第13話 カルディオス王国から次の目的地へ
「アサナ大丈夫。アサナ~、アサナ! アサナー!」
声をだんだん大きくしすぎて怒鳴ってるように言ってるのに全く反応がないどころかどんどん顔色が悪くなる一方だった。
「ねぇ、ナタレ。アサナダメみたい。」
「そうみたいね。サキちゃん。」
「どうすれば直るのアサナ。」
「自力でないとね、直らないと思うね。」
「ふーん。ナタレは自分の技を直せないダメダメな人だったんだ。悲しい。」
「わかったね。やるね。」
「ありがとうナタレ!」
「ねぇ、ナタレ。アサナになにを見せたの。」
「あとでまた教えるからね。サキちゃん。」
ナタレはアサナの肩に手を当ててなにかを送ってるのか白い光がアサナに送られてるのが見えた。
「アサナ大丈夫。」
「心配してくれてありがとうサキ様。」
「大丈夫みたい。ねぇ、ナタレ。今思いだしたのだけどユリースさんと話ってできるの。」
「ユリースさん、ユリースさんね。ユリースさんと話はできないけど言いたいことはわかるね。」
「なら、じゃなくて。あの木すごいと思わない。」
「あ~あれね。あれはね、あそこに花があるのわかるよね、サキちゃん。」
細目になってよく見るとヘデラ街で踏んだ花に似ていた。
「わかるよ…。あれ・・・。」
「あの花はモスロアウネっていうね。」
「モスロアウネ。そんな花しらないよ。」
「そうだろうね。子供の頃に一回見ただけだからね。」
「ナタレが。」
「アサナちゃんがね。」
「それって何十年前。」
「どれくらい前だろうね。忘れちゃたね。」
何十年って言ったのに訂正しないってどんなにまえなのか聞きたくなった。
「そんな前からあるのに…。今でもそんなに見られない花なんだ。」
「そうだね。なんでなんだろうね。」
「ねぇ、ナタレ。あの・・・。」
「なにねサキちゃん。」
「ナタレはこの国になんで来たの。」
「そうだね、サキちゃんは遺跡のことね。どう思うね。」
「えーと、力が貰える、場所かな。」
「そうなんだね。サキちゃんはそう思うのね。」
「そうね、間違ってるてね、言えないね。でもね、サキちゃん。遺跡はね、力を貰えるのはあってるけどね…遺跡はね、勇者や英雄って呼ばれる人達のねものなのね。」
「人達のもの。どういうこと。」
「ごめんね。人達のねものってのはね。勇者や英雄と呼ばれる人達がなぜいるかサキちゃんはね、知ってたよね。」
「えーと、そうだね。ナタレちゃん、勇者や英雄はある人達がこの世界で戦争を、侵略を、始めたせいで勇者や英雄と呼ばれる人達が生まれたってラプオビにいたときに聞いたような、知ったような気がする。」
なんで今その話をするのナタレ。
ユリースは瞬きをした。ナタレに合図をするように。
「この国はあるね英雄がね、そのね、いやねなにいってるのだろうね。サキちゃん。」
「えっ、ナタレ。」
「ナタレじゃなくてねナタレちゃんだよね。サキちゃん。」
「ナタレちゃんはなんでこの国に来たの。」
ナタレはサキに微笑んだ。
「サキちゃん。…。この国に来たのはね、ある人をね探すためにね。」
「ナタレちゃん。この国はなんでこんな光景になっちゃてると思うね。」
「なにか見た。サキちゃん。」
「えーと、人が一人だけでいたよ。かたこと…って言うのかな。えっと。」
「がらがら声みたいでね、なにかくせがねあるような声だったのね。」
「うん、ちょっとだけ違う訛ってたと思う。」
「訛ってたね、まずいね。本当にね、王国がね滅んじゃうかもしれないね。」
「ナタレちゃん…。」
「その人を探しに来たね。」
「えっ!どういうことナタレ。」
「そういうことね。サキちゃん。」
「ありがとう!ナタレちゃん!」
ナタレはサキから目をそらした。
「ナタレちゃん。」
「ごめんね。サキちゃん。あ、そういえばね、サキちゃん。パラレはどこ行ったのね。」
「! パラレならアサナがナタレの力が解かれたらすぐに飛行機…ルビアの中に入ったよ。」
ルビアが飛行機って言ったらいちいち窓が落ちたり開いたりする音がするっていいじゃないのそんなの。
「フフッ、サキちゃんは可愛い。」
小声でそう言う声が聞こえた。
「ねぇ、ナタレちゃん。もうルビアで王国に帰るのだけど一緒に来ないの。」
「行くのね。けどね・・・。」
「王国には帰らないってこと。」
「そうね。」
ナタレは飛行機に入るとハッチを閉めた。
『ルビアちゃん!よろしくね。』
ルビアは上空に上がっていった。
「ルビア。どこ行くの。」
『えーとね、着いたら教えるね。サキちゃん。』
「いかがなさいました。サキ様。」
「ねぇ、アサナ…。」
「サキ様。」
「パラレ、大丈夫。アサナ。」
「ええ、今は元気ですよ。いえ、今は眠ってますよ。サキ様。」
「あのね。サキ様。・・・。」
ボンッ
「えっ!なんで。」
「・・・」
「なにしてるのユリースさん!いったい何を!・・・。」
「ダンデトポディムの格言を答えよ。なんなのね…。」
「ダンデトポディムの格言って夢見る人を追えば死を迎えない。とかそんなだっさいののこと。」
「えーとね。意味がよくわからないのね。」
「うん。それがダンデトポディムって人だよ。ナタレ。」
「そうね、サキ様の言う通りね。ダンデトポディムさんですからね。」
「パラレも知ってるのね・・・。」
「パラレ!」と言って抱きついた。
「あのー 、ね。サキ様。大丈夫ですからね。」
「でも、…。」
「パラレが大丈夫って言うのだから大丈夫よ。サキ様。」
「・・・」
パラレに抱きついていた手を放した。
「ナタレちゃん。」
「なにね、アサナちゃん。」
「いや、なんでもないよ。ナタレちゃん。」
泣かないでよ、ナタレちゃん。こっちまで泣いちゃう。ってこの光景見てて泣きたくなる気持ちもわかっ・・・ってなんで泣いてるのか全然わからないよ!ナタレちゃん。
「ねぇ、ナタレちゃん。」
「はい。なんですかね。」
「どこ行くのか教えてよ。」
「ねぇ、サキちゃん。サキちゃんはさラプオビのことどう思うね。」
「どう思うと思うナタレちゃん。」
「むずかしいね、その質問に答えるのね。」
「簡単よ・・・。」
ボソッとそんなことを言ったアサナであった。
「えっ!」
目をつぶって今アサナが言ったこと噛み締めるサキと忘れようと頑張っているナタレがいた。
「答えよね、サキちゃん。」
「うん、答えだよ。」
「大変だったと思うね。」
「大変だった、か。うん、そうだねナタレちゃん。こっちの質問にも答えてよ。」
「・・・」
「ナタレちゃん・・・・・・。」
「えっ!えーと、ど、どうしよう、どうしよう。ナタレちゃんが泣いちゃた。どうしよう、どうしよう。」
戸惑うサキであった。
「はぁ、ナタレちゃん。王国に本当は帰るんでしょ。泣かないでよ。」
「そうなんだけどね。えーとね、えーとね、グスングスンズー。」
「アサナちゃん。こっちきて。」
「なにナタレちゃん。」
と言いながらナタレにアサナは顔を近づけた。
するとナタレは泣いたわけをアサナに話した。
「あのね、アサナちゃん。まだね王国には帰らないからね。だって次の目的地はユーさんの故郷だから。」
「ならなんで泣いてたのよ。」
教えたよね、アサナちゃん!サキちゃんが死んじゃうのはものすごくかわいそうだしね、サキちゃんが可愛すぎて涙が出るのね。
「アサナちゃん、あそこはね、グスングスンッエ~~ン、エ~ン!グスンッグスン!」
「そういえばサキ様の・・・。」
「そう言うことだからね。」
「泣き止むの早いですね。」
「泣きたいときに一気に泣いてたらね、早くなったんだね。」
「そういうことにしますよ。」
「アサナちゃんね。」
「ねぇクラノス。ユーさんの故郷ってどんな国。」
「姫様を婿が殺すような国。」
「なんで知ってるの。」
「それ以外は知らない。」
「あ~、なるほど。」
「サキ様どこにいたのね。」
「パラレなに言ってるの。
それを言うならルディエル。」
「そうだね。ルディエルどこにたったのね。」
「ルディエルでしたらテーブルで紅茶を飲んでおりおす。」
「ほんとだ全く見えなかった。」
「そうですねー。」
「疲れました。」
「どうしたのクラノス。」
「先程までいたいいたた。」
「あーなかなか気づかれなかったから今紅茶飲んでるんだ。ごめんね~~!ルディエル~!!」
「お気遣い感謝します。しくしく。」
「あっ!ねぇールディエルなんで泣いてるのかなね~。あ!もしかして誰にも相手にされなかったから。」
「しくしく、しくしく。」
「あっ!あんな人いた。」
「ちょっと二人とも・・・。」
「寝てるよ。二人ともね。」
「はぁ、そこの寝てる二人!」
殺気を感じた二人は飛び起きた。
「あら、起きた。」
「起きました。」「起きたね。」
「なんでかな。」
アサナが怖くなってサキはルディエルに謝った。
「サキちゃ~~~ん!」
「そんなに叫ばなくて大丈夫よ。ナタレちゃん。もちろんサキ様も一緒だから。」
「えっ、嫌だいや~~~!!」
「ルディエルごめん。」
「いいって、ナタレを剣で殴って、サキ様を拳骨してくれたから。」
「いった~い。」「本当にね。」
「いたいけどよくナタレちゃん死ななかったよね。」
「うん、剣で殴ったてたけどねアサナちゃん。マジキレのときは、ん!」
「なんかイヤーな予感ね。」
「死にそうなね。」
「本当にうるさいわよ、二人ともそんなにうるさいなら落とすよ。」
「ホントじゃないよね。」
「ホン気よ。」
トントントン
「あら、サキ様どちらへ。」
「えっ!ほんとに落ちてるんじゃないかと思うから。えーと。」
「なんでさきちゃん。」
「だって誰も運転してない。ウッエ~~ん。」
「サキちゃんも泣いちゃったじゃない。」
「エ~~~ん!エ~~~ん。」
「大丈夫よ!サキちゃん。ルビアが自動う・ん・て・・・。」
言いながら青ざめていくアサナだった。
アサナが青ざめるとなにかを察したのナタレが死んでると思うほど青ざめていた。




