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世界は一度終わっている  作者: 小松ちゃん
第三章世界大戦 3節宇宙船
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第38話 キーパンと力比べ


地下に六人で行ったはずなのにカルトとビユワは一緒ではなくアルブトとゾフィルとコヨロトとアワトが船に戻って来た。

船に残っていたベルゼトが聞く。

「カルトとビユワはどこに行ったの。」

アルブトとアワトはなにも答えなかった。

「地下に二人も行ったけど地下に残って地下の人達を手伝うみたい。」

「そうなの。」

カルトとビユワを地下で穴掘りなんてさせ続けられない、絶対に。

二人は私が助けてみせる、誰も見捨てない。家族は全員一緒でいないといけないから。

どこにいてもいいわけじゃない、死んだらもう二度と会えないから。

ゾフィルが二人を助けることを決断したが今のままでは二人を助けることはできない。

「私は二人がそう決めたならいい。」

「二人とお別れも言ってないのに別れるなんて嫌よ。地下に行ってお別れだけでも行ってくれるように言って来るよ。」

ベルゼトが二人を連れて来ると船を出て行く

メロドは行っても無駄だと思い追いかけなかった。モモはメロドを連れて無駄だとわかっていてもベルゼトを連れて来るために行動する。

ゾフィルはベルゼトを追いかける、コヨロトはゾフィルについて行く。

アルブトは二人が追って行ったことを見ており、アワトはアルブトに賭ける。

ネネはただ見ていた。誰がどう決断するか調べるために。


ベルゼトは地下へ行く途中にキーパンに出会う。

「パッパキパッパキ。」

ベルゼトはキーパンを無視して地下の入り口へ向かう。地下のアルブトが大勢いる異常景色に抵抗があり、立ち眩みがするのを忘れるほどに。


どうしたのだろうとキーパンは思った。

そこへベルゼトを追いかけて来たゾフィル達が来た。

ゾフィルがキーパンに聞かれて地下に行こうとしてる彼女を追ってると答えるゾフィル。

一緒に追いかけていたメロドはパキパキとしか言わないキーパンの話す言葉の意味を理解したようなゾフィルにメロドは不思議に思った。

モモはゾフィルと同じ反応だったがメロドを見てアッと思いキーパンの話を通訳する。


キーパンは不安なため一緒に行くこととなった。

地下の入り口にベルゼトは着いたが地下へは行けなかった。

キーパンがホッとしたのをモモは見たが追求しなかった。


ベルゼトは地下へ行こうと穴を掘っているのを手伝うゾフィル。

それをただ見るモモとメロドとキーパン。

彼らは知らなかっただけなのだ、ここが地下への入り口ではなくビユワの天才的な穴掘り技術のお陰で地下に繋がっただけなことに。

キーパンはここが地下への入り口はないこと知っていた、地下へ行くにはアジトからしか行けないからだ。しかしなぜ穴を掘ろうとしているのかキーパンは理解できた。しかしゾフィルとベルゼトを手助けすることはしなかった。


「パァキパキパッキッパキ」

口添えはするキーパン。

ゾフィルとベルゼトはキーパンを見て怒りを露にする。

「家族を救うために地下へ向けて穴を掘ってる。」

「そう地下に穴掘ってる。」

「パキッパキ。」

「なんて言ったのモモさん。」

「助けるって二人に穴掘る様に洗脳した洗脳者を二人はどうにかできるのか聞いてるキーパン。」

キーパンの言う通り、洗脳者に対抗できない。二人を助けられるかわからない。

「それぐらいわかってるでも家族を見捨てたままにしておけない。二人を連れ戻すためにあなたも力を貸して。」

「そうよ、家族を見捨てられない。」

「・・・パキパキ。」

ゾフィルとベルゼトを見て微笑ましくも恥ずかしくて照れているとメロドを見るとメロドはモモをじっと睨みつけていた。

メロドはモモにキーパンがなんて言ったか知りたかった。

「キーパンは二人にカルトとビユワを救えると思ってるのか聞いたの、答えは見てわかる通りなの。」

「二人は私たちを家族だと思ってたんだ。」

「そう思いたいのかもしれないしそうじゃないかもしれないの。」

「モモはどっちか教えてほしい。」

メロドの言葉を聞いて笑みを浮かべるモモ。彼女はメロドの質問に照れて答えられなかった。

キーパンは家族を助けようとする姿に興味を持ち力をつけて洗脳者と戦えるほどになったら彼らはどうするのか調べよう(研究しよう)と思った。


「パァキパッパキ。」

「本当、家族を助けられるかもしれないって本当キーパン。」

「パキッパッパキ。」

「ありがとうキーパンみんなも行こう。ボケノメレルがいる川辺に。」

「どういうことモモ、ゾフィルどうしたの。」

メロドにキーパンが言ったことを言おうとしたモモは顔をしかめるがゾフィルがメロドに説明する。

「メロドはわからない、家族を助けるために力を持つためにボケノメレルに会いに行こう。」

「なにを……言っているの……ゾフィル。」

メロドはゾフィルの二人のために力を持ってと言う言葉に恐怖を覚える、家族のためなら自分を変えてもいいと自己犠牲と他人の言葉を完全に賛同していることにゾフィルの人間性を疑った。

「なにを言ってるのメロド、家族を助けるの。あなたも手助けして。」

「……来ないで……来ないでゾフィル!」

メロドはゾフィルが怖くて近づいてほしくもなかった。

モモは純粋なゾフィルと他人事なキーパン、それを見て戸惑うメロドとゾフィルの誰かのために行動しようとする姿に恐怖していた。

メロドは自己犠牲と宗教者のように完全に賛同してるのが信じられないのとなにをするかわからなくて怖いのだろうとモモは思う。

「ごめんなさいなの。キーパン、ゾフィル。その話をアルブトやネネとアワトにも聞いてみてから考えるの。メロド、ベルゼト行くの。」

「ごめんなさいゾフィルさん。」

「・・・」

メロドとベルゼトはモモの提案に賛成して船に向かう。

ゾフィルは自分のことを怖がるメロドとベルゼトの顔が忘れられなかった。

「パッパキ。」

「一人でもボケノメレルのいる川辺へ向かうからキーパン案内してほしい。」


「パァッキ、パキパキ。」

ゾフィルは一人でも助けるためにキーパンに頼んだのだが無理だった。

「なんで、一人でもいいじゃない。」

キーパンは一人では地下組織ホロックスと戦えないから少しでも人が必要なのにあなたと私の二人で行っても私たちが痛いだけ。意味ないことはしないと説得されて船にゾフィルも向かう。


・・・


「アルブト、地下にはいけなかったけどキーパンにボケノメレルっていう人から力を得られるかもって話があるけどどうする。」

モモはキーパンが言ったことを船内に残ったアルブトとアワトに言う。二人は話の本質がわからなかったがそれよりもベルゼトとメロドの怯える様子が不思議でゾフィルがいないことも疑問に思う。

「モモ、ゾフィルはどうした。」

「ゾフィルはもう行ってるの。」

モモはゾフィルならそうすると思ったからアルブトにそう答える。

「そうか、それで二人は助けられるのか。」

「かもしれないの。」

アルブトの質問にモモは答えられない。信憑性があるか船まで来る途中で考えたがわからなかった。

「かもしれないってできないってことでもあるのにそんな恐ろしいことできるわけあるかモモ。」

アワトの怒りもモモは理解できた。しかし、モモは期待していた。ゾフィルは重要人物だと期待した。

「そうだな、アワトの言う通り力を持てるっていうのは餌でどこかで殺すためかもしれないがかもしないだけだ。ゾフィルが心配だからそこへ行こう。」

アルブトはアワトの怒りをもっと透明化したがどこかでひっそりと消されるかもしれないなど思いもしなかったため、アルブトの答えに感心した。そしてゾフィルを助けると言ってくれたアルブトに心の中で感謝するが声に出していた。

「ならよかった。」

船を出るアルブトやネネ達、船の外にはゾフィルがいる。

「ごめんなさい、おかしかったって反省してる。でもどうやってでも二人を助ける。助けたい。」

ゾフィルはたどたどしくもアルブトやモモ達に言う。

「わかったゾフィル。怪しい面はあるがキーパン、君を信じる。」

「なにを言ってるんですかアルブト様、こんな怪しい人を信じるのですか。」

「二人が助けてほしいかはわからないがゾフィルが二人を助けなければ船に乗れないことは確かだ。」

アルブトのその言葉にアワトはなにも言えなかった。

ゾフィルとアルブト達とキーパンはボケノメレルのいる川辺に向かう。


・・・


ボケノメレルはターフテントに座り川辺でキャンプをして楽しんでいる。

そこへゾフィルとアルブト達とキーパンがやって来た。

ゾフィルはキャンプをしているボケノメレルに力がほしいと頼む。

ボケノメレルはゾフィルと戦う。

ボケノメレルは手に息を吐きそれをゾフィルに向けて放つとゾフィルは吹き飛んでいた。

ゾフィルを吹き飛ばした姿にアワトが興味を持ちボケノメレルに力を貸してほしいと頼むが吹き飛ばされる。

ベルゼトとメロドはゾフィルの元に行くが座ったまま動かない。ベルゼトとメロドは弔い合戦のためにボケノメレルと戦いに行くが吹き飛ばされる。

コヨロトもベルゼトとメロドと同じ様にボケノメレルへ向かうが吹き飛ばされてしまう。


ベルゼトとメロドとコヨロトと同じ様な感情になりアルブトはボケノメレルへ向かう。

アルブトはわからなかったアワトが動かない姿に悲しみを感じて吹き飛ばされるとわかっていてもボケノメレルに戦うことを。

ボケノメレルはアルブトを吹き飛ばした。


モモは悩む戦うべきか逃げるべきか。悩んだ彼女は戦うことを選んだゾフィルやアルブト達になんと言われようとボケノメレルと戦うが吹き飛ばされる。

ネネはゾフィルやアルブト達が吹き飛ばされてモモと目が合う、悩んでいることがわかった。ゾフィルはボケノメレルと戦うことを選んだが自分は違ったと思った。

それがキーパンと戦うことだった。

ネネはキーパンに背負い投げをされて倒されてしまう。子供に見間違えるほどの彼女のどこにそんな力があるのかと疑問に思ったが負けた現実に悲しむ。

「これでよかったのか。」

そんな言葉がネネの耳に聞こえる。


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