」
こっちが聞きたいことなのに。
「それは人が変わったからです。サキ様、アサナ。」
そうよね。クラスは、二重人格でペルマム王国じゃないところで国を操れるほどの役職だったよね。名前を忘れるっていう致命的なところがないのよね。ダメだよね。こんなんじゃ。
「名前はなんていうの。クラノス。……クラノス…じゃないのなんて呼べばいいの。」
「クラノスではなく、クラス、スチスランタン、スチス、ランタンの5つの内のどれかでお呼びください。サキお…様。」
お嬢様って名残で言いたくなる。
ナタレとアサナの二人は、なんでお嬢様って呼ばずーないでいられるのか、不思議。
「全員集まってるから、リラックスして、気持ちに素直に話せばわかりますよ。サキ様。」
サキ様。どうかしたの。
緊張で心臓バクバク。なんでこんなに緊張してるんだろう。
ギャー!
雄叫びが聞こえた。その雄叫びでキーン!とすごく頭が痛い。
・・・
少し時間が経ってやっと頭が痛いのが治った。
「この雄叫びなんなの。アサナ。」
「それがね、わからなのよ。」
「この雄叫びはゾイフィア帝国の船の汽笛のようなものだ。サキ様」
そうですか、不思議。
なんでかわからないけどこの雄叫び聞いたことある気がする。
サキはこのあと自分がこの国、この世界で自分がどんな存在だったかを思い出した。
・・・
壁の向こう側の会議は決裂で決まったみたいね。
協力しないと勝つっていう理想は絶対に実現しないわよ。
「自分達の立場がそんなに大事なの。今はそんなことより一つとならないと化け物たちには勝てない。ここは消えちゃうんだよ。昔みたいに…ううん。昔以上に酷いことに今なってるんだから負けちゃうのは死んでもこき使われることしかないよ。奴隷なんてかわいく思えるほどのことが待ってるよ。それでもいいなら、負けたいなら協力しないで自害すればいいよ。国民全員で。そうすればたぶんだけど、ユリース様が守ってくれるよ。死んだ後にこき使われることもないと思うよ。でも、そうなっても今ここにいる国全てが亡くなったらそっち側もすぐに見つかるよ。だから逃げ場もないんだよ。奴隷以下の存在になりたいならなればいいよ。」
珍しくサキ様が長く話しましたね。そういえばルディとパラレは大丈夫なのよね。
「皆、覚悟は決まっているのだ。この星が滅びぬために我々は協力しようぞ。」
『オーー!』
「では、一時解散し、翌日の昼間に作戦会議をする以上だ。」
あーあ、美味しい所はコラル王が持っていっちゃった。いつもそんな感じだけど。
・・・
一ヶ月後
最終決戦の幕が切って落とされた。三メートルはある釜が落ちてきて。
相手は飛行戦艦っていうのが三隻あるだけ。こっちは鋼に囲まれたミサイルが放てるのが300台。この差で負けることは決まったことってどういうこと。
何度かの停戦もあり、一年たった時には敵の飛行戦艦は三隻から一隻増えて四隻。
こっちのミサイル台はあと7台。
その五日後、飛行機になってパラレとルディエルがやって来た。一隻の100キロメートルはある巨大な飛行船を軽々しく運ぶ巨人とともに。
「ねぇ、アサナ。あの大きいのどこから連れてきたの。」
「あれは、ロダランぺラトル荘興国からですよ。」
そう。こんなに大きいのいたんだ。あ、そういえばい……た…かもしれない。
この大きいのでも勝てるっていう希望が見えてこない。
「それはそうですよ。サキ様。」
「何が。」
「巨人が手を貸したので勝てる訳じゃないということよ。」
「アサナはどうすればいいかわかるの。」
「わかったら実行しますよ。」
「そうだよね。はぁ。ここまで、追い詰められた状況なにのになんでダルいなとか暇だなっておもえるの。アサナ。」
「なぜかなんてわかりませんわよ。サキ様。」
と言いましたけど余裕があるのは敵が動かないからだと思うよ。サキ様。
「なんで攻撃してこないんだと思う。アサナ。」
「ボスの命令。」
それはそうだけど、そうじゃなくて、作戦なのか、攻撃してってことなのかって………い…………み………嘘。
巨人は一人の子供に倒された。
赤ちゃんが持ってるガラガラで巨人に叩くと巨人は体のあちこちから血を噴き出して倒れた。
「こんばんは。死になさい。」
ガラガラ
ガラガラ
グサッ。
アサナにナタレからもらった短剣で心臓を刺していた。
笑顔で大丈夫よサキ様。そう言うとぐったりしてしまった。
「アサナ。アサナ。アサナ。嘘嘘嘘。アサナが……アサナが。」
「サキ様、話をつけてくださいよ。」
「アサナ!アサナ!」
「良かった。良かった。」
「ねぇ、あなた誰。」
「邪神シユ。へんなの。」
変なの。自分のことなのに。
あなたこそ。
あっ!シユちゃんか。
「シユちゃん。聞きたいことあるのいいかな。」
「はい!なんなりと!」
えっ。あ、うん。
そういうふうなんだ。
「えっと、シユちゃんは仲間なの。」
「はい。サキ様の仲間です。」
「なら、アサナを生き返せる。」
「それはサキ様ができるそうです。」
「出来るの。本当に。」
「はい、できるそうです。 」
「やり方わかる。シユちゃん。」
「わかりません。」
うん、そうだよね。知ってるわけないよね。
「あっ!」
なになに。
「思い出したと思ったけど忘れました。」
期待したのに。
「おい、ちょっといいか。」
「よくない。帰って。」
「そうか、タイミング悪くて悪かった。」
え、いいの。それで。帰ってくれるの。
「投下していいぞーー!」
投下。なにを。
「投下しまーす。」
「ねぇ、シユちゃん。」
「はい、なんですか。サキ様。」
「帝国主義者以外はどれくらい残ってるの。」
「えっとーーです……ね。……サキ様。……その……えっと……サキ様……を……抜いて……ふ……二人……ほどです。」
二人。ひとりはコラル王、もう一人はあれ、帝国主義者って、でも生きてるか生きてないか聞かれたら生きてない方だから数にはいらないか。
なら、もう一人はだれなの。
「降ってきました。サキ様。もう終わりですね。」
「なにが降ってきたの。」
あれです。
シユちゃんが指差してる方向を見ると声が聞こえた。
「シンファクト。」
投下されたものが五メートルほどで止まった。
パチパチと拍手をしれいた。
円形状になにかガスを吹き出しながら球体が広がる。
一時間後。
槍が投下されたものから飛び出すと球体は光り出し、爆発した。
爆発の衝撃と爆音は聞こえたが、誰一人として被害はない。
崩れる音が聞こえた。
「どう思うシユちゃん。」
「終わりました。サキ様。会えて良かったです。」
「なにかあったの。」
サキ様、よく見てください。
火山は噴火していて、地面に亀裂までできます。見えないのですか。
本当に。
本当見えないのですか。
▽
「シンファクト。」
「シンファクトがやっと完成したぞ。」
「どういうことっすか。」
「これで作るんだ。我々の世界を。」
これを落とせば我々はこの星で神になれるのだ!
△
数時間前。
ある山、海か湖の底に扉が現れた。そこにはパーシス。と描かれていた。
パーシスと書かれた扉が開くとサキ以外はほとんど消えてしまった。
残ったのは、帝国主義者とクラノスだった。
サキは残っていなかった。
・・・
眠ったってこと。
「サキちゃん、起きた。」
「う……ん……。」
かの鳴く声ほど小さい声で返事をした。
「サキちゃん…。」
ナタレが泣いてるから心配してくれてる。嬉しくて泣いてるんだけどね。
「うわ~~!うっウワーー!」
良かったーー。
「サキちゃん。よしよし大丈夫ね。」
「ありがっ……とう……ナ……タレっちゃん。」
ナタレちゃんの優しさのために涙を止めようとするけど止まらなかった。
気がつくと眠っていたみたいだった。
起きたときにはナタレちゃんはいなかった。
いたのは、シユちゃんだけだった。
「シユちゃん……。」
「サキ様、終わってしまいました……。」
「なにが。これはここはどこなの。」
「ここがどこだかはわかりません。」
「そうですか。なら、このテーブル、机。に写ってるこの岩がたくさんあるのはなんなの。」
「こ……これは……。その……えっと……これは……ア………アノメデス星……で……す……。」
「・・・」
絶句した。
これがアノメデス星。
嘘でしょ。何もない。
岩と球体はあるけど、アノメデス星の知ってる建物とか自然が、何もない。
これが本当にアノメデスなの。
「ウソ。」
嘘でしょ。ウッうわぁああん!ズズッ。
ウッうわぁあああん!
サキ様…………。