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世界は一度終わっている  作者: 小松ちゃん
第三章世界大戦 1節戦闘と討論
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第1話 ラプオビ村

アケノメデス星の人々、アサナやナタレやクラノス達が倒れている。

しかし、一人だけ立っている人の姿があった。


一人立っていたのはサキで服が赤く染まっている。


そんな夢を見てサキは目を覚ました。

サキの目には両親の姿があった。


どういうことです。いつものペルマム王国の城の自室じゃないです。

パパとママが笑ってるです。


体が小さいです、子供赤ちゃんになったみたいです。


赤ちゃんに戻ったです。

ウアァーンと泣き出すサキ。

10分程経って泣き止むとすぐに寝てしまった。


サキの父が赤ちゃんのサキを抱いている。

寝てる時しか抱かしてくれないから笑みがこぼれる。

それを見てサキの母は幸せそうに笑っている。


「羨ましい、ツサキクの子供。」

アウルがやって来て赤ちゃんの顔を覗いた。

「そう言うのは本人がいないところで言うのが普通だろ、アウル。」

キルドがアウルがいることが気になり問いただす。

「どうやって入ってきたんだ、アウル。」

問われたアウルは玄関からと当たり前のように答えた。

キルドは閉めたはずだとツサキクと顔を見合わせるが不安が残るために確認しに行こうと席を立つキルド。


その時に二回なにかしたらぶん殴ってやるからな、とアウルに言ってからキルドは玄関に向かう。

玄関はアウルの言った通りピッキングされた形跡もなくただ開いていたのだ。


アウルが無理やり開けたもんだと思っていたキルドは安心して部屋に戻ってきた。


アウルがジッとツサキクと赤ちゃんを睨み付けている。


「なにしてんだアウル。」

「いいじゃないか、へるもんじゃないから。」

「お前にずっと睨まれてたら怖いだろ。」

「一緒に行けば良かった、アウル怖い。」

「そうすればよかったんだ、悪かったな。」

「もう大丈夫。」

アウルはそんな二人の会話を嫉妬の目で睨んでいた。


そこへ持ちましょうか。とラプランがキルドとツサキクの所にやって来た。

「いつからいたの、ラプラン。」

「えっと……それは……いつからいたのですか。」

サキの母にいつからいたか聞かれて言葉に詰まる乳母のラプラン。挙げ句に質問に質問を返したのだった。


「それを聞いているの。」

「それはですね……えっと……昨日からずっといました。」

乳母なので本当は一週間前からこの家で世話になっています。

「そうなの。へぇそうなの。」

「そうなんだな。」

二人の顔がなぜだか微笑んでいるのにその奥にドス黒い感情があるようなそんな怖さがあります。

「はい、そうです。申し訳ありません。」

なぜだか謝ってしまいました。

ラプランに乳母を頼んでいたことをすっかりと忘れていたツサキクとキルドの二人。二人はアウルもいるしちょうどいいからと噂を聞くことにした。

「それならラプランはどう思うんだ。昨日からいたんだ。聞かせてくれ。」

「それはいい、ラプランの考えも聞くとするか。」


アウルさん、腕を組んでいたのを机に肘を付け手を組むことに変えましたけどなんの意味があるのですか。

気になります。

それになんの話かアウルはわかってますか。


気になりますが、昨日の数人このラプオビに人が向かってきているけどどうするかの答えですか。昨日答えたませんでしたか。

「えっとですね、この近くに誰か来ているとしたら戦争のためかはわかりません。今は様子を見るのが妥当ではないでしょうか。」


「なるほどわかりやすいの。」

そうでもないと思いますとラプランは謙遜した。

「あのですね、ツサキクさん。」

「どうしたの。」

「えっとですね。いつ休みを頂けるのでしょうか。」

「そうね、サキが話せるようになったときかしら。」

1年は働き続けるってことですね。

「そうですよね、すみません。変なことを聞いてしまって。」

「なに言ってるの、冗談に決まってるじゃないの。明日は休みにして良いの。週に一回休んでもらうってことでいいかしら。」

「本当ですか。ありがとうございますツサキクさん。」

ツサキクの手をとり感謝を述べるラプラン。


隣の部屋にサキを連れていってほしいとラプランは頼まれ隣の部屋へとサキを移動させた。


・・・


翌日


怒鳴り合う声がサキの耳に聞こえた。


話を聞く限り数人だけではなくその後ろに百人以上人がいたそうです。まるで軍隊のようだったそうです。


・・・


「お前それでいいわけないだろ。」

「籠城なんてしたらなめられる。それで死んでもいいのか。」

アウルの言葉にサキやツサキクの顔が浮かびもし死んだらと思いなにも言えないキルド。


「そうかもしれないが相手はこの村より数が多いんだ下手に攻撃したら全員死ぬかもしれないだろ。」

「意気地無しが、お前は現実から逃げる算段しかとってない。戦うことを考えないと死ぬぞ。」

「それはお前だろ、戦いが正義みたいに言ってるけどお前のその身勝手な行動が裏目に出ることだってあるんだ。」

「決意は固いみたいだな。」

「そうだ。」


「なぜそんなに戦いたいんだ、アウル。」

「戦いたいんじゃない。守るために戦う。」

「そらならなおさら戦わなくてもいい方法を考えるべきだ。逃げたり隠れたりしてだ。」

「そんなみっともないまねできるか。」

「ふざけんのも大概にしろってんだ、アウル。」

「なんだよ、子供が生まれて弱くなったお前ら家族を俺が守ってやる。」

「お前みたいな戦いしか脳のないやつに守られてもうれしくなぇんだよ。」

「あ、お前みたいな弱虫に言われたくないな。」


そうか、そうだった。

「昔やってたあれで決着つけんだ。いいだろ。」

「そうこなくては、やるぞ。」


・・・


「ちょっとなにやってるの!」

「地面が背中に付いた方が負けってルールで決着が付いたから頑張ってるんだ。」


「そうそう俺が勝つ。」

呆れるの、気になるから来たのになにやってるの二人共。


ツサキクが村の外を見るとそこには無数の人影が見えた。

ツサキクが悲鳴を上げた。


キルドがツサキクを心配してやって来た。

ツサキクが指さす方を見てキルドも声を上げそうになった。


そんな怯える二人にリーダーらしき一人が近づき話しかけてきた。


「ここはラプオビではありませんか。我々は先の大戦から逃げてきた避難民です。どうか助けてください。」


キルドが人数はどれくらいいるんだ。と聞くとだいたい150人程います。と予想以上の人数がいた。


ダイバー数が150人なのに無理だ。

ダイバー数は統率が取れる人数のことだ。

それなのにその人数が村に入ってきたらどうなるかわからないんだ。


それに今いるラプオビの人数は30人、それを一年は持たせられるぐらいは食料などの備蓄はあるんだ。

でも、こいつらに仮に一週間分あげてしまったらラプオビの村人達も飢え死にするだろう。


だから無理だと難民に答える。


難民の若い衆が声をあげせめて子供だけでもと言っていた。

リーダーがそれをなだめていたが十人ほどはここに残り、他は別の場所を探すそうだ。


それから数日が過ぎた。

キルドの家の扉をたたく音が響く。

扉を開けるとアウルが森に火を放ったと言う。


村人達に言ってじょうろを持って神殿に行くように言った。


神殿がそら高く上がり成層圏辺りで浮遊する。

そこから水をじょうろに繋ぎ垂らしていく。


そうして雨水となって落ちていき森の火が少しずつ弱まりなんとか鎮火することができた。


アウルが村の入り口で棒立ちになっている。手には着火装置があった。


「アウル、なにしてんだ。」

アウルの胸ぐらを掴んで問い詰めるキルド。

「ムカついた。」

ひようひょうとアウルは答えた。

それにさらに怒りを覚えたキルドが右の拳をアウルの顔に当ててアウルに言いつける。

「お前はそれだけで森も焼いて俺たち全員に飢え死にするかここを去るか決めさせようとしたんだ。それがわかってるのか。」


「痛いなキルド。」

キルドはアウルがずっと睨まんでいる森へと視線を向けた。

そこには敵意や殺意がむき出しの視線があることがわかった。


それを見たキルドはアウルの頭にげんこつを加えてボソッとお前のせいで柵を作らないとだ。と言って立ち去った。


キルドは面倒ごとに拍車がかかった気がしていた。


アウルは笑みを浮かべる。

あれはムカついた、子供をさらって食料をもらおうとか、なに考えてるのか。

ムカついたからって森を焼いたのはやりすぎだったか、いやキルドがやる気にさせられたからな。後一押し、言えば良かったかもな。


「待て、キルド。」

キルドの肩に手を置き引き留めるアウル。

「なんだ、俺はお前にまだキレてるんだ。」

勝ち誇った気がしたアウル。

「それは仕方なかった。あいつら子供を拐って人質に食料をもらおうとしてた。それでムカついたのさ。」

「そうなんだ。」

キルドの素っ気ないけど態度に拍子抜けなアウル。

「それだけか、あいつらにもっとあるじゃないのか。」

「お前はそれで森を燃やしたってことだろ。なるほどって思っただけだ。」

「そうか。」

なんなんだよ、それ。ふざけやがって。

後少しで爆発すると思っていたアウルは拍子抜けな態度をとるキルドにイライラしていた。


しかし、それはキルドも同じ。

キルドは今の状況なら彼らがそこまでするほど追い込まれても仕方がないと思ったのだ。それにも関わらず森を焼き、子供達の遊び場であり食料調達の要すらも燃やそうとしたことにキルドはアウルに怒っており、彼らに攻め込む理由を与えてしまったことが一番怒っている。


アウルとキルドはそれぞれの家に帰っていった。


アウルは家に帰ってくると石を投げられたが無視して家の中に入る。


キルドは大丈夫だったかと妻のツサキクを心配した。

心配するほどのことはなかったから安心してとツサキクに言われてホッとした。


・・・


翌日、アウルの家で死体が発見された。


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