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冷凍庫内の少女

今は12月上旬、俺は学校に行き、委員会に参加し、家に帰るという極めて普通な生活を送っている毎日だった。今日も同じような感じの1日を過し、バイトの時間まで家でリラックスしていた。バイトは近くの保育園で清掃作業を行っている。園内に飾っている幼女の写真は学校で貯まる疲れを一気に吹き飛ばしてくれる特効薬だと俺は思う。そう、俺はロリコンだ。この事は誰にも教えていないし知られてもいない。勿論親にもだ。

「あぁ……今日も可愛いなぁ…。疲れがどんどんと浄化されていく。」

仕事を済ませ、写真のコピーを持ち帰りたい欲を今日も抑え、暖を求め早足で家に帰っている途中だった。途中にある公園のベンチに一人の女の子が座っていた。とっても可愛らしい少女だった。まるで冷凍庫内の少女だと思った。年齢幅は高校生以下だろうか。心配に思った俺は声をかけることにした。しかしなんて声をかければ良いのだろうか…?迷子なら普通にどうしたの?で良いと思うが失恋で落ち込んでいるなら逆にそっとしておいた方が良いだろうし、待ち合わせなら傍から見たらナンパだ。一体どうすれば…?

ふと下を見たときだった。驚いた

俺は頭で考える前にもう彼女に声をかけ、両手は両足を包んでいた。彼女の足は霜焼けで真っ赤になった裸足だった…。

「君は一体こんな寒い中裸足でなをしているんだ!?

足が真っ赤じゃないか!靴は?靴下は?」

彼女は泣いていた。何がなんだかさっぱり分かんなかった。時間を確認するため携帯を取り出した。時刻は約夜11時、気温は-6℃だ。まず彼女の足が凍傷になりそうで心配だ。とりあえずバイトの靴を彼女に履かせた。すると彼女は少し落ち着いたのか若干笑顔に見えた。この表情なら…と思い俺は事情を聞いてみた。すると彼女はち涙を拭い、ちょっと申し訳なさそうに俺の方を見て初めて喋ってくれた。

「…ありがと……。」

「うん!それより君はこんな夜中にどうしたの…?」

すると彼女はまた暗い顔に戻り更に俯いてしまった。

(やば…なんか嫌な事を聞いてしまったか…?)

すると彼女は

「…私を拾ってください……。」

俺は寒さといきなりの驚きのダブルパンチで遂に思考が固まってしまった。

「はい…?」

「だから…私を拾ってください!」

「え…?なにを言っているの?家は?家族は?その前に君の事何も…。」

動揺が止まらない。思考が追いつかない。しかし今まで大人しかった彼女がいきなり声を上げ迫ってきた。なにかあると思った。まぁ靴も履いていなかったし最悪の状態が予想されるが。

「あ…すいませんでした…。事情を説明しないとですね…。

私…両親に捨てられました。両祖父母も既に他界しており、行く宛がなく死を覚悟してこの公園にいました…。

しかし…本心はまだ死にたくありません…!まだ生きたいです!何でもします!お願いです!私を拾ってください!」

彼女は涙を流しながら訴えてきた。

予想していた通りだ。最悪の場合だ。

もうここまで話してここに置いていくことは出来ない。部屋、食事などは問題ない。バイト代でなんとかなる。しかし学校の時はどうしようか…。学校に連れていくか?多分校長とは仲が良いからすんなり受け入れるとは思うが…。まぁ今はそんなことを考えている場合では無い。早く彼女に落ち着いてもらわなければ。俺は決めた。彼女の親がどんな人かは知らないが一旦受け入れよう。俺の両親は言っちゃ悪いが馬鹿だからこういう事はなんでも受け入れる。だから隠す必要も無い。

「分かったよ!家においで!俺一人暮らしだから2人っきりで暮らすことになるけど良いかな?」

「え…!?良いんですか…?」

彼女は信じられないような顔をしていた。

「なんでダメなの?早く暖かい家に帰ろうよ!」

「…ありがとうございます…!

これからよろしくお願いします…!」

彼女は今までで1番の笑顔で1番の涙を流しながら何度も頭を下げた。

「うん!よろしく!俺は下山昇!敬語も辞めて昇でいいよ!高校一年生だよ。……そう言えば君は?」

「そうでした…まだ自己紹介していませんでした。

私は城所雪佳(きどころせつか)です。雪佳って呼んでください。13歳、中学一年です。私の方が下ですね…。学校はもう書類上転校になってしまい行けないですけどね…。

これからよろしく!昇くん!」

「よし!とりあえず行こう!雪佳の新居へ!」

「はい!」

俺は2人で並んで歩いている時思ってしまった。

(中1か。守備範囲じゃないか!それに可愛い!理性を保てるか…?)

「昇くん?どうしたの?」

「ん!?いや!なんでもないよ!これからについて考えていただけ!」

「そう?けどあまり迷惑にはなりたくないからいつも通りの生活お願い!」

「あ、うん!分かったよ!」

「けどお腹が空いちゃった…。」

「遠慮はしないでいいよ!早く帰ってまずゆっくり温まってご飯にしよう!」

「うん!」

冷凍庫内の様に寒く感じた体感温度は体の芯から温められるようでとっても温かく感じた。

そしてこの日から昇と雪佳の同棲生活?は始まった。

俺は雪佳を絶対に楽しい生活に戻してあげると心に決めた。それがずっと2人っきりであってもだ。

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