第91話 嘘と偽物と兵器
待って~~。
おかしい~~変よ~~。
根がここまできても~~宝箱の内容が変わるとは思わない~~。
もしかしたら~~何か干渉を受けた~~ってこと~~。
一体~~なにに~~。
干渉した可能性を感じたのは~~な~~に~~。
アキリンがそう思った時、気づいた。
そこにある不可解なものに。
「ナタレちゃん。あれ~~な~~に~~。」
ナタレはアキリンが問うものを見る。
「なんでね!ここにこれがあるのね。」
そうよね~~どう考えてもおかしい~~。
「なんで~~、ここに~~水面があるの~~。しかも~~この水面が~~ここの~~光源になってる~~。」
つまり~~、ここには~~ナタレが獲得した能力の~~元となる地下水が貯まった~~貯水地~~。
それと~~同じ貯水地がここにはある~~。
もしかして~~ここが~~あの地下水の~~元ってこと~~。
アキリンはそう考えて貯水地の中央に向かい歩きだした。
貯水地の中央に立つ、歩いて来た場所は扉であった。
扉の先にはなにが繋がっているのか。
扉の先にはなにが待ち受けているのか。
扉の先にあったのは見たことのある人物だった。
彼を見るのはいつぶりかアキリンはそんなことを考えた。
そして彼に問う。
何をしているのか。
そこにいたのはリアル。
まさか、そこに繋がっていたとはアキリンは夢にも思っていなかった。アキリンは理解した。
この国がなぜこの様になってしまったのか。
それは、リアルのせいであるからだ。
リアルとは闇。
成長を続けるものに平等に訪れる者を差し出す甘い果実であり毒の盛られた林檎。
それがリアルである。
アキリンはリアルを殺すためとリアルを忘れるためにこの世界を作り出した。
そんなリアルがいたのは・・・(サキが一人勝ちした世界。勝利の世界)だった。
「わかったわよ~~ナタレちゃん。なぜ~~タートスがこんな姿になったのか~~。なぜ~~この国が~~支配の国になったのか~~。」
「支配の国家になったのは樹と機械のせいよね。それを使っていた元凶がわかったっていうのよね。誰なのね。」
「・・・・・・」ナタレ~~あなたは~~誰~~。
ナタレの能力と引き替えにこの国を支配していた物は消えた。
この国を支配していたのはタートスだったのだ。
その媒体があの貯水地。
その貯水地はナタレの能力の源であり、ナタレという人物その者だった。その貯水地はナタレの血でできていたのだ。
ナタレはタートスの親友が亡くなった責任を感じてこの場所にやってきた。
正しくは城の庭の地下へとやってきた。そこでナタレは水で溺れていると扉が開きそこへと吸い込まれた。
扉の先はナタレを書き換えたことでナタレとそっくりな人形を作った。
ナタレには人の様に見えるが植物人形がいるのだ。
それが貯水地の水を利用して体を構成する核ができた。
核にはある物からエネルギーが送られていた。
それがあの樹である。
それは人を幸せにするがそこの生命力を奪っていた。
生きている限りナタレに似た人形が生きるエネルギーとされるそんな場所だった。他の世界から摂取していたのだ。
ナタレにはもう一人人形がいる。
今、現在。
サカイルとパラレがあったナタレはどちらなのだろうか。
・・・
サカイルとパラレが現在会ったのは昔と変わらないナタレである。そして、そのナタレはある思想に狩られているナタレだった。昔を知ったためだ。
その計画が全ての人間を人形にするのが目的であるナタレの計画は今始まった。
そして、今。
ナタレは自身の植物人形と手を組み二人が主導者の国家となった。
そこへと足を踏み入れたサカイルとパラレは今後どうなるのかはいうまでもない。
アキリンは駆け出した。
ーーーーー
ナスターク帝国城。植物園城。
今はサキちゃんが枯らしてしまったため城に戻っているがいつ崩れてもおかしくない。
修復するか一度壊すかを今会議中。
その地下深く。緑がサファイアを甦らせるために行ったあの場所へと向かう。
そこには一本の苗木があった。
それの根を辿っていくと池がありその奥底へと泳ぎ進むアキリン。
見~~つ~~け~~た~~。
アキリンはナタレを地下の池から見つけ出して池から上げた。膝より下はどう頑張っても上がることはなかった。
・・・
こうやって~~見ると~~眠ってるみたい~~ナタレちゃん。
パチッと目を見開き覚醒するナタレの人形。
アキリンは驚いて叫んだ。
しかし、それも必然だろうと割りきっていた。
なぜならナタレは20年以上前の話なのだ。
それなのにまだ生きているようにきれいに眠っている。
なにかあっても驚かないから~~。
しかし、突然飛び起きたら驚くというものである。
突然起きたら~~ビックリするよ~~。こっち見てるけどどうしたの~~ナタレちゃん。
「あなたはアキリン。あなたはなぜ私をここに上げたのですか。」
アキリンは突然のことに驚いて頭が真っ白になっていた。
「・・・話せないほど驚かせてしまいましたか。申し訳ない。戻っていいかな。」手を振って池の奥へと戻ろうとするナタレちゃん。
戻っても寝ること意外することはない。
「それはダメ~~!戻るのはダメ~~。」
よかった、これで少しは楽しめそう。
「あ!アキリン。ねぇねぇ、なんでこんなことしたのか教えてくれる。アキリン。ねぇねぇ。」
真っ白になったアキリンは覚醒した。
その原因についてナタレは聞く。
しかし、本当に目の前にいるのはナタレなのか……。
その疑問も含め考える。
何者なのか。
目の前にいるナタレの姿をした人は誰なのか、一緒にいたナタレは誰なのか。ナタレになにがあったのか。
この4つの疑問を考えるアキリン。
それはもうアキリンは知っていた。
ナタレは地下室の池で……。
その時起きた池の発光で繋がった。
人間兵器がいる世界に。
そのことを知ったアキリンはこの場所に来て疑問を晴らそうとした。しかし、より疑問が生じた。
目の前にいるのは誰なのか。なぜ作られたのか。
その疑問は目の前にいる人間兵器とかしたナタレに似た人物が教えてくれた。
未来の目の前にナタレが迷い込んだ。
その時未来も負傷をおっていた目の前にいる存在に良く似た人物によって。
無視すればよかった。しかし、未来は負傷を受けた人物と親しい関係にあった。
負傷をおったのは彼女を守るためだ。
彼女を守るために自分に傷をつけた。
彼女のためにそれがどんな結果になるのか知らずに。
彼女は未来の目の前で死んだ。
死因は溺死である。
彼女は箱の中に積めて未来に渡された。
渡された時意識はあったが手遅れだった。
そんな中、来たのがナタレである。
未来は限界だった。
そこで未来は思った。この肉体を使えば成功するかもしれない。彼女がよみがえるかもしれない。
結果は成功した。
それがアキリンの目の前にいるナタレに似た人物である。人形となったのは未来が甦らせようとした彼女の精神だった。
目の前にいる遺体は亡者でなく生者となっていたのだった。
「あなたは誰なの~~。人形の~~ナタレちゃんが~~気になるから~~あなたを浮上させたの~~。教えてくれる~~。」
あなたはだ~~れ~~。
「未来に頼まれたことがあるの。邪魔をしないでくださるアキリン。あなたも未来のことがわからない訳じゃないはず、浮上させた理由はそういうことよね。」
言葉がでない、アキリン。
この人が未来でないことはわかった~~。
それは~~少し嬉しい~~。
未来が思うことは~~わかる~~。
でも~~、わからない~~。あなたはなにを隠してるの~~。
「言いたいことはわかる~~。でも~~、教えて~~。親友についてのことなの~~。教えて~~。」
「わかった。教えてあげる。」
この体は親友の物。
その親友が今住んでいる体は私の物。
元々逆だったの。
でも、彼女の体は帰ってこなかった。意識が。
わたしは意識があったけど体が動かなかった。
でも、彼女がわたしに提案したの夢の中だけど。
「夢の中~~」
なにいっての~~。
「夢の中で~~何て言われたの~~。」
あり得ない~~そう一蹴したい~~けどね~~。話してくれてるだけでも~~感謝しないとダメだと思うの~~。
「簡単、今の現実が答え。」
「そう~~なの~~。そう~~。なんだ~~。」
ナタレちゃんは優しい~~。のかな~~。
多分~~どういうことかわかった~~。
今の~~現実が~~どういうことか~~。
あなたは本当は~~誰なの~~。ナタレちゃん。
ナタレちゃんは~~扉の先でなにがあったの~~。
「嘘を言うのも大概にして欲しいな~~ナタレちゃん。未来は~~ここに来たかったはずよ~~。それを蹴って~~そんなことするはずがない~~。」
目の前にいる彼女は笑い言った。
「そうなの、わたしがナタレちゃん。あの人形の彼女は未来の分身。」
嘘八百ではないから。
「そう~~、どっちでもいいのだけどね~~。ナタレちゃんが生きていさえすればね~~。」
「・・・」
ナタレは~~人形だと思った~~。
あなた本当は~~未来の分身~~。
ナタレは~~溺れたけど助けられた~~未来に~~。
その結果~~、作り出されたのが~~あの人形~~。
・・・
あ~~れ~~こうやって~~考えると~~スッキリする~~。
ナタレちゃんが~~溺れ死んで~~未来に人形にされた~~。そんなことじゃないことを願う~~。
アキリンが考えた通り、ナタレは死んではいなかった。
ナタレは溺れて死にそうになった所を未来に助けられ、未来の親友を助けるための生け贄となり人形ができた。
人形はなかなか目覚めることはなかった。
未来は人形が目覚めることはない諦めて扉の外。
つまり、この世界に押し出した。
見たくなかったのだ。
しかし、今アキリンによって目覚めた。
彼女はなぜ今甦ったのか・・・。