第61話 植物園地下その14 放浪の魔女と茨の扉
・・・
「お客様。」
「なによ。」「なんです。」
心配で店員が声をかけた。
特に・・・。
この場所はレストラン。レストランとしては大変だからだ。
お客様の二人とも特に片方のアサナは憤りを顔に出していたのだがものおうじせず、なぜこのお二方がいるのか疑問に思うのだった。
「こちらで喧嘩をされては他のお客様のご迷惑になります。」
「・・・迷惑よね、それは謝ります。皆様申し訳ありません。」
(そんなの気にしてないから。)
(楽しそうよ。)
(もう終わりか、もっと見せろ。)
(あんたはうっさいのよ。)
(うるせえ!生足だぞたまらねえだろ。)
「やめた方がいいみたいです。あとあの変態をなんとかしてくださいです。」
「そうですね、お客様あちらのお客様には退室願いましょうか。」
(す、すまなかった。冗談なんだ。)そういって土下座する生足がたまらないといった幽霊。
そもそもアサナとサキは肌が見えるようにはしていない。
(生きているやつなんて久しぶりで興奮してしまった。ふたりには謝るから……退室は勘弁してくれ。お願いだ。)
「とおっしゃっておりますがどういたしますか。」
(放置。)(変態。)(退去。)
「皆様言い分はあるようです。生足のお二方はどういたしますか。」
「迷惑だということはわかったわよ。出られるなら出たいのよ。でも、出られないのよ店員さん。」
「そうでありましたかしかし。ここからは出られません。この空間は昔からずっとある古株の場所でありますから。」
「アサナ、この店員さんなに言ってるです。」
また、聞いたです。
マニュアルがあるですか。でも、同じお客に同じこというなんておかしいです。
「なぜ古株なんて言い方するのよ。」
「ここは今では樹木ではありませんか。」
「なるほどです。それで本当に出られないのです。」
「それにはこちらではお答えできません。向こうに行きます。」
そういって扉を指差す店員さん。
「店員さん、どちら様でありますのよ。」
「私は放浪の魔女、サフィールと申します。」
「アサナ、この方は英雄の一人です。できる限りの情報を聞き出してくださいです。お願いです。」
ここから救い出してもらうためにです。
ここにいる理由も聞き出したいですアサナ。
「最初に言っておきます。私は・・・私達は過ちを犯しました……。」
この人、いきなりなに言ってるです。
「過ちとはなにをおっしゃていますのよ。あな、サフィール様は……いえ、今この場でこの言葉はふさわしくありませんよね、申し訳ありません。話したくなければお聞きしませんのよ。聞きたいのはこの国がこのような国になってしまったことと私は思いますよ。」
なにいってるのよ。アサナ、そんなの気にするほどの事じゃないわよ。
「主に逆らおうとするなんて、あなたはよっぽど信頼されておりますのね。」
サキ様に逆らおうとはしていませんよ。サファールさん。
「どういう意味よ。」
「演技ですか、さすがは鑑定の魔女様です。」
なにいってるのよって顔しないでくださいですアサナ。
この人、サフィール様。この国のこと知ってるみたいです。
「ふふ、サキさん、あなたにお聞きたいことがあります。」
「なにをです。」
「始まりの魔女はどこにいるかあなたはご存知ではありませんかサキ様。」
・・・なぜ始まりの魔女を知ってるです。
あ!
この人英雄だったです。
始まりの魔女を打ち勝ったから英雄って言われていたです。でもです・・・。
「アサナ、始まりの魔女って聞いたことあるです。でもです、よくわからないです。」
「すみませんサキ様、始まりの魔女と言う言葉は聞いたことありますが詳しいことはわかりませんのよ。」
「・・・」
「すみません……聞かなかったことにしてくれますか。」
「いえです!始まりの魔女はいつか会いたい人です。いつかは……いつかは会わなければならないと思うです。」
「そう……でも私から聞いたことは忘れて頂戴。それで、ここから出る方法を知りたいのよね。教えてあげるわよ。」「いいわよ。ヒントだけで、探し出すわよ。」
サキ様と二人だけで絶対に見つけるわよ。
「ダメ!それではいつまでたっても扉は開かないわよ。」
「そうです、アサナ。いいじゃないです。聞いたって悪いことはしてないです。教えてくれるっていってるんです。」答えを教えてもらうです。
「……でもまずはヒントだけにいたします。ヒントは黒い茨は青い灯火が宿りし時漆黒の本が現れる。頑張りなさい。」
「わかるですか。」「わからないわよ。」
「・・・」
「……そもそもです……黒い……茨……ってあれです。」
壁に茨模様があるです。でもですあれですか。
「そうよ、あれで……って言ったら意味ないわね。頑張って。」
この黒い茨に青い灯火が宿ると漆黒の本が現れるですか。
「とりあえずです、この茨の模様の根元を探すです。」
ここで模様終わったですでもです。
「茨があるです。薔薇でも生えてるですか。」
「それはどうでしょうかとりあいずよ、これをたどって行って見ましょうサキ様。」
・・・
「ここがその茨の根元みたいよサキ様。」
「あの祭壇はなんです。アサナ。」
「祭壇、一本蝋燭がありますよ、あれに炎を灯せばいいと思いますよ。」
「炎なんてどうやって灯すのです。」
・・・1時間経過。
炎を灯すです。幽霊でもです……。
自分の掌に持っていたナイフで傷をつけるサキ。アサナは止めようとしたがその時にはもう傷がついていた。
蝋燭にナイフに着いた血を垂らすサキ。
「・・・」なにも言わないアサナ。
そして蝋燭には青く炎が現れた。
「漆黒の本ないわよ。どういうことよ。」
「アサナ、どうやって出るです。」
「いたいた、おーー!蝋燭つけられたの。なら、はい包帯。」
「巻き方わからないです。」
「巻いてあげるわよサキ様。」
頷いてよかったという包帯を渡してきた店員さん。
「それでどうしたです。」
「ああ、本の場所だけどこの祭壇の文字の部分を開けば……この通りってわけよ。」
わざわざ開けてくれるならここに案内しなさいよ。回りくどいことしているわよ、なにが目的なのよ。
「ありがとうです。でもです、この本なんなんです。」
「その本はこの国の死人について書いてあるます。」
「なんの需要があるのよ。」
「私もそう思うけどその本おかしいから需要があるって訳、過去だけじゃなくて未来のことも書いてあるっていうのよ。」
「え!嘘よね。サキ様どうなのよ。」
「サフィールさんの言う通りです。未来のことが書いてあるです。来年の春にでも戦争があるかもです。大量に亡くなるです。」
「その通りよ。後5ヵ月で戦争並みの事がこの国……いいえ、世界中で起きるのよ。」
「あれが春ですか。」
「あれってなんのこと。」
「始まりの魔女ってあなたではありませんよね。」
「そんなわけないじゃないのよ。」
「そうです、アサナその人は違うです。可能性があるとしたらロダンです。」
「ロダンが始まりの魔女って、何いってるのよ。そんなわけないじゃないのよ。」
「世代交代するって本で読んだです。神様に愛でられた女性の子供が始まりの魔女と言われる存在と言われているです。」
「私は放浪の魔女っていったけど死人を操れるネクロマンサーでありますの。」
「ネクロマンサーがなぜここにいるのよ。まさか。」
「そんなことしないわよ。ここにいるのは見て………っていってもわからないのよね。私は死んだのよ。二日前だったかしら。」
「そんな最近ですか。もしかして、ここの主にやら……なんでもないです。忘れてくださいです。」
「あなたの思った通りであると思います。私はこの城に樹木が突然現れた原因を探すように依頼されてここに来たのよ。」
「この城のもと主のカンレンによね。」
「よくわかったじゃないの。」
「この国を支配しているのはカンレンだと思ったのよ。当たったようでよかったわよ。」
かまかけられてほしい情報をを答えてしまった。
いいカードを切ってしまいました。
「それでです、どうやって出るです。」
「そんなこと許すわけないじゃないのよ。ここにいれば5ヶ月後の厄災の被害に遭うことはない。だから、ここに居座ってはくれない。」
「184。」
アサナの184によって沈黙が場を包んだ。
「・・・出るわよ。バイバイ。ネクロマンサーのサフィールさん。」
「なぜ、あなたたちは怖くないの!」
「怖いです。怖いです。でもです、見過ごしていいですか。サフィールさん。」
「・・・私が間違いだったようね。忘れて頂戴。もう一つヒントよ。これは本当に扉を開ける方の。」
「なによ、ここに閉じこめるためにここに誘導したということよね。」
「そう、それでヒントはその本を渡してもらえます。」
「はい。」
簡単に渡してくれますのね。こっちの人は怖いかおしています。なるほどそういう関係なの。
「このページを見てください。」
「・・・」
「なにかわかりましたかサキ様。」
「この部屋、あの扉は入口で出口があるようです。黒い茨がある扉が出口みたいです。」
・・・
ここが出口の扉。
「行くです、アサナ。」
「ええ、サキ様。その前に案内ありがとうサフィール。」
「いいのよ。怖い思いさせた褒美よ。ありがたいかはわからないけどこの世界にひどい事が起きないように生きているあなたたちには頼みたいだけよ。頑張って。」
「ありがとうごさいましたです。サフィールさん。」
「ありがとうサフィールさん。」
そういって二人は扉を出ていった。
二人は出ていきましたことですし、一言言いに行きますか。