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世界は一度終わっている  作者: 小松ちゃん
第二章世界樹 7節木獣とマルテトフ
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第115話 テンギネトラ


ロダラン荘興国へとやってきたサキ達。

そこは火の海であった。


「これはもうダメかもです。」

「ああ、これはもう諦めた方がいいかもしれない。」

「ここはロダランじゃないのよ、ここはペラトル興国。ロダラン荘興国は地下がそうよ。上は市場よ。」

「それは本当のことか。」

「そうよ。大木から根に降りればそこからはロダラン荘興国よ。」


大木はなくなっていた。しかし切り株はあるため切られたことがわかる

なくなっていることに悲しむアサナ。

そこには大穴が空いていたため、そこへ飛行船を降ろす。


屋敷が並ぶ場所へとやってきた。

「ここがロダラン荘興国よ。」

上と下では文明に差があった。

上はレンガ造りが盛んであるが下は木造が多かった。


「別ける意味がわかったです。」

「ここはまだ燃えてないな。」


「まだ、なにいってるのよ。サカイル。もう燃えてるわよ。」

アサナは自分の乗る飛行船を見て言った。

「どういう・・・全員飛び降りろ!」

サカイルはアサナの言葉の意味が分からなかったが自動操縦に設定する。

そうして、外を確認すると船底が燃えていた。

そのため飛び降りる様に言ったサカイル。


「どういうことです。」

「サキ様、飛び降りるわよ。」

「パラレを連れてくるです。」

パラレとサキの二人を抱きしめて飛び降りるアサナ。


飛行船は壁にぶつかり爆発した。


「申し訳ございません。」

土下座するサカイル。


サカイルに迫るサキ達。

「そんなことしないでです。」

「サカイルのせいじゃないのよ。」

パラレは今の爆発でも起きなかった。


「しかし、足がなくなったのは事実。この責任はあります。」

「もう着いたです。」

「そうよ、着いたのよ。切り替えるのよ。」

「そうです、敵はすぐそこにいるかもです。」

敵は本当にテンギネトラでいいのですか。違う人が犯人であるのですか。


「はい。」


屋敷へ向かうサキとアサナとサカイル。

パラレは今も眠っていた。

あれから半日は過ぎたのにも関わらず。


「パラレ、連れていくですか。アサナ。」

背負われたパラレを見て言うサキ。

「仕方ないのよ、置いてはいけないわよ。」

「それはそうです。でも文字通り足手まといです。」

アサナがいないと怖いです。


「わかってるのよ、だからサキ様。戦闘面は頼むわよ。」

「主を頼ってるです。」

大変なのに暗くて怖いです。アサナが助けてくれないです。


「サキ様、それは今更すぎではありませんか。」

うるさいです、サカイル。わかってるです。

「わかってるです。でもです、戦闘でも頼られるのは少し嫌です。」

「気持ちはわかる。パラレは俺が持つから二人は身軽で頼む。」

離脱を望む唯一の男を蔑む二人。

「そうよね、男なんだからお願いするわよ。」

しかし、軽くなるのは本当だからすぐに託すアサナ。

「なんか露骨に嫌な言い回しだな。」

照れてるですサカイル。

「でも嬉しいですか。」

「なに言ってるサキ様。」

嬉しそうです。

「顔に描いてあるです。」

「そんなに分かりやすいか。」

アサナに視線を送るサキ。

アサナはその視線を理解してサキに微笑む。

「分かりやすいです。」

「そうか。」

サカイルはサキの言葉に照れた。


屋敷の中へと入るサキ達。


屋敷内はいつも通り静かであった。

しかし人の気配がなかった。


「おかしいです。」

「はいサキ様、おかしいわよ。」

書く音か読む音が聞こえるはずなのに聞こえない。

「なにがおかしいかわからないな。」

サカイルは上が火の海ならこれが必然だと思っていた。全員上で消化しているのだろうと。


「上が危険地帯だからです。下に逃げるはずです。」

避難場所、上が火の海のため避難するべき場所である。

そんな場所にひとっこ一人見当たらない。

「そう考えるとそうだな。避難してないのはおかしいな。」


「止まってなのね。」

突然の声に驚くサキ達。

パラレは起きていきなり制止を頼む背負われているのが恥ずかしいからである。

「起きたですか、パラレ。」

「ここはどこなのね。」

「ロダラン荘興国の屋敷の中よ。」


「怖い夢みて起きたのが屋敷で暗いのは怖いなのね。」

「それは怖いのよ。」

「それは怖いです。」


「そうなのね。ごめんなさいなのね。進むなのね。」

「歩けるか。」

大丈夫なのね。と言って自力で歩くパラレ。


屋敷の中の食事所へやってきたサキ達。

「ここで食い物泥棒でもするのか。」

「それもいいかもです。」

そうすればイレンが来るかもです。

「やったらダメよサキ様。」

「わかってるです。」

イレン来ないですか。


「サキさん、みんなも食べ物盗みに来たの。」

その食材どうしたです。

「イレン、久しぶりです。」

「久しぶりなの、待っててなのサキさん。」

イレンは持っていた食材を冷蔵庫に戻した。


「サキ様、イレンに会えたよ。」

「会えただけです。上の事情を聞かないとここに来た意味がないです。」


「ごめんなさいなの。」

包丁を手にしてサキへ襲いかかるイレン。

しかし、すぐにアサナがイレンを机に押さえつけられた。

「イレン、なぜこんなことをしたのです。」

「サキさん達はテンギネトラを殺しに来たと思ったの。」

イレンの言葉は全員の戸惑いを誘う一言であった。


「なんでそんなこと思ったです。今回の件にはナタレちゃんも関わってるです。」

ナタレちゃんがここまで大胆なことする時って・・・。

「それがどうしたのよ、サキ様。」

「なにか感じないですか、アサナ。」

「感じないわよ。」

そうですか。よくわからないのはわかるです。

上の事情がわからないです。


「上の事情とテンギネトラは繋がってるですか、イレン。」

「そうかもしれないわよ、サキ様。テンギネトラは治療する力があるからペラトル興国の人達を助けてたから今、イレンはこんなことしたってことよ。違うイレン。」

アサナ、イレンに聞いたです。

「その通りなの。テンギネトラさんはここを襲うつもりでやってきましたの。」

そうだったですか、ん。おかしいです。ならなんで助けたです。

「どういうことよ、あなたはテンギネトラのためにサキ様を殺そうとしたのよね。」


「そうなの、サキさんには悪かったと思ってるの。テンギネトラを殺さないでくださいなの。お願いしますの。」

殺すかどうかは彼女のことを知ってからでも言いと思うです。テンギネトラはクラノスを助けてくれたからです。


「それなら確認したいです。会わせてくださいです。」

テンギネトラには会いたいです。

「サキ様、本気でいってませんよね。」

「本気です。なのでです、上の事情を教えてですイレン。」

上が火の海になったのはテンギネトラにも原因があるかもしれないです。そうだとしても原因は知りたいです。


「上の事情はあまり話したくありませんの。」


なぜです、今アサナが怖い顔をしてるのは上の事情が関係してるです。

「なんでよ。イレン。あんな悲惨なことになったのよ、テンギネトラが原因の可能性もあるわよ。」

アサナはただ知りたかった。故郷の一つが全て燃え上がってしまった理由を知りたかった。


「わからないの、なぜそんなことをするの。」

早く出ていって欲しそうなイレン。

「それは……。」

口を紡ぐアサナ。

「早く会わせてです。確認したいです。イレン。」

テンギネトラはなんのためにそんなことをするのか聞くにんしたいです。

「なぜなの、殺すつもりなの。サキさん。」

「違うです。」

どうしたです、イレン。どうしてそんなこと言うのです。

「知りたいのよ、イレン。会わせてよ。」

「会いたいの、サキさん、アサナ様。」

確認するイレン。

それはサキとアサナに言ったがその目はパラレとサカイルに向けていた。

「会いたいです。」

「会いたいわよ。」

「隣の部屋で待つなのね。」

「隣の部屋で待ちます。」

アサナとサキはイレンと共にテンギネトラの元へ向かうことに決めた。

パラレとサカイルは二人だけで会ってもらうことにした。


「それはダメよ。パラレ、サカイル、あなた達は護衛よ。サキ様の護衛なのよ。それを考えて決めたのならそれでいいわよ。でもよ、イレンの行動を考えなさいよ。」

サキ様になにをしたか考えなさいよ。あなた達は護衛よ。

「アサナさんは行かない方がいいかもしれないと言うことなのね。」

アサナはこの国では有名人なのね。

「相手は男もいるし数も多い、それに避難してる人も多い。そんな所へやってきたのが他国へといった国の有名人。サキ様と一緒に行きます。」

アサナは一緒に来ないですか。

「いいのですかアサナ。」

「いいのよ、サキ様。二人共守りなさいよ。」

アサナ。

「わかったなのね。」

「わかりました。」

二人で大丈夫ですか、不安ですアサナ。


・・・


ある扉の前へとやってきたサキ達。

「ここが避難所なの。」

扉を開けるイレン。


そこには衝撃の光景が広がっていた。


「なんでここにクラノスがいるです、アカネ。」

サキはアカネに疑問を投げかける。

「どうやってここに来たのよアカネ。」

クラノスがベッドで眠っていた。その光景を見てアサナは呟いた。

「黙っていてほしいのね。」

「どう言うことです。」

どうかしたですか。


「クラノスは死んだのね。」

「なにを言っているのよアカネ。アカネ、意味わからないわよ。」

「わかるです、クラノスきっと無茶したです。」

「ごめんなさいなのよね、申し訳ないのね。でも止められなかったのね。どうすればよかったのね。」

アカネは間違ってないと思うです、もちろんクラノスもです。なにしてたかはわからないです。

「簡単よ、怒ればよかったのよ。」

アサナ、なに言ってるです。

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