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世界は一度終わっている  作者: 小松ちゃん
第二章世界樹 5節ナスターク帝国 選択と強制
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第81話 植物園合流編⑨ 気がかりと自重(じちょう)


「それは、戴冠式が何事もなく無事に終わったことだな。」

ハレンの気がかりは戴冠式が無事に終わったことだった。


「それのどこが気がかりなの。」

「それは……。」

ハレンが説明しようとしたのをナタレが割って入って話し始めた。


「それはね、戴冠式って言うのは国民に堂々と知らしめるために町中を練り歩く行事のことね。これは好機ね、国王を暗殺するならね。大衆の目前と言うのは最も適した時のはずね。そこにいる全員に疑いがあるからね。でもね、何事もなく無事に終わったのね。それはね警戒すべきことだったのよね。それが気がかりと言うことよね。」


だいたいはその通りだな。

気がかりは戴冠式だがそうじゃないんだよな。

ナタレが気がかりともいえる要因が増えたがな。


それだけじゃないがな。


「ナタレの言葉通りだ。戴冠式は狙いやすいがなにもしなかった。それだけでも警戒する価値があると判断されるのに暴徒は待っていた。」

まるで餌を見つけて相手の隙を伺う捕食者のようにな。


でもな隙をつくなら誰がどうみても戴冠式でいいはずなんだよな。でもな違った、狙いは戴冠式が終わった後の宴会。

なぜ知っていたのか。それは、簡単な話かもな。


知っていた。

城に起こる危機、宴会による警備の穴。


わからないな。


可能性があるとしたらサキみたいな覚醒者によるもの。

もしくは、聞かれていた。

戴冠式の後の宴会の手薄な警備。その隙をつく時にたまたま植物が現れたか……。


それなら、あの時だと遅いはずだ。

もう一歩早い方がよかったはずだ。王族を避難させ、救護も始めていた。


あの日が狙い目だったのか・・・。


この国を操っているあの人を何とかすれば、この国の裏に誰がいるのかわかるはずだ。


わかるわけない、お前はこのままぬけることのできない迷宮をさ迷っていろ。

そう言われてるみたいんのがもどかしいな。


だからこそ、そいつに一泡吹かせたい。

熟考するハレン。


緑は人数分の紅茶を持ってきた。

三杯目を自分のコップにいれていた。

アサナと緑は興味がないらしい。


「それでね、聞きたいことがあるから教えて欲しいのねハレン。」


「ナタレの聞きたいこととはなんだい。」

気になっていたんだ。ナタレの聞きたいことがなんだったのか。


「それはね、シェリフがどこにいるか気になるのね。」


驚く顔をするナタレ以外の面々。


しかし、内心は少し違った。


アサナはなんでそんなことが気になるのと疑問に。

ハレンはそうだ、なんでその線がなかったんだと気付きに。

緑はアサナと同じようになぜいないのかと疑問に。


「それは~~わたしの~~手伝い中だから~~。」

突然、姿を表したのはアキリンだった。


アキリンの突然の訪問に驚いた。

緑はアキリンのことを知らないため疑問にも思った。


「アキリン!」

「「アキリン様!」」

「こちらにはいかようで参りましたのですかな。」


「ハレンは~~かたいな~~。石みた~~い。」

「アキリン様、その言い方は傷つけるからやめてあげた方がいいわよ。」

「そうなの~~。いいじゃな~~い。」

アキリン様はアキリン様ってことよね。

でもよアキリン様はサキ様に会いに行くのが常よね。

それなのにこっちに来たのってどういう風の吹き回しなのよ。


「それでねアキリン。手伝いってなにをやらしてるのね。」

「なんだと思う~~。」


アキリン、わからないから聞いているからね。

それはアキリンならわかるね。

わからないのはわたしよね。


「アキリンが来たってことは知らない方がいいってことね。」


「知りたいんじゃないの~~ナタレ~~。」


「アキリン様いいじゃないのよ。なにかあるからここに来たんじゃないのよ。」


「どうしたと言うの、アサナ。」

なんで緑さんから返答するのよ、アキリン様にいったのよ。

今緑さんは蚊帳の外だったじゃないのよ。


それは私もよね。・・・そういうことなのよね緑さん。

うんそうよ、きっとそうよ。


それなら、素直に聞けばいいじゃないのよ。

でもよ、アキリン様ってなんて説明したらいいのよ。

アキリン様がサキ様を差し置いてこっちに来るなんて珍しいのよね。っていうだけでもいいわよね。


アキリンのなにかあるのという言葉になにか言おうと思ったがアサナの次の言葉を聞き言わないことにした。


「珍しく思っただけよ。」

そうなの、アキリンってだれなの。誰か教えて欲しいの。


「なにが珍しいの。」

「アキリン様はアキリン教の教祖様なのよ、そして、サキ様に関心が深いのよ。」

サキ様の所に行かずにここにアキリン様が来ることが驚きよ。


ーーーーー

ーアキリンの心情


サキちゃん、今なにしてるかな~~。なにか食べてるのかな~~。それとも服選んでるのかな~~。

なにか小物でも買ってるのかな~~。

そもそもサキちゃんお金持ってるのかな~~。


気になる~~。

サキちゃんの所にいきたかった~~。


でも~~今サキちゃんに~~会いに行くのも考えもの~~なのよね~~。

今のサキちゃんなら~~あの石で~~自然と行くべき道に進むからね~~。

でも~~サキちゃんに会いたい~~!


もどかしい~~。


それにしも~~意外ね~~、アサナはサキちゃんと一緒に行ってる~~と思ったのに~~。


ーーーーー


「アキリン、アキリン聞いてるのね!」

「ごめんなさいね~~ナタレ~~聞いてなかった~~。ごめんね~~ナタレ、どうかしたの~~。」

冷たい視線でアキリンを見つめる面々。


みんなが冷たい~~。

一言でも~~言ってくれたらいいのに~~。


「アキリン、シェリフがアキリンの手伝いをしてるって言ったけどね、それは本当のことなのね。」


なんでナタレは~~ナスターク帝国のこと~~そんなに気になるの~~。


そのことが気になる~~。


「どう思うの~~ナタレは~~。」


シェリフのこと~~ナタレに~~どうすべきかな~~。


本当ともいえるし~~違うともいえる~~。

この国の教会に~~たまたま用事があったから~~行ったてみたら~~あら不思議~~シェリフを見つけました~~。

それが理由で~~手伝ってもらってるの~~。

その後に~~なにを手伝ってもらってるね~~って聞かれるよね~~。教えなくていいか~~。


「違うと思うね、シェリフはこの国一番だからこの国の影響がなさそうな教会で暗躍してるかもね。と思いますね。」


あらら~~なんなのよ~~ナタレ。

そこまで理解してるなら~~なにも言わなくていいじゃないの~~。


「そう~~ナタレは~~そう思ってるの~~。シェリフに手伝いをしてもらってるのは~~。」


「秘~~密~~。ナタレに教えな~~い。」

教える意味もないもの~~。


「なんなのね、それね。」

でもいいね。全く違ったらアキリンは訂正してくるからいいのね。


ナタレさんこの国の異常のこと知ってること多いわよね。


「ナタレってこの国の人なの。」

そう思うぐらいこの国のこと知ってること多いの。

この国にはそんなに情報を知る術は多くないのに知ってることが多いの。この国にいるわたしより多いってなんなの。


「ナタレ様はこの国の人間ではありませんがこの国にはよく来ていますよ。観光や調査の名目でやってきていますよ。」

その裏で独自調査をしているということなの。


そんなにこの国のことを知ってどうするのナタレは。


「それでなのですがアキリン様、先ほども聞きましたがなにかあるから来たのではないのよ。」


「アサナは~~元気そうだけど~~、ど~~生きてる~~。」

「どういうことよ。生きてるわよ。」

「生きてな~~い。あなたは~~そんなに~~サキちゃんを守ることが大切なの~~。でも~~あなたがやってるのは~~守ることじゃなくて~~見てるのと同じこと~~。」

よくやってる~~わよね~~。

でも~~それだけじゃダメ~~、アサナは~~アサナの~~人生を~~生きることも~~大切よ~~。

「アサナは~~もっと~~自分のことを大切にした方がいい~~。アサナはあなた一人なんだから~~。」

サキちゃんのために~~。


アキリンも嫌なこというよ。

私が生きてないってアキリンも言い過ぎよ。

私はもっと自分を大切にするべきとは思わないよ。

私はサキ様のお母様に頼まれたのよ。

サキ様を守るように頼まれたのよ。


アサナは自分を大切にした方がいい。


なによ、ふざけないでよ。


「ちょっと一人になりたいから席を外すわよ。」


アサナは部屋の扉を開けて出ていった。アサナは来たばかりでここのことを知らないはずなのに。


「アサナ!」

アサナ、わたしの呼びかけに応じなさいよね。

全く見向きもしないで行くなんて、聞こえなかったみたいじゃないね。

 

アキリンね。

アサナはねもっと自分を持った方がいいかもしれないけどね、もう少し言い方は改めた方がいいわね。


「アキリン、アサナが生きてないなんてかわいそうね。アサナは必死に生きているね。アサナはね、自分の考えをもう少し持った方がいいかもしれないけどね。」


うんうんなるほど~~ナタレはそう思ってるの~~。

でもナタレ~~。


「ナタレは~~わかってな~~い。アサナは~~サキちゃんをもっと守るべきなの~~。」


「それはどういう意味ね、アキリン。」

ナタレは怖い顔をしてアキリンを見た。

ナタレはアキリンの言葉に苛立ちを覚えた。

しかし、その理由はわからなかった。


「それは~~ナタレも~~同じよ~~。この国のことに~~目を向けてないで~~自分のことを~~もっと見るべきよ~~。」


それは矛盾してるね、アサナは自分を見るべきなのよね。アキリン。


ナタレと~~アサナは~~違う~~。

二人は~~同じ道を歩いてきた~~だけど~~違う道を~~進む~~。

道は~~違うけど~~向かう場所は~~同じはずよ~~だから~~同じよ~~。


二人は~~全てをかけて~~進むべき~~。


ナタレは~~自分を~~もっと~~知るべき~~。


アサナは~~もっと~~サキを見て~~弱さを~~知るべき~~。


サキは~~弱さを~~なくすべき~~。

サキはもっと~~世界を~~知るべき~~。


「アキリンはもっと自重すべき。」

「じちょうなら~~してるよ~~。」

必要最低限の自重はね~~。


自重してるならね、もっとすべきね。





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