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7.魔法のお菓子
全てが終わった日から、グレイスは自分の部屋に引きこもってしまった。
レーヴェとヴェルエは人の姿で生活し、グレイスが何とか立ち直ってくれないかと思案する毎日だった。
そっとしておいてほしい、と言われたのは事実だが、やはり心配である事には変わりなかった。
エルダも同じ気持ちで、グレイスの家に来てはグレイス本人に会おうとしたが、応答もなく、困っていた。
それに、エルダはあの日、グレイスの頬をぶったことを謝りたかった、という事もある。
ただ、グレイスは学院に顔を出す事もしなくなり、謝罪もままならない状態だった。
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