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W×Ⅱorld gate ~ダブルワールドゲート~  作者: 白鷺
六章 心呑まれし堕黒の姫
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四十七話 レオ&カシャvsウォーゾーン

ウォーゾーンによって甲板の大穴から落とされたレオと

朔桜の命令でレオを追ったカシャ。

二人は病棟ベイ、入院病室、歯科クリニック、チャペルなどがあるF5医療区画で

ウォーゾーンと熾烈な戦いを繰り広げていた。

巨大なウォーゾーンは穴から獲物を覗く蛇のように

上半身をフロアの中に突っ込んでおり

吹き飛んだ尾からは、根のようなモノが伸びて傷口を編みこんで自己処置。

壊れた鉄骨を縫うように絡めて自身のバランスをとっている。


「くっそ……こいつマジで強い……」


激しく呼吸の乱れたレオは額から玉の汗を流して愚痴を(こぼ)す。

その意見にカシャも同意する。


「流石は上級魔物だゾ……。攻撃の射程、肉体の硬さ、そして素早さ。全てに優れている」


二人はカシャの師匠ラヴェイン能力《軽重(けいちょう)》により

レオは身体全身ががずっと重く、カシャ右手と左肩もずっと軽いまま。

そんな不完全な状態で戦うにはあまりに強大な敵。

巨大な右の手から丸太の如く長く伸びた太い爪が二人を正面から襲う。

レオは身体が重いため横の動きでかわし

カシャは縦の動きで攻撃をかわし、そのまま二人はウォーゾーンの懐へと突き進む。

右の爪を戻す間、妨害するかのように左の爪が床や壁から飛び出し、二人の行く手を阻んだが

器用に攻撃をかわしウォーゾーンまでみるみる迫ってゆく。

二人の機敏な動きはウォーゾーンの予測を遥かに上回っていた。

ウォーゾーンは奥の手、いや奥の爪として

強度の高い両手の爪とは根本的に違うしなやかで素早く、自由自裁に動かせる

まるで(むち)のような爪が腹部から素早く飛び出した。


「来たぞ、茶髪!」


「了解です!」


二人は阿吽の呼吸で同時に飛び上がる。


「フンボルトキック!」


カシャは激しい蹴りをレオの拳に打ち込む。


「反拳!」


レオは能力《反拳》でカシャの蹴りの衝撃を拳に吸収し、その威力を倍に増幅させた。


「フンボルトキック!」


「反拳!」


「フンボルトキック!」


「反拳!」


二人は同じ動きを何度か繰り返し

レオの拳には計り知れない衝撃が溜まってゆく。

そして、二人は敵の姿を捉えた。

レオが地面に降り立ち足場を確立。

拳の衝撃に備える。


「これで、終わりだッ!」


レオが拳を(かざ)す。

カシャの強烈な蹴りを何度も溜めたレオの拳から放たれる衝撃波

殴波転衝ならば、ウォーゾーンの強固な肉体も破壊が可能だ。

勝利の一撃を携えて放とうとした瞬間、背後から何かが迫る。


「茶髪!!!!」


カシャは咄嗟にシュレーターダッシュで駆け寄り

レオを抱えてその場から飛んだ。


「何してんすかカシャさん!」


「茶髪構えろ! アレよりももっとヤバいのが来たゾ……」


二人の背後に突然現れたのは二人。

一人はカシャの師匠ラヴェイン。

そして、もう一人は無表情で涼し気に佇む“九邪”メサ・イングレイザの姿だった。

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