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世界は一度終わっている  作者: 小松ちゃん
第三章世界大戦 四節サキと大戦
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第48話 キルドが消えて三年⑥強さと訓練とやさしさと十年後


昼ごはんを食べている時にナタレと話してサキは訓練に参加することにする。

「ナタレさん戦うです。」

両手を握ってナタレにやる気を見せるサキ。

ナタレはサキの姿勢を見て誰と戦ったらいいか考える。

「そうね・・・、パラレと戦ってほしいのね。」

「パラレですか。」

「そうなのね。」

パラレがいる場所にやってきたサキとナタレ。

「パラレサキと戦ってほしいのね、よろしくなのね。」

パラレはナタレに言われて何言われるかわからないサキと戦いたくなかったが返事をする。

「ヒャイわかりましたナタレママ。」


「サカイル審判よろしくなのね。」

「わかりましたナタレさん、ちょっと気になったことがあるので聞いてもいいですか。」

「なんなのね。」

「ナタレさんがサキちゃん連れて歩いているのはどうしてですか。」

「サフランに頼まれてアサナが買い物に行っちゃったのね。」

それだけですか。とサカイルは思うが確認する。

「なるほど、それとなんですがコラル王様の護衛っていう仕事は大丈夫ですか。」

「大丈夫なのね、あの人放っておいたら暗殺されるかもしれないだけで大丈夫なのね。」

「それが大丈夫じゃないって言うんじゃないですかナタレさん。」

「意外となんとかなるから大丈夫なのね。」

サカイルは呆れながらも納得してサキとパラレを連れて屋敷の中にある試合場所に行く。


試合場所で向かい合うサキとパラレの二人。

パラレは赤と青のスプライプ模様のジャケットと同じ模様のシルクハットをかぶり黒いステッキを持ったマジシャンの様な姿に変わる。

サキはそのままの姿勢でパラレと対峙する。

「準備はいいか、パラレ。」

「はいサカイルさん大丈夫。」

サカイルは拳一つで戦おうとするサキを見て素人がこれで大丈夫なのかと思いナタレに確認を取ることにする。

「ナタレさ~ん、サキさんってこのままで大丈夫なんですか~。」

「そうね、そうするのね。」

ナタレにフルメタルを装備させられる。

サカイルはやりすぎだろうと思ったがサキに聞くとうんと頷かれたのではじめることにする。

「これよりサキ対パラレの試合をはじめる。はじめ!」

パラレはステッキを正面に構えてサキを見てそのまま突進するがフラッとサキに避けられてしまう。

返し刀で首筋に狙うがサキの右手が上がりステッキをはじかれるパラレ。一度引きサキを見るとパラレなど見てもいない。

パラレは油断を誘う罠だと思いステッキを強く握り締める。


足払いを前かがみになりながらも容易に避けるがフルメタルのサキは倒れてしまう。

しばらくの沈黙の後サカイルがなかなか起きないサキガ心配で兜を脱がすとそこには汗だくのサキがいた。

「ナタレさ~ん手伝ってくださ~い。」

「どうしたのね。」

汗だくのサキを見てすぐにフルメタルを脱がせてお風呂場に連れていくナタレ。

汗を冷たい水で流して着替えさせると一室で休ませるナタレ。

ため息を吐きナタレはサキに聞く。

「サキちゃん、どうして暑いって言わなかったのね。」

「重くて口が回らなかったです。」

ナタレはそうよね、いちいち確認してなかったのね。

「それはごめんなさいなのね。」

ナタレにフルメタルを着せられてサキが最初に思ったのは重いだった。

重くて動くことができず銅像のように棒立ちになる。

歩こうとしたが上手く動けず最後には倒れてしまったというのがサキが思うところだった。


「フルメタルの装備を体験してサキちゃんはどう思ったのね。」

「大変なことしてるって思ったです。みんなあれ着て戦えてるのがすごいです。」

ナタレの顔は自然と笑みが浮かぶが立ち上がれないサキを見て気持ちが収まる。

「ごめんなさいなのね、それを知らせるためだったのにね辛い思いをさせたのね。」

「気にしないでです、望んだことです。」

サキちゃんが望んでフルメタル装備をしたいとは言ってなかったのね、私が着させたのねとナタレは思う。


サキが楽になり食堂でサフランに作ってもらった軽食をナタレと二人で食べていると訓練場から帰って来たパラレに話しかけられる。

「大丈夫サキさん。」

「もう落ち着いたです。」

「それならよかった安心。」

パラレは安心して胸に手を当ててため息を吐く。

「全くナタレ隊長はこれから少し自重すべきだ。」

「今は悪かったと思っているのね、二人はどうしてここにいるのね。」

「終わったからなにか少しでも食べようって話になって何人かはこっちに来てる。」

「そうなのね、それで誰が強かったのね。」

「一番は強かったのはミスレンだった。アサナ団長と戦ってほしかったけど今は出かけてるから無理だったのが残念に思う。」

「そうそう、サカイルの言う通り。アサナと戦ってる姿見たい。」

でもいないのねとナタレは思う。

サキは自分のせいで買い物に行っていることに申し訳なく思う。

「そうなのね、アサナとの対決も見たいのね。頼んでみようかななのね。」

サキはアイスを食べながら話を聞くが話の意味がわからないです。と心の中で嘆いていた。


そこへアサナとツサキクが帰って来て、サキがなかなか帰って来なかったツサキクを思い一室に籠る。

サフランにアサナが材料を渡してツサキクは厨房に入ってお題であるオムライスを作る。

紆余曲折あったがサキがオムライスを食べてサキとツサキクの二人は仲良くなり自室に戻る。


・・・


オムライス二皿を一人一人に配るサフランとアサナの二人が客間の扉を開く。そこにはナタレとミスレン達訓練場にいた人達がいる。


「ここで集まってるにしては珍しい人達でなにしてたのよ。」

気になるから教えてほしいがサフランの手伝いも重要だから話しかけない方がよかったと思うわよ。と後悔するアサナ。

「みんなで集まって今日の話をしてたのね。」

「なにしてたのか教えてほしいよ、ナタレさん。」

一人一人に二皿配られているオムライスを見て悪態をつくミスレン。

「それより、なんで二皿オムライスある趣味悪い夜食が届いたか教えてくれ。」

「そんなに趣味悪かったか。」

「なんでサフランはアサナと一緒に来たのね。」

「サフランにちょっと申し訳ないことしたから手伝ってるのよ。」

「そうなのね。なにがあったのねサフラン。」

「それは料理対決してた。結果は言いたくないから食堂に戻るけどアサナはここで話していたければここにいればいい。」

「わかったわよ、サフラン。大丈夫か聞きたいのよ。」

「大丈夫だからおかまいなく。」

それだけ言って食堂へ戻るサフラン。

サフランの返答を見てやっぱり悔しかったのよとアサナは思った。


「サフランに置いてかれたから聞きたいのよ、今日なにしてたか教えてほしいのよ。」

「対決の試合してたのね。そこでねアサナは強いからミスレンと戦ってほしいって話してたのね。」

「ナタレ様の方が強いと思いますよ。」

「アサナの方が強いのね。」

二人がどちらも強いと言う話をしている所にミスレンが言う。

「二人で戦えばわかるだろう。」

「あなたも戦ってよ。」

「そうなのね、ミスレンも勝った方と戦うのね。」

ミスレンははめられたと思うが二人と屋敷へ向かう。

屋敷内でナタレとアサナの二人の対決する。

ナタレは刀を左手だけで下に刀身を向けて持ち、アサナは剣と盾を持ち一定の距離約5mを保つ。


ナタレが柄の近くにあるボタンの様な物を刀身へ向けて押すと刀身が燃え上がる、それを前に向ける。

そんなナタレの刀とアサナは戦うことになり、右手に盾を左手に剣を逆手に持って半身をナタレに向けて構える。

アサナはそよ風も吹かない音のない場所の中ただナタレの攻撃を待つ。

「はじめるのねアサナ。」

「いいよナタレ。」

ナタレが目の前から消える。

空を斬る音が聞こえてアサナはそこに盾を置くとナタレの刀をはじいた。

「さすがアサナ、やるのね。」

「ギリギリよ、限界で少しで死にそうで危なかったわよナタレ様。」

「次行くなのねアサナ。」

ナタレの姿が消え音が聞こえなくなる、アサナは剣で盾を鳴らすがなにも聞こえない。

「ナタレ様、なにをしたのよ。」

「教えないのね。」

その声から場所を予想して剣を向けるアサナ。

「参りましたのね。」

アサナはナタレが降伏したためわざとに決まってるのよと思う。

アサナが勝った。

刀を持つアサナと最強となったミスレンがコイントスすると表になる。果たして勝者は・・・。


・・・


五日後、サキの誕生日当日の夜。

サキの目の前にはカップケーキが二つ運ばれる。

その一つはツサキクが作り、もう一つはサフラン含めた城の料理人達が作ってサキへの誕生日プレゼントの一つとして。

ツサキクはサキに自分が作ったヒヨコのぬいぐるみをプレゼントする。アサナは緑の木の枝のようなトの字のペンダントを渡す。

「ありがとうです。うれしいです。」

「よかったわ、サキ。」

「喜んでくれてうれしいよサキ。」

「みんな本当にありがとうです。うれしいです。」

カップケーキにロウソクを立てるアサナ。

それに息を吹きかけるサキは、みんなでまた一緒に食事するですと思う。

サフランがイチゴのホールケーキをもって来てそれをみんなで食べる。

和気あいあいとしていてそこには悲しみなどなく楽しさと喜びだけが詰まっていた。


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