第143話 野心と失敗
サキが決めた者がこのカシンの国の王となる。
そう占いで出たがために追い回され拉致されたサキはというと椅子に座らされていた。
「もう嫌です帰るです。」
「なにを言うサキ帰っては困る。おい、連れてこい。」
「え、どうして捕まってるです。」
サキ、それ言わないでなのーー。
「やはり知り合いか。この者はサキの知り合いだと占いに出てな。お前を捕まるのと同じような方法で捕まえたわけだ。」
「多くの人で囲って女の子を捕まえるなんて男の恥です。」
こいつら国ごとそれやってるから本当に達が悪いのーー。
「言ってくれるな、サキ。おれは王になる器だ。だからお前には選びやすい方法を考えただけだ。」
それが仲間を捕まえて殺すかサキに自分の妃になるか選ばせるなのーー。
「なるほどなのーー。だからサキが逃げても気づかないのーー。」
笑ってる隙に盗んでいったのーー。
「なにを言っている。そこにいるだろう。」
サキがいたところを見るがいなくなっていた。そして敵国のあいつもいなかった。
「やってくれたな。」
「お前は置いていく。覚悟しておけ。」
「嫌なのーー、覚悟するのはあなたなのーー。」
アン、サキは連れていくのはわかるけどなんでもう一人連れていったのーー。
「なにを言っている。」
「外を行けばわかるのーー。」
ウノーラに言われて外に出てきた丸豚さん。
外にいたはずの丸豚さんの多数の兵士は一人の女に山にされ倒されていた。その腕にはサキと敵国の長がいた。
「お前らの目的はなんだ。」
怖いのーー、怖いの嫌なのーー。下ろしてなのーー。
「サキの復活なの。」
「そうか、そうか。笑わせるな。そんなことで王になるおれから資格をとるというのか。」
うるさいのーー、怒んないでなのーー。
「君はその器がないだけじゃないの。もちろんこの人もなの、ねぇサキ。ウノーラ。」
アン、そんな煽らないでなのーー。余計にこいつが怒るのーー。
「そうです。」
「そうかもなのーー。」
「ふざけるな。」
ふざけるなーと叫ぶ丸豚さん。
うるさいのーー。話に乗らないといけなかったけどこの人うるさいのーー。
「だってこの国の主は神様であるユキヤに決まってるです。」
「そうなのーー、このカシンの王は今もユキヤではあるのーー。」
「そうなの、そうは思えないの。」
「それなら誰だと思うですアンは。」
「そうなのーー、アンはどう思うのーー。」
「国を見捨てた人は王じゃないの。それなら次の王は国が認めた人なの。その人が王様なのウノーラ、アン。」
「そうかもです。」
「そうなのーー、でもなのーーアン。それで王が決まると思うのーー。」
「それはそうかもだけど領主全員で民達の意見を聞いていけば言いと思うの。」
「それじゃいつまでもなにも決まらないかもです。」
「そうなのーー、会議も1日って時間を決めないといけないのーー。決まらなくても適当にしか決まらないから結局決まってないのと変わらないのーー。」
「それは当人達だけだから決まらないの、だからこそ国民が誰が王にふさわしいか決めるの。」
「決めるってどう決めるです。」
「国民が投票すればいいのーー。それで一番票が多かった人が国王なのーー。」
サキに支持を求める丸豚と詐欺師のような見た目のアンに抱えられている男。
「サキは国民じゃないからサキは無理なのーー。」
「そういうことです。頑張ってです。」
「アン、行きましょうなのーー。」
「わかりました。」
アンは抱えていた男を蹴飛ばしてウノーラのもとへとやって来た。
サキ達はまた三つの石を探す旅に戻った。
「サキは誰が王になるのが良いと思うのーー。」
「丸豚さんは恐怖政治だと思うです、詐欺師みたいな顔の人の方がいいと思うです。」
サキがウノーラの顔を見るとなに言ってるのーーといった顔をしていた。
「アンが抱えてた人がいいと思うです。」
「そうなのーー。」
「あの人はいいかもしれません。」
「サキがあいつがいいならあいつでいいと思うのーー。」
前が海の崖、ククル崖へとやって来たサキ達。
「ここにあるのですか、ウノーラ。」
「そうそう、あるのウノーラ。」
疑う二人。
「わからないのーー。もしかしたらないのーー。でも探すだけ探すのーー。」
サキとアンは顔を見合わせる。
命がけでウノーラと一緒に行くべきかどうか・・・。
「一緒に行くです。また拉致されたら嫌です。」
「でも一緒に行ったらそこででくわすかもしれないのサキ。」
背筋が凍るような気持ちになるサキ。
「怖いこと言わないでです。」
「そうなのーーアン、サキをからかったらダメなのーー。」
「わかったわよ。それでも行くのサキ。」
アンは戸惑いながらも反省した素振りを見せつつ、サキに問いただす。
「それはです、一緒に行きたいです。」
「どうしてそう思ったのサキ。ウノーラも気にならない。」
「気になるのーー、サキ教えてなのーー。」
「それはです、人と関わりを持つことが大事だって思い出しただけです。」
今さらじゃないの。と二人は思いはしたが口に出すことはなかった。
「そうなのーー、嬉しいのーー一緒に行くのーー。」
「はいです、一緒に行くです。」
サキは元気よくウノーラに返事をする。
アンは二人の姿を見て父親と娘のような距離感だと思った。ウノーラって女なのになんで父親に見えるの。
謎なのとアンは思うのだった。
アンはウノーラとサキに付いていく。
「ここがそうなんですか、ウノーラ。」
「そうなのーー。」
「ここでなにを見つけるのウノーラ。」
「白青線石、白に青い線がある石を探してるのーー。」
「本当に石探しになったです。」
「そうね、今までお宝探しみたいだったのに。」
「ちょっと二人ともいきなりやる気なくならないでなのーー。」
「やる気は元々ないの。」
「アンはそうです。でも探すの手伝うです。」
「ありがとうなのーー。」
ウノーラは嬉しそうに笑って崖をそのまま降りるのではなく浜辺へとやって来た。
そこで船を借りて崖の近くに置いた。
崖の下に空洞がありそこを潜っていくと奥に空気がある場所がありそこは青い線が光る白い石が大量にあった。
そこでサキとウノーラはあったあった。とはしゃいだ。アンはウノーラが嘘をついていた訳じゃなくて少し落ち着いた。
その青く線が光る白い石を拾ってボートに戻るサキ達。
「これどうするです。」
「そうよ、ウノーラ。これをどうするの。」
「ついてくるのーー。」
アンとサキは首をかしげた。
ウノーラが一緒に来てと言ったことが意味わからなかったからだ。
「どうきてなの、ウノーラ。」
「なにするですウノーラ。」
「ついてくればわかるのーー。」
サキはどうなるのだろうとワクワクと好奇心に溢れながらウノーラの後をついていく。
アンは仕方ないのと言うように二人についていく。
そしてトアルコトラジャ山と言う山にやって来たウノーラとその付き人の二人。
ウノーラは山頂に着き下りながら地面を見ている。
しばらくウノーラが地面を見ているとあったのーー。とウノーラが叫んだ。
ウノーラがあったと言ったのは洞穴。
ここでなにするです。サキはまた拉致されるのではと恐怖心に満ちていた。
アンは疲れたのと山の過酷さに行きを荒くしていた。
ウノーラは覚悟を決めた顔をしていた。
三人が3人の面持ちの中洞穴に入っていく。
狭い箇所や水が浸水している場所があったが進んでいくウノーラの後ろを追って行くサキとアン。
着いたのーー。とウノーラが叫んだ。
サキとアンはやっと着いたとホッとした。
「それでです、ウノーラ。ここでなにするです。」
「ここでこの石を投げ込むのーー。」
「それ意味あるの、ウノーラ。」
「あるからやるのーー。」
「そうです、アン。変なことですけどなにかあるからやるです。」
サキも意味ないって思ってたの。よかった、私だけじゃなかった。
なぜか笑顔のアンにひく二人。
「それで一つだけ聞いてもいい、ウノーラ。」
「なになのーー。」
「ここにもその青い線が光る白い石ってここにもあったのになんでここに真っ先に来なかったの。」
それはなのーーと言って戸惑うウノーラ。
「ここにもなかったら意味ないです。」
サキがまっとうなことを言うがアンはそうなのと疑問に思った。
「そう思うかもしれないけどサキ、ウノーラはここには絶対にあるってわかってたの。」
それはわからないです、アン。
「アンはなんでそう思ったです。」
「ウノーラが髪をずっと触ってるの、それがウノーラの素振り緊張したときの仕草なの。」
そうなのですか、知らなかったです。
「そうなのーー。」
ウノーラも知らなかったみたいです。
仕草でなんてすごいです。アンはよく人を見てるです。
私とは違うです。
「なるほどです。そうやって見抜くですね。」
「え、どうしたの、サキ。」
突然、アンを誉めるサキに驚くアン。
「仕草で緊張感を見抜くなんてすごいです。」
「そうなのーー、アンすごいのーー。」
ウノーラのその言葉に二人は嘘くささを感じた。
「本当なの、ウノーラ。」
「嘘みたいです。」
サキの言葉が嘘みたいだったことには触れない二人。
「なんでなのーーアンに驚いたのーー。本当なのーー。」
「余計に嘘っぽいです。ウノーラ。」
「そうそう、余計嘘に見えるのウノーラ。」
「泣いてもいいのーー。」
「それは嫌です、やめてです。」
「それは嫌なの、やめてなの。ウノーラ。」
「わかったなのーー。」
ウノーラは泣き出してしまった。
「どうするです。」
「どうするって仕方ないの、励ますの。」
「はいです。」
ウノーラを励ます二人。