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W×Ⅱorld gate ~ダブルワールドゲート~  作者: 白鷺
三章 多種多様精霊界巡会記

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二十八話 双頭の獣

一方、村の入り口で村人を救出する朔桜、ノア、キリエの方にも

大量のネオパンサーのが襲い掛かっていた。

ノアは涼しい顔で硬化した『雨の羽衣』を振り回し、獣の首を軽々と()ね飛ばしていく。


「もう何匹殺したか分かんないよー。まだまだ来るし、ノア、疲れてきたぁ」


飽きっぽいノアは、途絶える事なく現れる

ネオパンサーを相手するのに嫌気が差してきた様子。


「ノアちゃん! もうちょっと頑張って!」


「もうちょっとってどのくらい?」


「う~んと、一時間くらい?」


「むり~~~~」


朔桜と雑談をしつつもしっかりと羽衣を動かし、パンサーの首を狩っている。

実に頼もしい女児だ。

朔桜が回復させたのは、三十人程。

村人のエナ値は平均的に低く、全員治癒させても

まだまだ宝具の中のエナには余裕があった。


「あ、二匹そっち行っちゃった。キリちゃんよろしくね~」


「キリちゃんとは。。。私の事ですか?」


朔桜の方を向き、自分を指差して自己人称の確認を取る。


「そう、そう! 前、前!! 来てる、来てるよキリエちゃん!!!」


「キリちゃんですか。。。そうですか」


心なしか嬉しそうなキリエは、相手の姿を見ないまま精霊術を唱え

地面から現れた鋭利な岩が二匹の獣の胴体を二つに引き裂いた。


「愛称。。。悪くないですね」


キリエは初めての愛称に浸っている。

よほど気に入ったのだろう。


「二人とも見て! なんか強そうなの来た!」


ノアが騒ぎたて指を差す。

その先には、一つの胴体に二つの頭が付いた黒い獣がいた。


「何あれ……」


「ノア知ってる! 頭二つの犬はケル……ちがくて~あ、オルトロスっ!」


その獣の名前を言葉にした瞬間、双頭の獣は牙を剥き出しにしてノアに飛び掛かる。


「ノアちゃん!!」


「うわ~! 食べられちゃう~~~~……なーんてね」


ノアは羽衣でオルトロスを真ん中から両断。


「なんだ、強そうなのは見た目だけだったね」


がっかりして視線を逸らした瞬間。

半分に断ち切られた二つの半身は突如動き出し、再びノアに襲いかかる。


「ノ――――――」


「知ってるよ」


朔桜が注意を促す前に、綺麗な薄藤色の髪をなびかせ、回転しながら横一閃。

オルトロスの首は胴体から吹き飛び、エナとなり消えた。


「ふぅ……ヒヤヒヤしたよ……」


朔桜が胸を撫で下ろした途端。

地面を掘り進んだネオパンサーが

朔桜の喉元目掛け、その鋭い牙を剥き出す。


「朔ちゃん!!」


ノアが秒速で反応するが、数センチ間に合わない。

首元を噛まれそうになったと同時にネオパンサーの顔が弾けた。

二人とも唖然とする。

キリエは地面から現れたネオパンサーに反応すらできていなかった。


「え? 今、何が起きたの?」


「今のは魔術でしょ?

ロード君なんだかんだ甘いねぇ。

最初から朔ちゃんの事守ってたみたい。ずるーい」


「あ、そういえば……馬車で別れた時なんかされた!」


「う~ノアが守るって言っておいたのに全然信じてないじゃん!

まあ、今のがなかったら朔ちゃんの首噛み千切られて死んでたけどね、へへっ」


「ノアさん!? しっかりしてもらっていいですか!?」


「はい! 以後気をつけます!」


その後ノアが周囲のネオパンサーを掃討。

三人が一息着く頃合いに丁度、シンシアが屋根を渡り駆けつける。


「三人とも無事でよかった!」


シンシアは安堵の表情を浮かべる。


「あははは……」


数分前死にかけた朔桜は苦笑いで返したのだった。

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