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世界は一度終わっている  作者: 小松ちゃん
 第一章 サキ様 3節 懐中時計を求めて…。【ジャスミン】
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第35話 月ウサギと懐中時計


「このあとどうするの。」

「しゃべるウサギ。今すぐ捨てろ。」

「月ウサギを。」

「そんなものが月ウサギだとふざけるな。」

月ウサギですよ。このウサギさん。

「まぁいい、ウサギにネックレスをかけろ。」

どうすればここから出れるの。

「コタエ…ハ…モウシッテイル…ハズダ……サキ。」


ウサギさんにネックレスをかけるとウサギさんが羊に変わった。

「ウサギさん。」

「ナンダ。」

「ううん。なんでもない。」

「ナンダ…ソレヨリ…コノアト…ドウ…スレバイイノカ…キケ。」

う…うん、わかった。ウサギさん。

「それでどうするの。お父様。」

「このまま待て。」

えー、わからないの。早くしてほしい。


キラキラっと明かりで粉が光るのが見えた。

ピキッ!

青い火花が散ると水晶にひび割れが出来てそこから白い、霧のようなものが出てきて人の形になっていき、白を基調として赤い曲線が描かれたローブを着た少女になった。


少女に驚き誰も声をはっさない。


少女が長い長い眠りから目を覚ますように。

そして、新しい世界をその目に入れるためにゆっくりと目を開いた。


「あなたがわたしを求める者ね。あなたはわたしに何を求めますか。」

王を見ながらゆっくりと一つ一つはっきり聞き取れるように言う少女。


「世界を救う方法を教えてください!」

あまりのキレイさに息をするのも忘れるほどだったので一度深呼吸をして少女に宣言するように言った。


「ごめんなさい。あなたがわたしを求める者ね。わたしは……。えーと、あなたは……。」

「サキと言います。」

「サキちゃんね。サキちゃん。ルピナスとジャスミンどっちの名前が良いと思う。」

ルピナスとジャスミン。う~ん……ルピナスかジャスミン。う~ん、こっちにしようかな。

「ジャスミン。」

「…………珍しい。ジャスミン。そう、わたしはジャスミン。わたしに求めるのはこの世界を救う方法を説明してほしい。でいいサキちゃん。」

頷いて返事をする。

「そうですか。」

「……どうしましょうか。」


お父様が唾を飲んだ。

「わかりました。本を持ってきて、サキちゃん。」


どんな本。

こういう本です。と言う声が頭に直接聞こえて、本の表紙絵はこういうものですよ。と言うように頭に本の表紙絵が浮かんだ。


その表紙絵は大きな円になっている中に十字と斜め十字の二本線がにあって円と線が交わる所にも円があって、中心も円になっている本で、その本はフィーネモンドとタイトルに書いてある本。見たことあるかもしれないけどここじゃないかも知れないから。


「お父様。懐中時計の本ってどこにありますか。」

「その像の近くに扉があるだろ。その扉の向こうに本は置いてあるはずだ。」


また、向こう側。えっとお父様が言う像は・・・これ。

なんで服。しかも浴衣って言う服なの。

違う違う。それはいいの。えっとこの近くの扉は…二つ。50㎝ぐらいの扉と5メートルはある扉の二つ。5メートルの扉を開けて……・・・。

「イヤァーー!」

「どうした!サキ!」


石になったように固まって誰も動かない。


扉の向こう側にいた人も気づいたみたい。固まっちゃたけど。なんでキスしてただけなのに固まってたのだろう。それも………自分の顔だからだよね。


キャーー!恥ずかしい。なんでなんで自分が誰だかまでは見てないけどキスしてるの。


「あ、のーー。」

「どう…し…ま…し…た…。」

「なんですか。」

「なんでもないが・・・。」

ちょっとお父様。なんでそんなに動揺してるの。

「待って!ここに本があったと思うけど、ある。」

「はい、あります。」

「どこに。」

「ここすべてです。明るくしないと。」

カチッっと言う音のあとに真っ暗だった扉の向こう側に明かりがついた。


「青いねぇ。」

「青いよ。ここにあるロッカーどこかにあるはずなのだけど多すぎてどこにあるかわけない。」

「どこに本があるの。」

多すぎるじゃなくて無限にあるロッカーだよ。

「この多すぎるロッカーのどこかにあるかな。」


「あったよ。」

サキちゃんもう見つけたの。目でそう言っていて嘘だねって思っているのもわかる。

「ほら!」

フィーネモンドとタイトル欄に書かれた本。

「ほんとだ。書いてあるね。」

懐中時計の本見つかったけど…これどうするの。

「懐中時計の本あったけど、これどうするの。」

「その本を全ページ流し読みでもいいから読んでみて。」

これを流し読み。十数ページぐらいしかないのに。

「う…うん。わ…わかった。」


普通に1ページ、1ページ、注意深く見ながら読んでいく。


・・・


う~ん。ちょっとだけど、おかしな空白があるかな。


「なにかわかった。サキちゃん。」

「空白が多いって言うのかな。…う~ん。おかしいのよ。」

うん、おかしい。上に波線があるけど中心が異様に空いていて、違うページには右のページはびっしり文章が書かれているのに左のページは空白っておかしいよ。


「そう、空白が多いの。そこに懐中時計があるの。それでどう思うかなって思うんだけどどう思う。」

「全部あるの。」

「無いの、サキちゃん。」

「全部なんて持ってないよ。二つだけ、一つはそこにいる元月ウサギさんがもってたけどもう一個はない。」


・・・


「嘘だろ!サキよ。本当にないのか。」

「うん。一個だけしかないよ。」

「大丈夫。ほら、ここに二個あります。」


あの空中都市の下の部分っていう、ものすごい大きい場所だからふざけるなって思うほどの場所に一つ。でもそこは光が当たると夕日みたいに幻想的な光が出て、すんっごいっ綺麗なの。

二つ目はそのに白い光があってそこに行くと吸い込まれてそこから迷路ってどんだけやばいのよ。

楽しかったからいいんだけどね。

でも、私からしたら一つ目も二つ目もなんてことないんだけどね。

ってアキリン様は言ってたのだけどね。

言われたあとに確認するために空中都市に行って、神殿に案内されたから行くと懐中時計が出てきて、もらっちゃうっていうのだったけどね。


「はぁ、疲れたなぁ。」

「なにがですか。ジャスミンさん。」

「なんでもないよ。」

「えっと、今懐中時計三つだから後7つあつめるの。無理だよ。」

一人で7つ集めるの。疲れるだろうなぁ。でも、皆で見つけたんだからもう一回見つけて見せる。

でも……ジャスミンさんからもらった懐中時計赤と白いよ。いまは考えなくてもいいのかな。なんか入れておく箱ないかな。下を向いた。

「え!」

「どうかした、サキちゃん。」

「いきなり箱が出てきたよ。」

「よくあることだから。気にしないで。」

「うん。わかった。」

「残りは、どこにあるの。」


「後の七つはこのロッカーのどこかに置いてあります。」

「ありがとう!ジャスミンさん。」

でもここから探すんだよね。嫌だな。

「感謝されることはしてないよ。サキちゃん。」

そうなんだ。本当にありがとう。ジャスミンさん。

皆のお陰で集められたから、前より大変かも知れない。

けど! 絶対に見つける!


う~ん


・・・




どこにあるんだろう。



あれ、なんだろうこれ、円しかないけどどれだけあるのかわからないほど書いてある。

ここを開けてみよう。


怖いけど。

うん。い…行くよ。


プレゼントを開ける気持ちでロッカーの引き出しを開くと・・・


懐中時計が紙に書かれていた。


これ、どうすればいいんだろう。

前見たときは指示にしたがって、下に行ったらたまたまあったけど……。

これ、懐中時計しか書いて……な……い…………………わけでもないみたい。上に小さく四角い枠に円しか書いてない場所にこの紙が書いてあるから。


やって見よう。

紙をロッカーにあてる。

ロッカーが手を触れていないのに勝手に戻って黄色く光だした。


開いて良いのかな。・・・怖がっていても見たいから見てみよう。

ロッカーからおぞましいものが出てくるんじゃないかと怖がりながらロッカーを開ける。


ロッカーからはなにも出てこなかった。

良かった。一安心。中には懐中時計が置いてあった。偽物の。

その懐中時計は本物なら絵が描かれている部分に開くボタンのようなものがあるのにこの懐中時計は円の下がボタンになっているから押してみる。

カチャっと音を鳴らしながら開いた。


4時8分ぐらいの位置を針は指してる。

どういうことなんだろう。

う~ん。

4時8分ぐらいにあるロッカーってこと。

まずは、4時だから斜め下にあるロッカーからってことだね。

円しか描かれていないロッカーから斜め下のロッカーの中にはペンが入っていた。・・・

ペンだけ。えっ!嘘でしょ!違うよね!

ぺんだけ。いや。

次よ、次。気持ちを切り替えよう。

次は8分だから斜め上、円しか描かれているロッカーから斜め上を見る。……なんであんなに遠くにあるの。なんでここだけ、こんなに枠が大きいの。

異常よね。だって、ロッカーは枕ぐらいの大きさなのにここの枠は一軒家でもあるのって思うほど大きい。

ここ開かないかな。

開かないよね。うん、開かない、開くわけない。


斜め上のロッカーを開ける。ロッカーの中には……




これ。

本物の懐中時計!!


「やった!一つ目あった!後、6つ。」


「すごいサキちゃん。もう一個目見つけちゃうなんて。」

言うこと言ったらなにもしない人がよく言うよ。

あと6個。

一時間経ってるのに。


バネないかな。もうあったからないよね。


あった。

バネの絵。

ロッカーを開けてみる。

入っていたのはピエロが飛び出してきた。

・・・。宝箱から出てきたんだー。閉めた方がいいのかな、それともほっといたらいいのかな。


飛び出してきたピエロと見つめ合う。

閉めよう。なんか怖くなってきたから閉めよう。

宝箱を閉めたと思ったときに電気が流れた。

「いたっ。」

いったーい。なんでこんなのまであるの。

そういえばなんでペンなんかあったのかな。

疲れたからラクガキしよう。

円しか描かれていないロッカーにペンでロッカーの中に入っていた紙と同じ4時8分ぐらいに書いてみる。


また、ロッカーが青く光り、動いた。


ロッカーを開くと青い懐中時計が入っていた。やったー。


これで全部で5個、まだ5個。

・・・もう、五時間半経ったよ。なのに見つけたのは三つだけ。


あと、5個まできた。

みんなのためにも頑張らないと。


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