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W×Ⅱorld gate ~ダブルワールドゲート~  作者: 白鷺
六章 心呑まれし堕黒の姫
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百五話 いざ、魔界へ

精霊界の新たな異変をレオ、キリエ、ラヴェイン、デガロに託し

帰還した朔桜たちは再び高速ジェット機で地下施設に戻った。


「ただいま~」


朔桜たちが戻るとDr.が出迎えてくれた。


「お帰り。十分なお別れは済んだかい?」


異変はあった。

だが、朔桜たちは晴れやかな顔で頷く。

それはレオたちへの信頼の表れだ。


「はい!」


朔桜は堂々と返事する。


「そうか。良かったね」


Dr.はすぐに椅子に座るとPCに向い指を動かす。


「早速だけど、ノア。時計はどうなっている?」


「はいっ」


ノアがデジタルとアナログが一体となった時計を手渡す。


「何それ?」


「分かんない。行く前Dr.に渡された~」


「うむ……。時計は止まるのか」


ノアが渡した時計の秒針は止まり、アナログの画面も全て八の字になっていた。


「門に入った瞬間止まったよー」


「移動時間と滞在時間は?」


「移動時間は二分くらい。滞在時間は十分くらい」


「なるほど。実は、君たちが精人門に入ってこの世界に戻って来るまでに約八十分掛かっている」


「嘘っ! そんなに!?」


あまりの時間経過に朔桜は驚き

確認のため人間界に残ったティナの顔を見るとティナも静かに頷いた。


「魔界に行く前に少し検証したい事がある。朔桜ちゃんノアとこっちの門に入ってくれるかい?」


「はい!」


Dr.に言われた通り異空間で五分を過ごす。


「ただいま~」


戻ってきた二人を見て皆は驚く。


「えっ何!?」


皆の視線に晒され朔桜も驚いた。


「今、入った瞬間出て来たわよ」


「嘘っ!? 私たちちゃんと五分数えて出て来たよ!?」


「なるほど。門と門の空間はほぼ時間の流れが無いらしい。

となると、精霊界の時間は人間界の八倍となるね」


「そんなに!?」


「やはり世界ごとに時間の流れに差があるらしい」


「じゃあ魔界も?」


「可能性は高いね」


「万全を期すため魔界の時間差も先に調べておきたい。

向こうで五分だけ過ごしてくれるかい?」


「分かりました!」


「今回は朔桜ちゃん、ティナちゃん、ノアで一緒に行ってもらえるかい?」


Dr.がメンバーを選択するとティナが待ったをかけた。


「魔界に行くならもう少し人数がいた方がいいわ。

そこの白黒魔人と目玉付いてきなさい」


「僕はハーフだよ」


「俺はリョクエンだ」


「どうでもいいわ。付いてきなさい」


「やれやれ、分かったよ。魔界に行くなら人数がいた方が安心だ」


「ったくマジで行きたくねぇよ……」


「どれだけヤバいの魔界って……」


魔界組の言葉に朔桜は次第に不安になっていた。


「強いて言えば、対峙すれば殺し合いね」


「目が合っても殺し合いだよ」


「何もしなくても殺し合いだぜ」


「おう……修羅の国だぁ……」


魔界行きを決めたはずの朔桜は既に腰が引けている。


「ノア、分身一人を残してくれるかい?」


「うん。分かった~」


「じゃあ……行ってきます」


五人は魔界へと渡り、五分後普通に帰ってきた。


「ふぅ~ただいま~。明の報告の通り、魔界の門は地中の中みたいでした」


「今だに誰にも見つかってなかったみたいで安心したわ」


「お帰り。時間はほぼ五分丁度。魔界の時間の流れは人間界と同じみたいだね」


「ノア、何か違和感はあったかい?」


「うん……なんだか自分が自分じゃないような意識や脳みそが二つに分断されたみたいな変な感覚がした。

あれじゃまともに行動出来ないかな~。でも電力は安定してたかも?」


「そうか……。なら“竜宮城”のようにノアの分身を電気施設に常設しておくのは難しいみたいだね」


今の五分で得た情報は大きい。

Dr.は今の情報を元に朔桜たちが安全に魔界へ行くため精一杯の支援をしてくれた。

まずは全員へ耐術インナーの配布。全員既に服の下に着込んでいる。

そして、ティナへ『絡め捕る糸(アラクネー)』の補充と予備を渡した。


「有難く受け取っておくわ」


そして、ノアに蓄電二倍バッテリー搭載。音速ジェットエンジン搭載。サーモグラフィーアイ搭載。

少女姿でも他者の能力と術を使えるようになるパッチという超魔改造を施した。


「Dr.ありがと~。ノア頑張るね~!」


「ティナちゃんの話だと魔界はそんなに広大じゃない。

旅をするには危険が多そうだからまずは拠点を決めて腰を据えながら

焦らず父親に会う方法を模索する方がいいと思う」


「分かりました」


「そして、月に一度はノアを報告役としてこちらに寄越してくれ。

人間界の危機や君主が戻った場合にすぐに知らせる事が出来るからね」


「了解です」


Dr.から色々と享受してもらい朔桜は意を決した。


「僕は君たちのように戦えるわけじゃない。

だけど、これが僕に出来る最大の助力だ。みんな気を付けて」


朔桜、ティナ、ノア、カシャ、メティニ、ハーフ

バグラエガ、ペテペッツ、リョクエンの八人と一匹は門へと進む。


「じゃあ、Dr.! 行ってきますっ!」


「ああ、いってらっしゃい」


こうして朔桜たちは、ロード・フォン・ディオスが生まれ育ち

嫌気が差して逃亡した力こそが絶対的な戦いと殺し四つの世界の一つ。魔界へと渡ったのだった。

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