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世界は一度終わっている  作者: 小松ちゃん
第二章世界樹 5節ナスターク帝国 選択と強制
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第74話 番外編⑤ 脱出ゲーム①

サファイアをよみがえらせるために扉の向こうの世界にやって来たミドリと水鳥。


その世界は日本のような世界でミドリは顔も体型もそっくりな緑と出会った。

緑には夫と美郷という娘がいた。


そして、世界は崩壊という消える現象とサファイアが始めたゲームにより爆発が起きる。


それを逃れるために大学へとやって来た五人。

果たして生き残れるのか・・・。


脱出ゲームが始まって2日後。

緑たちは大学で凍えるように体を震わせていた。


「どうすればいいんだ。」

慌てた緑の夫。


「ママ、パパ、ミドリさん、水鳥さん。まだ行ってはダメ。」

美郷がトイレに行きたいからと今いる教室を出ようとしたとき、出てはダメと言ったためまだ教室にいる緑たち。


それは2日前、この大学に隠れていた人たちが一斉に外へと逃げたとき、押されて倒されて死んだ人もいたしバットで殴られて殺された人もいた。


正門と裏門に別れて逃げ出した大学に隠れていた百人以上の人々。

そんな時裏門で大爆発が起きた。

巻き込まれて百人ほどが犠牲となった。


その怪物がいつまた暴れだすかわからない。その恐怖でおかしくなる人もいた。

それは外だけに留まらず校舎内にも伝染し人々は少ない消耗品を独占しいつくるかわからない終わりを町続けるのだった。




そんな日々を過ごして2日目、大学の正門から外に出ようとするものたちもいた。


「なぜ逃げる必要がある。ここにいれば死ぬことはないここは安全なんだ。」


その側には血を流し倒れた人々。


「これじゃ外に出られない。ここにいたっていいのかわからないのに。」


「ああ、次のゲームが始まってる。もうかくれんぼはおしまいだ。なにか来たぞ。」

蛙の着ぐるみを来た人間か。


あの蛙、着ぐるみじゃない。トゲトゲが付いてる!



門の近くの校舎の影に隠れている男と女のカップル。


「あれ、着ぐるみかな。」

「おい、しゃがんだ方がいい。あれは爆弾だ。」

なに言ってるのと女性は思ったが次の瞬間起きた現象に言葉を失い男に抱きついた。


「怖い、怖い。なにあれ。なんで、なんでなの。」

女性が言った意味がわからず蛙の着ぐるみを来た人を見るとそこには五メートル爆弾が門でふんずりかえっている男に近づいていっていた。



「ここ、結界の中のはずなのになんで入ってきてるの。」

「ここは危険だ校舎に戻るぞ。」

「うん、逃げよう。」


ドカン!

その音に反応に後ろを向く女性。

爆弾が爆発したのだ。

その熱風が迫っており二人は熱さにやられてしまった。


黒焦げになり、梨色の水溜まりへとなすすべなく沈んでいった。


もう結界は避難所ではなくなっていた。


・・・


「外から爆発音が聞こえた。」


「ここの結界はもう意味はないの。でも建物の中までは影響はないみたいなの。まだ終わってないの。」


ミドリはずっと外を見張っていたため爆発が起きたことがわかった。爆発が起きたけど違和感があるの。


音が聞こえても誰も外を見ようとはしなかった。


緑はスマホをつけようとしたが電源が入らない。

なにもわからない…….どうすればいいのかもわからない。



……そうなの、なんで建物に焦げあともないの、ガラスにヒビも入らなかったの……建物の中なら安全ってことなの……。もし中に入ってきたらどうなるの。入ってくるかもわからないけどここにこれることも確かなの。


どこかに逃げるべきなの。


「ここでじっとしてても意味がない。なにか逃げる道があるかもしれないのにこんな所で止まっている意味なんてない。早く移動しよう。」

と言う緑の夫。

「そうなの、行こうなの。少しずつ進んでいくの。」

ミドリが賛同した。


その二人に押されて大学の外へと出た緑たち。

門からでは危ないと塀を登って外へと出た緑たち。


「本当にすごいことになってるの。」

「ママ、怖い。」

「・・・」


「大丈夫なの。絶対に……なの。」

美郷の恐怖心を少しでも和らげるためにミドリはそっと手を頭に置いて笑顔で言うのだった。


ミドリの思いとは裏腹に美郷は悲しげな返事を返すだけだった。



それもそのはず、大学の校舎を出るときに美郷は目を閉じて外を見せなかった。

しかし匂いや肌に当たる暑さは払拭しきれてはいなかった。


不安はあったが少しずつ進んでいき大学から100mほど離れることができた。


彼らにさらなる不安が襲う。


外という現実が彼らを襲う。


ドオーン!という爆発音。


それは大学の校舎が爆発した音だった。


逃げ場がないの。どうすればいいの。

外に出てきて本当によかったのか気になるの。


カラスの鳴き声が不気味に聞こえた緑たち。


「危ない!」

どこからか声が聞こえるとバンと銃の音が聞こえた。


緑の肩に危なかったですね、もう大丈夫ですよ。と言ってやってきたのは迷彩服を着た自衛隊の男だった。


「あの、あなた一人だけですか。」


「ええ、先ほどはぐれてしまいまして。」


あんな爆発があったのにはぐれた……。

自衛隊ならまずはそこに行くはずだろ。それもはぐれたならなおさら……つまり、こいつははぐれた訳じゃなくて逃げだしてきた自衛隊。

たまたまおれたちを見かけたから恩でもうって民間人を見つけましたって言って逃げ出したことをなかったことにしようって腹じゃないのか。


「どうしたの。」と夫にきく緑。


「なんか怪しくないか。」と返す緑の夫。


「そんなことないよ。」と緑は言う。


しかし、美郷を抱っこしますと迷彩服の男は言ったがきかない緑にその迷彩服の男は銃を突き付けその子を渡せと言う始末。


これはダメだなと思った緑は潔くその迷彩服の男に子供を預けた。


そして、その男の言うままに後をついて行く。


「こんなかわいい娘さんをだっこしてると私の子みたいで嬉しいよ、しかも両手に花。こんなにもいいことがあるなんて悪夢の中にも奇跡は諦めなければあるなんて嬉しい限りだ。ハハハヒヒフッフッヘヘホォーホッ。は行すべていってみました。」


変わってるの。

「変な人、そう思わないミドリ姉。」


「見ての通りなの水鳥。変わってるの。」

この人、壊れてるの。

「おい、わかってるよな。」緑たちを睨みつけ怒号をあげながら美郷を力強く抱き締めているのが見てとれた緑たち。


美郷は苦しくなったが目を開くことはなかった美郷。


緑との約束を守っているのだ。


「すみません。水鳥も言うの。」

「すみま……せん。」


そう言われて美郷への圧を弱めた迷彩服の男。

笑顔を向けたがそこには薄暗い悪魔がいたように見えた緑たち。

緑は血の気が引き今にも倒れそうになっているのがミドリはわかった。


「・・・なになにみんな。そんな顔してもしかして僕が怖いー。」


その一言でミドリはどこか寄り道をする暇はないと思った。そのため水鳥に注意をするミドリ。

「水鳥、喋ったらダメなの。」


「なんで、ミドリ姉。」

「世の中には2つの世界があるって言うの。」


「どんな世界。」

「1つは嘘の世界、2つは真実の世界なの。この2つの世界が存在するの。」


「嘘と真実の2つの世界しかないって本当、ミドリ姉。」


「・・・うん、本当なの。まず、1つ目の嘘の世界は夢や希望。そして、妄想なの。これの代表な物は物語なの。舞台や映画、そして漫画に小説。

2つ目の真実の世界っていうのは今いったことからわかると思うけど生きている今。この二つしか世界はないの。」


「そうだけどその2つの世界だとは思わない。」


「他に何があるの水鳥。」


「それ以外に何もない世界がある。」


「その通りだ。なにもかもなくなり何も存在しない世界がある。水鳥と言ったかそいつの言う通りだ。そして世界に何もない世界は多数存在する。その最たるものが死だ。」

「違うの!」

ミドリは違うと言ったが迷彩服の男の次の行動に言葉を失った。


「あ、何言ってるんだお前。」

と美郷の首を持って言う迷彩服の男。


「!」


「ふざけないでよ。」

緑は怖くて動かせなかったがやっと一歩目の声を出した。

「・・・美郷を離しなさい!この薄汚い人形!」

「へー、そんなこと言えるんだ。」

そう叫んで緑は迷彩服の男を突き飛ばした。


緑が迷彩服の男が美郷を見た一瞬の隙をついて突き通した。しかし、それは緑は緑でも違ったミドリだった。


緑の一言に迷彩服の男が美郷を見た一瞬の隙に顔面を殴りつけたミドリ。


そして、美郷を取り戻し緑に渡すと迷彩服の男に馬乗りになり殴りまくったミドリ。



「そこまでする必要性あった。」


「ないの。でもここまでやらないといけないと思ったの。」

この人は心が死んでるの、新しい心を入れるのは難しいからこうした方がいいの。起きてあの爆弾に見つかったらかわいそうだけど武器が何もないのは心もとないからもらっていくなの。


「どこに向かってたのだ、この迷彩服は。」


「ママ、トイレ。」

美郷が緑にそういうのだった。


ミドリは銃意外に使えそうな物はないか迷彩服の男の体をまさぐっていた。


地図と銃を奪ったミドリ。


今いる位置を確認しようと緑に近づいたが美郷が言った言葉を聞いて緑に地図を渡したミドリ。


緑はよくわからないからと夫に手渡した。


・・・


一番近い建物にはトイレはなかった。


そして、二つ目の建物はショッピングモールだった。


中は見るも無惨な光景が広がっていた。

子供には見せられない、大人ですらその光景に目をつむりたくなるほどその光景は無惨だった。


しかし、頭どころか体すらなかったのはよかったのかもしれない・・・。服だけが所々に散らばり血溜まりを作っていた。


そこで見かけた顔と柄を見かけたミドリ。


三人ともアサルトライフルがあり胸元にあったあいつら八人が敬礼している写真があった。


他になにかないか探ったが何もなかったため血がついてない銃を2丁と弾がはいっているホルダーを取ったミドリ。


・・・


「ママ目開けてもいい。」

「ダメよ。」

と言って緑が美郷のズボンとパンツをおろした。


美郷のトイレが終わると全員がミドリの周りで地図を見ていた。


「今がここなの、近くに赤丸が2つと青丸が一つなの。どういう意味かわかる、なの。」

「わからないな。」そうなの。

ミドリと緑の夫が迷彩服から取った地図を見ながらそんな会話をしていた。


「なにかわかった。」

なにも。と言う緑の夫。

そうと落ち込む緑。


「この地図、丸が二種類あるからなんなのかって思ったけどあの大学が入ってないってことは結界が書いてある訳じゃないだろうから。」


そうとまた落ち込む緑。


そして、ミドリと水鳥、緑と緑の夫そして美郷の五人はしばしこの地獄絵図と化したショッピングモールにて休息を取った。


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