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世界は一度終わっている  作者: 小松ちゃん
第二章世界樹 4節ナスターク帝国 覚醒編 
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(62) 植物園地下番外編 死灰の嵐(しはいのあらし)サフィール


「あの二人を連れてきたキンレンはどこかしら。」

一言言っておかないと。バカって。


「ねぇ、あなたたち。」

「はい、なんでしょう。」

「キンレンどこにいるか知ってるわよね。教えなさい。」

「どこにいるか知りません。」

「ふーん。しらをきるわけ。」

なら仕方ない。


「覚悟しなさいよお二人さん。」

そういってサフィール二人から幽霊の要の命の灯火を搾る。


「か、勘弁してください。」「お許しください。」

「教えてくれる。」

笑顔に死神が見える……。

「怖い。」「それを言ったらまたああなるぞ。」

「そんなことしないわよ。それとも教えたくなくて言い訳を考えてるのかしら。」

「「教えます、教えます。」」


この先にある刃こぼれした絵が描いてある扉がそうだと聞いた。


そして、二人の灯火を搾り取ったサフィール。


右に曲がってまっすぐ。


墓地レストランで美味しいと噂のオムライス食べたけど、なんで生者用のが出されたのよ。

食べられなかったじゃない。

なんてね、あのレストランはなにも食べられないのよね。お金を払わないと。でも、そのお金っていうのがわからないよね。どうすればよかったのよ。



・・・


あった、剣が欠けてる絵が描いてある。


ここにいるってことであってるわよね。


「キンレン、邪魔するわよ。」コンコンコン

「……。」

扉を開いて言葉を言うサフィールをチラッとみて少しムカついたキンレン。


「キンレン、二人をなぜつれてきたのよ。」

「帰ったのか。あの二人。」

悲しそうな顔するんじゃないわよ。

あの二人を閉じ込めようなんて考え方が甘いのよ。


「目的は……。」

「あの人に頼まれた。」

「あの人。始まりの魔女。ユリース様。」

「・・・へ、えーーー!!」

知らなかったのかよ。お前魔女だろ。

「はぁ、まさか。最強とまで謳われた死灰の嵐様が知らないとは。」

そう言っていたのはあなただけじゃない。

あの二人を閉じ込めることをあなたに頼んだことを驚いたのになにを考えたのかしら。


なんてなに考えてるのよ。私は。疲れてるのかな。


死灰(しにはい)の魔女とも呼ばれてました。あなたのその通り名のせいよ。」

「喜んでいたではないか。」


「それはあなたの勘違いよ。」

そうよ、なにを喜んでいるのよ。私は……。


恥ずかしくなって幽霊なのに顔を赤くするサフィール。


「君はいつからその体になっていたのか気になるものだ。」

「あなたはなぜ死刑になどなったの。」

「知っているのだろう死灰の嵐様。」

なによ。

「そなたはどうせまた彼女を泣かせたのでしょう。キンレン。それは面白いことをしましたのね。」

どうやっていたぶるか楽しみ……私のバカ。キンレンなんてどうでもいいじゃないのよ。


「うるさい、死灰の嵐。君がやったのだろう。あれは君が原因だろう。」

はぁ、不安よ。大丈夫よね。


「あら、なんのことかしら。」

「調べはついている。お前が、お前が……サフィールがあの種をユカリに食べさせたことは調べがついている。……なぜだ!」


そんなことでそんなに怒っていたの。バカバカしい。そんなことなら早くあんたの弟をなんとかしなさいよ。

それは……。


「なんの話をしていますの。」

「睨みつけたことは謝る。聞かせて欲しいだけだ。・・・

ユカリは望んだことなのか聞きたかっただけだ。」 


なによ、意外と男の子が立派になったじゃない。この人が王になったこの国を見たかったわ。そして、王妃様がどちらになっていたのか気になると言うものよ。今はもう決まってるからつまらないのよね。もしかしたら……なんてないわよね。


「……あなたの思った通りよ。これをあげる。これがわたしがあの子に頼まれたことよ。」


「これは……剣。」

遊鋭火、ユウエイビ。

鋭く揺れる邪悪な命の灯火を完全に破壊する剣。

そして、火を操りことができる。


「そうよ、その剣があればあの大木の核を斬れると思うわよ。その遊鋭火なら。」どうするヘタレさん。


「……。」


「君が決めること。私は、いいえ私たちはもう用済みよ。

あとはあなたが最後の仕事を果たすかどうかよ。どうするか決めなさい。元王子様。」

「元王子か……。ここにいるお陰で忘れていたよ。母さんに会いたかったな。」

「会えばいいじゃない。あなたなら会えるわよ。後あの二人はもうすぐユカリに会うわよ。そしたらユカリは消滅するまで時間はないわよ。早く決めなさい。」


余計なことを言ったけど大丈夫よね。

キンレンのお母さん。

つまり王妃様は今はもう存在しない。

でも、ユリース様なら少しだけでも会う時間はあると思います。元王子様。


「・・・」


「邪魔したわね。」

「待て、待ってくれ。一つだけ聞かせてくれ。ミルフィーユ。」

「なによ。」早く行きなさい。会えなくなるわよ。

「君は英雄に会ったときどう思った。」

「さあ、どうだったかしら。」

最後に聞くのがそんなこと。

「・・・教えてあげる。」


・・・


キンレンはレストランを出て走った。最後の頼みを叶えるために。


よかったのかな。あの剣渡して……。あの剣、もう一本ぐらい作れるのかなー。あれがなくなると不便なのよね。

気色悪いやつとかを消滅させたり成仏できる剣……。


一本あることはあるのよね。


彩練の宝剣。サイレンのホウケン。

誰かを守るために作られた剣。

死んでしまったものの供養、または邪魔物を排除したときに消滅または徐霊することができる。

これ、最後の手段よね。


「はぁ、」ミルフィーユじゃなくて、サフィールよ。

キンレン元王子様。


それにしても、最後に英雄のことなんて思い出させるんじゃないわよ。

「消えたくなくなるじゃないのよ。本当にバカなんだから。レン一族は。」

「ここにいましたか。主様。」

「ねぇ、私はなにか勘違いしていましたか。」

「主様は間違えてなどおりません。あの方は……。生きているべき人なのでしょう。セレナ様が言っていたといったではないですか。」

「うっさい。黙りなさい。」

そう言われて叩かれる主と呼んだ人。

「ここも終わりと言うことですか。」

「そうよ。でも、確認しなくてはならないから先回りしますよ。」

「いってらっしゃいませ。主様。」

「あんたもついてきなさいよ。不測の事態の時のために。」

「そんなの主様ならなんとかなりますよ。」


この扉よ。これを扉といっていいの。どうみたって……。


「なぜ木の祭壇なんですか主様。」

「知らないわよ。」

そんなこと。私が知りたいぐらいだから調べなさい。

と言ってもこいつはここから出られないから調べられない。

こいつは姉さんって言わないだけ、本当はユカリさんよりはましよね。

ユカリは使役できないけど。使役したやつはなぜか主って呼ばないのよね。なんで姉さんって呼ぶのよ。

ふざけないでっていつも思うのよね。


まぁ、主って呼ばれるのもどうかと思うから姉さんもいいけどサフィール様……。


・・・


「どうかしましたか主様。」


「行ってくるわよ。本当に一緒にいってくれないの。」

「死にたくありませんから。」

ならついてきなさいよ。

ムカつくわね。

こいつらはここから出ると消滅するのよね。


知ってるけどそういいなさいって思うわよ。全く。


祭壇をくぐってやって来た木々の洞窟。

もう、あのレストランは行くことはないわね。あの二人ともおさらばよ。


・・・


見つけた、ユカリ。


祭壇なんだからわざわざ入り口閉じたままじゃなくてもいいじゃないのよ。


「なにをしていますの。サフィール。」

「体の調整を頼まれたのよ。これが最後かもしれないけど。」

「そうでしたか。ここも元の城に戻るかもしれないのですね。早くキンレンにお会いしたいです。どんな姿であったとしても。会いさえすれば……。」

ユカリ……。いつから、このような人物像にしたの。


「そう、なのでしたか。なら、早く終わらせるわよ。キンレンならすぐに来るかもしれませんから。」

あいつ、いつかはこの体を支配するかもしれない。早くしないとよね。


キンレンに嘘ついたけど大丈夫よね。



「まだ、見つからないの。サフィール。」

「どこにあるのよ。」


あった。翠の木、後3つ。


えーと、二つ目の黄色の木の実が見つかったやった。


三つ目……。の赤い木の花。


「見つからないわよ、どこにあるのよ。」

「いつものところにないの。」

「ない。」


あれ、光ってる。


あったけどここ、種のすぐ近く……どういうことなんで赤花がこんなに木の近くにあるのよ。


取り替えようと……。

「赤花は取り替えるじゃなくて火をかざすんでしたか。ユカリ。」

「そうよ。どうしましたの。」

「燃え移りそうで毎回怖いのでなにか言いたいことあります。」

「大丈夫よ。あなたならできます。頑張りなさい。」

……はい。


ネクロマンスで作った炎を媒体に近くの木を燃やしそれを赤花に取り付けた。

するとユカリの体が赤く光り体が服をきた。


「サフィール。左胸にある赤い実を取ってください。」

「いいの。」

「頼みますよ。」

最後の赤い実を取るサフィール。

ユカリさん・・・。

これ、支配を受けてる。


嘘でしょ気づかなかったなんて・・・。


はぁ、勘違いだった。黒いホクロはあるけど、これは換えどきの合図なだけだった。はぁ、よかった驚いた。


その時扉が開くのだった。


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