11月4日 灰色の空
「学年テストまで、後3日だ。
みんな、気を抜くなよー。」
「はぁいー。」
なんてゆーやる気のない返事。
私もその中の一人だったとして。
それはいいの。問題は今日の占い。
占いとか、お呪いとか、あまり信じないほうだけど…むしろ信じないけど…。
…ワースト1。
つまり12位だ。
内容はこう
「今日は思っても見なかったことに気がつき、大混乱っ!
自分だけじゃなく、周りの人達まで巻き込む大事件が起こりそう…
ラッキーアイテムは、ピンクのキーホルダー!」
何気ない、他人事の明るい声で、ニュースの「お姉さん」は言った。
…。
あはは。
馬鹿げてる。私もなに思い返しているんだろう。
占いなんて、月と年で決められているのを放送しているだけ。
直に毎回占っていたら、ブーイングの嵐だ。
占っている人の大惨事だ。…そうでしょう?
でも…私って、本当に馬鹿だ…。
そっと机の側面を見る。
茶色い革でできた、教科書がぴったり入る大きさのハンドバック。
そのポケット近くにぶら下がっているものが、ピンク色のクマのキーホルダー…
…あぁ、まさに恥…。
自分でもこんな趣味はしてない。
なにより自分が占いを信じてしまっている…頼っているように思えてしょうがない。
でもなんとなく…いつもより当たりそうで怖い。
占いに頼ってしまうほど、何か不吉な感じがしていた…。
と、まぁ…
若干の不安を感じつつ、いつもどおり屋上へ向かった。
今日は冷えているから、カーディガン所持。
「ペンキ塗りたて」の看板を無視して、錆が出始めている扉を開けた。
今日は曇り。
昨日、少し雨が降ったからか、コンクリートは湿っていてすわれそうにない。
一面、灰色の世界…。
時折ふわふわ落ちてくる茶色い落ち葉。
柵越しに地面を見れば、地球に引っ張られて落ちた葉が、冬の寒さから地面を守るように広がっている。
もうすぐ雪が落ちてくる。
落葉が終われば次は冷えて固まった氷。
大空の結晶となった雪は、冷え切った地面に落ちると、姿を元の「水」に戻す。
想像した。
「秋」の役目を終え、カビ臭くなってくる落ち葉の上に、「冬」を告げるために空から遣わされる雪。
それらが地上に降り立ったとき、役目を終え、また始まりに戻る────
私は、「四季」が好きだ。
それぞれの風景があって、それぞれの気候があって…
毎年毎年、同じことの繰り返しだけど、
星がずっとあるように、ずっと続く…続かなきゃいけない「当たり前」。
人が生きているのも…「当たり前」
…。
それは何か違う気がする。
生まれて、ものを食べて、空気を吸って、夜には寝て…
当たり前すぎてわからない。
自然への感謝も忘れさせてしまう「当たり前」。
嫌だった。
星もそう。
好き。私でさえ、一言でしか表せない。
何れ燃え尽きて消えてしまう存在なのに
小さすぎて、名前さえ付けてもらえずに消えていってしまう星だって、あるはずなのに…。
どうして、そんなに必死に輝けるの?
見てくれる人なんて、誰もいないのに。
「当たり前」に平和ボケした私たちに、何を伝えたいんだろう。
ふっと、空から白い使者が舞い降りた。
今日…結局なにも起こらなかったな。
やっぱり…所詮はインチキ占い。
何で、ここまで心配したんだろう。
…あはは。どうしたんだろうね、私。
なにも…起こるわけないのに。
普段どおり、平和ボケした「当たり前」の生活が、あるはずなのに…。




