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W×Ⅱorld gate ~ダブルワールドゲート~  作者: 白鷺
六章 心呑まれし堕黒の姫
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四十九話 レオ&カシャvsラヴェイン

突如として、レオとカシャの背後に現れたラヴェインとメサ・イングレイザ。

彼らの背後には、空間の侵食が薄っすらと見え、瞬きする間に跡形も無く消滅した。

レオとカシャが二人を警戒し続ける最中

メサは目の前の二人に目もくれず、ウォーゾーンの方へ歩みを進めた。


「鉄仮面、宝探しの決着は着いた?」


ウォーゾーンは首を横に振る。


「まだ終わってなかったんだ。

狐面と(きょう)面はどこ? 死んだ?」


ウォーゾーンは首を傾げる。


「不明って事だね。

なら、こいつらは敵?」


ウォーゾーンは首を縦に振る。


「能力持ち?」


ウォーゾーンは首を傾げる。

二人の対話にラヴェインが割り込んだ。


「いえ、こ奴らは前回精霊界で戦った事がありますが

能力持ちではありません」


会話の内容に違和感を感じながらも

レオとカシャは無駄に刺激しないよう

口を閉じてじっとその場に留まる。


「そう。狂気面は戦った事あるんだね。じゃあ、殺しちゃって」


メサの合図でラヴェインは前に出る。


「はい、お任せください」


メサは空気のような軽い足取りでウォーゾーンの肩まで跳び上がる。


「鉄仮面、下層へ行ってくれ」


ウォーゾーンは先ほどまでレオとカシャに敵対していたにも関わらず

即座に命令に従い下の階層へと潜って行く。

明らかに何かの目的を果たすために現れたメサ。

だが、二人はメサを引き留めはしなかった。

いや、引き留める事ができなかった。

もしも余計な口を挟めば、ラヴェインに加え

メサとウォーゾーンの三体を相手にしなければならなくなる。

そうなれば、勝ち目は皆無。

生きて仲間の元へ戻る事は出来ないだろう。

そして、二体は下層へと消え、見送ったラヴェインが静かに口を開く。


「アレを見逃したのは良い判断だ。

お前たち程度ならば、我ら相手に五秒ともたなかったであろう」


その言葉にレオは喉を鳴らして息を呑む。

メサからすれば、その気になればいつでも殺せる取るに足らない命。

そう判断されたのだ。


「私たちを……助けてくれたのですか?」


カシャは微かな希望を持ちラヴェインとの会話を試みる。


「なるほど。そう捉えるか。だが、残念。

どうせ殺すのならば、私がこの手で殺したかったのだ。

広い世界で早々に二度も会うとは因果なものだな。

一度は拾った命を粗末にするとは、実に(なげ)かわしい。

この場においては、もう容赦は出来ない。覚悟はいいか?」


ラヴェインは殺意を放ち、拳を構える。

その立ち姿に一切の隙は無い。


「受けて立ちましょう」


カシャも(かつ)ての師に拳を向ける。


「拳を貸せ、茶髪。彼を倒すには、お前の力が必要不可欠だ」


カシャからのストレートな助力要請にレオの口角が上がる。

自分が頼られた事に喜びを感じながらも、緊張感を絶やさず拳を構えた。


「押忍!!」


「お前たちの熱き拳、私に見せて見ろ!」


発破を掛けたと同時に居ても立っても居られず、自ら飛び出してゆくラヴェイン。

その動きにつられるようにレオとカシャも勢い良く飛び出すのであった。

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