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世界は一度終わっている  作者: 小松ちゃん
第二章世界樹 7節木獣とマルテトフ
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第105話 統一と国家

ミズキとナタレはソリタゴ聖王国にいましたか。

なるほど。


「それでね、ベロニカちゃん。お願いがあるね。」

お願いね。

「なんでしょう、ナタレさん。」

ベロニカちゃんね。久しぶりに会ったわね。


「この国がナスタークの属国になったということにしてね、そうすれば色々とやりやすいと思うからね。お願いね、ベロニカちゃん。」

「なんでですか、ナタレさんも手伝ってください。」

「そうね。」

それでいいとは思わないね。


「ごめんなさいね、ここに長居したくないね。」

「ナタレさん、あなたの目的はなんですか。」


「世界の統一とね、マルテトフの進化ね。」

この二つね。

統一すればここに来るゾイフィア帝国に対応できるね。それにね、マルテトフが強化されればもっと上に進めて本当に進化できるかもしれないからね。そうすればね。


「嘘を言わないでください、ナタレさん。」

「嘘じゃないね、行こうねミズキちゃん。ベロニカちゃんがいればこの国はいいからね。」


ミズキはベロニカとここソリタゴ聖王国の復興をするのだと思っていた。そのため、ナタレの言動に驚いた。

「……はい、ナタレさん。マルテトフとして行きましょう。次へ進みましょう。」


「なるほど、ナタレさん。あなたは死ぬつもりですね。」

うるさいわね、なんでそう思ったね。ベロニカちゃん。

「そんなわけないね、イカれたね。」

「それはあなた自身ではないのですかナタレさん。」


うるさいわね、タヒリキオ。あなたはなにが目的ね。

別にここに来た理由を探ってるなら探らないでほしいわね、タヒリキオ。


しかし、ナタレの考えは少しだけ間違っていた。

ナタレにここにいる理由を聞いているのはタヒリキオに指示されたベロニカではなく、ベロニカ自信である。

その点の違いがあった。


それは些細な違いだ。


タヒリキオが聞いているという一点においては変わらない。大差ないことはある。


ナタレはもう一度ナスターク帝国の属国になるよう頼んだ。この国、ソリタゴ聖王国が復興をしやすいように。


「よかったのですか、ナタレさん。」

「なにがね、反対ね。ミズキちゃんはね。」

なにね、ミズキちゃんはベロニカちゃんとおんなじこと言うね。


「違います。ただナタレさんは楽しそうです。考えて行動して表情を見せているのは本当に羨ましい。」

「それならね、ミズキちゃん。そうすればいいじゃないね。」

考えて行動してて楽しそうね。ミズキちゃんはそうね。

誰かに頼ってるわね。ならね、行動しなね。


「それはしません、したくありません。」

「ならね、いいじゃないね。そんなことはいいじゃないね。」


「でも考えてしまいます。そうあってほしかった。そうやって思ってしまいます。」

「そうね、ならね。いいんじゃないね。」


「どっちなんですか、ナタレさん。」

「いいじゃないね、どっちでもね。だってね、ミズキちゃんはしたくないってね、素直に気持ちを言ってるだけでね。実行しないからね。」

このいいかたは少しきつかったわね。

素直に気持ちを言ってね……こんなのね、説教意外なんでもないね。


・・・


「ナタレさんも大変そうだな。」

「船長が大変にしてないですか。」

辛口な意見ですな、なにかありましたかな。

「最近は娯楽がありませんからナタレさんにでも楽しんでもらおうかなと思っていましてな。」

それはやはりそういうことではないですか船長。

「つまり、あなたがナタレを大変にしてる。そう認めるんですね。船長。」


なにも言わないならテンギネトラのことを聞いてみよう。

「船長、なぜテンギネトラ様は帰ってこないのですか、任務のことわかってないのではないですか。」


「あなたがテンギネトラのことを悪くいわないでくださいな。それ相応の態度をとりたくなりますからな。」

そうなんですか、それはそれで。

「怖いです。船長。」


「でしたらくれぐれもテンギネトラのことは話さないでくださいな。」


「わかりました。」


それにしてもよかったのですか船長。

今我々はロキシマニア連邦諸国はヒリカで攻撃しました。


三日後、島の大多数が死にたえ、島の三分の二が森林へと変貌したそうだ。


もともと、島の五分の1程度しか森林がなかったのに。


そんなこともあり環境に優しいとそのまま連邦を狩りつくした。


「僕はなぜここにいるのか教えてくれませんか、タヒリキオさん。」


・・・


・・・


ヒリカがロキシマニア連邦を崩壊が終わったため、ヒリカの回収と商団員を回収したタヒリキオ。


一方タスキセレア海国に向かったバースは無事にタスキセレア海国へとやってきた。


そこにはかつての恋人がいた。

最初に彼女を見て言ったのは驚きの言葉だった。

「どうして君がここにいる。」

「あなたこそなんで生きているの。死んだって聞いてたのに。」

死んだ、なにを言っているんだ。

息をしているんだがな。

「川を下ってたらなぜか山に着いてそこにあった扉を開いたら生きていたんだよ。」

大変だったんだぞ、生き続けるのもな。

最後にその一言は言えなかった。


「嘘つき、でも生きててよかった。」

バースの彼女はバースの最後の一言が聞きたかったのである。

「また会えてよかった。」


二人は抱き合った。


そんな二人の邪魔をするように扉が開いた。


「いやーなんとめでたいことか。まさか君にもう一度お目にかかることができるとは至極嬉しい限り。うんうん、そう思うだろうバース。」

船を使い島へとやってきた余所者の少し小汚なく海の香りのするバース。


扉を開けてやってきたコートに様々な装飾品を着けた金持ちの権化のようなただづまいのバラの香水の香りのするバース。

そんな対照的な二人のバース。


「そうだな、バース。」

目を見開き驚く扉を開けた者。


「挑発に乗るなんてらしくないね。」

扉を開けたバースは余所者のバースに挑発をしたという。

「乗りたい気分なんだ。少し混乱していてストレスを発散するためにな。」

近くにいる女が気がかりで余所者バースは少し困惑しており扉からやってきたバースの名前が出てこなかった。


「そうかい、ならいいものを見せてあげよう、ミィッシェルネリネだ。兄さん。」

ミッシェルネリネ。その名前を聞いて近くの元恋人に視線を向ける。彼女もミッシェルと名前にあるからだ。


「その娘はお前のか、バース。」

扉を開けたバース弟に娘について聞く島に来たバース兄。

「そうだ、バース。」

バース弟が言った。

「そうか。」

「そうだ、バース兄さん。この娘は俺の者だ。そしてお前の隣にいるのも俺の妻だ。さぁ、ミッシェル。俺と娘と共に日々を過ごそう。その男など忘れてな。」

ふざけるな、たまに帰って来たんだ少しぐらい羽目を外してもいいだろう。


「母さん。」

ネリネは父に連れてこられた場所に母親がいるとは思わずとっさに声を出した。


「ふざけないで、チレンバース。あなたはその娘の父親じゃないじゃない。」

母ミッシェルは弟のバースにチレンと名前を呼び娘がチレンの娘ではないと言う。

全く意味が分からず間抜けな声を二人が出した。

兄バースと娘ミッシェルのネリネである。


「クッ。」

チレンは知られたくないことを知られて悔しそうであった。


「「どういうこと。」」

兄バースとネリネは同時に疑問を近くにいる二人に聞く。

ネリネはチレンに。

「ねぇ、父さん。どういうこと。」

兄バースは母ミッシェルに。

「どういうことなんだ、それはミッシェル。」

「ミッシェルじゃなくて前みたいにクリスって呼んで・・・。」

照れ臭そうにそういう母ミッシェルことクリス。

そしてそんな照れ臭そうなクリスをこれまた照れ臭そうに苦笑いを浮かべる兄バース。

「そ・・・それで……クリス、それってどういうこと、教えてくれない。」


「それはそういうことです、サシキ。」


え、どういうこと。意味が分からない。クリス。


しかし、言葉を聞いてわかったものがいた。

ネリネはクリスの元へと走り出した。

チレンは気づくのが遅れて気づいたときにはもう手遅れなほど遠くにいた。


「母さん、あの人は父さんじゃなかったの。この人がそうだったの。」


「どういうことか教えてくれないか。クリス。」

兄バースこと、サシキはクリスにわけのわからない言葉の真意を聞く。

「サシキ、ミッシェルネリネはサシキの娘です。」

「娘。」

パパとネリネはサシキに抱きついた。


「嘘だろ。」

「本当です。」


「そうなのか、わかった。娘がいたのか。」

一粒の涙を流す四人。


「よかったな、兄ちゃん。俺のお陰だ。」

そうかもな、チレンバース。お前には感謝してる。


「ああ、そして今この国はお前の国じゃなくなった。跡継ぎが誰もいないお前のな。」

この国の必須条件は後を継ぐものがいること。いなければ家督はいるものへと譲渡される。そのものがいかなるものであっても。


「それは兄ちゃんも一緒、婿がいなければ意味がない。そして、それに立候補する。」

婿養子にお前がなるってことか。嫌だな。


「却下だバース。お前に娘はやれねぇ。俺はここで宮殿の主として過ごすからお前は少し世間を知ってこい。いい人を紹介するからな。」

まぁ、タヒリキオさんの元でこきつかってもらえばお前も少しはましになるだろう。


後五年か。王様が死んで15年。今日が命日だったよな。20年経ったらこの国の利権もなくなるからな。

何とかしないとな。


五年だけだがタスキセレア海国の王と名乗る権利があるためその間にタヒリキオさん達に勝てる人材を育てて見せる。

と語る。


「ダメだな、おいバースちょっとこい。」

タヒリキオはサシキに似た人を船から持ってきて呼んだが二人のバースがやってきた。


「船に乗っていた方のバースだ。」

タヒリキオは声をあらげてそういった。


するとサシキがやって来た。サシキと偽物の二人に組手をさせる。


一分後、防戦一方で顔や腹を守りながら攻撃を受けるサシキ。偽物が腹めがけての右ストレートを放つがそれを右手でつかみ右肩に引っ張ると顔が左の拳で殴りやすいが相手は自分の右手が邪魔で攻撃しずらい。


左のジャブが相手の顔に命中。


止め!というタヒリキオの合図で偽物が止まった。


「こいつに一分間耐えるやつを一ヶ月で育てること。それが条件だ。頑張れよな。」


「はい、気合いではなくて技術でですか。」


「そうだな、気合いでなんとかなったはダメだな。しっかりと技術で耐えて見せろよな。」


・・・


サシキはクリス達とタスキセレア海国に残り王位を獲得した。

奇跡的に翌年子供が生まれたからだ。


チレンはタヒリキオ達の船と合流しナスターク帝国へと向かった。


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