第64話植物園地下その16 悪夢と対策室そして登場
「あのサキ様……気になったことがあるのよ。聞いてもいい……わよね。」
「・・・。」「はいです。」
「どこかいたいところはありますか。」
「ないです。めまいとダルいです、あと眠いです。」
「サキ様、脈見ますよ。」
「はいです。」
・・・
「貧血だと思いますのよ。」
「そうですか。」
アサナに身体中触られて見られたことが恥ずかしくて、起きる前より疲れたサキ。
そして、安心したのか眠ったサキ。
「こんな汚い所で眠らせるのは悪いので扉を出ます。キンレン、手伝っていただけますか。」
「わかりました。」
・・・
スタスタといつもの三倍速く歩くサキ。
それにゆっくりと歩く他の者達。緑は一度目を覚ましたがキンレンを間近で見すぎたために倒れたためキンレンに背負われている。
まさか汚れたからって頭洗ってあげてるときに起きるなんて……持ってるわよね・・・。
「いつもあんなに歩くの早いのか。」
「いいえ、今はスキップするときより早いぐらいの速度よ。」
それならなんであんなに急いでいるんだ。
カンレンを殺した場所の奥にサキが扉があると言ったために歩いている三人。
そして、扉を見つけ手をかけるサキ。
扉は普通に開いた導くように。
「見つけたです。さっきぶりです。サフィールさん。」
「あら、サキとアサナサン。そして、緑とキンレン。」
「それは、……貴様……なにをやっている……。」
「見ての通りよ。回収しているのよ。もう用済み、そう言ったわよね。キンレン。」
「ふざけるな、ふざけるなーー!」
「待ってくださいです。キンレン様。」
左腰にある刀を器用に抜刀しようとする右腕、ではなく左腕を掴みサキは言った。殺されたいのかと言うかのように。
「サキだったかうるさいぞ。手を退けろ貴様も斬られたいのか。」
「それを言うならあなたは緑を切り刻まれたいのですか。」
「そうよ、あなたは緑をおぶさっているのよ。考えて行動しなさいと言うことよ。わかったわよね。」
そういうアサナサンはサキが言おうとしたことを遮ったこと、わかってるわよね。
「放してもらえるかサキ。冷静になったからな。」
「よかったです。攻撃してはダメですからわかってくださいです。」
「あれもまた偽物です。あっていますですか。サフィールさん。」
「そんなわけないじゃない。この子は見てわかる通りユカリよ。」え!・・・。
「違うです。それはユカリではないです。
だってユカリはここにいるわけないからです。」
「どういうことよ。サキ様。」
「ユカリですが、えっとです。ユカリ・セレナスタークっていう名前に聞き覚えはないです。」
「セレナがユカリってそんなわけないじゃないのよ……。
・・・ハッハハッハッハハハハハ。」
「そんな……はず……ない……だろ。そう……じゃない……。か。」
・・・
「なーんだ、知っていましたの。サキは。」
「ユカリはどこにいるです。サフィールさん。」
「貝城にいると思います。」
「貝城にですか。確証はなかったですけどあなたのその言動でわかったですサフィールさん。やっぱりそうだったんですね。」
「はい、ここを任されました。ここにいる分身を破壊してほしいと。もうあの者の好きにはさせたくないと。」
「・・・なんの話をしていますですサフィールさん。」
あれ・・・サキも聞いて知っている訳じゃないの。
「えーと・・・。」
それは言えないみたいです。気になるです。でもです。もっと気になることがとあるです。
「ユカリはキンレンとカンレンの妹ということですか。母親は違うですけど、確証がなかったのでわかってよかったです。」
「その通り、よくわかりましたねサキさん。」
「サキがさっきの部屋で撃たれていっていたです。お兄ちゃんに会いたいって、キンレンお兄ちゃんに会いたいって言ってたです。・・・。」
「その真偽を確かめるために緑についてきたということよね。サキ様。」
「そうですアサナ。ごめんなさいです。」
「驚きましたけど少しだけ嬉しかったのでよかったのよ。」
「緑のことは何か言っていたですか。サフィールさん。」
「サキさんは聞いていませんか。」
言っているわけないじゃありませんか……。
死に際にそこまで思わないです。
「言ってましたです。」
「それなのに聞いたのはどうして。」
「・・・ユカリが緑に言っていたのは感謝の言葉だけです。ありがとうって言っていただけです。」
そうですか、サキさんはそれしか知らない。
「ユカリは言っていました。キンレン様に愛してるとお伝えくださいだそうです。そして、緑に席をお譲りします。どうか末長くお側にいてくださいだそうです。大好きなキンレン様のもとでだそうよ。」キャー。もう、何てこと言わせるのよ。こっちが恥ずかしいじゃない。セレナ様のバカ。
「それは緑とキンレン、一人ずつに言うべき言葉だと思うです。サフィールさん。」
「いいじゃない。」こんな恥ずかしいこと二回も言えないわよ。
「とは言ってもです。緑は聞いてない可能性高いです。」
「・・・そうよね。緑眠ってますよ。サフィール。」
狸寝入りしているだけかもしれないけど眠っているわよ。
「・・・俺は、なんのためにここに来たんだ……。」
ごめんなさい、キンレン。
でもキンレンにはカンレンを殺さないといけないとユカリは判断したからあなたに頼んだだけ。
「なら、サキさん。緑に伝えてもらえますか。」
「嫌です。それはユカリ本人に直接言わせるです。」
そうですか。サキさんは言わせますか。できますかそんなこと。
「ならサキさんこれをあげる、ユカリに会った時にお渡しください。」
「はい……。」なんですこれはです。
「気づいてないのかわからないけど全然話してくれないわよキンレン。こういう人ではないわよねサフィールは。」
「どうかはあんまりわかりません。」
なによ、まだ放心状態・・・だったようね。
「あのです、これはなにか教えてほしいです。サフィールさん。」
「それはユカリのものです。なのでユカリにあったときに渡してくださればいいです。お願いしますサキさん」
そういって一礼して去っていったサフィール。
「結局笑って返されただけだったです。」
「なんなのでしょう。」
「これはさっき取っていた核ではありませんか。」
「ユカリから取ってたやつってこと。」
「はいそうだと思われます。」
それならなんで自分で返しに行かないのです。
サフィールさん。
・・・
コンコンコン
「失礼します、セレナ様。」
「何しに来ましたの。」
「何しにってなぜここにいますの。」
「ダメだった。」
「いいけど……アヤミのお嬢様に怒られますよ。」
「そうよねえ、どうすればいいと思いますか。」
「・・・」アヤミさんに会いたいとも思います。しかし、怒られたくはありません。どうすれば・・・。
「それならなぜここにいらっしゃるのですか。」
「ここにいればサキ様に会えると思っていたけどあなたが来たということは来ないということね。」
どういうことです。セレナ様。
「そうですか、帰り支度をしてください。」
「えー、ここにいてはダメなの。」
「それはわかりませんがセレナ様、なぜサキさんに会うのですか。」
計画はわかっていますけど会わない方がいいのではないですか。
「計画のこと話してなかった。サフィール。」
「知っています。なので渡してきました核を。」
「へぇ、そう・・・。」
・・・
「ユカリはいなかったので上に戻りますよ。サキ様。」
「はいですアサナ。」
本当にここに主はいなかったのですか。
「どうやって。」
「えっです。」「えっ。」
「戻るか。」
「それは嫌よ。」「嫌です。」
「大丈夫、君たちなら外まで送る。」
「誰。」「誰だ。」
「あです、一度あったです。」
「その人大丈夫なのよねサキ様。」
「どう、なんだそいつ。」
なにごともなく地上に戻ってきた三人。
「この後、どうすればいいのです。」
「そうよ、どうするのよ。」
「じゃあ俺らは城の中に戻るから。」
「どうするです、アサナ。帰るですか。」
「帰ってはダメよサキ様、その前にあいつ・・・アウルに会いにいかないとだよ。」
そうだったです。
そうやって現実に戻ったサキだったがここは現実ではないことを知った二人。
ここは悪夢だった。
城の前です。城ってこんなに綺麗だったですか。
もっと時間が経過したようなつるに飲まれてなかったですか。
「・・・おかしいです。ここはまだ植物園です。」
「え、なに言ってるのよサ、キ様ーー!サキ様ーー!」
サキの下に穴が空いて穴に落ちていった。
アサナはサキの手を掴もうとしたが穴に落ちていった。
「えです、イヤーー落ちるです。」
・・・
緑、まだこの実験室使っていたのか。
変わらないな。
あの二人には悪いが邪魔はさせない。
この部屋なら。
世界を変えることができる。
やりますから緑。見ていてください。ユカリさん。
「やっと見つけた。やっと、終わらせられる。この悪夢を……。」
その背中には銃をもった悪夢がいたのだった。
・・・
城の前ですけど城ってこんなに綺麗だったですか。もっと時間が経過したようなつるに飲まれてなかったですか。
「・・・おかしいです。ここはまだ植物園のはずです。」
「え、なに言ってるのよサ……サキ様ーー!」
サキの下に穴が空いて穴に落ちていった。
アサナはサキの手を掴もうとしたが穴に落ちていった。
「えです、イヤーー落ちるです。」
真っ暗です、壷の中ですか。
「それはあなたのお陰サキ様。」
「どういことです。」
「その核は空操樹を作る核です。渡してもらえますか。」
「ダメよサキ様。それは渡してはなりませんわよ。空操樹の核であるならなおさらダメよ。」
「あれ、渡してくれないのかサキ。」
「渡さないです。」
「また出られないってないわよね。サキ様。」
「それは目の前にいる人に聞けばいいだけです。」
もういないわよサキ様。
「・・・まだいたなんて驚きよ!」
うるさいですアサナ。
「名前はなんて言うです。あなた。」
「僕はマムユス。この楽園の守護者。」
「無理だと思うわよ。サキ様。」
「はいです。もういいです。ナタレちゃんがどこにいるのか教えてです。」
「さぁ、どこにいるかな。」
「あ!ナタレちゃんのこと忘れてたわよ。どうしよう外に出てきたわよ。絶対に怒られるわよ。」ヤバイわよ。
「やっぱり忘れてたです。」