勇者召喚、呼ばれた少年
はじめまして、おひさしぶりです。両方こんにちは東波です。
しばらくこれ一本だけ書きます。よろしくお願いします。批判は豆腐メンタルの作者が死亡するので完結までお控えください。
「ここ、は・・・?」
視界に映し出された石造りの壁や床が淡い蒼光を纏っている。辺り一面に広がるその光景は、まるで牢獄かなにかのようであり見るものを不安にさせる。
「ようこそ、異世界の者よ」
重厚な響きをもって低い男の声が反射する。姿は見えず、それがよりいっそう警戒心を煽り立てる。
「我は貴殿の召喚を命じた者であり、この国の国王である」
「え・・・?」
召喚されたのであろう少年は、突然の事態に理解が追いつかないようで、まるで狐に化かされたような顔をしている。
「魔法のない世界より来たのだ。仕方のないことであろう。だが、我が国には貴殿の力が必要なのだ」
「どういう、ことですか?」
「我が国は魔王に攻められておる。追い返し、追い詰め、討伐してほしい」
(テンプレな勇者召喚かな。こんなこと体験するなんて夢みたいだ)
幾分か落ち着きを取り戻した少年は、話を聞くためかその場に座り込む。どこか心地いい暖かさを感じ安心感を抱いた。
「貴殿は異世界より来たために魔法を扱う才はないが、気にすることはない。この世界のヒトには使えぬ異能を授けよう」
(勇者が魔法を使えないのは珍しいな)
「魔法とは、人は全員使えるものなのですか?」
少考して、まずは状況を判断しないと現状は打破できないと考えた。
「ヒトは使うことができるが、扱う才は個々人で違う」
「以前にも召喚された方がいらっしゃったのですか?」
「数百年前に十人ほど召喚されたようだ」
その言葉に少年は目を見張る。大人数が召喚されていたことが予想外だったからだ。
「帰ることは?」
「魔王の力の結晶があれば可能だ」
「勇者になると、どうなるのですか?」
「巫女と契約を交わし、神より授かりし異能を使うことができる。異世界の者はこの力が世界の者と比べ格段に強い」
(断ることは不可能かな。異能を貰わないと一般人にも劣るみたいだし・・・召喚で自動チートとかなかったのかな?でもこれが現実だとしたら・・・)
「わかりました。私は、勇者になります」
少年が立ち上がりながら宣言する。山峰啓太、十七歳。勇者になりました。