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世界は一度終わっている  作者: 小松ちゃん
第三章世界大戦 3節宇宙船
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第29話 宇宙船と石①

静かな船に石が一つ光る。

そこで五歳ぐらいの子供が母親に質問する。

「どこに行くの。」

「新世界に行くみたいよ。」

新世界には行きたくないんだが、と親子を見て思ったベアートは黒い外を見る。

「新世界じゃなくて家に帰りたいママ。」

家に帰りたいなと思うアルブト。

「家には帰れないのごめんね。」

早く着かないかな。こんな所に長いしたくない。あそこにカフィナと残ればよかった。と思うマグス。

「なんで、自分の家なんだから帰ればいいのに。」

わからなくて質問する子供と悲しそうに答える母。

「ごめんね、自分の家だけどできないの。」

ごめんねと申し訳なさそうな母。

「どうして、ママ。」

「ごめんね。」

母はそれだけ言うと涙を流し始めてしまう。

子供はそれを見て何を言えなかった。


・・・


アルブトは空を飛んでいる二つ目の石を見つけた。

アルブト以外の人達はその石を見ることはなかった。

二つの石が船にはめこまれるとドクンと船の壁から音が聞こえ、音の鳴る方を見ると二つの石は船の壁にはみこまれる。

アルブト以外の人達も石が見える様になる。

石が二つ光る。

この船がどこへ向かうのかわからない。それなのに食糧がこの船にいる人数と食材の数が一日分しかない。サフィナと終わりかけのゾイフィア帝国に残ってた方がいいのではないかと考えてしまうのも考えものだ。とマグスは思った。

「考えものだ。」

「そうか、マグスはそう思ってるのか。」

この船に何日いるか向かう先どこに行くか食べる物が何日分あるかもわからないから心配だな。

「マグスは考える人だからわかるんだけどアルブトはどう思うってるんだ。」

俺はもう諦めてるんだ。ゾイフィア帝国にい続けるよりいいってものだ。

「そう言うベアートはどう思う。」

「俺は仕方ないだ、あの状況を変えられるとは思えないから仕方ないだろ。」

仕方ないか、ゾイフィア帝国にいても全滅はまぬがれないから仕方ないかってことか。

「そうか、ベアートはそう思うか。」

「アルブトは違うとかいうわけじゃないだろ。」

違うなんて言わない。

「新世界に行くことを決めた二人がよく言うな。」

「それはそうかも知れない。」

「そうだ。」

船にいる不安を考えている三人の元に鍋を持った一人がやって来た。

「ご飯だよ。」

「ありがとう。」

「最近、飯の味しないんだ。」

「なんで味しないかわかるかベアート。」

アルブトも味がせずどうして考える。

「色々ある。」

そういうマグスはストレスが理由だと思ったが教えなかった。

「それだけかアルブト。」

「当たり前だ、ここが変わってるからだ。だろアルブト。」

ベアート一人理由がわかってなさそうと思うアルブト。

「ここが変わってるから馴染んでいっている。」

馴染んでると思ったのはアルブト。アルブトは船に石が見える。

「なるほど最悪だ。」

そう言ってため息を吐くマグス。


・・・


三つの石が光り水の音が鳴り響く船内。

それはアルブト以外の船内の人達から滴り落ちる血が鳴らす音だった。

アルブト以外は自分の体になにかがうごめいて行き爪が触手に変わって行く。全ての爪が触手に変わると爪の近くの血管から徐々に触手が外に溢れて行く。触手は血とともに出る。

溢れ出た触手は黒から次第に白く染まって行き体を覆い隠して体は白い卵となる。



四つの石が光る時、アルブト以外が卵になっている。

アルブトはその卵を食べたい欲求にかられて卵を食べ始める。

卵になった彼らに対して感情などなく、ましてや食べられる卵になった人達にも感情などなく小さくなり人ぐらいの1.5メートルあったが20cmまで小さくなりそれを全て食べ終わるとアルブトの体が青く染まった。


・・・


五つの石が光る時、アルブトの体が様々な色に輝き、アルブトは青い翼を持ち産卵を始める。

10個の卵を一つの部屋に産み、10個の卵は全て生まれ出る。

10個の卵をきれいになるように表面を磨いたり10個を円になる様に並べて中央で温めたりしていると一つの卵が音がするためもうすぐ生まれると見ていると揺れ出す卵、アルブトはずっと卵を期待とそれとは違う感情を持って見つめる。

卵の殻が割れはじめ、わりきると卵から立派な角がある鹿の亜人が生まれる。アルブトは自分とは違う姿のその鹿の亜人を子供だと思い生まれた卵の水気を取る。五分程で鹿の亜人立ち上がり1mは育った。

違う卵が一つ動き出し卵が割れ象の亜人が生まれる。

象の亜人の子供は五分程で2mまで育ちアルブトの顔や卵に鼻を当てるためやめるようにアルブトは怒る。

「やめろ、ゾフィル。」

「やだ、わからないんだもん。」

「やだじゃないゾフィル。」

アルブトが考えていると鹿のカルトがやって来る。

「ゾフィル、アルブトの話は聞かなくてもいいけどそんなに吸いたいならこれを吸ってればいい。」

鹿のカルトが象のゾフィルに渡したのは鹿のカルトの角を切った20cmほどのものだった。

卵から次に生まれたのは亜人は頭に小さな曲がった角がある牛の亜人のモモ。

「ゾフィル姉ちゃん、カルトさん妹が生まれそうなの。」

「モモ、妹か弟かはわからないよ。」

「なんでわからないのゾフィル姉ちゃん。」

「そうか、モモはカルトが男と女どっちに見える。」

「カルトさんは男っぽいけど女だよ。」

「そうか、わかった。」

はぁ、カルトはともかく俺ゾフィルは男だぞモモ。わからないなら仕方ないけど。

それにしてもアルブトさんは大変そうだな卵の世話。

モモは自分の指をしゃぶってるけどやめさせた方がいいのか放っておけばいいか。

生まれそうみたいでアルブトが一つの卵見てる、卵生まれた。

「蟻の亜人のアワト。」

アワトを育てるアルブト。


「アルブト様、どこか自分の部屋にしていいですか。」

「そんなこと聞かなくていいと思うけどアワト。」

「ゾフィルには聞いてない。アルブト様に聞いてる。」

苦笑いして答えないでほしいんだけどアワト。

「アルブトさん、部屋って全員分ありますか。」

「好きに使っていいからな。」

「ありがとうございます。アルブト様。」

「わかった。」

面倒な子が生まれた。

今も指をくわえているモモはアワトには興味がなさそう。

「モモ、自分の部屋いけるみたいだからそこにいていいよ。」

「え、ここがいいからやだ。」

「わかった、変なこと言ってごめんモモ。」

「ゾフィル姉ちゃんが謝る必要ないよ。」

そうか、わかったモモ。

新しく生まれた子はすぐに自室に行き穴を掘る兎の亜人のビユワ。


「なにをしてる。」

ビユワに聞くゾフィルだがなにも言わず集中しているビユワ。

穴を掘るビユワにどうしてそんなことをしているか聞きたいゾフィル。

ゾフィルが誰もいない空室のはずの部屋でなにをすればいいかわからないでいるのを見て問うカルト。

「ゾフィル誰もいない部屋でなにをしてる。」

「兎亜人のビユワって子が生まれたけどなにをしてるかわからないし掘れる事実が不思議。」

カルトが突然話しかけて来て驚いたが新人が不思議だとゾフィルは語る。

「確かにそう見ると不思議だ、掘れてることが不思議だ。すごいから聞きたい。新人のビユワに聞いてくるゾフィル。」

「よろしくカルト。」

カルトも新人が掘れてることに不思議に思ってよかったと安心する。

「穴掘ってるけど、なんでそんなことできるんだ。」

カルトの質問にビユワがなんて答えるのか気になる。

「できるからできる。そんな立派な角はどうしてあるか教えて。」

ビユワの答えに問いただそうと思ったが角があるのはわからないが誰にもついていないが答えなカルト。

「それは、あるからとしか答えられない。」

「わかった、本能的にできる。」

ビユワの言葉の意味がわかったカルト。

カルトとビユワは仲良くなりそうとゾフィルは思った。

ビユワの次に生まれたのはアルブトに噛みつこうとしたネズミの亜人のネネは俺のことも噛もうとしたから両手首を縛り部屋に縛っている。

大変すぎる子のネネが生まれたが次に生まれた子のベルゼトはただかわいかった。

美しい顔とステンドガラスの様な美しい羽とゼンマイの様な長い舌で舌からは蜜を出す。

「嫌、恥ずかしい。恥ずかしいから見ないで。」

「ごめん自分の部屋があるから送るからちょっと耐えてくれる。」

「うん、お願い。」

ベルゼトを部屋に送る。ただ可愛かったそれに尽きるベルゼト。



次の子のコヨロトは50cmほどの小さくな子でアルブトの部屋に巣を作ろうとしたが捕まえる。

「カーカー。『なにをする』。」

カーって鳴いた後に話し声が聞こえるそれがコヨロトの声か。

「ごめん、さっきの部屋はダメだから部屋帰る。」

「カーカー。『この部屋か。』」

「この部屋、この部屋なら巣を作って大丈夫。」

コヨロトの部屋に入れるとすぐに巣を作り卵を産むその子はカラスの亜人で自分の羽で巣を作っている。


コヨロトはアルブトが名前を付けられなったため俺がコヨロトと呼んでいる。

そんなアルブトはコヨロトの巣を覗き巣にある卵を食べようとする時があるが俺が後ろ首を掴んで部屋から出している。コヨロトの部屋は鍵をかけている。それはネズミのネネにも鍵をかけている。


最後の二つの卵は一緒に生まれる。

一つはカメの亜人で甲羅をもち甲羅に隠れられるメロド。メロドは歩くことはできるが走ることはできない変わった子だった。メロドを部屋に連れて行くと兎のビユワに穴を掘ってもらいそこに卵を産んだ。

ビユワとなんとも言えない感情になった。


次の子は俺も含めた卵から生まれた全員に食べられそうになったがアルブトが珍しく部屋に置きに行っていた。

その子は動きもせず変わった木のような子でアルブトはハネロトと名付ける。


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