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W×Ⅱorld gate ~ダブルワールドゲート~  作者: 白鷺
五章 残全生落 悪意の災
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十七話 対戦選別

ロードたち一行と敵対するのは、メサと黒いマントの四人。

全員人型で同じくらいの体型だ。


「四体の中に影野郎がいるかどうか、俺とノアが判断する!」


ロードの合図でノアも一緒に飛び出す。


壱頭両断(いっとうりょうだん)!」


雨の羽衣が長く伸び、横一線で斬りかかった。

だが、五人は飛び上がり、ノアの攻撃をかわす。

半端な相手ならば、今ので両断されている。

かわせたという事は、全員それなりの実力者だということだ。

だが、浮いた身体では次の攻撃は避けられない。


「紫電―咲花!」


ロードが唱えた咲花は雷が枝のように分かれて広がり敵を包囲する雷の上級魔術。

殺意は全開。当たればひとたまりもない。

黒マントの一人がそれを知ってか、咲花が広がる前にロードの手元に攻撃を放つ。


「くっ!」


ロードと異様な空気の流れで敵の攻撃を察し、かわす。

だが、ノアにはその攻撃が見えていない。


「気を付けろ、ノア。右端のあいつは風の能力者だ」


「りょーかい。そうえば、金属音聞こえた?」


「奴らが飛んだ時か?」


「そそ、左から二番目の奴は身体に金属の何か付けてるね」


ロードとノアが敵の情報を共有する最中に、間髪入れずシンシアが矢を放つ。


崩壊(ゼノバース)


煌めく星矢が周囲一帯を大爆発させた。


「ちっ、あの脳筋エルフ俺らも殺す気か!」


「わ~お! 一網打尽~」


ロードとノアはなんとかかわしたが“風神封縛帯(シドラスネメス)”の半分が綺麗に更地と化した。

残っているのは敵の背後、神錠(シンジョウ)が掛かった大岩から半分だけだ。


「ロード、聞こえているわよっ!

油断しないで、奴らまだ生きている」


シンシアの言葉通り、先頭に立つマントの男は身体を右に逸らし、左の手を振り下ろして佇んでいる。

後方の四人も全くの無傷。


「今の爆発を打ち消したのか。先頭の野郎は能力持ちだな」


ロードが警戒すると四人の黒マントたちは一斉に駆け出す。

交互に入り混じり、認知された互いの特徴を惑わすように入れ替わつつ迫る。


「ノア」


「へーき。全員覚えてる」


どんなに素早く入れ替わろうとノアの宝具【鵜の目鷹の目(うのめたかのめ)】は誤魔化せない。

一挙一動完璧に捉えている。


「風使い」


「左端」


「金属音」


「左二番目」


「能力持ち」


「右端」


「で、未判定が右二番っと」


ノアの指示に従い、ロードは風も魔術を唱える。


「風嵐―選別(せんべつ)


敵の目の前に竜巻を発生させ、四人を四方に散らす。

対魔術性の高い黒マントはズタズタに破れ、各々その正体を晒した。

一同は万全の準備で敵と対峙する。


「命令だ。お前ら、全員勝て。そして、誰一人として死ぬな」


全員はロードの言葉に同時に大声で応じた。

その様子を見て、頭を抱えた一人の魔人がロードの前に出る。


「“金有場(カナリバ)”も彼らも君のためにわざわざ用意した()だっていうのに……。どこまでも予定を崩してくれるね」


男は深々と溜息を漏らしどうしたものかと頭を掻く。


「お前の予定通りになんて動いてたまるか。

メサ・イングレイザ。お前はここでぶっ倒す」


ロードが対峙するは、魔人メサ・イングレイザ。

暗紅(あんこう)色の短髪に翠眼(すいがん)

薄白いシャツにズボン。

黄色のループタイ。

深緑色の半袖ジャケットとベルト。

グレーのブーツと爪のように鋭いストールを身体に巻いている。


「それはどうかな? ふっ……いいや、君の実力がどの程度なのか計ってあげるよ。来なよ、ロード・フォン・ディオス」


こうして、精霊界の命運を分ける戦いが幕を開けた。

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