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10-3

 エルダが家に帰ってから、グレイスはヴェルエに改めて話すべきか考えた。

 しかし、その前にヴェルエが話を始めた。


「グレイスが決めたなら、いいんじゃないか。確かに俺、そうなりたいとは思ったけど、今朝「家族」って言われて気づいたんだよ。それ以上にはなれない、って。それに、エルダなら信用出来るし、マスターだってエルダならグレイスをくれてやってもいいって言うだろうし」


「なんか、ごめんね、ヴェルエ」


「こっちこそ。でも、この件で俺は料理に目覚める事が出来たからな! これからもっと、グレイスに美味いって言ってもらえるように頑張る。〝聖竜〟としても、もちろんな」


 にか、っと笑んで、グレイスの頭をぐしゃぐしゃ撫でて。


「改めて、これからもよろしくな。グレイス」


「うん。よろしくね、ヴェルエ。頼りにしてる」


 グレイスはそう言って、ヴェルエと握手した。

 自分が選んだ事に間違いはなかった。

 こうして祝福してくれているような気がしたからだ。

 そして、改めてグレイス自身も〝聖竜使い〟としての気を引き締める事にする。


 ――お父さん、見ててね。私、立派な〝聖竜使い〟になるから。


 もう弱くない。

 一人じゃない。

 支えてくれる人も、ちゃんといる。

 だからもう、大丈夫だよ、お父さん。

 グレイスは心の中で、そう語りかけていた。

 確かに前途多難だと思う。

 けれど、グレイスにはもう不安はなかった。

 自分の道を、しっかり歩む事。

 それを一番願っていたのは、アドゥンだと感じた。


「お父さんの分まで、私は頑張るよ。お父さんに負けないように」


 グレイスの決意表明。

 一つ、成長したんだな、とヴェルエも、そこにいたレーヴェも思った。


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