第23話 木の実とトカゲ
「イリスさん。ここにいたのは…。」
「なーに。サキ様。」
怖いな、イリス…さん。なんで凍ったまま立ってるのかわからないし、気持ち悪くて……普通に怖い。
「そのえーと。」
言わなきゃダメかなこんな目がキラキラの期待してる目されてるとプレッシャーで怖い。
「サキ様。どうしました。」
アサナかアーネかカミールさん助けて~~って目で訴える。
ダメってことで全力で首を振られる。
「嫌だな~。」
「え!サキ様。」
あ!口が滑ちゃった。
もう一回。
助けて~~の目。
「助けてって目してるよ。どうする。」
「今回はサキ様がご自分で招いて…は、いませんか。私たちには助けるのは難しそうですから。」
「ぞうかあ、助けようって意志があれば助けられるんじゃね。」
「そうかも・・・・・ですよ。」
「そうだな。」
「そうです。」
「なら助けないってことでね。」
「そうだな。面倒ごとはって言うか怒鳴り散らされだくはない。」
「そう言うことよ。」
あんただって、イリスさんと変わんないけどね、どちらがいいかって聞かれたらイリスの方が疲れるけど、楽に接しられるのはどう考えてもイリスさんだよ。
優しさがあるのはしっかり伝わってくるから。
「ダメか。えっと、イリス…さん。」
「はい、なんでしょうか。ふふ。」
上機嫌みたいだけど、なにかいいこと…楽しいことがあったのかな。
「はい、どうぞ。サキ様。」
なんかもらったけどなんだろう。
・・・
イリスさんを見る。
すごい顔がニヤニヤしてる。
もらったものを見る。
イリスさんを見る。
もらったものを見る。
……はぁ。
なんでこんな木の実でニヤニヤしてるんだろう。
パカッ。
「パカッ。なんで開いたの。」
「中身見ないのサキ様。」
見たよ。見たら、大きな種があって周りが白い
なんでだろう、目の前にいるイリスさんがナタレちゃんにしか見えなくなった。
気のせいだよっ聞こえた。
そう言うこと言うときって気のせいじゃないんじゃなかった。ナタレちゃん。
「どうかしたの。サキ様。」
「!なんでも。なん、なんでもないから。」
「そーう。」
「イリス…さんはここでなにしてるの。」
「私。」
「うん。」
「ここで…。」
ここで。
「ここで…。」
ここで。
「ここで…。」
ここで。
「ここで…舞王様が眠っておられます。」
えーと、聞くんじゃなかった。以上。
はぁ、っと上を見上げる。
・・・
え!大きいトカゲさん。
・・・。
なんで・・・…もう一回上を見上げる。
手に持っている物を見る。
上を見上げる。
「なんでサキ様しきりに上を見てるのよ。」
上を見上る。
大丈夫さ。
大丈夫だよね、ううん、大丈夫さ。
「「(ねぇ、)なに、あのでかいトカゲは。」」
「サキ様は兎に角、アサナ姉さん知らないのですか。」
知ってはいるけど、この森に来てることに驚いたのよ。
「なんなの。あのデカイトカゲ。」
「あれはドラゴンと言う種族です。」
「へぇーそうなの。」
「そうです。サキ様。」
「トカゲなの。」
「トカゲですよ。」
「ならなんで、この森に向かってるの。」
「美味しい、餌があるからです。」
「美味しい餌。」
「はい、そうです。」
「餌だけでここに来るの。」
「はい。そうですが、なぜサキ様がそのようなことをお聞きになるのか私にはわかりません。」
「えっ!」
「「えっ!」」
なんでサキ様が驚くことがあるの。
「なにを驚いてるのですか。サキ様。」
「餌をもらいに来るのになんで凍えてる場所に来るの。」
「ドラゴンがここに来るのは普通だと思うのですが、サキ様。」
「空にあるモノを凍らせるとおもいます。なので普通だとは思いはしないのです。」
「そうね。空にあるものを凍らせるというシステムですが、ドラゴンには全く効果がないのです。」
そうなんだ。ドラゴンってすごいのね。……全く効果がないのがすごく気になる。
「あの、ドラゴンと話……をしたいのだけどできるの。」
なにを言ってるのサキ様出来るわけ・・・。
「出来るわけないでしょ!」
「無理ですよ。」
「出来ないに決まっているだろ。」
「話がしたいのですか。サキ様。」
「うん。」
「その木の実を離さなけば大丈夫ですよ。」
「そうですか。」
なんかこの木の実持ってるの怖くなって……食べられると思うのですが。
「大丈夫、大丈夫よ。サキ様。」
アサナ。大丈夫よって言ってくれてるけどそんな笑顔で言われるとただのひやかしにしか聞こえないからね。やめて!ほんとに寒くなるから。
「大丈夫ですよサキ様。もう来ましたよドラゴンさん。」
「ドラゴンさんではないぞ!イリス!」
「すいません。ドラゴンさん。私は舞王様から耳打ちで聞いていたものですから覚えておりません。」
「チッ!そうかよ、愛想いいけど、舞王の連れだもんな。」
「ほほう、それはそれは私が可愛くないのは知ってるけど、イリスをそんな風に言うなんてね。」
「舞王様。もう起きたのですか。」
「ネージェさん。こんにちは!」
「舞王だと!」
剣を構えて攻撃体制をとるカミール。
「舞王さん、なんでアキリンさんはここに送ったの。」
「・・・」
そんな一緒に話されたらなに話せばいいかわからないじゃない。
やめてよ。疲れるから。
アキリンさんから頼まれて送ったから怖いだけ。
「舞王様。懐中時計ってどこにあるの。」
「懐中時計。」
「なんの話。サキ。」
「懐中時計だよ。」
「ごめんね。わからないわ。」
「そう、」
「サキ様、ごめんなさい。舞王様に話し忘れちゃって。」
「アキリンさんに伝えられたのって舞王様じゃないの。」
「舞王様にはサキ様が来るとだけ教えただけですので……懐中時計の話は。」
ドラゴンさんがずっと見てて気になって話の内容が聞こえない。
「懐中時計の話はしたのですが、もう8年は経ったので…。」
舞王様がため息をついた。どうしたのだろう。
「サキ様。その木の実くれる。」
はい。っと舞王様に木の実を渡す。
はぁ、やっと離れた。怖くて怖くて固まってたからほんとに・・・。
よく考えたら、よく舞王様に渡せたな~、あの木の実。
サキから盗んだみたいなもんだよね。
元々はイリスに預けてた物をイリスがお面白半分でサキ様に渡したのだろうな。
「はぁーっ。」
「ホラっっこれあげる。友達が冷や汗で、
友達があんたみたいなデカイの見てるとヒヤヒヤして凍っちゃってるから帰ってよね。」
「邪魔したね、いま帰るよ。そこの嬢さん可愛くてうまそうだな。」
「なに怖がらせる言い方してるの!そんなこと言う暇があったら飛んで行きなさい!」
翼を広げて帰る準備をするドラゴンさん。
「邪魔したね。」
やっと帰っていった。は~~やっと肩の力が…全身の力が抜ける~~………………。
欲しいもの貰って、言いたかったこと言って帰るのもいいけど、お客様が特にサキが来てるときに来ないでよね。本当に!お楽しみの計画に傷が付くじゃない。
「サキ様寝ちゃった。」
「本当だ。」
「イリスちゃん。どこにあるか知ってるのでしょう。貰えない。」
「ちょっと待ってて。」
えっと、どこおいたのからしら私。
えっと、あそこだ。
確か凍らせる機器の木の近くに……。
ここに…。
あった。あった。良かったー。
「はいこれ。どうぞ。」
刻印はしっかりある。本物ですね。
「ありがとう。イリスさん。」
「いいのよ。」
10個の内3つが舞王さんが身に付けてるなんて言えないどうしよう。
舞王様がお守りにって刻印の入った懐中時計をサキ様のポケットにそっと入れてる。
「ありがとう!イリスさん」
「「ありがとうね!」」
返事するタイミング忘れて行かれたあーあ。
いいよね。舞王様がちょっとすねてるからもう少しいて欲しいけどね。
「次は・・・宝玉の涙か黒い幽霊船のどちらかかな。」
「黒い幽霊船ってどこにあるの。」
「ドラゴンの・・・あ!ああーー!!」
「どうしたのだ。アーネ様。」
「・・・」
ドラゴンが幽霊船なのね。黒かったけど幽霊船と呼ばれる意味………ドラゴンって人の魂を身に付けるとより強くなるって聞いたことような。
それで幽霊船ってことなるほどね~。
「アーネ黒い幽霊船はパスして宝玉の涙にしよう。」
「そうですわね。姉さん。」
「なぜ、黒い幽霊船にいがないのだ。」
「会いたくないからよ。」
「そうでしたか。それは申し訳ないことをお聞きしました。」
「ここなの宝玉の涙。」
「はい、この洞窟内にあると聞いたとこがあったと思いますので。」
「そうなの。」
大丈夫よね。崩れないよね。
ガッシャーン
2時間歩くと崩れた。
「次。」
「派手ねー。」
「派手って言うより軍資金としていいものだな。」
「軍資金としてってもう少しいい言葉あるでしょ。旅してるんだからね。」
「そうですね。お姉様。」
「なによ。」
「いえ、なんでもないですわよ。」
ふふ、お姉様サキ様いませんよ。どこで無くし・・・どうしってなぜかもうなかに入ってますよ。アサナお姉様。
「サキ様ー!お宝ありそうですか。」
「無いわね。」
「もう戻ってきたのですか。」
「うん、なか入ったら………。」
「「ゴーーーギャー!」」
雄叫びが聞こえた!
「なかになにがいたのですか。サキ様。」
「うん、ただの…………」
なにか出てきた。
「ドラゴンさんです。」
「「ギャアアーー」」