第24話 マシドの影響力
アルブトはマグスとべルにコアクマの居場所を聞く。
顔を見合った後、二人はわからないと言った。
「二人のアサルトの言ってた宣戦布告への本音はどうなの。」
また顔を見合わせる二人。
「俺は反対だな。」
顔を見て驚くマグス。
「僕も反対だけど仕方ない気がする。」
どこか諦めてるようなことをいうマグス。
「元に戻っただけ、マグスの言う通り仕方ない。かもしれない。」
ベアードは考える。
「もう遅いだろ。アサルトが宣戦布告しなくてもなにも変わらないだろうな、ゾイフィア帝国はもう遅いだろ。」
目をパチパチさせて驚くアルブトとマグスの二人。
「マグスさん、ベアードさんがこんなこと言うなんて意外。」
小声でマグスだけに聞こえるように配慮するアルブト。
「そうだねアルブト様、ベアードがこんなこと言うのは意外。」
「仕方ないって言ったのはマグスだろ。ふざけるなよマグス。」
味方だと思っていたマグスがアルブトと一緒に敵になっているのが腹立たしかったベアード。
「カルディオス王国も壊滅したし、タスキセレア海国も堕ちたからロキシマニア連邦を手中に納められる。目指そう、世界の頂点を、ねぇベアード、アルブト様……ごめんなさい舞い上がってました。」
アルブトは味方だと思って話したはずなのにすぐに遠ざかって行ったマグスに自分はなにを聞かされているのかと不安になった。
ベアードはゆっくりと寄り添ってきたマグスに嫌悪感を抱いた。
「ベアードさん、ごめん。こんなやつより下に見てごめん。」
「大丈夫、アルブト様。まさかマグスがここまで舞い上がるのは思わなかった。」
沈黙した後部屋を出ていくマグス。
「怒らせた。」
「怒らせたな、アルブト様。」
「それでさっき言ってたカルディオス王国の同盟国の二国攻めてくるかな。」
「やりあってたんだから攻めてくるだろうけどカルディオス王国にいるやつらに任せればいいだろ。」
「そうだな。」
アサルトが送った宣戦布告にペルマム王国とリリウム聖王国の人達はどんな反応なのか気になるアルブト。
・・・
ペルマム王国とリリウム聖王国はカルディオス王国を見捨てて自国で考えていた。挑戦状のような宣戦布告をもらったゾイフィア帝国と戦う道を。
決意を固めた二人だったがあまりにも雑なコラルの作戦にシアは嫌気がさした。
コラルは少数で攻めてきて敵を囲みやすい場所に追い込む作戦や落とし穴や雪崩のようなシンプルな作戦にやられた。
それはシアもそうであるため違和感を持たなかった。
しかし、このままでは全滅するかもしれないと悟ったシアはコラルにこのままでは全滅するだけだから引き換えそうと提案するがコラルは断固として拒否しゾイフィア帝国と戦い続ける道を選び二つの国は決別した。
・・・
アルブトはペルマム王国ととリリウム聖王国の二国がアサルトの宣戦布告もらってどう思うか気になったが、攻めてくることには変わりないと思った。
「悪かったなマグス。俺もマグスと同じような考えなのに偉そうなこと言った。」
アルブトはマグスの演説に少し気持ちが揺らいでいた。
鼻を擦る声が響く扉の向こう。
マグスは扉を閉めてすぐの廊下ですすり泣いている。
そこへ一人通りかかり、マグスのことを心配したその人は大丈夫ですかと質問する。
マグスはなにも答えなかった。
それがいけなかった
「マグスさんどうしたの泣いてるじゃない。」
顔を見上げるマグスの前にはカフィナが微笑んでいた。
マグスは言い訳を考える。
「喧嘩しただけ、僕はコーヒーを飲みたいって言ったのにお前には紅茶がお似合いだって一年分持ってきたんだ。僕だってベアードが勧めるコーヒー飲みたかったのに。」
すすり泣きながら言うマグスに頑張ってるなと思ったアルブトとベアード。
「なに言ってるのマグス。あなた紅茶大好きじゃないの。」
「だから泣いてるんです。」
矛盾してないと思ったカフィナはそう仲良くしなさいとだけ行ってどこかへ行ってしまった。
扉をノックして開けてもらうマグス。
「マグスらしくなかったぞ。」
ついていけば良いのに。と言ったアルブトに衝撃の顔をしたマグスとベアードの二人、マグスは膝から崩れ落ちた。
「マグスさんが言ってたことって本当のことベアードさん。」
「本当なんだ。うん、悪かったと思ってるだごめんマグス。プチ旅行でロキシマニア連邦に行って来たんだ。コーヒーとクッキーと紅茶をお土産で大量に買ってきたんだ。それで段ボール1箱分ずつ買ってきたんだけど、一箱分全部マグスにあげてクッキーとコーヒーあげるの忘れてたんだ。」
ベアードって律儀な所あるなとアルブトは思った。
そして、来てから思っていたことを言ってしまうアルブト。
「それでクッキーとコーヒーあげますってたまに来るのか。」
「それ言ったらダメだろ。」
「今、ロキシマニア連邦ってどうしてるのか気になる。宿敵のタスキセレアの戦艦隊がアサルトでゾイフィア帝国が手に入れたから。」
「そうだ、ロキシマニア連邦ってどうなってるんだ。」
「そんなに気になるかな。」
・・・
ロキシマニア連邦はタスキセレア海国の戦艦隊が攻め込んできたため勝てないと降伏したため、大量にマシドの薬を作るためにイルマグスと言う鉱石を採取することと、植物のシドを育てることになった。
二つはウノーラ信教の者が調査した結果イルマグス鉱石を採掘できることとシド植物を育てられることが判明したため、アサルトの部下に指示を出す。それがロキシマニア連邦に強い驚異をもたらす結果であったにも関わらず……。
カフィナはマシドの薬を洗脳薬にして目的である先代王との約束を果たすために行動している。使えるものは全て使うがカフィナの考えだった。
マシドを作るのに最適な環境であったロキシマニア連邦を制圧することに成功したことにガッツポーズするほど喜ぶカフィナ。
マシドをより協力にするためにシドの植物に血を与えている。そうすることでより洗脳力が上がる。
こうして作られたマシドはウノーラ信教へ送られる。
「最近、マシドの薬が流行ってきてるけどみんなどう思う。」
「俺は良くないなとは思う。」
「良くないと思う」
ありきたりな二人の言葉によかったと嬉しそうなアルブト。
その反応に疑問を持って気になるマグスとベアードの二人。
マシドの薬の話を攻めて来そうなマグスとベアードの二人になにも言わせたくないから話を変える。
「最近なにか変わったことってある。」
「アルブトもそうだが、ミスティカ王国がやられたんだ。」
「そうか、ミスティカもそうだけどどこか攻められてるよね。」
「そうなのか。」
「アデニフェドレス国がミスティカ王国をやったわけだが、あいつらスエギ森林王国にも攻め込んでんだ。」
「スエギ森林王国は戦えないからミスティカ王国を倒したアデニフェドレス国には勝てないな。」
アデニフェドレス国か、ウノーラ教の信者に聞いたけど色々やってて恐怖だなって聞いて思ったな。とアルブトは思った。
マグスはアデニフェドレス国よりもマシドに恐怖を感じていた。
それはベアードも一緒だった。
「マシドの薬はなんで最近流行ったとアルブトは思うんだ。」
マグスとベアードの考えは一緒でアルブトの考えが気になった。
アルブトはマシドの薬の話に戻ってきてどう言うべきか考える。
マグスとベアードの二人はマシドの薬に追撃したから興味あるのはわかる。
マグスとベアードで考えが別で興味があると思う。
マグスは広めてるウノーラ教の作戦と首謀者が誰か気になって興味があると思う。
ベアードはホロが化物になったなは知ってるから化物になる方法に興味があると思う。
「マシドの薬が広がってるのは良くわからない。このままだと化物になる人が出るかもしれないからやめて欲しい。」
・・・
先祖がゾイフィア帝国と同じアデニフェドレア国はゾイフィア帝国の人達で実験しようと思ったが同じ国の人達に実験するよりも他国の方がしやすいため、アデニフェドレス国の者達でウノーラ信者達は実験していた。
今ではアデニフェドレス国の国民全員が操り人形の状態だったアデニフェドレア国によりミスティカ王国は滅びた。
スエギ森林王国も攻められ壊滅的被害を受けていた。
森林は存在するが人だけいなくなっていった。
それほどアデニフェドの人達とマシドの薬が脅威的だった。
マシドの薬の依存した結果である化物になることが脅威的だった。
マシドの薬で狼から大狼にアデニフェドレスの人達はなった。
小さい子犬の用な姿から大型犬と言われる大きさもいる、それ以上に100メートルを超えるほど大きな大狼もいたため、ゲリラ戦で地の利のあるはずのスエギ森林王国には一つ欠点があった、それが機械をスエギ森林王国は使用することが禁止なことだった。
その結果アデニフェドレア国にやられていた。
アデニフェドレア国はセンサーと空を飛ぶ力もあり空の上から敵を発見し空の上からと地上から攻撃を仕掛けて行くため次々と人々はやられていった。
スエギ森林王国には勝つチャンスはなかったため、スエギ森林王国も滅ぼされそうになり降伏した。
スエギ森林王国は品種改良がうまいためスエギ森林王国の改良技術を使い、洗脳作用を血や石を使わずともできるようにする品種改良のために攻めこんでいたのだ。
ウノーラ信者はスエギ森林王国にある植物のエルサレムに関心を持っていた。
エルサレムは黄色い花を咲かせる低木。
ロキシマニア連邦やスエギ森林王国やアデニフェドレス国を手中に納めた、ミスティカ国を滅ぼしたことはカフィナの計画通りだった。
しかし、カルディオス王国が滅んでしまったことはカフィナの計画外だった。




