第77話 番外編脱出ゲーム④ ドリアース
サファイアをよみがえらせるために扉の向こうの世界にやって来たミドリと水鳥。
その世界は日本のような世界でミドリは顔も体型もそっくりな緑と出会った。
緑には夫と美郷という娘がいた。
そして、世界は崩壊という消える現象とサファイアが始めたゲームにより爆発が起きる。
それを逃れるために大学へとやって来た五人。
果たして生き残れるのか・・・。
大学を抜け変人に会いもしたが変人はミドリが解決しショッピングモールへとやって来たミドリ達五人。
そこは地獄絵図となっていたが睡眠欲に抗えずに比較的ましな場所で眠りについたミドリ達。
緑達は地獄絵図とかしたショッピングモールを抜け地図にある二つの丸へと向かった。
1つ目の赤丸は駐車場でヘリコプターがあった。
そして、もう1つの青丸は何もなかったがバスがやって来てそのバスに乗るか議論した結果緑の夫とはここで別れることとなった。美郷は泣いたが仕方がないと説得する緑。
フランスへとバスでやって来た緑達一行。そのバスの運転手の女性と美郷は二人だけで話をするために他の人たちはそれぞれどこかへ向かった。
そして、ミドリと水鳥は緑の夫とあった。
緑の夫はそのまま会わずに立ち去ろうとしたが緑は放っていかず緑と美郷の元へと連れてきた。多少強引にではあったが。
そして、今。
緑にも説教を受ける緑の夫。
「あなたね、ミドリさんから聞いたわよ。」
正座している緑の夫。
地面に直接正座している。
見ていて痛々しいと思う他の面々。
「私たちを放っておいて私じゃない他の女と一緒にここから出ようとしてたそうじゃない。その意味わかってやっているの。」
「すみません、すみませんすみません、すみません、緑。二人に会わせる顔がなかったから先に出ていこうと思ったんだ。」
「あ!」ミドリはやっちゃたなと思い言った。
「二人ともここは危険だからにげるの。」
「逃げる。」「逃げましょう。」
そこへ二人組がやって来た。
その顔はニヤニヤしていた。
「あの女と子供たち、捕まえられれば高く売れるんじゃねえか。」
「俺たちで遊ぶのもいいしな。」
「「ゲヘヘヘハハハハ・・・・・・。」」
とその笑い声はいつの間にか消えてしまった。
「ふーん。なら、ミドリさんの方法で許してあげる。どうかな。」
「はい、そんなに酷いことでなければ大丈夫です。」
「ふーん、そう。なら、はいこれあげる。」
「ありがとう。」お弁当嫌な予感がする。
「それを食べることが許す条件。」
お弁当をあける緑の夫。
そこには緑の夫が嫌いなものすごく辛そうな豆腐料理とプリンがあった。
「・・・これを食べるのか。」
「そうよ。」
辛そう……。できれば食べたくない。
でも、食べないと許してくれないんだもんな。
豆腐料理を一口食べる。
辛い、辛い。焼ける喉が痛い。
水が欲しい。最低でも水飲みたい。でも、それはダメなんだろうな。
そして、20分後プリンも食べきることができた。
アレルギーがある訳じゃないが好きじゃないプリン。
「食べ終わったね、よかった。」
緑はこうやって仲直りしてるんのか。
「さぁ食べ終わったのならサファイアに会いに行くの。」
「やっと、終わり。」
寂しそうなの、緑。
「なに言っているんだ緑。まだまだだぞ。まだサファイアにもあってないのにそんなんじゃ後が思いやられるな。」
あなたには言われたくない言葉なの。
「あなたになにがわかるのよ。もう終わったも等しいじゃない。」
「そうなの。まだまだなの。まだ道は長いかもしれないの。」
それから二日。
サファイアにあった五人。
「久しぶり、ミリスドリスリリスと水鳥。そして、他の三人のあなたたちははじめまして。」
「・・・」
他人行儀なの、サファイア。悲しいの。
「それでこの脱出ゲームからぬけ出すにはここに来ればよかったの。サファイア。」サファイア。
「違います、あれに乗らなければなりません。」
そういって指指したのは扉であった。
「脱出するのに扉に入るの。」
扉に入るのに乗るの。どういう意味なの。
「そうだから早くは入ったら。そうすれば君たちは救われる。」
「そうなのか、救いか。」
「こんなのが救い、あり得ない。」
「救いとはどういうこと。」
「君とは話したい。いいか。」
「ダメなの、サファイア。サファイアはなぜこの世界に私たちをつれてきたの。」
「この世界に入ったのはミドリと水鳥、君たちだ。」
そうなの。
「この世界はどうやって選ばれたの。」
「この世界は滅びる運命だから。それ以外に理由などない。」
「そう、なんだ。やっぱり私たちは消えちゃうんだ。」
ーーー消える運命。そんなものは許さない。
「運命には逆らえない。」
美郷の言葉にミドリと水鳥は受け入れるように顔を伏せる。
「パパママごめんなさい。」
「なんで、美郷が謝る必要があるの。」
美郷が心配で抱きつく緑。
「そうだ美郷、お前が謝る必要なんてない。」
緑の夫はミドリと水鳥そしてサファイアを見ながら美郷と緑の肩に手をおき言った。
ミドリと水鳥は沈黙を保った。
「心配してくれてありがとう。ママ、パパ。ミドリさんと水鳥もね。」
美郷は両親の手を振り払い緑と緑の夫。ミドリと水鳥を順番に見ながら名前を言った。
「そして、サファイア。ううん、あなたは私の後継者。あなたがこの世界をどうするのかを決める。そして、後は頼んだよ。世界を正しい道にたどることを祈ってる。バイバイ。」
美郷は最後にサファイアを見るとそんなことを口走った。
「何かってにしめているのですか。美郷さん。あなたにそんな権限はありません。決めるのは私です。」
「そして、この世界を滅ぼすのは私でもこの星の誰でもない。しかし、この星の人間です。そうですよね、美郷さん。」
「ええ、そうです。それは決まった運命です。彼がこの世界にやって来たらもう世界は崩壊の波に逆らう術をなくします。」
「なにを言っているの。」なんの話をしている。
「世界はひとつだけではありません。無数に存在します。人が生きて動物が生きてそして、植物が生きている限り。それだけの枠組みではありませんが世界の可能性は無数に存在します。しかし、世界を生きる時は今しかありません。あなたの選択がその時を動かすのです。」
「さあ、これが最後の選択です。この世界は救われるべきか崩壊するべきか。サファイアさん。あなたが決めるのです。」
そして、水鳥の中から1つの石が現れた。
サファイアの宝石が。
「わたしは・・・。」
「ここには救いがないとダメだと思う。
ううん、崩壊はあるべき形。崩壊は救いを作るための架け橋なの。だから、崩壊はするし救いもする。それが私の答え。」
「言い答え。それがこの世界の結果。それでいい。パパママ。」
「仕方がないと割りきれないけどそうすると言うならいい。」ママ……。
「そうだな、救いも崩壊も生きていられることより、嬉しいことも悲しいこともないな。」パパ……。
「決まりだな。この世界は約束の日が来たら崩壊する。そして、その後どうやって救いをもたらす。」
「そんなの決まっています。世界を戻すんです。何もかも元通りに。」
「わたしはその意見に無関係だけど反対するの。」
「なんで緑姉さん。」
「そうよ、なんで反対するの。ミドリ。」
「ふざけているのか。」
「わからないの、元通りに救ったってまた同じ過ちが繰り返されるだけなの。そんなの意味ないじゃないの。根本的に変えないといけないの。」
ミドリの強い意思がここにいる全員に響いた。
ミドリはもう一度崩壊することがわかるからこのように言葉を紡いだ。
それは自分が二度目のこの世界だからもう二度とこの世界に来ることがないために。
「という声も挙がっていますがどうしますか。この後の方針は。」
まぁ、響かなかった例外はいたけど。
「どうするの、サファイア。決めるのはあなたなの。」
「同じ過ちが繰り返されるのはいや。でも、その過ちがなにかは知らない。」
「この世界の過ちは緑花梨さんの復活と美郷さん。あなたの存在です。あなた方二人がこの世界にとって異常なのです。さぁ、どうしますか。」
「話を変えてるの、過ちとはなんなの。」
「それはお教えできません。そうしてしまってはこの世界を干渉できません。」
「なるほど、わかった。それでどう言うことなのあなた。」
「それは、奇跡が起きたんだ。美郷が産まれた時緑の心臓は止まっていた。そして、数年後美郷も事故で死んだ。理由は落下による脳挫傷だ。」
「今いるマンションなら7階だからそうかもしれないけどそんな思い出ないわよ。」
「それは当然です。この方は美郷さんによって世界を変えたのです。」それは言っていいの。よくわからないの。世界への干渉なんてわからないの。
どういうこと。と緑は言った。
「美郷さんは死んでしまうと最初からやり直します。その結果、始まったのです。あなたが生き続けた世界が。」
「ちょちょっと待ってどういうこと。わたしは出産で命を落としたのでしょう。」
「いいえ、違います。あなたはある男の子を守ろうとして落下しました。」
「ある男の子。」男の子。
「それがあなたです。水鳥さん。」
その言葉の衝撃に頭がついていけないものが何人かいたが話は続く。
「そして、水鳥さんが存在せず美郷さんを無事出産し、そして今も尚生き続けるという世界があるのです。」
「水鳥は弟なの。でも、それは違うと思ったけどそれなら水鳥は死んだはずじゃないの。」
「そうとれます。しかし、水鳥さんは生き続けていたのです。なぜかそこに空いた異空間へとわたることによって。ですのでこの世界に来ても彼が異常とはなりえません。」
「異常なのは緑花梨さんが生きていることってことなの。それとも、美郷が生きていることなの。どっちなの。」
「先程も言ったように美郷さんが世界を変えました。私という異物を使って。」
「異物。」
「はい、わたしはこのミドリさんの世界にとっても深い関係がある1つの宝です。そして、美郷さんは私が産み出したものの副産物。あの方の夢を叶えるための一つの道具だったのです。結果は失敗に終わりました。なぜなら……おっとこの続きはお話しできません。」
彼が空操樹そのものって訳なの。
誰があれを使って美郷を作ったの。そして、目的はなんだったの。誰だか知らないけど絶対に暴いて見せるの。
「美郷は私の娘!あなたなにを変なことを言っているの。」
「失敬。その通り美郷さんはあなたの娘です。しかし、あの方の道具でもあるのです。それをお忘れなきよう。」
こいつになにを言っても無駄みたいなの。
「それで過ちっていうのはどこなの。」
「その後、緑さんは数多くの死へと向かいます。車によるもの、トラックによるものそして、電車によるもの。それらに引かれて死にます。そして、美郷さんに甦らせてもらうのです。もちろん美郷さんが自殺してですが。」
なにその胸くそ悪い話。
「あなたふざけたこといってるじゃないわよ!私が死んだら美郷も死んで元通りになるっていうの。ふざけるじゃないわよ。」
「その通りです。しかし、自殺と言いましたが正しくはもっと残酷です。」
「本当に。」「はい、本当です緑。」
「そう。」
「はぁ、もういいわ。ここにはいたくない。ミドリ。あなたと一緒にいく。ここにいたらわたしは死ぬしかないから。」
「そうなの、でもいいの。二人ともう会えないかもしれないの。」
「親が子供をおいて出ていくのは身勝手だと思う。でも、わたしがいたら二人にとっての幸せはやってこない。それだけはわかる。」
「ならなの、なんでここに残らないの。それだけは教えてなの。」
「あなたと一緒にいるのが楽しそうだから一緒にいたい。それはダメ。」
「それならいいの。後悔すると思うけど本人がいいならいいの。美郷はどう思うの。」
美郷から母親をとるには少し不足すぎる理由なの、緑。
「ここから出られないからここの生き末を見守る。願いを叶えることはもうないから少し楽になったかも。ママとは会えないけどまた会えることを信じて生き続ける。それが私の運命です。」
「そうなの、頑張ってなの。美郷は大丈夫なの。」
「俺は緑がいなくなってしまったら生きている意味がなくなって美郷に頼るに決まっている。だから、俺もさよならだ。悪いな美郷、今までありがとう。不甲斐ない父親で悪かった。」
「最後ぐらいかっこうつけようっていうの。パパは。」
「そう見たい、バカみたいだけどあなたがそう決めたならいいんじゃない。」
冷たいのと思うミドリ。
しかし、緑の顔を見るとその言葉が美郷へ向けられた言葉なのだとわかった。
そのバカはあなたと決別することを選んだ。美郷、あなたは自分の道を生きなさい。
ここでお別れ。
ふふ。バイバイね。
「これで決まったな。サファイア、早くそれぞれ望む道に進めてくれ。もういいだろう。」
「もう少しなんだからいいじゃない。」
そして、ゲームに追加要素が与えられた。
後一週間以内に指定の場所に来なかった場合このゲームを終了する。
そう説明された。
そして、一週間後。
ゲームは終了した。生存者は人口の一割にも満たない一千万人。これだけでも生き残った方であった。
そして、星は崩壊により侵食され最後には大爆発を伴い死んだ。しかし、星は新しくよみがえった。あの青い炎によって。
その世界は青く輝く海と空そして、青く輝く炎を纏った岩が飛んでくる世界となってよみがえった。
星の名はドリアース。