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世界は一度終わっている  作者: 小松ちゃん
第二章世界樹 8節侵略者
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第125話 ローザと三人組

ローザはロダラン荘興国から南に進んでいると三人組が村を襲っているのを見つけた。

口元に扇子をあてながら三人組の一人に話だすローザ。


「あんた達ここでなにしてるのか教えてほしいわ。」

村人の中には小さな子供や赤ん坊や妊婦もおり三人と戦っているのはほとんどが子供だった。


「なんだぁお前。」

そんな子供にも土を操って攻撃する三人組。

「ここでなにしてるか教えてほしいわ。」

見てわかるけど、これ程大胆なことをするなにかそれ相応の理由があるはずだわ。

特に理由もないのに国一つ無くす人もいますし人々を虐殺する人もいますわ。

しかし、彼らにはなにか理由があるはずだわ。

ロダラン荘興国で出会った死体を操つる人もそうだと思うわ。


「お前に教える義理なんてないなあ。死にたくないなら失せろお。」

ここから逃げようとしたところを殺すつもりなら誘い方が下手だわ。


「ならここの人達を襲う理由を教えてほしいわ。」

「うるせぇしその扇子うざいんだよぉ。取れよぉ。」

一歩下がり男の手を回避するローザ。

「これはエチケット、マナーの一つだから無理だわ。」

他人に口の中を見られるのは恥ずかしいわ。わかりなさいだわ。

「意味わかんねぇ、そんなマナー聞いたことねぇ。」

「それはあんたがバカなだけ、アスモワト。」

そうだわ、その通りだわ。

「あ!んだとファワトテメェ俺とやろうってのかぁ上等じゃねえかぁ。」

「うるさいわ。」

つい本音が出てしまい驚いた顔をするローザ。


それを見たメイド服のようなドレスを着たファワトと呼ばれていた人物はスーツを着た人物を呼び出す。

「全く、バエルザト。こっちきて。」

「なんでしょう、お嬢様。」

この二人の関係は従者と主って関係なのはわかったわ。

そして、あいつも主の一人かもしれないわ。そう考えるとちょっとわかるわ。妹が優秀だと兄貴は大変なのはわかるわ。


「ちょっと席はずさせて、この人と話がしたいから。頼むわ。」

「ふざけるなぁ、ファワトとそのババア二人一緒になんてできるわけないだろぉ。」

捨て台詞を吐きながらバエルザトに連行されるアスモワト。

捨て台詞を言うのは構わないわ、聞き捨てなれない言葉があったわ。

「ババアとは言ってくれるわ、お姉さんかおばさんくらいししてほしいわ。次言ったら覚悟することだわ。」

「そうかよぉ、なら言ってやらぁ。」

「バエル!」

ファワトが名前を叫ぶとバエルザトは意味を理解しアスモワトの口を塞ぎ席を外す。


あんなに真面目な従者欲しかったわ、育てなかったせいでもあるわ。ふがいないわ、アサナ元気にしてるか心配だわ。

「仲間がすまなかった、僕たちになんのようかな。」

君達に用事は特にはないわ。ただ、行動がムカつくわ。


「君達への用事は君達がここをなにもしないで去ってくれれれば解決するわ。」


「それはできない、僕たちはここに殲滅を目的にやってきている。お姉さんも例外ではない。しかし僕たちはあなたを殺す許可はもらってない。」

邪魔する者は殺していいって言われてないってことだわ、それはおかしいわ。


「それは変だわ。邪魔者は基本的に排除するものだわ。」

「そうかもしれない。あまり無駄な殺生は趣味じゃない。」

無駄な殺生してるからここで話し合いをしているのだわ、それなのに良く言うわ。

「それなら安心だわ。見逃してほしいわ。この村にいる人達全員お願いするわ。」

それで解決だわ、無理なことだとわかってはいるわ。

「それは無理、罰則が厳しいから。」

罰則とは面白いわ。

「それなら仕方ないわ。この村にいる人達は私が誰にも見られないようにして連れていくわ。君達はどこかいけばいいわ。」

早く話し合いは終えたいわ。

可愛い娘に会いたいのにこんなところで足止めなんてしていたくないわ。

「それは無理。罰則で僕たちの家族が苦しむことになる。」

脅しのつもりで言っていたりしないでほしいわ。

「君達の家族、フフン。君達、フフン。関係ないわ、そんなことに同情なんてしないわ。」

「なるほど、それは悲しいことです。バエル!」

ファワトがバエルザトの名前を叫ぶとアスモワトを掴んでいた手を離した。

ローザは着物を脱ぎ口元にあてていた扇子に被せて3mはある巨大扇子を作り出した。

「残念だわ、あんた達を敵として殺すわ。」

巨大扇子に葉を使って斧のようにしてファワトに向かって振り下ろすローザ。


「上等だぁ、俺が相手してやるぅ。このババアぁ。」


「そんな遠くから来て私に勝てると考えてるなら笑えるわ。」

ローザとアスモワトの距離は10mは離れている。


ファワトへ襲った扇子の斧は空振りに終わった。

ローザに向かって地面から来る土の槍をかわさざるおえなかったためファワトへの攻撃を諦めたからだ。


その隙に地面の土をうまく操って手元にファワトを引き寄せたアスモワト。


「やるわ、こちらも好きさせてもらうわ。」

そう言うとローザは巨大扇子を広げて上に向かって扇いだ。

突然の突風にアスモワト達三人が襲われ空を飛んだ。


ローザはその隙に葉っぱを用いて生きている村人を自分の近くに連れて来て保護していく。


丸太の建物の周囲に茨を生やして保護した人達を守るように指示するローザ。


「これで大暴れできるわ。」


そう言うとローザは扇子を横に扇ぐ。

すると竜巻が現れアスモワト達の方へと向かって行く。

そして周辺にある家々を飲み込んでいくのだった。


そんな中、ローザは近くに落ちていた木の枝を右腕に当て木として結びつけた。


竜巻が止んだ時には辺りは颯爽とした荒野とかしており一個だけ丸太の家がある状態となっていた。


「やりすぎたわ。」

そう言いながら進んでいくローザ。

「ローザさん、いくらなんでもやりすぎなの。」

「反省してるわ。」

「これじゃあ、遺体を埋めるのも敵が死んだか確認するのも困難なの。」

「敵ならまだ生きてるわ。」

そう言って足を止めたローザの目の前にはドーム状になっている土壁があった。

それをローザは巨大扇子で砕くと中から三人が姿を表す。


「やってくれたなぁお前ぇ、覚悟しろぉ。ぶっ殺してやるぅ。」

アスモワトが勢いよく飛び出した。


「野蛮だわ、君達がした行いを考えればこれぐらいの仕打ち当然だわ。」

そう言いながらローザはアスモワトを扇子で横に殴り飛ばした。


「クッ殺せ。」

「嫌だわ。今すぐになんて殺さないわ。」

従者の君がそれを言うのは笑えるわ。

主を守るために生きなさいだわ。

「なぜ殺さない。」

「君達がここをこんなにしたことにするために生かしておくわ。」

荒野にしたことをなすりつけられるわ。

「僕たちに罪を擦り付けるというのか。」

「その通りだわ。」

「ローザさん、それはかわいそうなの。」

「これでいいわ。そうすれば全て解決だわ。」

無茶苦茶なことを言うローザに呆れるテンギネトラ。


「どうなるかわからないからやりたくなかったのに仕方ない。あなたを殺す。」

ファワトはそう言うと髪長いYシャツにジーパンを履いた女の姿から蟻の姿へ変えていく。


「そんなこと出来るなんて驚きだわ。」

扇子を振りかざすローザ。

蟻の姿で顎で防ぐファワト。

噛みきろうとするができないファワト。

そのため、上に顎で振り上げて叩き落とすが普通に着地するローザ。

六つの腕を使って扇子を口から外す。


「汚いわ、ファワト。」

扇子に唾液がついたわ。怒って葉を五枚出す。

そしてファワトに向けて放つローザ。


「噛みきれないならそれ以外の方法で対処する。」

「そうがいいわ。これ以上扇子を噛まれるのも嫌だわ。」

あれはあの岩影で隠れてるつもりならありえないわ。

ローザがそう考えているとアスモワトが帰ってきた。


「やってくれじゃねぇかぁ、ババアぁ。」

「あんたなんかもうどうでもいいわ。消えないだわ。」

今着いてうざいわ。


「後は任せるアスモワト。」

そう言ってファワトとバエルザトは去っていった。


残ったローザとアスモワトの二人は去って行った二人に唖然とした。


「行っちゃたわ。」

「行ってしまったぁ。ううぁー無理だぁ。一瞬で吹っ飛ばされるやつにかてるわけないぃ。」


・・・仲間がいなくなった瞬間に強気じゃなくなったわ。


君に負けることはないわ。

枝木から小さな種をその場に置くローザ。

そして扇子を広げて葉っぱを20枚出してアスモワトに向けて放つ。

五枚を両肩と太ももと首に向かっていく。アスモワトはそれを土の槍で串刺しにして行く。


「意外と相性悪いわ。」

「勝てるかもしれないぃぃぃ」

そう思うならそうかもだわ、おめでたいわ。


ゆっくりと後退しながら三回同じように五枚攻撃するローザ。

しかしその間に増やしていた二枚に背後を取られてアスモワトは右腕を失った。


「本当にごめんなさいだわ。君のこと甘く見てたわ。」

それでも右腕の一本は取れるぐらいは弱いわ。


二回とも首を狙ったのに一回だけ裏をつかれて右腕を刈り取ったのにもう一枚は無理だったわ。


もう少しだわ。

ローザは元いた場所から後退していた。


元々あった10mから50mまで距離を離したローザとアスモワト。


アスモワトはそこからミミズの様に地面の中を進んでいきローザに殴りつけようと出てきた時、ローザは後退して葉っぱを五枚生み出す。


一歩後退したアスモワト。

「ババアぁに怖じ気づいて負けるとかありえねぇ。ありえねぇんだぁ。」

アスモワトは自分を鼓舞して土を身に纏いローザを睨む。


ローザはアスモワトを微笑み五枚の内二枚をアスモワトに向けて放った。


それをアスモワトは見届けると前に突き進む。

その突き進んだのがいけなかった。


地面が大きく隆起しそこから茨が生えてアスモワトの体を包み込んだ。


「あっけないわ。」

ローザがそう言うと茨の刺が大きくなりアスモワトの体を貫いた。その血を茨が吸い真っ赤な薔薇を作った。

その薔薇からにじみ出る血が地面に滴り落ちた時茨は跡形もなく消えてアスモワトが地面へと落ちた。


アスモワトは身体中に穴が開き虫の息だったが残していた三枚の葉を与えられトドメを食らったアスモワト。


ローザがアスモワトに近づく。

「ババアとは言ってくれたわ。」

それを聞いてアスモワトは絶命した。

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