第137話 扉の奥と人食いの悪魔
黄昏ていたウノーラが突然話しかけてきたです。
「それでサキはここから出るでいいのーー。」
「いいです。」
いつまで待たせるです。早くするです。アンさんも待ってるですウノーラ。
「早く出たい、早く出させて。」
「わかったのーー。」
ウノーラはアンの出たいアピールで歩きだしたのです。
しばらく経ったのです。
真っ暗でなにもなかったはずなのに扉の前にやって来たです。
ウノーラすごいです。さすがです、尊敬するです。
「この扉はなんです。」
「出口だ、出口だー。」
はしゃいで扉を開けようとアンはしたです。
でもです、ウノーラに止められたです。
なぜです、ウノーラ。
「まだ行けないからーー。」
「何でよ。」
そうです、なんでです。
「出れるなら出たいです。」
「ちょっと待っててーー。」
ウノーラは扉の奥へと入って行ったです。
ウノーラが扉に入ってから八分くらい経ったです。
扉が開いたのです。
ウノーラが帰ってきたかもです。
暗くて寂しかったです、アンと二人だったけどです。アサナに早く会いたいです。
「お待たせーーもう入っていいからーー。」
ウノーラから許可がもらったです、扉の奥へに行くです。アンが後ろについてきたです。
「ここどこです、ウノーラ。」
「ここ知らない場所、家に返して。」
アンは帰りたそうです。
ここ草原です、なにがあるのか探ってみたいです。
暗い世界より楽しそうです。よかったです。
「落ち着いてーー、まだ帰れないからーー。」
え、そうなのですか。やったです。
「どういうこと。」
アンは怒ってるです。
「出口じゃないですか。」
「出口だなーー。」
意味わからないです。
「出口じゃない、家に返して。アゼトに会わせて。」
発狂してるですアン。
「その出口はここなのーー、でもなのーー二人はまだその出口を通る資格がないのーー、その資格を取ったらもどってくるのーー。それで出られるようになるのーー。」
「どういうことです。」
資格を取るっていうですけど資格ってなんです。
「わかったわ。」
アンはわかったみたいです、あんなに取り乱してたアンの方がわかるなんてです。
「サキ、わからないってどこがわからないの。」
アンが聞いてきたです、少し落ち込むです。
でもわからないことは早く聞いた方がいいです。
「資格がないってどういうことです。」
資格ってなんです。
「資格っていうのはこの扉が元の世界に戻るようにするための鍵のこと。それを探してきてまたここに戻って来て鍵を使えば出られるようになるってこと。」
資格は鍵のことってわかったです。ウノーラよりわかりやすかったですアン。
「なるほどです。わかりやすいです。ウノーラの説明よりわかりやすかったです。」
「サキ、そう言ったらウノーラがかわいそうですよ。」
アンがウノーラを心配してて、ちょっと嬉しそうです。復讐を果たしてしまったようで釈然としないです。
「そうなのですか。」
「はい、自分よりも誰かの方がわかりやすいと言われると自分は無意味だと思ってしまいます。その言い回しは相手を傷つけるのでしないようにしてくださいサキ。」
アン、喜びと感謝に溢れてるです。
「わかったです。ウノーラごめんです。」
ウノーラが見当たらないです。
アンがウノーラが扉で作業しているのが見つけたです。
「なにしてるの。」
「見えずらくしてたのーー。このシールを貼れば見えずらいのーー。」
それで見えずらいとは思えないです。
そうは見えないです、わからないです。
「でもです、そのシールは見えやすいと思うです。」
シールは見えやすいです。なにいってるです、これでいいですか。
「そうね、シールは見えやすいわよね。」
「いいのーーいいのーー。こういうのは少し適当にやるぐらいがちょうどいいのーー。」
いいのーかわからないです。
「それですぐにバレて怒られるのよく見ました。」
「そうです、少しだけ隠れてるとなにがあるか探ってみたいです。」
「そうかもしれないけどいいのーー。これぐらいでいいのーー。ほら行くのーー。」
行くですか。ここ知りたいです。
「行くってどこに。」
「どこ行くです」
「いいからついてくるのーー。」
アンとサキはよくわからない未知の土地のためウノーラの後をついて行く。
~~~~~
歩いたです。
ウノーラが向かってるのはプドニア樹海みたいです。
樹海で帰ってきたものはいないそうです。
今すぐ帰りたいです。
「どこまで行くです。」
「もう少しなのーー。」
歩き疲れたです。アンは地面だけ見て迷いそうです。
「どこまで行くつもりウノーラ。」
「もう少しなのーー。」
プドニア樹海に来て結構経ってるです。
本当に疲れてきたです。
「迷ってるです。」
「迷ってない、ウノーラ。」
ウノーラ、脂汗がすごいです。
「もうすこしなのーー。」
大丈夫ですか、ウノーラ。
もう日が沈みそうです、ウノーラ。
「大丈夫ですか、ウノーラ。」
「そうよ、迷ってるわよ。」
「あーー、ここはプドニア林はーー樹海って言われてるのーー。」
樹海なら進まない方がいいと思うです。
樹海は明るい内じゃないと危険です。
「帰れないかもです。」
「アゼトに会えないってことそれは嫌。」
嫌嫌と帰りたいの、じゃないですアン帰れないです。
ウノーラは呆れてるです。
「それでどこ行くですウノーラ。」
「崖に行くのーー。」
崖に行くですかウノーラ、それなら行けるかもです。
崖を探すです、樹木さん教えてです。
崖見つからないです。
崖です。
「見つかったです。」
崖までやってこれたです。
崖です、崖見てると穴があるです。
「下りるのーー。」
穴に木の根を使って降りて行ったですウノーラ。
「着いたのーー。二人ともーー下りてきてーー。」
「嫌嫌、そんなの嫌。」
「下りたくないです。」
樹木にお願いするです。
お願いしたら聞いてくれたです。
アンも一緒に洞窟に来たです。
洞窟内は暗かったです。
「あれーーおかしいなーー。ここはシネンシス洞窟のはずなのになーー。」
洞窟になにがあるですウノーラ。
「どうしたです、ウノーラ。」
「シネンシス洞窟がどうしたの。」
ここになにかあるですか、ウノーラ。
「ここに鍵の一つがあるはずなのーー。」
「それって出口のためってこと。」
手伝うって声をかけてアンがウノーラを手伝い始めたです。
「いいのーー、どうせ見つからないのーー。」
ここには鍵は無いみたいです。
ウノーラおちゃらけてるです。
ここまで来たのにです。
1日なにやってたです。
怒りの感情で押し潰されそうです、ウノーラ。
怒りのレベルが100に上がったです。
「見つからないってどういうことです!なに言ってるですウノーラ!」
ウノーラとアンは驚いてたです。
ウノーラはなにも言わなかったです。
アンが宥めてきたです。
「サキ、大丈夫だからいいじゃない。そんなに怒らないで。」
「うるさいです。」
「そんなこと言わないでサキ。」
サキはウノーラを睨みつけて、こんなことで怒りを覚えた自分が恥ずかしくなった。
「わかったです。」
「落ち着いたのーー。」
よかったってホットしてるです。ムカつくです。
ウノーラはけろっとして普通に話し始めたです。
「次はペオニア砂漠に行くのーー。」
「砂漠に行きたくないです。」
ウノーラ、1日頑張ったのになにもないです。
それなのにまだ行くですか、ふざけるなです。
それも地獄の砂漠の旅なんて絶対嫌です。
「いいじゃないサキ、行きましょう。」
アンはまだ元気そうです。ウノーラにこんなに振り回されてるのになんでそんなに笑っていられるです。
「何でです。」
行きたくないです。
「サキーー、一緒に行こうなのーー。」
嫌です。
アンを見ると微笑んで頑張りましょうって顔してるです。
「……わかったです。行くです。」
「鍵を見つけてこんな暗い世界から出るよ。」
「はい、です。」
え!です。アンがまだやる気あるのに驚きです。
林ではあんなに乗ってなかったのにです。
「がんばるのーー。」
ウノーラははしゃいでるです。楽しそうです。
でもです、砂漠に行くです。すごく疲れそうです。大変そうです。行きたくないです。
崖を下りたです。
プドニア樹海をまだ進むです。
「本当に砂漠行くですか。」
「行くのーー。」
「大丈夫よ。」
不安です。砂漠行きたくないです。
ツンツン!
なにかが触ってるです。
でも誰も触ってないです。不安です。
ツンツン!
下から触られてるです怖いです。
「やめてです。」
下を見たら植物のツルが触っていたです。
上を見ると大きい口が開いてるです。
終わりましたです。さようならです。
「助けてですーー。」
「助けてって聞こえたけどサキはいるよね、ウノーラ。」
「いないのーー。」
「助けに行くわよ、ウノーラ。」
「えーー、砂漠行きたくないんだから置いて行くのーー。」
「そんなのでいいわけないじゃない。ほら行くわよウノーラ。」
「はいーー、探しに行くーー。」
生きてたです。この暗いところどこです。
「ゲホゲホ、良く来たな。どうだったシュメル運送樹の乗り心地は。」
ふざけるです。
「最悪だったです、二度と乗りたくないです。」
「そうか、わかった。」
笑ってるですどうしてです。
「いやー、ちょーどよかった。俺たち腹減ってたのに誰も来なくてな。やっと飯が三びきもやってきた。」
三匹、左右を見るとウノーラとアンが植物で手足を縛られていた。自分も縛られている。
「離してです。」
「聞こえなかったのか、俺たちはお前達を食べるんだ。」
「助けてです、死にたくないです。」
なにも起きないです、植物に縛られてるです。
植物操れるはずなのにできないです。
ウノーラ、アン助けてです。