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同刻。
子供たちが囚われている部屋の窓から、カーマインは外の様子を伺っていた。
――〝あの子〟が、来た。
二匹の色の異なる竜。
そして、その背から降りた少女――というよりも、女性と言った方が正しいのか、そして青年の姿。
それを視認した瞬間、魔女の口元がにやりと上がる。
――この日を待ち焦がれていた。
窓の外から視線を外し、子供たちに視線を向ける。
そして、優しく、冷たい笑顔で、子供たちに言った。
「あなたたちが待ち焦がれていた〝聖竜使い〟さんが、あなたたちを助けに来てくれたわ」
カーマインは思いを巡らせていた。
彼らを殺した姿をあの子に見せれば、どれだけの絶望が見られるだろうか。
――〝聖竜使い〟を殺せる。こんな遊戯は、思いきり楽しまなければ。
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