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世界は一度終わっている  作者: 小松ちゃん
第二章世界樹 9節暗き世界
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第136話 ウノーラの姉と暗き世界

管理している異霊館内ではパニックにおちいっていた。

なぜなら、ホエドとはいえサキであるからだ。

サキが死ななければ星を復元することができないからだ。

そこで白羽の矢が立ったのがウノーラだった。


異霊館の執務室にウノーラの思念体がやってきた。

そこには異霊館の主とその横にはサキが座らされていた。

ウノーラは疑問に思ったため声に出した。

「いかがなさいましたーー姉さんーー。」

異霊館の主によってウノーラに指令が出された。

「ウノーラ、サキを何とかして星の復元を成功させなさい。頼むから。」

ウノーラは面倒事になりそうだなーーと思っていたことが的中し、さらには異霊館の主という逆らえない人からの指令という形で仕事が舞い込んできたことに落胆するウノーラ。


部屋の主は扉から出ていったがまだ部屋に留まるウノーラ。

「二人だけにされても体がもうあるからいつも通りじゃないのーーサキと繋がる道を作ってなのーー。」

と言って異霊館の主である姉を呼び出すウノーラ。


忙しくてイラつきながらもウノーラのお願いを聞く異霊館の主。

そんな姉にありがとうと感謝して大好きと抱きつくウノーラ。

「一族の皆が怒るわよ。」

と言って迷惑そうな異霊館の主はウノーラを剥がして仕事に行かせる。

言われたウノーラはサキの体の中にまるでお湯を張ったお風呂に入るように足から潜っていった。


異例館の主であるウノーラの姉は帰ってこないでほしそうな顔をしていた。


~~~~~


白装束の女が暗い場所で座り込む少女を見つけ声をかけた。

「どうしたのかしら。」

少女は虚ろな目をして返事をした。

「出られないです。」

白装束の女は少女が虚ろな意味がわかった。

入って来たはずなのに出口がないのかしら、そんなのありえるのかしら。と思った。

「そうなのかしら、それなら出口一緒に探すのはどうかしら。」

「探さないです。」

「なんでかしら。」

「ここは死後の世界だからです。」

死後の世界あるのかしらと鼻で笑う白装束の女。

「そんなことありえるのかしら……フフフ。」

嘘じゃないですと思う少女。

「死後の世界で会った縁で名前教えてくれないかしら。」

「なんでなのです。」

「ここでであったのも何かの縁だからかしら。」

「……わかったです、教えるです。サキです。」

「サキさん、アンっていうからよろしくサキさん。」

「よろしくです。アンさん。」


サキは虚ろな目のままだった。

アンはそんなサキに気まずそうに佇む。


そんな哀愁を秘める二人に少しだけ希望が見える。


地面が光出すのだ。


その変化に気づき二人は近づく。


「なんです、あれ。」

「なにかしら。」


二人は光は広がっていき人一人が通れそうな穴まで広がった。

アンとサキの二人は顔を見合わせる。


「どうしようかしら、サキさん。」

「どうしようです。」

二人は光の穴を覗きながら考えていた。


その穴の中央が蒼くなり人が出てきた。


「やっほーー優しい優しいウノーラさんがやって来ましたーー。」


ウノーラに目をやるがすぐにしたに視線を向ける二人。

ウノーラはサキたちに近づいてきた。

「出たくないのーー。」

「出たくないです。」

「出たい、出る方法を教えてくれないかしら。」

サキは出たくなさそうだがアンは今すぐに出たくてたまらなそうだった。

「そうーー、わかったーー。ここに座ってるーー。」

そう言うとサキの隣に座り、コクンコクンと首を振って眠りにつくウノーラ。

サキはウノーラの態度がうるさいと思った。


アンがウノーラにしがみつき出してと懇願する。


目をつむっていたウノーラも体を揺さぶって懇願するアンに我慢ならなくなった。

「あーーもうーー。出る方法は知ってるーー。それはサキが出る意思がないと無理なのーー。」

それだけって上を見上げるウノーラ。

自分の責任じゃないと言いたそうだった。


それを聞きアンの矛先が変わった。

「わかったです。」

しがみつかれて鼻水を擦り付けられたくないサキはアンが来る前にそう言った。


「ありがとうサキ。あなたのお陰でこの暗くて寂しい世界から出ることができると言っていいのかしら。本当にありがとう。」

感謝するアンは鼻水と涙をサキに擦り付けていた。


サキはそんなアンの様子を白い目で見ていた。


「脱出することに決めたサキに質問タイムーー。」

いきなりなんですかと訳がわからず戸惑うサキと早く出してほしいアン。


「サキに質問してみようのコーナーー。バチバチバチ。」

拍手するウノーラ。

二人は面倒なものが始まったとあきれていた。


袴のような服のポケットから紙を取り出すウノーラ。

「まず最初の質問です、好きな食べ物はなんですか。」

「……答えないとダメですか。」

「答えなければ脱出する方法を教えませんからーー。」

「サキ、答えてくださらないかしら。」

「オムライス。」

「特にーーどんなオムライスが好きですかーー。」

「あ……アサナが作ってくれた……オムライスが……好……き……です。」

「なるほどーー、サキはアサナのオムライスが大好物ですなのかーー、わかりましたーー。続いての質問にうつりましょうーー。」

紙を見てどれにしようか迷うウノーラ。


「あとどれくらいあると思うアン。」

誕生日に血液型、好きな色好きなこと、嫌いな人の五個はあるかしら。

「5問はあるのではないかしら。」


「次の質問はーー、好きな色はなにーー。」

「蒼です。」


「蒼、わかりましたーー。続いてはーー、サキの好きな人は誰かーー。」


「アサナです。」

「サキはアサナのことが大好きだとわかりましたーー。嬉しいかぎりですーーサキはアサナが好きーー。なるほどーー。」

紙を見るウノーラ。

「サキは終わりましたがーーもう一方が来ておりますので聞きたいと思いますーー。」

「サキに質問のコーナーではなかったかしら。」

無視されるアン

「質問ですーーアンの好きな色はーー。」


「赤かしら。あの燃える炎のような色が好きかしら。」

「赤ーーなるほどーー。それでは次に好きな食べ物はーー。」

「トマトスープが一番かしら。」

「トマトスープーー辛いのーー。」

トマトスープを知らないウノーラ。

「辛くないんじゃないかしら。」

「そうですかーー、次の質問にうつりますーー。」

紙を見て考えるウノーラ。

「次の質問はーー、ズバリーーアンの今会いたい人はーー誰ーー。」

「会いたい人……誰なのかしら。」

ハハハーー、と笑うウノーラ。

「それを聞いてるです。」

冷静にアンに返すサキ。

「はーードキドキするーー。誰なのーー、誰に会いたいのーー、アンは誰に会いたいのーー。」

聞かせて聞かせてと言う感情を声に出すほど全面に押し出すウノーラ。

アンはそれに萎縮していた。

サキはそんなアンを見て言った。

「ウノーラ少しうるさいです。」

「そんなこと言わないでよーーサキーー。」

抱きつかれると思っていなかったサキ。

「こっち来ないで気持ち悪いです。」

そう言って抱きつかれる前に回避した。

「すみませんーー。それでーーアン決まったーー。」

サキへのちょっかいもこれくらいにしようかなーーといった感じでアンに視線を移すウノーラ。

「会いたいのはアゼトかしら。」

アンの返答にウノーラはこけおどしでも食らったように落胆しているのをアンとサキは見てとれた。


アゼトーー普通ーー。

メフザトだと思ったのにはずれちゃたーー。

これだけしか外してないから余計悔しいーー。


この質問コーナーでウノーラは悔しがっていた。


「それで次はウノーラに質問するですか。」

「違うーーそんなものはないーー。」

「それなら、アンの望みを叶えてあげてです。」

「そうしてくれないかしら。早くここから出たいのは二人とも同じじゃないかしら。」

「わかりましたーー出る方法を教えますーー。」

期待するアンと気にしないサキ。


「サキはアサナと一緒にいたいーー。それとも皆と一緒にいたいーー。どっちがいーーいーー。」


アサナと一緒にいるのか、ナタレやクラノスたちと一緒にいるかですか。


「アサナと二人一緒なのもいいですけどナタレやクラノスやパラレと皆と一緒がいいです。」

アサナと一緒じゃなくて皆と一緒を選択するのは意外だったなーー。

「サキはアサナと二人きりじゃ嫌ーー。」

「嫌じゃないけど二人っきりは気まずいです。」

アサナと二人は気まずいっていうのがサキの考えかーーなるほどーー。


「なるほどーー、アンはどうなのーー。」

「アセドと一緒に暮らすなら気まずいかしら。夫と二人一緒になら過ごていたいけどやっぱり子供と三人でいたいかしら。」


「なるほどーー。」

二人きりの息子とは無理ーー。夫とは一緒にいたいけど子供がほしくなるーーなるほどーー。


ウノーラに苛立ちを露にしてアンが話す。

「どうやって出るのかしら、ウノーラさん。いい加減教えてくれないかしら。」

サキはアンに賛同してウノーラに聞く。

「そうです、ウノーラさん。この茶柱のたったお嬢さんに教えてくださいです。」


お嬢さんに教えてーー、自分にも教えてくれってことーー。なるほどーーアイツとにているーー親子なんだから当たり前ではあるなーー。

会えないかなーー時を戻ったら見かけられるからそれでいいのかなーー。

もう一度だけ会って話がしたいーー、緊張して話せそうにないなーー。


「その言い回しは小馬鹿にしてないかしら。」

「小馬鹿になんてしていないです。それはウノーラの方ではないですか、アンさん。」

そうかしら。と微笑むアンにサキはアサナに会いたいと思うのだった。

そんな気落ちするサキに抱きつくアン。

「ああーー、これなら娘も欲しかったじゃないかしら。もうかわいいが押さえられないじゃないのかしら。」

「な、なんですか!いきなり!は、話してくださいですアン!」

アンに抱きつかれて必死に拒むサキ。ウノーラに助けを求めるような視線を送るが全く見ていない。

嫌な顔をするサキと楽しそうなアン。

「ダメじゃないかしらサキちゃん。もう少しお姉さんに抱きつかせてくれないかしら。」

アン、見下した顔をするサキ。

「ダメじゃないかしらですアンさん。」

「そんなに嫌かしら。」

「嫌です、離れてくださいです。」

「それなら仕方ないかしら。離れるとするかしら。」

そっとサキを抱き締めていた腕を離して少し離れた所に移るアン。


そんなアンの顔を覗くウノーラ。

やっぱりそうなるーー、アンもそれなりに繊細だからここにいるのかなーー。なんて思ったなーー、自分のこと考えてなかったから姉さんに怒られたーー。

「それでーーサキーー。」

「なにです。」

そんなに怯えられるといいずらいなーー。

「イヤーーここどこだかわかるーー。」

「わからないです。」

疑問に思い疑う顔でウノーラを見るサキ。


「そうなのーー。ここはーー君の心の世界なのーー。」

「言ってる意味がわからないです。」

それならアサナがいるはずって思ってるのかなーー。

そう思う気持ちはわかるーー。心の世界であってもーーここは一人だけの世界じゃないからなーー。


「ここは黒の世界って場所なのーー。」

「黒の世界ってなんです。」

「人の心に住む黒い部分なのーー。人を殺したいって思う気持ちとかなのーー。」

「心の闇の場所ってことですか。」

「そうなるのーー。それでわからないのーー。」

「わかったら奇跡です。」

「その通りーー。」

本当にこの人はわからないですと思うサキだった。


「ごめんなのーー、意味わからないーー。ここは奇跡の場所なんだよーー。誰かのための世界でーー誰かを知るための世界なのーー。」

ここにはたまに来たいところではあるかなーー、次にーー来ると少し心が洗われるーー。

あとーー異霊館の姉ちゃんに会った時に来たい場所なのーー。


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