第20話 作戦と魔方陣
二人はローザがいるはずのカルディオス王国内の宿にやって来たがいなかった。
いないねとダリアが言いクレアが部屋を探すと手紙を見つけた。ローザからの手紙だった。
手紙にはロダランペラトル荘興国に戻るとかかれており二人はゾイフィア帝国の動向を探るようにかかれていた。
二人はアルブトの元へ帰っていった。
その二人のもう一人の主であるシアは二人が近くにいることを知らず極秘であるため部下に探すように指示もできないためどこにいるのだろうかと思っていた。
そんなシアに後押しされる形でハルコートとコラルの二人はゾイフィアからのカルディオス王国の奪還作戦を再開するため兵士のいる戦地へ行く。
ロダラン荘興国やロキシマニア連邦、タスキセレア海国はこの作戦から手を引いてしまった。
「我々は諦めてなどいない。」
というハルコートは酒の飲みすぎでへべれけである。
我に続けと策もなくただ突っ込むハルコートは砦の城壁に頭をぶつけ倒れて眠ってしまった。
それを連れ帰るコラル。
二人についていった2000人の兵士も二人を追って帰っていく。
シアがそのまま突っ込めばよかったのだと怒鳴りつける。
コラルはなにか策はあるのかと問う。
「策だと祈りを捧げて突き進めばアキリン様が救ってくださり邪教は消え去る。そうすることで天恵がやってきて策が浮かぶのだ。」
そう言ってシアは祈りを捧げる。
コラルはその言葉と行動に恐怖と哀れみを覚えた。
戦争はそんなに簡単なものじゃない。
それがコラルの考えであった。
・・・
ソフィアはシルクに捕まりマジドの薬が入った食事を与えられていた。
ソフィアは食べようとはしなかったがシルクがそれを美味しそうに食べることで食欲を誘うが無視するソフィア。
483畳ほどある体育館くらい広い場所に案内されたソフィア。
そこで戦い勝つことができればあなたを解放するとシルクは言う。
ソフィアは握り拳にしてを前にし構える。
やってきたのは大きな耳、横に広がる口があり腹にも大きな口を持つ長髪の男で3mはある。
ソフィアは勝てないと悟った。しかし勝つことができれば家に帰れるかもしれないと思ったが家に帰ってなにをすればいいのと迷ったがふとアルブトに自分がしたことを思い出した。
その時、青く髪が変わり殺人衝動にかられるソフィアは目の前の男を見る。
男はひざまずく。
ソフィアが男の頭を撫でると男は普通の人間に戻り倒れ、ソフィアも倒れる。シルクが成功したと笑みを浮かべる。
キースに連絡して成功しましたと嬉しそうに語るシルク。
キースはそうか連れてこいと淡白に言い、はいわかりましたと言って電話を切る。
シルクは泣き出した。彼女はやっぱりコアクマが良いんだ。コアクマがいるから私はキース様の一番になれない。私はコアクマよりもウノーラ様を信じ、あなたを信じているのにキース様。
と思って落ち込んでいる。
長髪の男はそこにいる人間に任せる様にとここで見たことは他言しないようにと言いソフィアを連れてキースの元へ向かう。
キースはゾイフィアとカルディオスを隔てる山の小屋にいた。
「キース様、ソフィアを連れてきました」
と言うシルクにより抱き抱えられているソフィア。
ソフィアの髪に触れて成功だと言うキース。
ソフィアを椅子に縛るシルク。
「あれを連れて来い。」
キースに言われてシルクは私でもできるのにとあれに頼むなんてと思ったがわかりましたと言ってあれを連れに奥の部屋に行く。
キースはソフィアの髪を見てもう少しだと思った。
ソフィアの髪に青い髪が混じっていたからだ。
それが今後脅威的な存在になることに繋がる。ポログがそうなったように。しかしポログは失敗だった。
光栄な方であなたもその光栄なことに参加できる羨ましい。
今回こそは成功する魔方陣を作り今度こそあの方を復活させる。ウノーラ様を。
そう思って奥の部屋に向かう。そこではシルクがコアクマを殴っていた。
「シルク、なにをしている。」
キースは冷静にそう言うがコアクマを助けることはしない。
「またやりたくないなどと言っていますキース様。」
キースはそうかと言うとシルクに変われと言う。
「コアクマ、これは世界を救うためだ。世界に蔓延る悪魔を払うためだ。そのためにお前の力が必要なんだ力を貸してはくれないか。」
コアクマはわかりましたと答えた。
部屋をキレイにするようにシルクにキースが言い水や血で汚れていたがキレイに掃除された。
八芒星の回りに円が描かれた魔方陣。
椅子から外して手首を拘束したままソフィアを連れてきて血を流すために手首をナイフで切るキース。
コアクマが了承したため儀式である踊ってからなにも入ってないポケットに手を入れ握り手を上げて手を離す。
二人はその様子を静かに眺めていた。
ソフィアの青髪が伸び始め青い繭に入った。
キースは祈りを捧げウノーラ神が現れることを祈った。
コアクマは涙を流している。
シルクは成功するとこうなるのかと思った。
ポログの時は青ではなく黒髪が伸びたからだ。
しかし、本当に成功するのかと疑いの目を向けてただ待ち続ける。
・・・
青い木の枝が広がってるここはどこなのとソフィアは思った。
疑問に思うソフィアの目の前にソフィアが立っていた。
さらに疑問が沸くソフィア。
そして彼女は私に記憶を見せてと頭を撫でる。
すると私の目の前に映像が写し出されたそれは私の過去で彼女は私の過去の選択を否定し続けた。
昔、両親の男友達が家庭教師として来ていたとき、母に面影が似ているからと襲われたため突き飛ばしケガをさせたことがある。
しかし彼女はそれを受け入れた。
その男は私を襲ったために両親と疎遠になり彼女はそれを微笑み見つめた。
何が起きているのか私はわからなかった。
彼女は私の記憶を追って軍の訓練校に通う。
私は父と母の歩んだ道を知るために軍の訓練校に通い、好きだったハウエルに告白して一年付き合った楽しい思い出。
彼と外でパンケーキを食べたり服を買いに行ったり楽しかった。
しかし、彼は私のことなんて見ていなかった彼はへレティアという訓練校の三大美女と呼ばれる娘の方が夢中だった。
私とはただの遊びだった。そした彼は三大美女を恋人にするという最低な目標を叶えようとしていた。
そして最後にマイサラと言う金髪美女にてを出そうとしてフイッシャーにボコボコにされたと言うことを知っている。二人は夫婦になるのがわかるほど仲が良く幸せそうな二人に近より難かった記憶がある。
そんな青春だった訓練校時代、懐かしいと訓練校に通う彼女を見て思った。
彼女は彼に告白せず告白されるのを待っていた。
本当に何がしたいのかわからない。
彼女はマイサラの彼氏のフイッシャーに会いに行く、彼女はフイッシャーにハウエルとマイサラが二人で部屋に入っていくのを見たと言う。フイッシャーは嘘だと怒りを露にするが彼女は一枚の写真を見せる。
それが二人が部屋に入っていくようすを写した証拠だった。
そんな彼女とフィッシャーの所へハウエルがやって来た。
フィッシャーはハウエルを殴り怒りをぶつける。
マイサラが野次馬と共にやって来た。
ハウエルに心配そうに寄り添いフィッシャーになにしてるのと恐怖から怒る。
フィッシャーはハウエルと付き合っているんだろうとマイサラに怒鳴りつける。
「お前はハウエルが好きなんだろ。俺とはただの遊びだったんだな。じゃあな。」
と言ってフィッシャーは逃げ出した。
部屋に引きこもった彼に会いに彼女は扉を叩く。
フィッシャーは帰ってくれと言うが彼女はフィッシャーに励ましの言葉を言う。
「あれは嘘よと告げた。ハウエルから告白されたけど彼っていまいち男として見れないの。あなたは違ったからマイサラが羨ましかったの。ごめんなさい、マイサラと仲良くね。」
悪女と言う言葉が似合う彼女に私はなにをしようとしているかわからなかった。
訓練校卒業日、明日で4年間の訓練校生活が終わる。
その日私はポログの告白を拒否した。それが今も心残りだった、そしてあの日彼は化物になってアルブト様に殺された。私はあの時アルブト様に・・・。
忌まわしい気持ちでいっぱい。
私は化物になった好きな人を倒した人をかっこいいと思って好きになった。私は、私はもうわからないの。
そう思って涙が止まらないソフィア。
卒業の日に彼女はフイッシャーに励ましの言葉と別れの言葉を投げ掛けた。彼女に気持ちを伝えるポログ。彼女はポログの告白を受け入れた。
フィッシャーはマイサラとよりを戻して付き合っている。
それから五年経ちマシドの薬の影響で化物に姿を変えた。それは彼女がもたらしたことだった。また彼女もマシドの薬の影響で黒い肌に銀髪の姿に変わっていた。
ポログはミノタウロスではなく1つ目の化物であるキュクロープスへと姿を変えアルブトに倒された。
彼女はアルブトに怒りの眼差しを向けるも煙のように消え、彼女はシルクに嫉妬の眼差しで見られる。
キースは彼女をウノーラ神と崇めた。
そしてここにはコアクマの姿はない。
私は涙が枯れていたが心で泣いていた。虚空に包まれたように空っぽだった。
そんな私に彼女は入ってきたため私は彼女を受け入れ私は彼女になった。
魔方陣にある青い繭に木が生えた。
木が光を放ちキース達は目を閉じる。
繭が木に吸われていき繭はなくなりそこに木の根が広がり木が二メートルほど成長した所で木が黒く染まり崩れ彼女が生まれた。
生まれた彼女はキースとシルクにウノーラ神様と崇められコアクマに畏怖の感情を向けられている。
彼女はコアクマに体を食わせろと言い、キースとシルクはコアクマを縛りつけ彼女はシルクを食らった。 コアクマとキースとシルクは意外な顔をした。
「嫌々と私じゃないコアクマでしょ。」
絶望した顔でシルクは食われた。 彼女はシルクを食べたことで青い体に青い髪を持つアキリンの姿に変わる。
「なにしてくれてるの。」
それがウノーラの最初の言葉だった。




