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W×Ⅱorld gate ~ダブルワールドゲート~  作者: 白鷺
一章 救願叶えし母想の望み

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二十四話 仲直り

ティナは自分の過去と朔桜との出会いの経緯を話した。


「つまりは大切なものを奪われた復讐をするためにこっちに来たってことか」


「最初はね。人間界の情報を仕入れるためとか言って学校に通い

朔桜と過ごすようになってからは、復讐よりも朔桜の安全を優先に考えていたけどね」


「じゃあ、お前が通ってきた門を通れば、本当に魔界に行けるのか」


「ええ、行けるわね。でもステンの持つ宝具【無事象(むじしょう)】がないと無理だけど」


城から死にもの狂いで宝具を奪った苦労はなんだのかとロードは顔をしかめる。

今更文句を言っても仕方ないので黙って納得する事にした。


「で? その門はどこにあるんだ?」


「ここよ」


「は?」


ロードから間の抜けた声が漏れる。


「ここの最下層に魔界と人間界の繋がる門があるわ」


「こんなただの山の中にそんな門があんのかよ」


「あるのよ」


「…………」


ロードはもう諦め、事実を認めた。


「……まあいい、じゃあ、とっとと行くぞ」


ごく自然に部屋の先にある通路を通ろうとすると

八つ脚の捕食者を大きく広げ前に立ちふさがる。


「待ちなさい。じゃあ、行くぞじゃないわよ。まだ決着が着いてないじゃない」


「じゃあ、とっとと行くぞな」


「そんなのどちらでもいいわよ!」


「決着も何も、俺とお前が戦う必要はない。ステン・マイスローズを殺せば済む話だ」


ロードはあっけらかんと大層な事を言い放つ。


「ステンを殺す? 何を言っているの? 相手は“十二貴族”よ?」


「成り上がりの十二貴族だろ。さっき本人から聞いた」


その言葉を聞き、ティナの顔色が変わる。


「本人って……あいつがこっちに来ているのっ!?」


驚きを隠せない様子。


「その様子じゃあ、知らされてなかったみたいだな」


「くそっ……あいつ。最初から私を信用して無かったのね……」


俯き、悔しさを露にする。


「さあ、どうする? あいつがこっちに居る今が好機だ。

俺がいればステンをぶっ殺せる。それにとどめはお前に譲ってやる。

どうだ? こんな(うま)い話は滅多にないぞ?」


悩むティナに朔桜が歩み寄り、左手を両手で握った。


「殺すなんて物騒なのは認めたくないけど

私は(てぃな)が協力してくれるって信用してるよ」


「朔桜……」


「ロードと仲直りして、一緒に来てくれるよね!」


「仲直りはできないわ」


「仲直りはしないぞ」


二人の言葉がぴったりと合い、それを聞いて朔桜が笑いだす。


「あはは! わかった! わかった! じゃあ仲直りして先に進もーね!」


まるで話を聞いていない朔桜。

あくまで我を通す気だ。


「朔桜……あなたも私に力を貸してくれるの?」


「もちろん! (てぃな)を自由にさせるためなら、いくらでも力を貸すよ!」


ティナの背中をトンと押し、朔桜の言葉を胸にティナがロードの方に向かい合う。


「……もっと手を抜いてあげればよかったわね。ボコボコに痛めつけてごめんなさい」


「こっちこそ。最初から最後までずっと舐めてて悪かったな」


空気が冷える。


「いいのよ、私も遊んでたし。これから少しだけ力を貸してあげる。

ステンを殺す時に足を引っ張らないでね」


「安心しろ。足手まといが二人いても俺一人でステンを追い込んで最後のとどめだけ譲ってやる」


更に空気が冷える。


「そう? 大丈夫? その作戦だとあなたすぐに死んじゃわない? 私は全然構わないけれど」


「問題ない。格下が無闇に手を出してくる方と気が散るからな」


更に更に空気が冷える。


「そう、それは楽しみね」


「ああ、朔桜の護衛はお前に任せたぞ」


「言われなくても」


最高に最悪な空気のなか、ロードとティナは互いの手を取り、二人は握手する。

ものすごく強い力で。

表面上の仲直りを見て満足した朔桜は二人の間に入り

両手で二人の手を引っ張り進み出すのだった。

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