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世界は一度終わっている  作者: 小松ちゃん
第三章世界大戦 四節サキと大戦
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第44話 キルドが消えて3年②探し物


アウルはサキが一度いたワベキアがいる一室から連れて来た少女ワベキアに命令する。

「これを飲め。」

アウルに渡されたのは黄色い液体の入った試験管。

ワベキアは怖くてアウルを見るがアウルはただワベキアを眺めるだけだった。

助けて。それがワベキアの正直な思いだった。

「これを飲むの、アウル父さん。」

「そうだ、早くしろ。」

ワベキアは黄色の液体を眺めて、緊張で唾を飲み込む。

覚悟を決めて黄色の液体を飲む。

ワベキアは目が青く輝きアウルを見ると手を握り腰を下げて後ろに一歩下がって後ろを向く。

「どうかしたのかワベキア。」

「ごめんなさい。」

その声と共に拳がアウルめがけて飛んで行く。

アウルは驚きのあまり腰が抜けて崩れ落ち、そのお陰でワベキアから来た拳を避けることができた。

「逃げて父さん。」

アウルはワベキアを見てこの状況を打破する方法を考えて辿り着くが今は不可能であると考えが浮かぶ。

それは取った黄色の液体を自分も飲むこと、しかし手持ちにないため無理だと思う。


ワベキアの体が光はじめて少しずつ殻を破るように割れて行き、体が青く染まった姿で現れたがおかしな部分があった。

ワベキアが100人はいる。

「ワベキア、成功だ。君は最高だ。アッハハハハ。」

高笑いをあげるアウル。


その間に100人のワベキアにやられるアウルだったがその間も笑い続けていた。


・・・


アウルを蹂躙し終えた100人のワベキアは神殿内を彷徨う。

その中、サキとワベキアが知り合った部屋に行くが部屋にいたはずの10人の子供はどこにもいなかった。

扉を連続で開け閉めして遊ぶ5人のワベキアだったが二十回やった所で扉が外れてワベキアの一人をタコ殴りする。


パトリウムボスとジャユニが大量にいるワベキアと出会いその異常な現象にワーと叫びながら逃げるが神殿の出入り口は開けません。

「ざけんなぁ、あれ見えてるだろぅ。開けろってんだよぉ。」

「開けられません。」

「おい、ここを開けるべきだってわかるじゃん。開けるべきじゃん。」

ジャユニは神殿の入り口を塞ぐ女の胸ぐらを掴み扉に押し付ける。

「ここは開けられません。彼女達を外に見せるわけにはいきませんから。」

「そんなこと言ってる暇ねぇだろ。ジャユニそいつ抑えていろよぉ今開けるからなぁ。」

「やめなさい。」

両扉の大きい扉をパトリウムは開けようとするが開かない。

「なんで開かねぇんだよぉ。」

「ちょっとボス、なにしてんそこは開くタイミングじゃん。」

「それが開かねぇんだよぉ。」

「この扉は特殊な鍵を使用しないと開きません。それを知っているのはアウル様だけです。」

「チッしゃぁねぇ。あいつらと戦って生き残ってやる。」


「おおねぇがゃいしますよ。あなた達。」

「キモイ声が聞こえたけどよぉ、ジャユニお前じゃねぇよなぁ。」

「違うこいつ。」

ジャユニは今まで流暢にしゃべっていた胸ぐらを掴まれた女を指さす。

「ああ、なるほど。マニュアル通りなら普通にしゃべれるけど応用には弱いタイプか。」

「どうするんボス。囮にしたらメッチャ面白く泣いてくれそうじゃん。あいつらに投げつけるのもいいじゃん。」

「それで時間を稼げても出られなかった意味ないだろぅがよぉ。」

「それもそうじゃん。詰みじゃん。」

「あんた達雇われの傭兵なんでしょ。ああいつらなんとかしなさいよ。」

震えながらそういう女を見てジャユニは口角を上げて

大量にいるワベキアの近くに向かう。

「ちょっとなにしてるの、あんた私を使っても時間は稼げないのわかってるでしょ。」

「でもいい顔と声を聞けるのは確かだろう。女、最後に名前だけは聞いてやってやる。」

「そんなこと言うわけないじゃないのよ。早く手をはなしなさいよ。」

「おーい、そこの女の人ぉー今手を離されたら大量にいるそいつらの餌食だぞぉー。」

「それはイヤー。おお願い絶対に離さないで死にたくないよーー。」

女は泣き出してしまう。

「おい、恥ずかしい顔してる暇があったら名前を言え。放り込んでいいってことになるじゃん。」

ジャユニそうはならないんだよなぁ。

「そんなことになるわけないじゃないのよ。」

「なら放り込んでいいってことじゃん。」

「わかった言います、いいますから。どうか助けてください。」

「早く名前を言え。」

「パラレ、私はパラレ。」

ふわっとパラレは空を飛ぶ感覚を覚える。

「え!」

「ジャユニ!」


「やっべ投げちまったじゃん。」

笑みを浮かべながらジャユニは言う。

「キャーー、呪ってやるあんたら呪ってやる。名前覚えたから、ジャユニ、ジャユニ。」


「うるさいです。これどういう状況です。」

ワベキアがいっぱいです。


大量のワベキアに投げられたパラレを助けたのはサキだった。サキはツサキクがジャユニとパトリウムボスが知っているようだったことを知り彼らを探しておりやっと見つけたら誰かが投げられていて危ないと思い助けたのだった。


「あ、サンドバックになってくれた子供じゃん。こんな所に何しに来たん。また遊ばれに来たん。」

「おいジャユニ。そんなこと言ってる暇はないだろぉ。」

「そうでもないじゃんボス、こいつがいればあの大量のやつらと同じくらい多くなって倒せるじゃん。」

「それは妙案だぁ。おい、ガキ。あいつらを倒せ。」

「他人任せな人達。」

「パラレちゃん、パラレはまたその大量の人達の中に投げ込まれたいん。」

首を振り続けるパラレ。

「そそれは嫌、イヤーー!」

大量のワベキアはパラレの悲鳴を聞きパラレの方を向く。


「「「「扉!」」」」


「いくら開かない扉でもあの人数には開きます。あなた達なんとかしなさい。」

今もビビッて震えてるパラレがいきがってるとジャユニは思う。

とっさにパラレを掴みワベキア達に向けて投げようとするジャユニ。

パラレが悲鳴を上げる。

水晶を握っていたサキはその現象を見てパラレが震えながら叫んだ時にパラレを自分の元へ連れて来る。

「キャ!」

「遊ばせてほしいって思うじゃん。」

「そんなことしないでです。」

「わかった、もうしない。」

「それよりよぉ、近づいてるからなんとかしようぜぇ。」

「わかったです。」

サキはポケットにしまってあった石を握ると透明な人が映る絵が見える。石をポケットから取り出して石を見ると瞬間移動と炎が見える。周りを見るとパトリウムとジャユニの能力である壁と翼が見える。

必要になったら二人の力を使ってパラレを助けようとサキは思うがパラレを見て石の様に固まるほど驚く。

パラレには人が矢印でカラフルな人になる絵が映っていた。

色が付いているのは始めてでこの人も力があるなら大丈夫じゃないですか。と思いながらも最終手段でパトリウムとジャユニの力を使うですと思うサキ。


首を振ってパラレに見えた絵を忘れてワベキアに瞬間移動で向かうサキ。

サキはワベキアに触れてポトリウムボス達がいる扉の近くに戻って来るがサキの数が増えることはなかった。


サキが扉に戻って来るとワベキア達は逆の方を見て何かが運ばれてなにかがサキ達のいる扉の前に出される。


それはアウルだった。両手足はぐったりしており青あざが見え、目に光がない。


「あいつらアウルをやりやがったなぁ。」

パトリウムはジャユニに笑いかける。

「そうじゃん、パラレちゃん。」

「嘘、やめて。嫌イヤー!」

「ちょっとあなた達やめるです。」

「なんでお前は増えねぇ。お前ならあいつらの力を盗んでなんとかできるだろぅ。」

「そんなの知らないです、でもできないんです。」


「チッ意味わかんねぇ。おい、ジャユニ壁出して食い止めておけよぉ。」

「楽しそうだからもう少し楽しみたかったのに仕方ないじゃん。」


ワベキアは一定距離から扉の方へ近づくことができなくなった。

やっぱりあの時の壁はジャユニのせいだったです。


アウルです、ちょっと興味があるから調べるです。

サキは一枚の紙を見る。

そこにはサキレイチェル山田芽衣と書かれている。

なんです、この名前。私はサキです。そんな名前じゃないです。

気になってアウルの胸ポケットからペンを盗み紙の裏にサキレイチェル山田芽衣と書くサキ。


紙は青い大きな紙に変わり神殿の立体像が描かれている。

なにこれですとサキは思ったが立体像からどこかから逃げられる所とツサキクが隠されている場所はないか調べるがよくわからなかった。家々を回って構造を考えればわかったのにと思うがどういうことか自分でもわからなかった。


「パラレさん、これってここですか。」

「え、ええとそうこれはこの神殿、なんであなたこんな物持ってるの。」

「よこせぇ。」

パトリウムはサキからそれを盗むがそこにあったのはただの紙だった。

「クソ、わからねぇ。」

紙を床に投げ靴で汚そうとするパトリウムが落とした紙を踏まれる前に取るジャユニ。


「これはどういうことって疑問じゃん、どういうことじゃん。」

「わからないです、でもですなんとかできるかもです。」

「そう、ならちょっと待って。」

パラレはそう言うと光始める。

パトリウムとジャユニは警戒してサキは素直に待つ。

光が消えて天井に立方体のなにかが猫の様な耳を付けて目がこちらを向いているのが現れる、それから声が聞こえる。

「これでみんな乗せられる。」

「試してみるです。」

サキは青い紙にパラレが変わった姿を描く。

するとパラレがなった姿が現れる。

「これに乗るです。」

「どうやって乗るんだよぉ、あんな狭そうなところにこの人数のるわけないだろぉ。」

「とにかく乗ってみるです。」

「ジャユニお前が乗れよぉ。」

「なんで俺なんボス。」

「壁をなんとかするのにお前が先の方が楽だろう。向こうになにがあるかわからないからなぁ。」


「なら俺は向こうで壁作ってこさせない様にすればいいだけじゃん。」

「チッ無理かぁ。」

「全員乗ればいいのよ。」

「最初に戻っちまったぁ。死ぬよりましだから試してみるかぁ。」

パトリウム達が話している間にサキはツサキクの手がかりがないかアウルを調べる。

ツサキクはワベキアと出会った場所の近くにいると書かれたメモを見つけてそこに向かうことにする。

全員が天井にある猫箱に乗って進む。

意外と快適な空間に乗った全員は息をのんだ。

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