小学生の夏。
ホント何にも考えてません。
初夏。夏先のこと、
ミーンミーンミンミンミンミー
蜩の鳴く、夏のこと。
蝉も毎日毎日よく鳴き続けるよな、全く忙しいよな。
そんなことを思いながらも外を眺めていた。
風鈴。
音に耳を傾け、暑さを凌ぐ。
リンリン
凌げない………
無駄に校庭に反射する光を細い腕で遮る。
暑い。
四年三組、教室にはクーラーが無く、光を遮るものもない。
密室にしたら熱中症の人が多々出てくるほど暑い。
キーンコーンカーンコーン
ノイズ混じりのチャイムが鳴る。
五時間目終了の合図だ。
やっと今日の授業が終わった。
授業が終わり達成感と、優越間、幸福間浸る。
それはもう一言叫びたいくらいだ。
地獄を見て天国を見るのはこのような感覚だろう。
思いながら帰宅準備を淡々と進める。と、そんなとき
「背中曲がってるぞ!!」
背中に聞き馴れた声と、激痛が走る。
「痛っ……またお前かぁ、翔ぅ。」
情けない声。
黒、青色が混ざり、青色の大きな瞳、神居 翔は、無邪気なまでの満面の笑みを露わにし、ニシシと笑った。
「いやー、最近の若者は腰が悪いそうじゃの~特に、神崎 夕などと言う若者わもう………」
「ケンカ売ってんの?」
睨み、言う夕。
神崎 夕。茶色の髪、茶色の瞳と、変わるところひとつも無い、普通の小学生。
「いや、別に………」
顔色は変えないが、動揺する翔。
翔は解かっていたのだ。夕とケンカをしても勝ち目がないことを。
神崎 夕、彼は小学2年生のころに、中学生の不良に勝ったという。あくまで噂だが、その噂が波立ほどケンカには強いのだ。
「それで?なんのようだ?」
ぶっきら棒に夕は言った。
「あ、そうそう!今日時間ある?あるんなら遊ぼうぜ‼」
「無理だ、時間も無ければ、気も起らない。」
「そう堅いこと言わずにさぁ、―――――――俺が誘えば久美も来るぞ?」
「どうでもいいな」
耳元で囁く翔に素っ気なく返した。
「またまた~気があるくせに」
「何言ってんの?ねぇよ。」
「そ、じゃぁ………」
すると、腕を組みそっぽを向くがその後すぐに新しいエサでも思いついた翔は夕の耳元で小さく言う。
「神無月も来るぞ?いいのか?」
夕は、「神無月」と言う単語を聞いた途端背筋が凍るのを感じた。
「かかか、神無月も来んの!?」
動揺、焦りを見せる夕に悪知恵でも働いたのか、ニヤリと不敵な笑みをこぼす。
「そうそう、神無月も来るんだよ?ビビった?」
「ッ!てめぇなんでそれを先に………」
首に手をかけ耳元で怒鳴る夕、そんなとき後ろから被せる様に、
「おーい!夕くーん!翔くーん!」
こちら二人の名前を呼ぶ高い声。
振り返ると、桃色の髪、黄色に光る瞳を持つ少女、神無月 唯
「か、神無月ッ」
慌てふためき夕はモジモジしはじめる。
「はい!何?夕君?」
顔を合わせまいと俯く僕の顔を覗く様に見入る神無月。
「え?あ、その、何でもありません!」
思いっきり話を切る夕を見て翔は、
うわ~こいつヘタレだ。と思っていた。
「そう?――――――んじゃ、公園行きましょうか!」
元気よく、気前よく彼女は言った。
テキトーに進めます。